【感想・ネタバレ】今宵も喫茶ドードーのキッチンで。のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

わかりやすくネタバレを書くつもりはないのですが、それでも少々ネタバレになるので、ネタバレフィルターを付けています。
これを読む前は、喫茶ものって面白くなさそう、という印象だったのですが、それをがらりと変える作品でした。喫茶店にやってくる方一人一人の、喫茶にやってくるまでの出来事が描かれていて、その出来事や物語が、自分とは関係ない!とは言いきれないような妙にリアル味を帯びたものばかりで。SNSに疲れる、価値観のズレ、仕事疲れなど…読者である自分も生きていれば、一度や二度は経験するような悩み。特にSNSなんかは、今時珍しくない悩みで、そこで陥る負の連鎖も、より身近に感じて理解するのも容易いものだと思います。
人生に疲れた時、そろりと近寄って癒してくれる作品です。

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

慌ただしい日常に、ゆとりをあたえてくれる、そろりさんのおひとり様専用カフェの物語。

疲れる日々、幸せに悩む日々、にそっと季節ごとの料理とあたたかい言葉で元気をくれる。

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

コロナの頃を舞台にした短編集。登場人物達が少しずつ関係している。
「丁寧な生活」やたらと目にしましたね、この言葉。手間暇かけた昭和のような生活がもてはやされて。好きでやるのは良いけどだんだん迫られてやるなら違うなと。
自分は理解ある古い世代の男と違うと言いつつ相手の仕事を軽んじる発言をする男とは?妻を下に見ているモラハラ男。コロナ禍が長くなると感染症に対する意識の違いが相手との亀裂も生む。登場人物達の心情に共感、とくにコロナの外出自粛、会社での食事会無し、人と距離をとる生活私は結構快適に思ってました。

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2024年04月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。伝えたいことが押し付けがましくなくて良かった。店主が何か最後に渡す時にお客さんがみんな断るのがクスッと笑えて良かった。
・#ていねいな暮らしには、自分の芯を持つ
・ストレスや理不尽さには、白黒つけずに心の余裕を持って自分たちなりの方法を見つける
・他人を気遣い自己犠牲が当たり前、楽だと思うのには、心の余裕とたまにはよそ見をしてみる
・他人を気遣って行っていることが相手に嫌なことと受け取られる時には、その中には自分の思いやりがちゃんと伝わっている人がいるかもしれない、嫌なこととして感じたらたまには毒を吐き出す
・長年仕事を続けてきていつまで続けられるか不安になった時には、自分の夢はなんなのか、今自分がやりたいことをやってみる

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2024年03月13日

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読み終わるとホッとするような温かいお話の連作短編集。コロナ禍初期のギスギスした感じが今はもう、ちょっと懐かしい。出てくる料理は美味しそうだしメニューの名前も素敵だし、こんなお店に通いたい。『おひとりさま専用』ってのも惹かれる。

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2024年03月09日

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コロナ禍に書かれたお話で、
コロナ禍で生活が変化したことを思い出した

今の私の心に残った文章は、
「ドードーはのろまな飛べない鳥だけど、そのおかげで自分のペースが守れていたんだ(つづく、)」

幸せって身近にあるんだな、と改めて思えるあったかい内容でした!

また何度でも読み返す、!

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

疲れが溜まっていて、元気がない時に本屋で見つけました。可愛らしいパイ、暖かいクリーム色の表紙が可愛くて購入しました。

私は普段から、刺激的なストーリーの本を好むので、こういった日常的な本は初めてでした。
読み始めは「これはどんな本なの?ゆったりしてて少しつまらない」と思っていたのですが、

1話完結で読みやすく、ストーリーに出てくるおしゃれな食べ物のレシピを聞くだけで想像が広がり、登場人物それぞれの悩みが身近なものだったこともあり(この本が出たのがコロナ禍の頃だったので)、すごく親近感が湧いて読みやすかったです。

いつもは刺激的なものを選びがちでしたが、こういう本をまったりと読むのもとてもいいものだなと思いました。
紅茶を飲みながらも良し、寝る前の布団でも良し…
悩みがあるときに読んでほっとしたり、深呼吸して落ち着けるような本でした。

