村井章子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は、1920年代末から始まった世界大恐慌のきっかけとも言われる、アメリカ起こった1929年の株式市場の大暴落について書かれたものです。
初版発行はなんと1954年。50年以上も版を重ねて読み継がれている本です。
題名やテーマから、少しとっつきにくいかもしれませんが、内容は分かりやすく特に難しいということも無いと思います。
ご存じのようにバブルというのは現代だけの特殊な現象ではなく、近代から何度も何度も繰り返されているものです。有名なところでは、オランダのチューリップバブルとか、イギリスの南海泡沫会社バブル、新興市場(当時の南米諸国のこと)や鉄道バブル。新しいところではアメリカのインタ -
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そうか、そういうことだったんだ
世の中は、公平・公正ではないそうだ。
「不届きとしか思えないふるまいをしたり(いるいる)、強引に自分を売り込んだり(いるいる!)、上昇志向をむき出しにしたりする他人を見かけると(まさにアイツだ)、こう考える――あんな連中から学ぶべきことは何もない、あいつらは一時的には出世するかもしれないが、いずれ馬脚を露して左遷されるに決まっている、と」こんな無邪気な考えは、捨てたほうが身のためだそうなのだ。
この本は、「世の中のリーダーシップ本は眉唾である」と言っているように、美しく思いやりに満ちた世界を追いかけて、きれいごとやごまかしに騙されるのはもうやめよう、と呼びか -
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Posted by ブクログ
高校生の頃にも一度読んだ本。翻訳が絶版になっていたので、ペーパーバック版をつん読にしていたが、日経BPクラシックとして再版になったようだ。FRBによる低金利政策や続々とIPOする怪しい企業、投資信託ブームなど、いつの世も同じだなぁと痛感させられる。バブルはimmunizing effect を持つので、しばらくは再発しないが、何年か経つと繰り返される。29年の暴落がその後、大恐慌として長く影響を残すことになった理由についても考察が行なわれている。大きな理由の一つとして格差問題が挙げられている。当時は格差が大きく、株価暴落による資産効果へのインパクトを通じて富裕層に与えたダメージが大きかったこと
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Posted by ブクログ
1929年のいわゆるブラックマンデー前後の株式市場暴落の様子を綴った本。
具体的な銘柄の値動きや当時の世相など、リアルで生々しい淡々とした記録が興味深い。
当時の花形はAT&TやUSスチールなど。
情報伝達の速度こそ現在と違えど、暴落前後の風景は昔のこととは思えないほど変わり映えが無い。
投資信託が別の投資信託に投資する形でのレバレッジの拡大、値上がりを信じる投資家による信用買いの積み増し、初心者投資家の群がり、情報の不透明さの拡大など、刻々とバブルが醸成されていく様にワクワクする。
いつかはバブルがはじけるだろうという想定は暴落前からあちこちにあったようだが、音楽が鳴っている間 -
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二〇世紀後半、あるイノベーションが誕生し、全世界でビジネスのやり方を変えた。ソフトウェア産業の話ではない。それが起きたのは、海運業だ。おそらく大方の人があまり考えたことのないようなそのイノベーションは、あの輸送用のコンテナである。コンテナは、この夏私が読んだ最高におもしろい本『コンテナ物語』の主役を務めている。コンテナが世界を変えていく物語はじつに魅力的で、それだけでもこの本を読む十分な理由になる。そのうえこの本は、それと気づかないうちに、事業経営やイノベーションの役割についての固定観念に活を入れてくれるのである。
by ビル・ゲイツ
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Posted by ブクログ
コンテナの歴史がわかる本。1つの発明が思いがけないところまで影響を及ぼすことってありますよね。コンテナできたから荷物がたくさん運べるようになってよかったね、ではもちろん止まらない様子がとても面白かったです。
経済的な面でいえば、輸送コストの減少によって、世界の色々な場所でそれぞれ部品を作って、最後に合わせて完成品にするというスキームが成り立ったというところが衝撃的でした。つまりは、人件費や土地の安いところで部品を生産することにメリットが生まれたということでもあり、これって今も社会問題ですから。
ただ、当時、産業が全くなく、衰退していた状況であった地域からすると、そういった大規模資本の投入はポジ -
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端々にイギリス人らしさが表れている書き振りであるものの、イギリスの中央銀行たるイングランド銀行が手掛ける経済の入門として、身近に感じやすいのではないだろうか。
なお割と日本も取り上げられている(経済に関する材料として、事欠かないのだろう)
需要と供給、インフレ、価値から始まり銀行の役割などなど気になることが多いのではないだろうか。
特に貨幣とは信用で成り立つのは他の書籍でも言うがよりそれが強まった。
面白いのは経済学のプロであるイングランド銀行の行員ですら、モラルハザードを起こし食べきれないほどの食道のポテト取り放題を皿に持ってしまうということ。
つまり、経済の危機も含めて予測は難しいこ -
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絶望を希望に変える、、、とは、大きくでたなー、と手に取った本。
なるほど、この大口のタイトルに負けない話、経済学者は言いそうにない(と勝手に思い込んでいた?)話もいろいろ書かれていた。
最初に、移民と貿易の話からはじまる。
そして、人間は経済合理性通りに動かない、それは、今までのデータから明らかことなのだと。
でも、だから賢く経済合理性に沿った行動をすべきだ、ではなく、そういう人間の在り方を受け止めた上で、経済で傷ついている人の尊厳を守りながら方向転換する術はないか、という本なのかな、と受け止めました。
経済学といえば、アメリカ、アメリカ、アメリカ、ヨーロッパ、のイメージだけど、インド(筆