【感想・ネタバレ】ファスト&スロー (上)のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年06月20日

ダニエル・カーネマン。人びとの日常における判断がいかにいいかげんかわかり、とても面白い。
大筋は認知的錯覚について説明し、それをさらに3つの観点から説明している。下巻は経済学との関連が多く難しかったが、実験や例えなどが大量に散りばめられておりページをめくるたびにへぇ~と感じるだろう。翻訳もので上下巻...続きを読むだが尻込みせず読んでほしい。

0
購入済み

楽しく読めます

2022年11月30日

間違っていながら自信たっぷりってことありますよね。今更ながら反省することが多い私は、文中の事例がふに落ちるものばかりで、とても楽しく読めました。おすすめします。

#タメになる #深い

0

Posted by ブクログ 2021年04月10日

行動経済学に興味がある人ならきっと聞いたことのある本であるし、そうでなくとも、出てくる話や実験をどこかで耳にしたことがある人は少なくないはず。
でも、そんなことは抜きにぜひ読んでほしい一冊。掛け値なしに面白い。

直感や熟考といった私たちの様々な思考の形態が、実際のところどんな働きをしているのか。
...続きを読む数々のユーモアあふれる実験結果とともに、筆者が紐解いてくれる。
読み進めるうちに、自分の身近な例で思い当たることも色々と出てきて、より引き込まれるだろう。

余談だが、上下巻としてもかなりのページ数と文章量があり、正直なところ物理的にそれなりに重い。
比較的平易な翻訳がされているので、手段があるならオーディオブックを探して聞くのも有効な手かと。
※自分は上巻途中から耳に切り替え

0

Posted by ブクログ 2020年10月04日

自分で決定してると思っていることの、なんと無意識の気分(システム1)に誘導されていることが多いんだろう!本書をよむと、いかに直感がでたらめなのかよく分かる。迷ったら直感に従うことを心情にしてる人こそ読むべき。

0

Posted by ブクログ 2019年05月27日

プライミング効果
確証バイアス
ハロー効果
メンタル・ショットガン
質問の置き換え
少数の法則
アンカリング効果
利用可能性ヒューリスティック
代表性ヒューリスティック
基準率
平均回帰
後知恵バイアス
妥当性の錯覚

これらがキーワード。

システム1、システム2の働きを理解した上で、認知のエラー...続きを読むを見越して直感に頼らずデータから読み取ることが大切だと学んだ。、

0

Posted by ブクログ 2018年10月20日

システム1とシステム2。速い思考と遅い思考。意思決定を行う際にわれわれは直感による速い思考を行っている。直感の出番がない場合には論理で考える。これが遅い思考である。直感は自動的に連想を働かして結論をだす。それは論理的思考でもないし統計的思考でもない。ただうまくストーリーができていればよい。われわれは...続きを読むそれを自信をもって正しいと思い込む。ちゃんと論理的思考の出番があれば間違わなかったはずの結論も直感を信じたために間違えた結論を下す。また思考には色々なバイアスがあり、それによって間違った結論を出してしまう。このようにわれわれの意思決定の仕組みを解き明かした心理学者にしてノーベル経済学賞受賞者の一般読者向けの著作。

0

Posted by ブクログ 2017年11月07日

 マイケルルイスの本の主人公であるダニエル・カーネマンによる人間の意思決定の研究を解説した本である。
 マイケルルイスの本を読んだ後だけに、すんなりと読むことができた。実際、ルイス本は、本書の抜粋ではないかと思うくらいだ。
 人間の意思決定は、直感的で感情的なファースト思考のシステム1と、意識的で論...続きを読む理的だが怠惰なロー思考のシステム2から成ると説いている。そこから本書の題名が来ている。
 様々な例を挙げてそれを説明するが、自身でも心当たりのあるケースもあり、十分説得力がある。なにしろノーベル賞を受賞しているのだ。
 もっと本書を読み込んで、自分の行動や思考を分析し、難しいかもしれないが自分を変えてみたい気がする。それには、もっと理解を深めないといけないが。
 とても興味深い内容で、おすすめできる本である。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年06月18日

実に面白い。以前から経済学的な綺麗なモデル(例:完全競争)に比べ、「人間とは?」を的確に捉えた一冊。この本を読むまでは、システム1ではなく、システム2を使う習慣を身に付けることが大事だと思っていたが、肝心のシステム2が実はシステム1に騙されやすいことを知った。では、どうすれば人間は論理的に思考できる...続きを読むのか、考えさせられる。