私は休むことが難しい性分で(何かと焦りがち)、こういったまったりと読める本があるおかげで、休むことの大事さもしっかり理解できた気がします。

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2024年02月24日

Posted by ブクログ

心が優しくなる大好きな作品。
行き詰まった時はおいしいご飯を食べよう。

特に「雨の日のサンドイッチ」が好きだった。
自分の好きなことをするために頑張ろう。

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2024年02月12日

Posted by ブクログ

過去に同じ著者の本、占い日本茶カフェ「迷い猫」 を読んでいた。本書も読むか悩んでいたが、同じ著者と気づきすぐに手に取った。
本の内容は5章1節ごとに登場人物が変わる。しかし、その登場人物たちは仕事を通して、登場人物たちが「つながり合っている」描写が素敵だと思った。

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2024年02月07日

Posted by ブクログ

さて、質問です。

 『幸せの反対語は何だと思いますか?』

さて、どうでしょうか?単純に考えると『不幸せ』という言葉が思い浮かびます。『幸せって文字の上にそれを否定する不が付いているわけですし』ね。ただ、わざわざこんな質問をしていることを踏まえるとそれでは単純すぎるとも感じます。

私たちは『幸せ』というものを希求しながら生きています。その一方で、そんな『幸せの基準はひとそれぞれ』です。誰もが羨むような生活をしているように見えても必ずしも本人が『幸せ』と思っているかはわかりません。例えば『自分が成長したって感じられたとしたら』それは間違いなく『幸せ』でしょう。しかし、『自分なんて駄目だ、と自信をなくしている状態』であったとしても、それを『この先ののびしろや、あるいは新たな形を見いだせるチャンス、と考えた』としたら、それは『不幸せ』なのでしょうか?

さてここに、それぞれの日常に行き詰まりを感じる主人公たちの物語があります。そんな主人公たちが『ある街の奥にひっそりと佇む小さなカフェ』を訪れるこの作品。そんなカフェでその先へと続く”起点”を見つける主人公を見るこの作品。そしてそれは、『がんばっている日常から、ちょっとばかり逃げ込みたくなる』、そんな主人公たちの気持ちに触れる物語です。

『ミナト運輸です』とカメラの前に立つ『小包を片手に』抱えた男性を見て『オートロックを解除』したのは主人公の小橋可絵(こばし かえ)。『海外の翻訳本を主に刊行している』出版社で『大学時代に』『アルバイトをしていた』ことをきっかけに卒業後『翻訳の仕事』を始めた可絵は、『ステイホームが求められ』るようになったことから『一日のほとんどを家で過ごすようにな』った今を思います。『いわゆる「おうち時間」を充実させることがもてはやされるようになった』中に『アラフォーと呼ばれる年齢を迎える』可絵は、『いまこそ、食べものや暮らし方にも気を配る生活に変えていくチャンスなのではと思い、ライフスタイル系の通販サイトやSNSをチェックするようにな』りました。そんな中に『sayoさんの投稿に出会った』可絵は『ていねいな暮らし』とつぶやくと『自分がその住人の一員になれたような気がして、くすぐったくな』ります。そして、届いた小包を開ける可絵が『段ボールを開けると』、そこには『このたびは当店の商品をお迎えいただき、とても嬉しいです。小橋さまの豊かな暮らしのお手伝いができますように』という手書きのカードが添えられています。『購入者ひとりひとりに書いているのだ』と感心する中に『真っ黒い鉄器』を取り出し、餃子を調理し始めた可絵。しかし、『熱を伝導しやすい鉄』に苦戦する中に『もはや餃子ではない』ものが出来上がりました。後始末の『面倒な作業』をする可絵は『疲れたな』と思う中にスマホに『「疲れに効く」と入力してみ』ます。そんな検索結果に『免疫力を高めましょう』というサイトが表示され『免疫力か…』と思う可絵。そんな時、『編集部の坂下さん』から連絡を受けた可絵は『運動不足解消がてら』編集部へと出かけます。『締め切り守ってくださいね』というプレッシャーを感じながら帰途についた可絵は、『夕飯を作る気力もない』と感じます。そして、『大通りを避け、一本奥に入った』時、『あれ?こんなところにカフェ?』と『小さな看板』を目にします。そこには『おひとりさま専用カフェ 喫茶ドードー』という看板の下に『免疫力を上げるコーヒーあります』と『マジックで走り書きしたカードが画鋲で留められてい』ました。『え、免疫力を上げる?これはまさにいまの私のための店…』と思う可絵は『誘われるように』店の中に入ると『いらっしゃいませ。ようこそ喫茶ドードーへ』と『黒い厚手の胸当てエプロンをかけた背の高い男性』に迎えられます。『こんなところにカフェがあるなんて、これまで気がつかなかったです』、『来たい人だけ来てくれればいいと思っているのです』と会話する中に『入り口に近い席に座った』可絵は『コーヒーいただけますか。あの、表に書いてあった免疫力を上げるっていう』と注文します。そして、しばらくすると『免疫力を上げるコーヒーです。ハンドルを下げてからお飲みください』と『フレンチプレス』が使われた『スパイス入りのコーヒー』が届きました。『なんか落ち着くなあ』と感じる可絵。そんな可絵が『おしきせの素敵』に気づいていく、そんな物語が描かれていきます…という最初の短編〈第一話 自己肯定力を上げるやかんコーヒー〉。主人公となる女性が『喫茶ドードー』で何かを掴んでいくというこの作品の土台を独特な雰囲気感の中に描き出した好編でした。

