あらすじ
札幌にある『本のない、絵本屋クッタラ』はインクブルーの三角屋根が目印の、店主・広田奏と共同経営の八木が切り盛りする本屋兼カフェ。メニューは季節のスープセットとコーヒーのみだが、育児に悩んだり、自分の今の立ち位置に迷った客が今日もやってくる。名の通り店に本はないが、奏は静かに耳を傾けると、後日悩みに寄り添う絵本をそっと差し出す。それは時に温かく、時に一読しただけではわからない秘密をもっていて……。
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Posted by ブクログ
小説を読んでいる最中から、この話に出てくる絵本を読みたくてしょうがなくなる。
そして、こんなお店があったら、是非とも行きたいな!
美味しいスープをゆっくりと味わい、その人にあった悩みに沿った絵本。処方箋を出してもらう感じの。
心に残った内容
⚫︎生まれ持った個性、それは自分だけのかけがえのないもの。他の誰も真似できないオリジナルだ。
それを他人と比較して憂うのか、それとも面白がるのか。それは自分次第なのだ。
⚫︎しっかり噛んで何度も戻す。
そういう積み重ねが大切なんじゃないの?
Posted by ブクログ
店主の広田奏と共同経営の八木が営むのは本屋兼カフェ。
メニューは季節のスープとコーヒー。作家さんは現役カフェ店主だけあって料理の場面がリアルでとても美味しそう。
本屋だけどお店に本は置いてなく、お客が望む内容にあわせて店主が絵本を探す。
出てくる絵本は実際にある絵本で、どれも読んでみたい。
ふんわりやわらかく優しい気持ちになるお話。
でも八木の正体に『やられたぁー』、『クッタラ』ってそういう意味だったのかぁー。
先入観って怖い。。
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こんな看板が出ていたらきっと、私も入ります。
絵本は今でも時々読みます。
いちばん最初に読んだ記憶があるのは、(自分でめくって)「青い鳥」
こちらのカフェで、自分のための絵本を選んでもらいたい‥‥
そんな素敵な本でした。
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優しいお話だった。
誰かに何かをしてあげるって
簡単そうで,、そんなに簡単じゃない。
それをスープと絵本にしてあげ続ける奏さんは、素敵な人だと思う。
最後には奏さんのお話もわかって、もっと好きになった。
やぎくんと仲良く続けてほしいなー。
先生の存在も、彼女さんの存在も大切なんだな。
Posted by ブクログ
やっとこの作者の良いところしか詰まってない作品に出会えたと感じた
ただ、また動物かい!しかもヤギかい!とは思ったけれど、まあまあ……。
紹介してくれる絵本も実在するのもで、あーこの絵本知ってるーや、見てみたいなあと思いました
絵本の紹介の仕方も素敵でした
満足です
Posted by ブクログ
本とスープが大好きなのと、装丁が素敵だったので手に取りました。
絵本は大人になってからきちんと読むことがありませんでした。
しかし本書の中に出てくる絵本は大人も楽しめるようなものばかり。
絵本は子どもに教訓を伝えたり、感覚や情緒を育んだりするためのものと思っていましたが、悩みを抱えた大人の救いにもなるものなんだなと感じました。
大人になるにつれて主観的に物事を見てしまいがちですが、子どもに戻ったかのようなピュアな気持ちで、物の見方を変えるのも大事なことだなと思いました。
本屋さんの絵本コーナーに行って、自分のお気に入りの絵本を見つけたくなりました。
Posted by ブクログ
喫茶ドードーシリーズで、標野凪ワールドが大好きになったのでこちらも手に取りました。
絵本屋クッタラを経営している店主の相棒「八木くん」
この本を読んだ皆さん、きっと好きになることでしょう。彼にめちゃくちゃ癒されました。ただの共同経営者ではないんですよね。ぜひ読んでみてほしいです!