0

Posted by ブクログ 2015年03月17日

元々行動経済学は非常に興味を持っていた分野で、その創設者でノーベル経済学賞受賞者のカーネマン自身の書いた本ということで、非常に期待を持って読み始めましたが、期待に違わぬ面白さ。長い本でしたが、一気に読み通しました。上巻の第1章では、この本の表題になっている「速い思考」(直感)と「遅い思考」(熟考)の...続きを読む特性や意思決定における役割などが述べられていましたが、これは行動経済学の文脈ではこれまであまり聞いたことがなく、興味深く読みました。
第2章のヒューリスティクスとバイアスはこれまでたっぷり読んできた話でしたが、これまであまり知らなかった例や考え方も豊富に取り上げられており、こちらも勉強になりました。

0

Posted by ブクログ 2014年10月04日

下巻の半分ぐらいで挫折した

まあそうだろうという結論に
心理学実験の詳細な裏付けがあり
そこがただの自己啓発本やビジネス書とは
ちがう
ただいちいちなるほどと思うのだが
やたらなんとかバイアスがあって
頭が整理できなくなるのだ
読み込んでバイアスを整理できれば
なんというか一段上の自分になれそうな...続きを読む気さえ
するのだがいかんせん物量が

とにかく
いままでのビジネス書なんて
これ1冊で吹っ飛んでしまうんじゃないか
ビジネス書読んだことないが

いずれ購入・再読が必要そうだ
ダイジェスト版・電子書籍版希望

0

Posted by ブクログ 2014年08月02日

とても面白い。

行動経済学についての著作物は数多くあれど、書店に並ぶものは、美味しいところだけを集めただけのものが大多数だ。
一方、この本は、行動経済学の分野で数多くの業績を上げている大家自らが綴った、行動経済学の集大成とも言えるものだ。
必要にして十分なボリュームで、人間の意思決定について深く考...続きを読むえさせられるものがある。

この分野は、まだまだフロンティアの段階なので、何がわかっていて何がわかっていないのかということを認識しておくことは重要だろう。
そういった意味では、この著作は、行動経済学に興味を持っている人であれば、必読の名著だと言えると思う。

0

Posted by ブクログ 2014年05月28日

「ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるか?」
この本では脳には2つのタイプの脳があり、それらを追求することで人間の持つ意思決定の仕組みを知ることが本書の目的である。
脳には「システム1」と「システム2」がある。

システム1…自動的に高速で働き、努力は全く不要か、必要であってもわずか...続きを読むである。また、自分の方からコントロールしている感覚は一切ない。(P32引用)

システム2…複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り充てる。システム2の働きは、代理、選択、集中などの主観的経験と関連付けられることが多い。(P32引用)

次からは脳の仕組みに関するいくつかの効果を述べる。

1.怠け者のコントローラー
システム1は、努力なく自動的に使用されている。システム2はなにかに意識的に集中しなければ使うことができない。また、システム2が忙しく活用されているときにその他のことを考えるにはシステム1が使用される。そのため、思い付いたことを考えなしに口にする、深く考えずに発言をする人などはシステム2が忙殺されておりシステム1が活用されていないか、システム2をそもそも使っていないのである。

2.連想マシン
この章ではプライミング効果について取り上げている。最初に取り上げるものが「プラス」のものであれば後に「マイナス」のものを聞いても「プラス」にとらえやすい傾向があるだろう。逆もまたしかりである。また、「高齢者」などの言葉を見ただけでも自分は足が遅くなったりする。誰でも人は、自分自身が意思決定を行っていると思っているがそうではない。無意識に意思決定をしていることも多々あるのである。なんらかの「先行刺激」に私たちは誘導される。

3.認知容易性
私たちは慣れ親しんだ言葉に対して信頼性をもちなじみやすくなる。慣れ親しんだものに対して記憶は取り出しやすくすぐに理解する。たとえば スイス ケーキ 小屋 きっチーズケーキを思い浮かべたに違いない。私たちが慣れ親しんだものをすぐに浮かべるのだ。逆に関連性のない馴染みない者同士の言葉ではすぐには浮かばずシステム2が働く。他にもたとえとしては「フォントが読みにくいという理由だけで、彼らの事業計画を却下するのは、ちょっとひどいのでは?」など〇〇だからこうということに対して疑問を持つことが大切である。

