標野凪のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
丘の上にある博物館は、少し変わったものが展示されている。
それは、役目を終えて必要とされないものや誰かの失われたものたちだが、その人にとっては大切な記憶の欠片である。
みんなから『別れの博物館』と呼ばれるこの博物館で働くカケスは、数字や計算が苦手でディスカリキュアの障害がある。
だが、この博物館に持ち込まれた「物」の声が聞こえる特殊な能力を持っている。
収蔵番号【一】 館長の〈数〉
収蔵番号【二】喫茶店に飾られていた〈額〉
収蔵番号【三】帽子作家の〈針〉
収蔵番号【四】手話ボランティアの〈耳〉
収蔵番号【五】数学教師の〈名〉
もうひとつの収蔵番号ー着られることのない〈服〉
帽子作家の自分の引き際を感じたときや手話ボランティアの人生の終わりに向かう恐怖というのが、とても身近に感じた。(つい最近、職場の同僚が白内障の診断を受けて悩んでいたので…)
次第に衰えていく自分を正面から受け入れることができずに手放すということは、残酷なほどに辛いことだろうと思った。
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Posted by ブクログ
舞台は過去の思い出と記憶を収蔵する、別れの博物館。館長のカケスはディスカリキュア(算数障害)で、物の声を聞くことができます。
別れの博物館に持ち込まれた「物」たちの語りは、静かに持ち主の人生を語っていました。その語りの間に、文体を変えてカケス自身が博物館に預けた〈数〉についての出来事が綴られていました。
物が語る持ち主の人生と、博物館へ持ち込まれたいきさつは、興味深かったです。同じくらいカケスが計算で苦労したことが綴られていましたが、今は向き合える色々な方法があることを知りました。これが、なかなかおもしろかったです。
「物」を思う気持ちは、きちんとその「物」に伝わっているのかも、と思わせてくれた小説でした。
〈目次〉
・プロローグ
・収蔵番号【一】朝日さす夕日かがやく丘の〈数〉
・収蔵番号【ニ】あけぼのに照らされる〈額〉
・収蔵番号【三】太陽が高くのぼった日の〈針〉
・収蔵番号【四】彼岸花が咲く裏庭に臨む〈耳〉
・収蔵番号【五】冷たい雨の匂いを纏った〈名〉
・もう一つの収蔵番号【一】長い夜を徹して語る〈服〉
・エピローグ
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Posted by ブクログ
二十四節気に合わせたショートストーリー。
最初は不思議は話が多くて首をかしげながら読んでいたけど、冬の話は共感出来るものが多かった。
「赤い実の果実」
まさしく同じことで悩んでいるんだよなぁ(^^;)
日常の不安はあらゆるところに転がっている、起こりもしないことで悩んでいても仕方ない、納得して選択したほうを正しかったと思って歩むしかない、全く同じに見える毎日も見方を変えれば新たな発見がある。
あるあるすぎる。わかっているようでそれでも悩んだりクヨクヨしちゃうんだよね…。
「けれどももし間違ったと思ったら、引き返せばいいじゃないですか。道は長く、続いていて、そしてどこかで繋がっているのですからね」
そう…見えなくても繋がっているからこそ、出来ること・やりたいことをコツコツやっていきたい。良いことも悪いことも、やったことは繋がっていくと思うから。。
「ピンク色の袋」
わかる…。私もかつて仕事中心みたいな生活だったこともあったし、今は育休明けで必要とされてない人間だと思ってしまってるから、わかる…。
「大切にされている人間」がいかに自分の置かれてる立場によって見方が変わってしまうか…。
広い視野で見ることが大事だよね。でもなかなか出来ないのよね…。
「マダムの時計」
素敵なお話。一陽来復っていいよね。
「かそけきもの」
日常の中の素敵な瞬間は見逃してしまうくらい本当にあっという間にこぼれ落ちていく。
そういうものを大切に出来る気持ちと余裕がほしいね。
「大切なるは、恋でも仕事でもなく、おだやかなる日々とおのれなり。そのほかの事柄は、さしてもないさまつなことなり。」