絵本屋クッタラは、店主が持っている知識や観察力と、八木くんから得たヒントを合わせて、お客様の悩みに寄り添う絵本を見つけてくれる本屋さん。季節を味わえるスープであたたまれるのも最高です。
悩みって誰かに聞いてもらうだけでも、少しは楽になるし、自分の中が整理することができるけど、そこに絵本が加わると、純粋に物語の世界を楽しみながら、自分を客観視することで、なにか"気づき"が生まれるんやろなあと思いました。
ずっと絵本屋クッタラの物語をみていたい。
続編をたのしみに待ちます。
Posted by ブクログ
2024年8冊目
「心が丸くなるスープ」でのこどもが取っている行動の意味も理解せずに、頑なに自分の価値観を基準にしようとしている母親…にドキリとした。こどもが小さい頃はこの価値観にがんじがらめになって苦しかった事を思い出した。
一方通行な考えも、もしかしたら別の見方もでき、見方を変えれば人生ってどんどん広がっていくのだと絵本は教えてくれる…。絵本、すごいじゃないか!!!
久しぶりに小4の息子に寝る前に絵本を読んでみた。絵本を読んでもらったから良く眠れたよ〜と次の朝に伝えてくれた。読書よりもゲームとユーチューブに夢中な息子。
本好きになるには、この時間がなによりも大切だったんだなと改めて気付かされた1冊。
Posted by ブクログ
自分がいけなかったんだ、って決めつけるのは楽な解決方法かもしれませんけれど…でももったいないです。
規格外だから、伝えられる想いがあるんですね。
どういう形がふさわしいか、なんて決まりはないんです。
だからあなたが未弥さんのことを想ってしてあげたことなら、それがあなたたちの物語の答えです。
あの時、窓から見た景色のことを覚えているか?
月が輝いていたよな。
それを見て、ああ、綺麗だって思えたけど、おまえと一緒に眺めていたから、それが伝えられたんだし、より綺麗に感じたのさ。
友達ってそういう存在だよな。
好き嫌いは誰でもありますよ。
物事にはちゃんと理由があって、答えは意外と簡単なのに、と俺はおせっかいながら忠告したくなる。
誰かが助けてくれるのを待つよりも、自分で立ち上がれる強さを持てたほうが、ずっと魅力的ですよね。
どの結末が好きかは人それぞれです。
誰かに助けてもらう生き方も、自分で立ち向かう強さを持つ生き方もある。
無数にある中から、紬ちゃんなりの生き方がきっと見つかるはずです。
そんな愉快なゴールに向かって歩んでください。
生まれ持った個性、それは自分だけのかけがえないもの。
他の誰も真似できないオリジナルだ。
それを他人と比較して憂うのか、それとも面白がるのか、それは自分次第なのだ。
こうだ、って思い込んでしまうのは残念ですよ。
あなたの相方はたくさんいるじゃないですか。
一人じゃできないことも、二人ならできる。
それを相方さんは待っているはずですよ。
不恰好だって不揃いだってね、おいしければいいよね。
忙しいから、仕事量が多いから、と効率や簡単にゴールに導くことばかりに目がいっていては、決して心に届くものなんて作れない。
バリアフリーとかダイバーシティーとか言葉ではうまいこと言うけれど、本当に困っている相手のことを考えているかな、と疑問に思うことはありませんか?