4.基準、驚き、因果関係
システム1はいつも情報を複数に処理しアップデートをしているようなものだ。どんな大きな事件が起こっても2度同じことが起これば驚かない。基準が緩くなっているからだ。また、システム1は瞬時に物事の因果関係をつなぐ。これは便利な時もあるが、なんにでも因果関係を結びつけようとするのはいささか危険である。何か不祥事があった際の理由など…。

5.結論に飛びつくマシン
システム1は起こった物事をなんでも信じようとする。それに対してシステム2は材料を提供する。そしてストーリーを作りすぐに結論を出す。これはシステム2が忙殺されているとき、システム1がなんでも信じてしまうことを意味している。
また、私たちは見たものがすべてであり、それらしい情報が出されてしまっては信用してしまう。本当に必要な裏付けがそろっているのかなどプレゼンテーションの際には注意をしてほしい。「ハロー効果」…最初に良い印象を受けるとその良いことに影響されてなんでも良いように見えてしまうこと。

6.判断はこう下される
今までの経験をもとに判断は下される。(この顔の形の人は優しいなど…)
また、あまりに難しい問題の時に人は問われていることに対してもっともらしい他の質問に対する答えを用意する。自分の応えることについては疑ってかからなければいけない。
「メンタル・ショットガン」…脳は常に目に映るすべてのものに対して情報処理を行っている。システム2が意識的に銃口を傾けなればである。それはあたかも散弾のようであり、そのために正常な意思決定ができなかったり、意思決定が遅くなることもある。

7.より簡単な質問に答える
難しい問題に直面した時、脳はその問題よりも簡単な質問に問題を置き換え答える。また、「感情ヒューリスティック」というものがあり一度気に入ってしまったものに対しては、デメリットよりもメリットばかり見てしまうこともある。私たちは、常に自分自身がそのような坂国陥亭愛花考えなくてはいけない。

8.少数の法則
脳は目の前に起こった少ない標本数で物事を判断し全体の標本数を見ない。(この経営者は3回連続事業を成功させている。次も成功するなど)あまり標本巣を気にせずに内容の因果関係の身を強く見る傾向もある。

9.アンカー
アンカーとは人々が参考にする基準である。たとえばフリーマーケットでものを買う際の値段など。妻女から高い(けれど高すぎて買うのをやめるほどでもない)値段にするとものを高く売れるということ。ぎゃくもしかり。人は最初に知った数字にとても影響を受ける。

10.利用可能性ヒューリスティック
私たちは思い出しやすさによって、その物事に対する規模をきめる。これが利用可能性ヒューリスティックである。たとえば、最近ニュースで立て続けに飛行機事故のニュースを見た時には、人は飛行機に乗ることに危機感を持つ。いつも乗る時と危険度の確率は変わらないにも関わらずだ。

11.利用可能性、感情、リスク
上記と同じで利用可能性によって感情の持ち方やリスクの感じ方が違うということ。

12.トム・Wの専攻
これは代表制についての論議である。私たちは受付嬢が有能そうで、家具が素晴らしく、芝生が刈られているからといっていい会社だとは限らない。それはあなた自身が持つ「代表性」に基づいて決められている。いい会社はこうであるという代表制を私たちは持っているがそれに惑わされてはいけない。

13.リンダ
「過ぎたるは及ばざるがごとし」ものをつけすぎるとかって安く見えたり、物事を正しく判断できなくなる。沢山の文章をつけてもっともらしさを増やし、正しく判断できなくなることがある。本質を見なくてはならない。

14.原因と統計
人は全体から子を推論することには不熱心だが、まさにそれと釣り合うように個から全体を推論することには熱心である。人は統計結果ら自分に当てはめることはできない。個別の事例を知った時に初めて自分に当てはめ全体を見ることができるのだ。

15.平均への回帰
両親から生まれる子供は両親と同じ身長にはならない。身長が高い親から生まれたなら平均並みの身長に少し近づいた身長になる。どんなに良い結果でも必ず、平均をとるために悪い結果も起こりやすいということ。

16.直観的予測の修正
直感芋とすく判断に対しての修正はそれとはまったく逆のことを自分に質問することである。標準情報(平均など)を参考に相関関係数なども考慮に入れ物事を統計的に考える。