“住宅地の奥でひっそりと営業している、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。この喫茶店には、がんばっている毎日からちょっとばかり逃げ出したくなったお客さんが、ふらりと訪れる…今宵も「あなたの悩みに効くメニュー」をご用意してお待ちしております。心がくつろぐ連作短編集、開店”と内容紹介にうたわれるこの作品。美味しそうなアップルパイの描かれた柔らかい表紙が食欲を誘います。

そんなこの作品はそれぞれに異なる女性主人公が登場する五つの短編が連作短編を構成しています。そして、そんな短編をひとつにまとめ上げるのが『喫茶ドードー』です。物語の構成としては、それぞれの人生に何かしら迷いや疲れを感じる女性たちが、ふらりと『喫茶ドードー』を訪れ、そこに”起点”を見出していくという展開です。では、そんな短編共通の舞台となる『喫茶ドードー』がどのようなお店かをご紹介しましょう。

 ● 『喫茶ドードー』について
  ・『駅からまっすぐに続く坂道をのぼりきり、ひとつめの交差点を入って少しだけ歩いた先の路地。その突き当たりにあ』る
  ・『路地の入り口には小さな看板が出ているのに、気づく人はあまり多くありません』
  ・『都会の喧噪から少しだけ遮断され』、『訪れた人はこの店を「森のキッチン」なんて呼んだりもします』
  ・『店内は、厨房というよりも台所と呼んだほうがふさわしいコンパクトなキッチンとカウンターのみで、カウンターには五脚ほどの椅子が置かれている』
  ・『庭にアウトドア用のテーブルセットがひとつ』
  ・『店内は鍋や食器が整然と並び、木のおもちゃや植物なんかも置かれている。柱には小さな額入りの絵が飾られている。力の抜けたようなおどけた表情の鳥は、たぶんお店の名前のドードーを描いたイラストだろう』

いかがでしょうか?どことなくイメージが湧きそうです。『都会の喧噪から少しだけ遮断され』という言葉が、読者が思い描く『喫茶店』のこうあって欲しいというイメージに上手くあっているように思いますが、いずれにしてもなんだかとても落ち着けそうなお店です。そんなお店には『そろり、と名乗るこの店の主』がいます。では、そんな そろりについて見てみましょう。

 ● 『そろり』について
  ・『丸首のセーターにコットンパンツ。黒い厚手の胸当てエプロンをかけた背の高い男性』
  ・『三十代後半か四十代前半くらい』
  ・『寝癖のような縮れ毛』
  ・『黒縁の丸眼鏡』

こちらはどうでしょうか?小説に『喫茶店』が登場する作品は多々あり、そんなお店には必ず個性ある店主が登場します。例えば、望月麻衣さん「満月珈琲店の星詠み」の”エプロンを着けた大きな大きな三毛猫”のマスターなどインパクト最大級な存在が登場しますが、それに比べると店主・そろりは常識的なイメージという気もします。それは、ファンタジーっぽいけどファンタジーではない、というこの作品の独特な雰囲気感にはピッタリと言えるかもしれません。

