標野凪のレビュー一覧
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喫茶ドードーシリーズ2作目。
心が疲れている人や悩みを抱えている人が、誘われるようにふっと入っていく『喫茶ドードー』
「あなたの悩みに効くメニュー」のネーミングが面白い
メニューの〈昨日のアヒージョ〉では、意外にもガーリックが効いているパスタが出てきた。
昨日作ったアヒージョのオイルで和えたパスタだという。
店主のソロリは、『昨日の味をもう一度楽しめる、時を戻せるアヒージョなんです』という。
できるなら時を戻して、きのう同僚にかけてしまった言葉を取り消したいと夕葉は思う。
一度外に出てしまった言葉は魂を持ってしまう。
言葉の持っている力を『言霊』というそうだ。
そろりは、ワイヤーでできたハンガ -
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ネタバレ天寿を全うして青の国(黄泉の国)へやってきた猫のふー太。青の国では住まいや食事などは心配しなくても暮らしてはいけるが、おやつやおもちゃで遊ぶ為のお金は自分で工面するしかない。
そこで掲示板に貼られていたバイト募集先であるカフェ・ポンで伝言猫として働くことになる。
………
青の国の住人でない虹子が何故伝言猫(青の国の住人)と会話が出来ているのかが不明瞭なところや、虹子の過去(猫を飼っていた)、緑の国(現世)と青の国を繋ぐ橋の門番であるサビ猫の会いたい人には会えたのか等気になるところは何点かあったが1つの物語が短編なこと、ふー太(猫)視点で進む物語が新鮮でスラスラ読み進めることが出来た。
続 -
Posted by ブクログ
二十四節気のショートショート。
季節を感じながら短いお話を楽しめる。
柔らかな春からピリッとした厳しめの夏、ざわつきを感じる秋に迷いながらの冬といった感じの印象を受けた。
24の中から特に気に入った2つのショートは、
大雪:冬眠族の棲む穴
『一日一個のりんごは医者いらず』なのね。
『焼きりんごの中にいる』〜すごく疲れている
『りんごの中に落ちる』〜気を失う
穴に入って休息したいと思ってしまった。
冬至:マダムの時計
時計はストレスに弱いの。人間も一緒ね。
一陽来復と言って、冬至は一年の底。この日を境に陽気が上がっていくこと。
事態にも底がある。底に来てしまえば、あとは上がるしかない。