17.わかったつもり
私たち人間はどの物事に対しても意味づけをしたがる。過去のことに対してもだ。そのために結果を知ってそれは○〇でこうなることはわかっていた。と思ってはいけない。成功したのがたまたまであっても〇〇が関係していると勝手に意味づけをする。結果として誤った成功体験を記憶してしまうこともある。だから成功したからその要因を探るのではなく本当にそれはよかったのかということから考えなくてはならない。過去成功したからとこれからも同じく成功するわけではない。

18.妥当性の錯覚
自分の中でストーリを作ってしまってあまりにも流れが良いから自信を持つ働き。

19.直感 対 アルゴリズム
技能を積んだ人たちの長年の勘よりも統計的(簡単な計算式でも)に答えを出した方が正しいこと絵ある確率が高い。これは30年にわたって研究された結果である。しかし、手術の成否など、こうすれば高い確率で救えるからなど、統計的に処理されたがために納得がいかないなどの問題も起こりやすい。

0

Posted by ブクログ 2014年05月25日

かなりの良書。読めば、人生を二倍豊かにする事ができます。
それと同時に、人間の思考の限界とそれをどうする事もできない事を、これでもかと教えてくれる本。
具体例がこれでもかと出てくるので、イチイチ再認識しながら読め、理解も深まります。
統計や確率が絡んだ時、確実にあなたの直感は間違っています。

0

Posted by ブクログ 2021年12月18日

面白い本だった。
人間が周りの環境に影響を受け、いかにいい加減な判断をしているかという事が良くわかった。

確かにアンカー効果みたいなのは、オークションでの言い値では感じる事である。
しかしその影響を取り払う事ができないのが人間なのだろう。

0

Posted by ブクログ 2021年10月02日

# ヒトの思考・判断プロセスに一石を投じた名著

## 面白かったところ

* `1 + 1` の解と `24 × 17` の解が導かれるまでの時間差異から、ヒトの思考には少なくとも2つ以上存在する。などの研究結果がとても興味を唆られた点

* ヒトの思考や判断には特徴があって、それを理解していた上...続きを読むで異なる行動を図ろうとしても並々ならぬ注意力が必要だと知れる点

## 微妙だったところ

* シンプルに、記述量が多く理解が難しい。これはまだ上巻で下巻も同程度の分量で存在する

## 感想

学生時代、後輩に勧められて購入した一冊。当時の自分の読書レベルでは到底太刀打ちできなかった苦い思い出から一念発起して再度読書に挑戦。

前半部分は、特に自分を通じてヒトの特徴的な癖を体感しながら学習することがでた。

後半部分では、もう少し俯瞰してヒトの思考・判断行動を観察。理解はできても納得は難しいヒトの行動を魁に、世の中の事象に切り込んでいく様子を垣間見ることができ、読み応えがあった。

下巻もとても楽しみである。

0

Posted by ブクログ 2021年08月21日

意思決定、行動経済学の本。この本については多くの方が書評しているので省略するが、内容は様々な類書やメディアで引用されているので、既に知っている記述も多かった。文章がやや難しく感じたが、頑張って読むだけの価値はある。人生の重大な局面で、自分の意思決定に必ず役に立つ本だと思う。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年01月30日

人間はシステム1により、直感的な判断をせざるを得ない。しかし、その判断は正しくない場合があり、ヒューリスティクスの誤用や平均への回帰を無視してしまう。
また、自分の専門的な分野での決定では過剰な自信が現れ、アルゴリズムよりも低い精度になってしまう。
自信過剰にならず、錯覚を起こさず(起こしてもそれを...続きを読む認識できるようにし)、統計的な手法を重視して意思決定を行なっていきたい。

0

Posted by ブクログ 2018年10月13日

ユーザビリティなるものの研究と応用実践を生業の一部としている者として、大変興味深く読ませていただいた。行動経済学もユーザビリティも人間の認知を探求する認知心理学を母体としているので同じバックグラウンドを持つのだと思い知らされた感がある。
また著者は「システム1」の働きや特徴を熟知しているからこそ、シ...続きを読むステム1/システム2という表現をうまく使いこなし、読者のシステム1に直接働きかけることを意識的に行っている。この点が最も感銘を受けた箇所でもある。