そんなこの作品はコロナ禍を扱った作品でもあります。そして、その描写がかなり踏み込んでいるのも特徴です。二箇所ほど抜き出してみましょう。

 ・『渡した雑誌は数ページめくったっきりだ。紙類に付着したウイルスは二、三日は生存するらしい。週末まではこの雑誌は他の客に渡せない』。

 ・『ワクチンに関しては様々な意見があるのは知っている。接種するしないは個人の自由だと思うし、体質的に出来ない人もいる。未知のワクチンだから不安だという考えももちろん理解できる』。

いかがでしょうか?コロナ禍を描写した作品は多々ありますがこの作品はかなり細かい視点で相当の文字数を使って描いていきます。これには少し驚きました。私が読んできた小説の中でもコロナ禍に触れる描写の多さ、細かさは一、二位を争うレベルではないかと思います。この辺り、若干細か過ぎ、踏み込みすぎと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

また、この作品は上記した通り、人生に何かしら迷いや疲れを感じる女性たちが、ふらりと『喫茶ドードー』を訪れる先に何かを掴んでいくというストーリー展開を軸に展開します。私はこのような構成の作品を”起点もの”と呼んでいます。そんな”起点”は必ずしも喫茶店とは限りません。それこそが作家さんの腕の見せどころです。例えば、青山美智子さん「お探し物は図書室まで」では、” 残りの人生が、意味のないものに思えてね”など人生に思い悩む主人公たちが図書室の司書・小町を訪ねることに”起点”を見出します。また、瀧羽麻子さん「ありえないほどうるさいオルゴール店」では、”世界にたったひとつ、あなただけのオルゴールを作ってみませんか?”というオルゴール店への訪問を”起点”として何かを掴んでいきます。さらには村山早紀さん「コンビニたそがれ堂」は、”大事なものを探していて、それを心の底からほしいと思っている人だけ”がたどり着けるコンビニが”起点”を演出していきます。いずれも連作短編ですが、共通となる”起点”を作るのが場所や人、モノであるということ。そんな”起点”を元に主人公たちが再び前を向いて歩き出す…というのがそのストーリーです。そんな”起点もの”に属するこの作品はそんなお店を訪れる主人公たちにそれぞれの今にあったものが提供されていきます。それこそが、それぞれの短編タイトルに象徴的に記されているものでもあります。五つの短編タイトルをご紹介しておきましょう。

 ・〈第一話 自己肯定力を上げるやかんコーヒー〉

 ・〈第二話 心が雨の日のサンドイッチ〉

 ・〈第三話 自分をいたわる焼きマシュマロ〉

 ・〈第四話 森のおとしものと森のおくりもの〉

 ・〈第五話 幸せになる焼きリンゴ〉

例えば〈第一話〉では、主人公で翻訳家の小橋可絵はSNSに展開する『ていねいな暮らし』のような言葉に影響を受けるものの、その実践に疲れた日常を送っています。そんな中に訪れた『喫茶ドードー』で『なんか落ち着くなあ』という中にコーヒーを飲む姿が描かれていきます。そんな中に何かをつかんでいくというのが物語の大筋となります。これは、”起点もの”の王道とも言える展開です。一方でこの作品のオリジナリティを見るのが、”起点”となる場所『喫茶ドードー』を主人公が二度にわたって訪れるという点です。これは、少なくとも私が今までに読んできた”起点もの”の作品にはみられないものです。短編の中でそれぞれの主人公たちが二度訪ねるという中に主人公たちの心の内がどのように変化していくのか、一回目と二回目に提供されるものも異なります。そんな具合含めてこの効果はなかなかに絶妙です。”起点もの”はもう読み飽きた…とおっしゃる方にもこの新機軸で読ませてくださる標野凪さんの試みを是非体感いただきたいと思いました。

そんなこの作品は”起点もの”らしく、極めて前向きな考え方、主人公たちが顔を上げ前に進んでいくための言葉が綴られています。それは当然にそんな言葉を必要としていた主人公たちの元に届けられるものでもあります。例えば〈第二話 心が雨の日のサンドイッチ〉ではこんな言葉が綴られています。

 『だから心が雨の日、つまり疲れ果ててしまったときこそ、考え方をぐるりと変えてしまえばいいんです。発想の転換ですよ。雨はつまらない、憂鬱だ、っていう考え方を、服装を変えれば雨は楽しい、愉快だ、ってね』。

