あらすじ
25万部突破!ベストセラー「喫茶ドードー」シリーズの標野凪が贈る、二十四節気のショートショート
「甘い香りにくるまって、心ゆくまで眠ってしまおう」
今日もおつかれさまでした。
やさしい季節が心をめぐる、とっておきの物語をあなたに。
(著者より)
心もからだも冷え冷えする夜には、この本を携え、冬眠族の巣穴にすとんと落ちてください。
そんな冬ごもりのおともに、と24の小さな物語を書きました。
日常の延長にある、ほんの少しだけ不思議な世界で繰り広げられるお話を、
季節を繰るようにゆったり楽しんでいただけますと嬉しいです。
どこかにあなたがいる、やもしれません。
感情タグBEST3
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啓蟄ー働き蜂
子どもが欲しいからと結婚を焦ったり、不妊治療に励む知人や同僚を見るたびに、そこまでして欲しいものなのか、と首を捻り、自分はなにかが欠けているのではないか、とすら思えた。母性なのか、生命力なのか、そういう類のなにかだ。
それは、自らの子孫は残す必要のない働き蜂や蟻と似ているかもしれない。
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心温まるショートストーリー集でした。この時期(冬)におすすめです。「喫茶ドードーシリーズ」で好きになった標野凪さんですが、こちらの短編集もまた毛色が違って楽しめました。主人公が人間じゃないのもいて?笑 ん?となりましたが、それも想像力を膨らませながら楽しめました。
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⭐️冬眠族の棲む穴
ほっこり系の標野さんと思いきや、ビターな標野さんも顔を出した。二十四節気にちなんだショートストーリー。秋分「月見寺」、立冬「真っ赤な果実」、大雪「冬眠族の棲む穴」、大寒「極寒の修行者」が好み。アップルパイを食べて、元気を出そう!
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二十四節気に合わせたショートストーリー。
最初は不思議は話が多くて首をかしげながら読んでいたけど、冬の話は共感出来るものが多かった。
「赤い実の果実」
まさしく同じことで悩んでいるんだよなぁ(^^;)
日常の不安はあらゆるところに転がっている、起こりもしないことで悩んでいても仕方ない、納得して選択したほうを正しかったと思って歩むしかない、全く同じに見える毎日も見方を変えれば新たな発見がある。
あるあるすぎる。わかっているようでそれでも悩んだりクヨクヨしちゃうんだよね…。
「けれどももし間違ったと思ったら、引き返せばいいじゃないですか。道は長く、続いていて、そしてどこかで繋がっているのですからね」
そう…見えなくても繋がっているからこそ、出来ること・やりたいことをコツコツやっていきたい。良いことも悪いことも、やったことは繋がっていくと思うから。。
「ピンク色の袋」
わかる…。私もかつて仕事中心みたいな生活だったこともあったし、今は育休明けで必要とされてない人間だと思ってしまってるから、わかる…。
「大切にされている人間」がいかに自分の置かれてる立場によって見方が変わってしまうか…。
広い視野で見ることが大事だよね。でもなかなか出来ないのよね…。
「マダムの時計」
素敵なお話。一陽来復っていいよね。
「かそけきもの」
日常の中の素敵な瞬間は見逃してしまうくらい本当にあっという間にこぼれ落ちていく。
そういうものを大切に出来る気持ちと余裕がほしいね。
「大切なるは、恋でも仕事でもなく、おだやかなる日々とおのれなり。そのほかの事柄は、さしてもないさまつなことなり。」
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日常の延長のような、ほんの少し不思議なような世界を季節とともに巡る短編集。お話のテイストも様々で、癒されたりワクワクしたりとひとつひとつの物語を楽しめた。「霜降」のお話が好きだった。
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SFなのか、歳時記なのかちょっとわからない。
箱入り娘の話は2回読んだが理解できなかった。
二十四節気なのでもっと季節や食べ物に触れて欲しかったです。
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二十四節気のショートショート。
季節を感じながら短いお話を楽しめる。
柔らかな春からピリッとした厳しめの夏、ざわつきを感じる秋に迷いながらの冬といった感じの印象を受けた。
24の中から特に気に入った2つのショートは、
大雪:冬眠族の棲む穴
『一日一個のりんごは医者いらず』なのね。
『焼きりんごの中にいる』〜すごく疲れている
『りんごの中に落ちる』〜気を失う
穴に入って休息したいと思ってしまった。
冬至:マダムの時計
時計はストレスに弱いの。人間も一緒ね。
一陽来復と言って、冬至は一年の底。この日を境に陽気が上がっていくこと。
事態にも底がある。底に来てしまえば、あとは上がるしかない。
そう、何事も底で終わらせたくないね。
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季節の二十四節気をテーマにした章タイトルの短編集で不思議感のあるノスタルジーなファンタジーっぽいお話たち。どのお話も季節感を醸し出しつつ不思議な雰囲気を盛り込んだ今までに経験のないちょっと味わったことのない不思議な世界観。想像に想像を重ねても掴み切れない感があってそこもまた面白かったです!(^_^)唯一無二の世界観かも…。
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一話がとても短く内容も抽象的でぼんやりした感じがするためかつまらないわけでは決してないのに印象に残らない。
次の物語に移ると前の話はすっかり忘れてしまうのが本当に勿体ないなと思った。
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春夏秋冬、四季折々の風や雲そして空の色が目に浮かぶ短編集だった。表題になっている 冬眠族の棲む穴が面白かった。人間もりんごだけを食べ冬眠できたら良かったのに。ファンタジーの要素を持たせつつブラックな部分もある話や見方を変えるとこんな風に見えるよと教えてくれる話。最後の話はそんなもんだからまぁ大丈夫だよと思わせてくれた。
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旧暦の季節を表す二十四節気をモチーフに綴られたショートショート。小ぶりの本です。
季節の言葉を落としこんだ物語は、短い文章にもかかわらず、優しい気持ちなれたり、意外な結末だったりと飽きずにするすると読めました。
お気に入りは
雨水〈うすい〉水生生物
小満〈しょうまん〉憂鬱の果実
処暑〈しょしょ〉朝の風景
霜降〈そうこう〉木枯らしと紅葉
立冬〈りっとう〉真っ赤な果実
大雪〈たいせつ〉冬眠族の棲む穴
最後に一言。
冬眠族に私もなりたいです。
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内容紹介と著者の言葉どおり、本当に短い文章が24節気に合わせて書かれいて、とても読みやすい作品です。
私が衝撃を受けたのが、「処暑 朝の風景」
読んでいて、自分の意識の中にある差別の実情を思い知らされました。気づかずにいる自分に身震いしました。
そして印象に残ったのが「大雪 冬眠族の棲む穴」
まさに私がこの冬眠族だと感じた作品です。
寒さが厳しくて、ベッドから出たくない朝に手頃な大きさと作品の長さに今の私にぴったりでした。
Posted by ブクログ
ちょっと変わった短編集。
頭の片隅をふっとよぎって消えて行く感情…
選ばなかったこちらを選んでいたらどうだったのだろう?…
などとふと思うことを文章にしたという風に感じました。
読んでいると、『あ、こういうこと思っていた時、私にもあったな』と感じる時もあり、なんとも不思議な気持ちになりました。
Posted by ブクログ
ちょっと、想像してたよりもブラックというか世にも奇妙な物語みたいだった。
もっとほんわかする話を期待していたので拍子抜け。
とはいえバラエティに富んでおりなかなかよかった。