標野凪のレビュー一覧
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喫茶ドードーの店主そろりと、店を訪れる5人の女性の物語。
5人の女性はそれぞれに職種も抱えた事情も異なり、それぞれに悩みながら店を訪れる。
昭和的な考えの上司同僚に悩まされていたり、社会(/会社)における性差に悩まされていたりなど、語り口やストーリーは穏やかながらも社会問題に触れようとしていた点がよかった。
ただ提起した社会問題に対する答えが弱く、また5人の女性の視点をランダムに移動しながら話が進むため「この女性はとんな人だったっけ」と考えながら読まねばならず、物語に入り込めず、混乱し、落ち着いて読めないのは残念であった。
上記のせいでせっかくの喫茶ドードーの設定が上手く生かしきれておらず、読 -
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「喫茶ドードー」シリーズ 第3弾
コロナ禍が少し落ち着いてきた頃の話。
社会や個人の常識や価値観が変わってきた頃。
「喫茶ドードー」常連のむつこを含めた5人の女性が、それぞれの環境で、悩みやモヤモヤした気持ちを抱えて生きている。それらは、不安や嫉妬だけでなく、名前もついていないような気持ち達。
最初は、そのどうにもならないような気持ちの閉塞感が、読んでいて少し苦しかった。
なんかソロリさんまで悩んでいるような、、、。
でも、いつもの「あなたをいたわるメニュー」に癒され、それぞれが少しづつ顔を上げて前に進んでいく姿にホッとしました。
ソロリさんも笑顔で良かった。 -
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ネタバレ【あらすじ】
おひとりさま専用カフェ喫茶ドードーでは、店主のそろりが美味しい「あなたをいたわるメニュー」をご用意してお待ちしております。
『ひとりで過ごすことは、孤独で寂しいことではない。自らに問いかけ、思考を整理し、誰の評価軸でもないところで心と向き合う。とても豊かなことだ。』
『問題やストレスをなくすことは難しい。だからいくつもの選択肢や価値観を俯瞰できる大らかさをもって、社会という広い海をゆるやかに泳いでいきたい。』
『楽することは手を抜くことだと自らを戒めていた。自分が決めつけた価値観で苦しんでいたことを思い知る。』
【個人的な感想】
1人旅や1人カフェが好きなので、喫茶ドード -
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1週間ほど前のこと、あの「喫茶ドードー」が実在する、というFacebookでの投稿を見て、未知だったこの作品を知りました。くだんの喫茶店は名前が同じなだけでこの作品のモデルではありませんが自宅から車で1時間ほど、と距離はありますが行けないこともない、たまに訪ねる民芸館のそばにある素敵な喫茶店でした。
閑話休題。
作品中の「喫茶ドードー」はおひとりさま専用の喫茶店。 おひとりさま、に惹かれるさまざまな理由を抱えた女性たちが訪れ、その時々のメニューで第一話から第五話までのタイトルになっている「キミが正解のオムレツ」「傷つかないポタージュ」「時を戻すアヒージョ」「自信が持てるあんバタートースト」を -
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喫茶ドードーシリーズが遂に終わりを迎えたのかな、と。今回は一人一人の物語が1章ずつに分かれているのではなく、1章の中で何人かの女性が出てきてそのローテーションという形でした。その分、若干の読みづらさもありました。
ですが、最初からこのシリーズを読んでいる身からすると睦子さんについてより深堀されたりするのがとても良かったです。全体的にふわっとした曖昧なテーマを元に作られていて、それもまた新鮮で面白かったです。
ただ、今回は料理の由来やタイトルについて絡める話が従来に比べ少なく、人間同士の対話や心情が多く、最後にあえて違うテイストにしたのかなと思いました。 -
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ネタバレ猫好きだし、好きな作者が含まれいたので。
好きな作者、若竹七海の「神様のウインク」は
文字通り沈みつつある公団に住む中学生の話。
幼い頃の火傷の痕が顔にある少年は、
母親はいるが顔を合わせてもらえず、
母親に代わって祖母の面倒をみるヤングケアラー。
その相方は、
そんな火傷の痕なんて大したことないと言って、
父親によるたばこの痕で水玉模様になった尻を見せた同級生。
相変わらずひりりとした話で、かつミステリー仕立てで面白かった。
他の作者は全くチェックしておらず期待もしていなかったが、
「オロロ畑でつかまえて」の作者はYouTubeでバズった猫の秘密、
「ある日、あひるバス」の作者は四代に渡