短編タイトルに含まれる『心が雨の日』という言葉を起点に、悩み苦しみにどう対峙していくか、ヒントとなるような言葉を語りかけてくれる店主の そろり。この抜き出しだけではレビューを読んでくださっている方にどの程度響くものかはわかりません。しかし、主人公の世羅はもとより、そんな世羅の悩み苦しみを読んできた読者にこの言葉はスーッと入ってきます。それは決して強い言葉ではなくあくまでヒントを与えるもの。この作品ではこの点が一貫しています。

そして、この物語にはもう一つの仕掛けが用意されています。”起点もの”は、その”起点”の側には視点は移動しないという原則があります。あくまでそんな”起点”をきっかけとして再び顔を上げ前に向かって歩き出す主人公、そんな主人公に光が当たる物語だからです。しかし、この作品では、店主の そろりの側にパタパタと細かく視点が切り替わります。具体的には”*”のマークで区分された先に唐突に視点が切り替わります。

 『そろりは冷蔵庫を開けて、庫内灯に照らされた庫内に頭を突っ込んで、食材を選び出しています。「きゅうりにタマネギでしょ。ハーブは絶対必要」とつぶやきながら…』

そもそもこの作品の〈第一話〉は、そろり視点から開始していますので、そろり視点に切り替わるという表現自体が逆とも言えますが、いずれにしてもこの切り替えによって読者は店主のそろりがどういった人物で…というイメージを掴んでいくことができます。それは、恐らくは多くの方にとって『喫茶ドードー』のイメージそのものであり、この店主込みで『喫茶ドードー』のイメージが形作られているとも言えます。そんな『喫茶ドードー』にホッとひと息つく物語は、最終的に五つの短編が繋がっていることにも気づかされます。”起点もの”の連作短編を読みたい!そんなあなたの選書候補に加えたい一冊、重すぎず、軽すぎず、そんな物語がここには描かれていたと思います。

『いらっしゃいませ。ようこそ喫茶ドードーへ』

店主の そろりにそんな言葉で迎え入れられる五人の主人公たち。この作品ではそんな主人公たちが『喫茶ドードー』で提供される飲み物、食べ物に”起点”を見つけていく物語が描かれていました。『おひとりさま専用カフェ』、『喫茶ドードー』を二度訪れるという点に個性を感じるこの作品。その一方で王道の”起点もの”が描かれていくこの作品。

行き詰まりを感じる世の中だからこそ、こんな『喫茶店』に行ってみたい!そんな風に感じるどこかまったりとした作品でした。

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2024年03月16日

Posted by ブクログ

街の奥にひっそりと佇むおひとり様専用のカフェ、「喫茶ドードー」。店主そろりさんのちょっと不思議なキャラクターが私は結構好きでした。そろりさんは、言葉で伝えるのは不器用そうだけれど、お客さまの悩みに効くメニューを提供してくれる。いつの間にか皆自身で気づき前に進んでいく。

案外自分の身近なところに幸せはある。幸せの価値観は人それぞれだけど、小さな幸せに気づける心のゆとりの大切さを教えてくれる素敵なお話でした。
読んでいる間も、なんだかゆったりと時が流れているようで癒されました、

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2024年03月14日

Posted by ブクログ

がっつり心を揺さぶるのではなく、ゆりかごのように心地よい揺れ。
頭を使いたくないし、激烈に心を揺さぶられる物語を読むほどのパワーもない。でも何か読みたいという人に合う癒やし系小説だと思った。


そんなに説教臭く感じないのはそろりのお陰かな。
ちょっと風変わりなそろりの存在が物語の空気をいい具合にマイルドにしている。


読書欲が高まっている時って、飢餓感からよく噛まずにガツガツ食べるように読んでしまう私だけど、この本はそういう読み方をするのは勿体ないと思った。
きちんと咀嚼して、舌のすみずみで味わうように読みたい本。