Posted by ブクログ
絵本がすきなので、実際にある絵本が物語に登場してとても興味深かった。
悩みを聞いてくれて、美味しいスープが食べられて、気付きを与えてくれる絵本を探してくれる、こんなお店があったらいいなと思う。
見方を変えると悩みと思っていたこともポジティブなことに変わることもある。
八木くんがいい味だしてる笑
Posted by ブクログ
受け取るものが一人ひとり違ったとしても、文字や文章は変わらずにそこにある。
それもまた本のいいところ
短絡的にそれはこうだからこうだよね、って言っちゃいたくなるけど、悩んでたり迷ってたりする人がそれをわかってないわけじゃない。大抵指摘されたら頑なになる。
そこを、本を通して、こういうこともあるよねと、遠回りに寄り添ってくれるやさしさは、うれしくなる。
その思い出は生きて行く心の支えの一つになると思う
ピンクにできるスープ飲んでみたい
Posted by ブクログ
絵本のない本屋兼カフェ。
共同経営者の八木☺️
本が置いてない理由にクスッとできる。
訪れる客の話を聴いて、あなたがお探しの御本を見つけてくれるお店「クッタラ」。
絵本のかたちにそんな意味があるんだ。
本質は見た目や行動ではわからない。表層だけで判断し、こうだと決めつけることのなんと多いことか。
ネガとポジ。くるりとひっくり返せば、同じことだってネガティブになったりポジティブになったりする。
出てくるスープも身体に沁みそう♪
良い1冊でした。
Posted by ブクログ
ほっこりするような本を探していたときに、表紙からそんな雰囲気が伝わってきたので、読んでみました。スープも美味しそうで、私もいつか行ってみたいと思いました。周りで悩んでいる人がいたら、この本を薦めるのもいいなと感じました。
Posted by ブクログ
美味しい季節のスープとその客に合う絵本を提供してくれる『本のない、絵本屋クッタラ』。本屋なのに本がない謎のカギを握っている店主の相棒の存在がチャーミングで良い。美味しそうな季節のスープと登場する面白そうな絵本に心が躍る。
Posted by ブクログ
この作者の「今宵も喫茶ドードーのキッチンで」を前に読んで、他の作品も読んでみたくなり手に取った。
絵本屋で出されるスープもおいしそうだし、わたしの悩みに効く絵本も選んで欲しい。
どんな絵本が処方されるのか楽しみ。
最後に絵本屋の店名「クッタラ」の意味もなるほどな、って感じだった。
Posted by ブクログ
本を置かない本屋兼カフェで、聞き上手な広田店主と何やら秘密がある共同経営の八木さんが来店客の悩みに寄り添う絵本を選書してくれる『本のない、絵本屋クッタラ』。
何度も開きたくなるような選書のセンスと季節の野菜を使用したスープが疲れた心に優しく寄り添ってくれます。
スープのレシピも作中に紹介されているので、作ってみようと思います。
久しぶりにじっくり絵本読みたくなりました。
Posted by ブクログ
生まれ持った個性、それは自分のかけがえのないもの。他の誰も真似できないオリジナルだ。
それを他人と比較して憂うのか、面白がるのか、それは自分次第なのだ。
くるりとひっくり返せば、同じことだってネガティブになったりポジティブになったりするってことです。
ひとつの色や特性にこだわる必要はないんじゃないですか。可能性は無限大なんですから
こうだって思い込んでしまうのは残念ですよ
考えが一方通行になってしまいますから。でももしかしたら別の見方があるんじゃないかな、そうすると新しい道が開いたりすることもあるのです。
泥臭くったっていいじゃない。そういうの嫌いじゃないよ。地道に一歩一歩だよ。
地道な努力ことがおいしさへの近道なんです。同じ繰り返しがいつか実を結ぶ。
頭であれこれ考えるよりも、大切なことはもっとシンプルなところにあるのかもしれない。
スープが飲みたくなって、八木くんにあってみたくて、絵本が読みたくなって、スープを飲んだ時のように心が温まる素敵なお話
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札幌市内でヤギを飼ったり、豊平川河川敷を散歩したり、、、は現実にはムリだろうけど、メルヘンな物語として楽しみました。共同経営者が八木って。わかった瞬間1章を軽く読み直してしまいました。
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面白い本屋さん。楽しかった!