0

Posted by ブクログ 2016年01月31日

名著の誉れ高い本だけに、やはり内容の詰まり具合が半端ではない。それにしても上巻でこんなにいろいろ書いて、下巻に書くネタあるんかいな、と心配するくらい。

0

Posted by ブクログ 2015年11月27日

自動で働く速いシステム?、怠惰で遅く努力を要するシステム?。人間は、経済学でいう「合理的かつ利己的で選好が変わらない」エコンとは全く異なる存在である。

各章、オフィスでの井戸端会議会話例で締めくくられていますが、読み終えてなるほどと思いました。オフィスでの意志決定が良質なものになれば、人間の社会は...続きを読む変わり得るのだと。

0

Posted by ブクログ 2014年12月23日

認知心理学の権威による著書。
人の判断にまつわる研究の成果を詳しく記した本。ファスト&スローと言われると脊髄反射と脳かと早とちりするけど、実際には脳を構成する2つの思考システムのこと。ファストは直感的な判断を司る自動運転プログラム群、システム1。スローはいわゆる人間的な知的決断を下すシステム2。それ...続きを読むぞれのシステムの持つ長所と短所。問題の解決に関してそれぞれのシステムがどう関与するかが詳しく調べられている。

上巻で見られる大きな結論としては、人の脳は統計的に正しい判断を行う事が大変難しいシステムだ、という事。本質的には偏見を避けることはできず、余程の注意と教養を持ってしても是正は困難。

また、言ってみれば脳の脆弱性とも言える問題点が数多く紹介されているが、これらの弱点を突くことで印象操作や洗脳といった事がいともたやすく実践されうるし、実際マーケティングなどの分野では既に広く使われている。政治や宗教に転用されれば、戦争や虐殺にも繋がる。ある意味、核より恐ろしい研究かもしれない。

有名な平均回帰の話や、投資のプロの実力は猿以下という話も書かれていた。

しかし脳の仕組みというのは思っている以上に組織や計算機の構成法に似ている。それがこの世界の物理法則の上でやっていく最適な方法だからなのか、人の持つ先入観が計算機の設計や脳の理解に影響した結果なのかは興味深いところ。

0

Posted by ブクログ 2018年11月25日

第一部
井戸端会議において他人や最終的には自分自身について、判断や選択のエラーを突き止め理解する能力を高めるのが本書の目的

システム1(早い思考)とシステム2(遅い思考)

「注意を払う」とよく言うが、これはまさに当を得た表現である。というのも、注意は限度額の決まった予算のようなものだからだ。この...続きを読む予算はさまざまな活動に配分できるが、予算オーバーは失敗につながる。努力を要する作業の場合、多数の活動が互いに邪魔し合うという特徴があるため、同時にこなすのは難しく、ときには不可能である。

瞳孔は知的エネルギーの消費量を刻々と教えてくれる

認知心理学で重要な発見の一つに、あるタスクから別のタスクに切り替えるのは困難、とりわけ時間的余裕がないときに

セルフコントロールには注意と努力が必要、だから思考や行動にコントロールがシステム2の仕事になっている

自分がどんな気分のときも、つねにやさしく親切にしなさいという忠告はまことに当を得ている

見覚え、聞き覚えといった感覚は、単純だが強力な「過去性」という性質を帯びており、そのために、以前の経験が鏡に直接映し出されているように感じる

誰かに嘘を信じさせたいときの確実な方法は、何度も繰り返すことである。聞き慣れたことは真実と混同されやすいからだ

遠隔性連想検査は、認知容易性とポジティブな感情の関係について、さらに多くのことを教えてくれる

判断の独立性を保つ原則は、会議だと、前もって出席者全員に自分の意見を簡単にまとめて提出してもらうことだ

自分の見たものが全てだ(WYSIATI)(what you see is all there is)

