標野凪のレビュー一覧
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『キャフェ チェリー・ブラッサム』の庭で枝を広げている古い大木のヤマザクラが、静かに語りはじめます。
祖母の八重が始めた宿から、その娘櫻子が洋食レストランへと業態を変え、さらにその娘の緋桜がキャフェの支配人として、この古いお屋敷のあとを継いでいます。
『キャフェ チェリー・ブラッサム』で出されるのは、お茶と和菓子。
物語にはとてもゆったりとした空気が流れています。
移ろいゆく季節の中で淡々とルーティンをこなす様子を、年老いたヤマザクラの目線が優しく、キャフェに集まる人々の人生を温かく見守っているよう。
自分の進むべき道に、時に迷うけれど、人はみな知らないうちに支え合って生きているのです。
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ネタバレ住宅地の奥でひっそりと営業している、お一人様専用カフェ「喫茶ドードー」。ここには、悩みを抱えた人が訪れます。そんな人たちに店主そろりが悩みに効くメニューを用意してくれます。
カフェというスポットは、ひと息つくことができる。それは人生の疲れ、仕事の疲れ、SNS疲れ、など様々な悩みを癒してくれる。
「自分も仕事の進退に一喜一憂しすぎて、人生を大切にできてないかも…」
そんなときこそ、
一杯の珈琲と美味しいご飯で心身ともに休める事が大事だと気が付かされた。
自分は、カフェによく行くので、
心休められる自分の好きな居場所となりうる
カフェを見つけたい。
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作家さんによって味わいが色々で楽しい。
近藤史恵さん、冬森灯さんの作品が特別好きでした。
「ひめくり小鍋」冬森灯
冬森さんらしい心に小さな明かりが灯るような温かな読後感。クスリとなるシーンもあって楽しく元気をもらえました。
私には絶大な安心感のある著者です。
「ペンション・ワケアッテの夜食」八木沢里志
不器用なペンションオーナー夫妻が好ましい。夜食を食べるシーンは、捕らわれていた苦しさからの解放感と安心感に包まれました。ハッとするシーンや、じんわり染みるストーリーがいい。
「正しくないラーメン」近藤史恵
料理研究家の苦悩を描いた本作が断トツに好きでした!!食べ物描写も美味しそうだし、スト -
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自分がいけなかったんだ、って決めつけるのは楽な解決方法かもしれませんけれど…でももったいないです。
規格外だから、伝えられる想いがあるんですね。
どういう形がふさわしいか、なんて決まりはないんです。
だからあなたが未弥さんのことを想ってしてあげたことなら、それがあなたたちの物語の答えです。
あの時、窓から見た景色のことを覚えているか?
月が輝いていたよな。
それを見て、ああ、綺麗だって思えたけど、おまえと一緒に眺めていたから、それが伝えられたんだし、より綺麗に感じたのさ。
友達ってそういう存在だよな。
好き嫌いは誰でもありますよ。
物事にはちゃんと理由があって、答えは意外と簡単なのに -
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「喫茶ドードー」シリーズ第3弾!
悩める人の憩いの場所、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」を舞台に繰り広げられる4人の女性の人生模様。
それぞれが異なる環境や職業にあって、やりきれないモヤモヤした気持ちをもて余しています。
ひっそりと静かなお店の佇まいに、好奇心を刺激する一風変わったメニュー。
店主・そろりさんとの心地よい距離感と交わされる会話に癒される。
押し付けがましくないちょっとした一言、さりげない感じがいい。
特に好きだったのは
「やりきれない気持ちに蓋をするカスタードプリン」
私もよく一人で色々考えてしまってグルグルしてしまうので……
本作でも料理とあわせて、いい言葉に出会