印象に残った言葉
①「自分がいけなかったんだ、って決めつけるのは楽な解決方法かもしれませんけれど、でももったいないです」
②「こうだ、って思い込んでしまうのは残念ですよ」
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奏と八木が共同経営する一風変わった絵本カフェ。
季節の素材を使ったスープと、お客様にふさわしい絵本を探し出すのが売り。
八木の自由気ままさが奏の癒しとなり、絵本を探し出すアイデアも生まれる。とても良いコンビ。
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読み始めて「共同経営者は、もしかして幽霊?!」と思ったら全然違いました。
美味しそうなスープが出てくる絵本屋。
本当にあったら行ってみたいお店です。
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先日、都内で雪が降りました。 寒かったぁ。。。
春は、足踏みしながら、少しずつ、近づいて、来るんですね。
この小説の舞台は、北の大地 北海道の札幌市です。
テレビや新聞では、お花見のニュースが報じられていますが、ここにはまだ雪が溶け残っています。
市内を南北にわたって流れる豊平川を取水する創成川。
そのほとりから東に一本入ったところに、八木(やぎ)が友人の広田奏(ひろた かなで)と運営しているお店があります。
お店の名前は『絵本屋クッタラ』です。
でも、、店内に絵本はありませんw
そのかわり(?)、この店には、スープがあります。旬の地元野菜を使っていて、なかなか美味しいのです♡
ほらほら、お客さんがやって来ましたよ。
ベージュのショート丈のトレンチコートを着た三十代半ばくらいの女性です。
このお客さんは、最近、親友さんを病気で亡くしました。。。
寂しくて、悲しみから抜け出せなくて、、、店の前の看板を見て扉を開けたのです。
実は、看板には、
『あなたの悩みに効く御本をお探しします』と書かれています。
八木くんと奏くんは、本を探すために女性から話を訊くことにしました。
女性には温かいスープが出されました。今日のスープは「かぶのスープ」です。
外気で冷えた身体と寂しい心が、ほんのり甘さもある、まろやかな味で癒されます。
さて、二人は、どんな本を探して、彼女に薦めるのでしょうか。
現役のカフェ店長でもある標野 凪(しめの なぎ)さんが綴る6編のお話には、
季節の野菜の美味しいスープと、お客さんに薦める優しい絵本が出てきます。
身体も心も癒されます♡
けど、絵本屋クッタラの春は、
まだ少し先みたいです。
Posted by ブクログ
札幌にある、本の置いていない『絵本屋クッタラ』。ここでは店主の広田奏が客の悩みに沿った絵本を選んでくれる。友人を亡くした女性、子育てに悩む女性、部活に悩む女子高生、建築を学ぶ大学生、仕事に追われるイラストレーター。旬の地元野菜を使ったスープと店主の選んだ本が客たちの悩みを癒していく…。
やさしいはなし。スープが美味しそう。絵本って読んだことのないものが多いからどんな本を選んでもらえるのか気になる。
Posted by ブクログ
お客さんそれぞれの悩みに応じてピッタリな絵本と季節のスープとトーストを提供する湊と八木のお話。初めの視点は八木(ヤギ)から。
絵本はあまり馴染みがないので、作中で紹介されてもあまりピンとこず。海外の作者の絵本だと更に。
でも大人になってから読む絵本も、子供時代のそれと違って視点が変わっていて面白いかも。
個人的にはカフェなどの設定ではなく、スープセットを出すというのが印象的だった。
共同経営者の八木のためと言っていたが、この手の本は大概カフェやレストランとなることが多いところ、季節のスープという所に、実際に頂いているかのような暖かみを感じて好きだった。
Posted by ブクログ
場所は北海道。大きな庭つきの2階建のお店がある。
絵本屋クッタラは、本の置いてないカフェ&本さがしの場所だ。
店主が、客に最適な本をセレクトして、気に入れば売るというスタイルである。
本の相談以外にも、日々の悩みなど、
訪れる客を観察し、その人に必要なものや求めている絵本を提示していく。
どの話もこのような展開だ。
店主はまだまだ若い男性で、その相棒はヤギの八木くん。
とても風変わりなペアだが、のんびりと穏やかに流れる毎日のやり取りがこの物語の良さだろう。
八木くんの行動や仕草にヒントをもらいながら、店主の絵本選びは今日も続く。
Posted by ブクログ
思わず絵本が読みたくなる本。訪れるひとの、悩みを聞き、軽くしてくれるお店。クッタラ メニューは季節のスープとコーヒーのみ。悩みを聞いてそれにあった絵本を選び、すすめる。自分では深刻なことや煩わしい事でも、見方や立場が変わればちがうものにみえてくる。
あと、北海道の豆知識みたいなのが、文章にチラホラ、、へぇーそんなんだァっと
楽しい本でした。