標野凪のレビュー一覧
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『キャフェ チェリー・ブラッサム』の庭で枝を広げている古い大木のヤマザクラが、静かに語りはじめます。
祖母の八重が始めた宿から、その娘櫻子が洋食レストランへと業態を変え、さらにその娘の緋桜がキャフェの支配人として、この古いお屋敷のあとを継いでいます。
『キャフェ チェリー・ブラッサム』で出されるのは、お茶と和菓子。
物語にはとてもゆったりとした空気が流れています。
移ろいゆく季節の中で淡々とルーティンをこなす様子を、年老いたヤマザクラの目線が優しく、キャフェに集まる人々の人生を温かく見守っているよう。
自分の進むべき道に、時に迷うけれど、人はみな知らないうちに支え合って生きているのです。
少し立ち止まって人生を見つめ直したくなるような優しい物語です。 -
Posted by ブクログ
作家さんによって味わいが色々で楽しい。
近藤史恵さん、冬森灯さんの作品が特別好きでした。
「ひめくり小鍋」冬森灯
冬森さんらしい心に小さな明かりが灯るような温かな読後感。クスリとなるシーンもあって楽しく元気をもらえました。
私には絶大な安心感のある著者です。
「ペンション・ワケアッテの夜食」八木沢里志
不器用なペンションオーナー夫妻が好ましい。夜食を食べるシーンは、捕らわれていた苦しさからの解放感と安心感に包まれました。ハッとするシーンや、じんわり染みるストーリーがいい。
「正しくないラーメン」近藤史恵
料理研究家の苦悩を描いた本作が断トツに好きでした!!食べ物描写も美味しそうだし、ストーリーも心理描写もすべてに、「これでもか」という位心をくすぐられました。夫の優しいまなざしに幸せな気持ちになった。
近藤史恵さん、さすがとしか言いようがない。
切なさと寂しさ懐かしさを感じたり、他作品とは一味違う見事な展開に唸らされたり。
友人たちとの深夜のファミレス「なる褒めの夜食会」が最高でした。
満足度の高い短編集。
私には馴染みの作家さんばかりで贅沢な1冊でした。 -
Posted by ブクログ
自分がいけなかったんだ、って決めつけるのは楽な解決方法かもしれませんけれど…でももったいないです。
規格外だから、伝えられる想いがあるんですね。
どういう形がふさわしいか、なんて決まりはないんです。
だからあなたが未弥さんのことを想ってしてあげたことなら、それがあなたたちの物語の答えです。
あの時、窓から見た景色のことを覚えているか?
月が輝いていたよな。
それを見て、ああ、綺麗だって思えたけど、おまえと一緒に眺めていたから、それが伝えられたんだし、より綺麗に感じたのさ。
友達ってそういう存在だよな。
好き嫌いは誰でもありますよ。
物事にはちゃんと理由があって、答えは意外と簡単なのに、と俺はおせっかいながら忠告したくなる。
誰かが助けてくれるのを待つよりも、自分で立ち上がれる強さを持てたほうが、ずっと魅力的ですよね。
どの結末が好きかは人それぞれです。
誰かに助けてもらう生き方も、自分で立ち向かう強さを持つ生き方もある。
無数にある中から、紬ちゃんなりの生き方がきっと見つかるはずです。
そんな愉快なゴールに向かって歩んでください。
生まれ持った個性、それは自分だけのかけがえないもの。
他の誰も真似できないオリジナルだ。
それを他人と比較して憂うのか、それとも面白がるのか、それは自分次第なのだ。
こうだ、って思い込んでしまうのは残念ですよ。
あなたの相方はたくさんいるじゃないですか。
一人じゃできないことも、二人ならできる。
それを相方さんは待っているはずですよ。
不恰好だって不揃いだってね、おいしければいいよね。
忙しいから、仕事量が多いから、と効率や簡単にゴールに導くことばかりに目がいっていては、決して心に届くものなんて作れない。
バリアフリーとかダイバーシティーとか言葉ではうまいこと言うけれど、本当に困っている相手のことを考えているかな、と疑問に思うことはありませんか?