時間をかけて変化していった木は強くなる。
私もそうでありたい。

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2024年03月10日

Posted by ブクログ

悩みを抱える喫茶ドードーを訪れた人たちがほっこりしつつ、答えを見つける話。コロナ禍初期の時期が舞台。短編なので軽めに読める。心に雨が降った時に。

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2024年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【あらすじ】
住宅地の奥にひっそりと佇む、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。
この喫茶店には、がんばっている毎日からちょっとばかり逃げ込みたくなったお客さんが、ふらりと訪れる。
SNSで発信される〈ていねいな暮らし〉に振り回されたり、仕事をひとりで抱え込んだりして、疲れたからだと強ばった心を、店主そろりの料理が優しくほぐします。

『失敗や経験の積み重ねが、強さとなる』

【個人的な感想】
料理がどれも美味しそうで、読んでいてお腹が空きます。

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2024年03月09日

Posted by ブクログ

そろり、の語り口が好き。
コロナ禍の苦しさとか、息苦しさが
訥々とつづられている。
この小説、もうあと10年後に読んだら
また違う感覚になりそう。
思い出のアルバム小説、といえる。

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2024年02月23日

Posted by ブクログ


表紙デザインがかわいくてお気に入り

パラっとめくったときの目次をみて
買おう!と即決しました!

第一話 自己肯定力を上げるやかんコーヒー
第二話 心が雨の日のサンドイッチ
第三話 自分をいたわる焼きマシュマロ
第四話 森のおとしものと森のおくりもの
第五話 幸せになる焼きリンゴ

とにかく美味しそうだし、
既に面白そうな雰囲気が

喫茶ドードーは住宅地の奥にひっそりと建つ
隠れ家のような【おひとりさま専用カフェ】。

今回ここを訪れるのは、
仕事や、日々の暮らしをがんばる5人の女性。

女性の悩み事も共感だらけで頷きの嵐だし、
そんな女性たちが店主そろりと、
美味しいごはんに癒されて
また旅立っていく。

わたしの心もほっこり癒されて
エネルギーチャージができた作品!

疲れてたって、泣きたい日だって、
おなかは空くんだよなぁ、って。

毎日、仕事も暮らしも疲れるけど、
あったかいご飯をたべたり、
お気に入りのカフェに行ったり…
そんな小さな幸せで毎日は成り立ってるよね、
と思えた作品です

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2024年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まさに「ていねいな暮らし」な雰囲気を纏うYouTuberさんが読んでいて気になり、手に取りました。
心温まる、ほっとする気持ちで読めて癒されました。
北欧のデザインや雰囲気に惹かれることが多いのは、やっぱり森の多さや幸福度の高さが関係しているのかな〜。日本人が無意識に求めているのかも。

最後のお話が、時系列で言うと最初になる仕掛けと
そろりさんを見守るナレーションが何者か?という答えが明かされたのもほっこりです。

他の方の感想にもあるように、全体的にあるあるな悩み、それに対して明確な答えがないままで
モヤっとする部分もあり、感想としては⭐︎4にしました。
でも答えが出ないグレーなものが世の中には溢れているんだから、読者それぞれが考えることだと思うので不満ではないです。
続きの本も読みたいです!

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2024年02月06日

Posted by ブクログ

私も「喫茶ドードー」へ行きたくなりました。店主のそろりさん。気になります。笑
近くにこうゆうお店があったらいいなぁ〜と思いました。まさに、1人時間にゆっくり喫茶店で読むのにピッタリだと思いました。

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2024年02月05日

購入済み

ほのぼの

平日の会社帰りに読むと、今日がリセットされます。

#ハッピー #癒やされる

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2022年05月30日

Posted by ブクログ

こんな喫茶店のようなおうちにしたい。
家でこんな料理を作れたら?
自分を振り返る時間を持てたら?

薄暗い部屋の中の窓から、星空を見上げているようなそんな本。

そんな時間をきっと持っていたのに、その時はその贅沢さに気がつかなかったな。

随分前に読み終わって内容はあまり覚えてないのだけど、店主のつよーいキャラクターと、この本を読んだ後の読後感が、そんな感想。

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

書店でよく見かける素敵な装丁に惹かれて読む。

おひとり様専用喫茶に訪れる客が店主のおかげで新たな視点を得る、という心温まるオムニバス。

出て来る食事が美味しそうとか素敵な雰囲気の喫茶…よりも、「あーあるある」と共感を誘う方が強かった。
好みはラストの第五章。幸せとは、好きとは、を緩く優しく掛け合う様がよかった。

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2024年04月21日

Posted by ブクログ

ひと目につかない路地にひっそりと存在する『喫茶ドードー』。そこには風変わりな“そろり”さんが、いつも疲れた人を癒すため、何か美味しそうなものを作っている。
コロナ禍、仕事に疲れた女性たちを、さもその悩みを知ってるかのような、的を得たメニューの看板が待っている。
そろりさんは不思議なひとだ。ほんとうに人なの?

