あらすじ
住宅地の奥でひっそりと営業している、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。この喫茶店には、がんばっている毎日からちょっとばかり逃げ出したくなったお客さんが、ふらりと訪れる。SNSで発信される〈ていねいな暮らし〉に振り回されたり、仕事をひとりで抱え込み体調を崩したり……。目まぐるしく変わる世の中で疲れた体と強ばった心を、店主そろりの美味しい料理が優しくほぐします。今宵も「あなたの悩みに効くメニュー」をご用意してお待ちしております。心がくつろぐ連作短編集、開店。
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Posted by ブクログ
この小説はそれぞれ主人公が違うオムニバス短編ですが、その第一話のヒロインは四十歳、独身、一人暮らし、SNSでハッシュタグ「ていねいなくらし」を発信しているインフルエンサーの信奉者となり、いつしかその情報を追う中に、本当の自分自身の価値基準を見失っていました。
そして、マスター「そろり」さんがひっそりと営む森のカフェ「ドードー」で忘れかけていた「大切なもの」を取り戻し、日常生活に戻ってゆくというお話です。
このシリーズは基本はどれもそういった感じで、日常生活に倦んだ主人公がそれぞれ喪っていた、あるいは失いかけていたものを取り戻しまた元の世界に戻ってゆくのですね。
私としては、本当にこんなマスターがいるお店があれば良いなぁとひそかに憧れるわけですが。
しかし、たとえ現実の世界には存在しなくても、小説の中にはしっかりと存在するので、小さな文庫本を開き続きを読み始める度に、お話の中へ入り込み、喫茶「ドードー」へと脚を踏み入れることができるのです。
それが読書の醍醐味の一つですね。
「そろり」さんが淹れたコーヒーをじっくりと味わうように、続きを読み進めたいと思います。
Posted by ブクログ
こういうのを日常系と呼ぶのかな。ちょっと日常で疲れた人達がたまたま訪れた<喫茶ドードー>の”丁寧な”(→これ、大事)飲み物や料理でほんわか自分をいたわってちょっと元気になる話。
この手の物語は寝る前に緩やかな時間を過ごすためにはもってこいなんだよね。取り上げるキャラクターは年代はいろいろだけれど女性ばかりだから、男性向けではないかな。
私は個人的に自分がそうだからか、更年期障害で辛い思いをしている女性の話を「だよね、だよねえ」と読んだ。そこに出てくるマシュマロのココアはジェミニに作り方のコツを聞いて翌日さっそく自分で作って飲んでみた。
うん、これ、好きだあ、私。
ホットコーヒーにマシュマロを入れてもいいらしいので、それもやってみた。
これ、私の新たな飲み方になりそう。
文体が「です、ます」調と「~だ」の断定調と両方使われている意図がよくわからないし、意図があったとして果たしてそれが効果を発揮しているとも思えないけれど、まあ、全体として毒がないのでよろしいのではないでしょうか。
◆覚書◆
P103
「ある出来事があったとして、沈み込んで頭を抱えるか、えへへと笑って頭をかくか。どのみち同じなら後者のほうがいいに決まっているじゃない」
P105
「え? ペンギン?」
「白黒つけない、です」
===データベース====
住宅地の奥にひっそりと佇む、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。
この喫茶店には、がんばっている毎日からちょっとばかり逃げ込みたくなったお客さんが、ふらりと訪れる。
SNSで発信される〈ていねいな暮らし〉に振り回されたり、仕事をひとりで抱え込んだりして、疲れたからだと強ばった心を、店主そろりの料理が優しくほぐします。
Posted by ブクログ
どこかにひっそりと存在するお一人様専用カフェって素敵よね。心惹かれるメニュー名と美味しそうな料理の描写でお腹がすく1冊。喫茶ドードーのお料理と、そろりさんの一言がお客さんたちをふわっと救うのが、優しい愛を感じられて好き。
作品の時代はコロナ禍で、緊急事態宣言とかオンライン会議、マスク、消毒など、ほんの数年前なのに懐かしい。
ステイホームが世の中の基本で、なんとなくみんなが孤立してる気持ちになってたあの頃に読んだら、よりこころに染みたと思う。5人の主人公たちの連作短編集で、1話の主人公が憧れてた『#ていねいな暮らし』の投稿をしてたのは3話の主人公だったり、2話の主人公が勤める保育教室の子どもがお気に入りのレインスカートをデザインしたのは5話の主人公だったりするのが良かった。なんだか、人間みんなゆるーく繋がってるなって思えて好きだった。