村井章子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
原文の題名は「今回は違う」であり筆者のデーターは今回も違わなかったことを証明するのみ。
金融危機のパターンは金融規制緩和と資本流入から過剰投資。住宅価格の急騰の後の急落が銀行危機の前触れとして非常に相関性が高い。
日本の借金は対内債務なのでデフォルトはしないとの説を唱える人がいるが、本書を読む限りいつか実質的なデフォルト(例えば高インフレによる債務の希薄化)が来ると覚悟すべきなんだろう。早くローンを返さねば・・・
中国も地方政府がインフラ整備と不動産販売をセットで行い投機資金が流れ込んで高騰。地方債務の担保が不動産なので住宅価格が下がると地方銀行はかなりヤバい。最後は国が助けるんでしょうが -
Posted by ブクログ
過去に起きた国家的な債務危機、金融危機を、1800年以降を中心に(古いところでは1400年代も含めて)長期的な視点でデータを蒐集して研究した大変な労作である。今後は、この本に出ていることは経済・金融関係者にとって当然の共有知識として持っておきたい。ロゴフは"Foundations of international macroeconomics"という優れた国際マクロ経済学の本も書いている。しかしこの本では経済モデルは出てこなくて、データに全てを語らせるというスタイルが貫かれている。588ページの本であるが、本文は414ページまでで、残りは参考資料である。
この本を読めば、 -
Posted by ブクログ
本書は、1920年代末から始まった世界大恐慌のきっかけとも言われる、アメリカ起こった1929年の株式市場の大暴落について書かれたものです。
初版発行はなんと1954年。50年以上も版を重ねて読み継がれている本です。
題名やテーマから、少しとっつきにくいかもしれませんが、内容は分かりやすく特に難しいということも無いと思います。
ご存じのようにバブルというのは現代だけの特殊な現象ではなく、近代から何度も何度も繰り返されているものです。有名なところでは、オランダのチューリップバブルとか、イギリスの南海泡沫会社バブル、新興市場(当時の南米諸国のこと)や鉄道バブル。新しいところではアメリカのインタ -
Posted by ブクログ
そうか、そういうことだったんだ
世の中は、公平・公正ではないそうだ。
「不届きとしか思えないふるまいをしたり(いるいる)、強引に自分を売り込んだり(いるいる!)、上昇志向をむき出しにしたりする他人を見かけると(まさにアイツだ)、こう考える――あんな連中から学ぶべきことは何もない、あいつらは一時的には出世するかもしれないが、いずれ馬脚を露して左遷されるに決まっている、と」こんな無邪気な考えは、捨てたほうが身のためだそうなのだ。
この本は、「世の中のリーダーシップ本は眉唾である」と言っているように、美しく思いやりに満ちた世界を追いかけて、きれいごとやごまかしに騙されるのはもうやめよう、と呼びか -
Posted by ブクログ
高校生の頃にも一度読んだ本。翻訳が絶版になっていたので、ペーパーバック版をつん読にしていたが、日経BPクラシックとして再版になったようだ。FRBによる低金利政策や続々とIPOする怪しい企業、投資信託ブームなど、いつの世も同じだなぁと痛感させられる。バブルはimmunizing effect を持つので、しばらくは再発しないが、何年か経つと繰り返される。29年の暴落がその後、大恐慌として長く影響を残すことになった理由についても考察が行なわれている。大きな理由の一つとして格差問題が挙げられている。当時は格差が大きく、株価暴落による資産効果へのインパクトを通じて富裕層に与えたダメージが大きかったこと
-
Posted by ブクログ
■概要と基本姿勢
・本書はパランティア・テクノロジーズの共同創業者兼CEOアレックス・カープと法務責任者ニコラス・ザミスカによる、西側民主主義社会と先端技術(特にAIや軍事ソフトウェア)の関係を問い直す政策・技術論である。
・冷戦終結後の西側諸国、とりわけシリコンバレーに蔓延した「技術は国境を越えて世界を平和にする」という楽観的リバタリアニズムやグローバリズムの幻想を強く批判する。
・権威主義国家(中国やロシアなど)が軍事・社会統制へ先端技術を急速に統合する現在、民主主義を守るためには「軍事力と直結した強大な技術的優位」が不可欠であると断じる。
■シリコンバレーの思想的怠慢と偽善の糾 -
Posted by ブクログ
長期の分析で”this time is different”で毎回同じような歴史を繰り返してきたのだなと思った。
長期のデータセットと分析は非常に興味深いと思いつつ、”なぜその危機が起こったのか”という背景には踏み込まず、あくまで起こった事象の解説という感じがしたのが若干物足りなく感じた(ただ、扱っている事件や事象が広範すぎるので、無理な願いという気もする)
また、例えばヘンリー8世?など昔のデフォルトについて、現代と同じように分析して良いのかなど、時代や社会背景が違う事象を並べて分析して良いのかという点にも疑問が残る。
ただ、今回は違うということはない、という点を広範なデータセットで提示して -
Posted by ブクログ
AIをはじめとする先進技術を開発する企業は国防に協力すべきか。
パランティアの創業者による本。
シリコンバレーに籍を置く企業は自らの技術を国防、つまりは軍事的利用に資するべきかを説くのが冒頭。
冒頭の内容には概ね賛成。だが、国家費用としての軍事費以外にも、軍事全般に資金が集まることが戦争の温床となることも事実としてある。先の世界大戦がそうだったように。こんなこと言っても何にもならないが、バランスの良さが大切であり、世界の舵を切ることのできる人間にはこのバランス感覚が何よりも重要なのではないか。
そして、軍事利用に資さないテック系企業が行き着く先がSNSなどの消費を煽る媒体の開発。これは、社 -
Posted by ブクログ
人はよく「勘違い」とか「魔がさす」といったことがある。「勘違い」は、システム1が少ない手がかりから素早く意味を補い、違いを見落とすことで起き、「魔がさす」は、怒り・誘惑・焦り・場の空気などの自動反応が強くなり、システム2の点検が弱まることで起きる。全てはタイパ、コスパ重視のシステム1のなせる技だということがわかった。
もし人間がシステム2だけで生きるなら、偏見や衝動は減るかもしれないが、日常の判断、会話、共感、直感、創造性まで極端に遅くなり、生きにくい世界になるだろう。大切なのはシステム1を排除することではなく、日常ではその力を生かしつつ、重大な判断ではシステム2が「本当にそうか」と立ち止 -
Posted by ブクログ
ネタバレ経済成長におけるイノベーションの役割をさまざまな観点から評価する・・というのが本書の冒頭に書かれた目的だ。その目的を達成するために、本書では人類の歴史を振り返るところからスタートし、やがて資本主義における様々な要素とイノベーションがどのように関わってくるかを明らかにする。
経済学が人間の厚生を高め、良い社会を作るといった規範的な一面を持っていることからも明らかなように、本書も上記したイノベーションの役割を明らかにするといった立場は崩さないものの、後半ではイノベーションは人類の幸福や、あるいは国家を構成する人たちにとって良いものかどうかという議論が進み、最終的には国家における行政権や司法といっ