オムニバスになっているけど、それぞれの女性たちの悩みはリアルだ。
そこにそろりさんの金言が響き、癒していく。

面白い!とかそいうんじゃないけど、時々開きたくなる本かなーという気がする。

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2024年04月18日

Posted by ブクログ

「女王様の夜食」の穏やかバージョン。こんな喫茶も家のそばに欲しい。
やはり、無いなら、作るしかないか⁈

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2024年04月12日

Posted by ブクログ

ずっと読んでみたいなーと思っていた本。
でも、読んでみたら。。
私の期待が大きすぎたかな。

ほっとするのは確か。
無理矢理ではなく、そっと気持ちの軌道修正をしてくれるのも良い感じ。
でも、そこまで刺さらなかったのはなぜだろ。。

そろりの人柄も良いし、カフェの設定も好きなんだけどなー。。

とか言いながら、続編も読むのだが。。

作中、美容院のお客さんが一番苦手な人種だな。。

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2024年03月25日

Posted by ブクログ

すれ違った人達が少しずつ他の話に出てくる
短編集
話のテンポがゆったりしていて、読んでるうちに肩の力が抜けてくる

おひとり様専用カフェ
いいなぁ
無駄な時間が過ごせる場所を探すのって意外と難儀で
誰にも干渉されず、ぽろっとこぼした弱音や愚痴に寄り添ってくれる店主
通い詰めちゃうな、いや、元気がない日のパワースポットとしてとっておくかも

普通に過ごすだけでせかせかしがちで、時間に追われてるみたいに過ごしてるから、思いやることが後回しになっちゃう
余白の時間って大事、余裕を持つって大切
心がぺしゃんこになったり、ささくれだった時に、リセットできる場所を私も見つけたい

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2024年03月14日

Posted by ブクログ

コロナ禍が懐かしいと思える日までやっと
きたんだなってちょっと思った。
私も喫茶ドードー行きたいな。

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2024年03月10日

Posted by ブクログ

読んだ後に自分に優しくしようと思える作品。
こんな喫茶店が近所にあったらな〜。
メニューのネーミングセンス◎。
改めてコロナ禍って最悪だと思う。切実に。

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2024年03月03日

Posted by ブクログ

コロナ初期のこと思い出せます。確かにこんな感じだったなって。
あの頃はだいぶ世間がギスギスしてたというか、お互いの距離が離れてしまった時期でした。そんな中この喫茶店はそっと心に寄り添ってくれるような温かい場所です。
ちょっと疲れた日や、人の温かさが恋しくなったときなんかに読み返したいです。

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2024年02月22日

Posted by ブクログ

日々の疲れから解放してくれる、癒された。
一語一句が響いて、働いている人にピッタリ。
今の時代(コロナ過)にピッタリで共感できることが多い。
心に余裕を持つ大切さを感じられた。

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2024年02月21日

Posted by ブクログ

気軽に読めて読後はほんわかする。登場人物の背景にも共感できる。だけどもこのパターンの小説って最近の流行りなのか?新鮮さは特になく、読み応えもいまひとつ。

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2024年02月12日

Posted by ブクログ

この「喫茶ドードー」に訪れるお客さんの悩み、⁡
⁡共感できるなぁと思いながら読み進めました。⁡⁡⁡⁡
⁡⁡
⁡⁡悩みに効くメニューとは、店主からのサービスの意味、⁡
⁡語り手は誰なのか…⁡どんでん返しや衝撃の…!⁡
⁡などはありませんが、⁡まさにゆるく癒されたい時や、⁡⁡
⁡難しく頭は使わずシンプルに、⁡ちょいと何か読もうかな〜⁡
⁡くらいの時に⁡もおすすめ。⁡

⁡美味しそうな料理と一緒に、
優しく流れる物語がそろった1冊。⁡

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2024年02月05日

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