システム1の特徴
・印象、感覚、傾向を形成する。システム2に承認されれば、これらは確信、態度、意志となる。
・自動的かつ高速に機能する。努力はほとんど伴わない。主体的にコントロールする感覚はない。
・特定のパターンが感知(探索)されたときに注意するよう、システム2によってプログラム可能である。
・適切な訓練を積めば、専門技能を磨き、それに基づく反応や直感を形成できる。
・連想記憶で活性化された観念の整合的なパターンを形成する。
・認知が容易なとき、真実だと錯覚し、心地よく感じ、警戒を解く。
・驚きの感覚を抱くことで、通常と異常を識別する。
・因果関係や意志の存在を推定したり発明したりする。
・両義性を無視したり、疑いを排除したりする。
・信じたことを裏付けしようとするバイアスがある(確証バイアス)。
・感情的な印象ですべてを評価しようとする(ハロー効果)。
・手元の情報だけを重視し、手元にないものを無視する(「自分の見たものがすべて」WTSIATI)。
・いくつかの項目について日常モニタリングを行う。
・セットとプロトタイプでカテゴリーを代表する。平均はできるが合計はできない。
・異なる単位のレベル合わせができる(たとえば、大きさを音量で表す)。
・意図する以上の情報処理を自動的に行う(メンタル・ショットガン)。
・難しい質問を簡単な質問に置き換えることがある(ヒューリスティック質問)。
・状態よりも変化に敏感である(プロスペクト理論)。
・低い確率に過大な重みをつける。
・感応度の逓減を示す(心理物理学)。
・利得より損失に強く反応する(損失回避)。
・関連する意識決定問題を狭くフレームし、個別に扱う。


第二部
私たちは、人生で遭遇する大半のことをランダムであるという事実を、どうしても認めたくないのである

ある未知の数値を見積もる前に何らかの特定の数値を示されると、その数値の近くにとどまる。この効果をアンカリング効果という

交渉におけるアンカリング効果に対抗する方法として、反対のことを考える。

リスクを定義することは権力を行使することにほかならない


第三部
予測は可能だとする錯覚はいっこうに消え去る気配がない

均等重みづけ方式は重回帰式を上回る

「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?ー重大な局面で”正しい決断”をする方法」アトゥール・ガワンデ

「小さな本」ポール・ミール

0

Posted by ブクログ 2019年05月21日

人間の判断がどういう場合に歪むのかを書いている。
歪みの力は極めて強く、それを免れるのは困難。
知っておくべき内容。

0

Posted by ブクログ 2014年07月22日

意思決定論を専門にする認知心理学者だが、プロスペクト理論の創始者であり、行動経済学の先駆者&代表的な学者としてノーベル経済学賞

0

Posted by ブクログ 2021年06月24日

認知的錯覚について様々な種類が紹介されている。
話の軸は「システム1(直感)とシステム2(熟慮)型の認知」、「エコン(経済人)とヒューマン(普通の人間)」、「経験する自己と記憶する自己」

幸せの感じ方の議論が「経験する自己と記憶する自己」の流れであり重要

0

Posted by ブクログ 2018年11月12日

システム1(無意識)とシステム2(意識)を解説してくれる本。しかしすごいボリュームです。豊富な実例を持って、システム1、2の働きの違いを示してくれます。まだ行動経済学という言葉がはっきりしない頃の書でしょうか。この本にまとまっている実例をキッカケにして行動経済学は勃興していったのかと思いました。

0

Posted by ブクログ 2018年07月16日

直感型思考と熟慮思考に関しての研究。人間の判断がどれだけ周りの影響を受けているかが書かれている。判断するとき周りにおいてあるものとか、事前に見たものとかに影響されてるんだなあ。例えばSO◽︎Pの四角の中には、事前に洗うと聞いていたらSOAP、食べると聞いていたらSOUPと答える確率が高いとか。

0

Posted by ブクログ 2017年09月23日

ノーベル経済学賞(正しくはないのだが)をとった心理学者の本。訳本でもあり、最初のほうはかなり読みづらかった。統計の話になってからは、興味深く読ませてもらいました。下巻を直ぐに読みたいとまでは、思えませんでした。

0

Posted by ブクログ 2016年08月25日

ファスト(システム1)とスロー(システム2)の状態説明。
ハロー効果、平均回帰。行動経済学では投資家の心理など。

著者は、認知心理学者でノーベル経済学賞受賞者。
C0011

0

Posted by ブクログ 2014年05月30日

とても面白くて興味深くて、日々の自分の判断、引いては人生に影響を与えそう。
ただ、もっとコンパクトに要点だけを纏めた、読後用の本が欲しい。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年03月21日

読んでみての感想は、「人間って奇妙な生き物だよなあ」ってこと。自分自身の行動の中に驚きを感じる。自分が自分の意志で決めていると思っているのに、こんなにも意思決定に影響を与ええるものがたくさんあるんだ。
心理学なので、心理学用語(フローとかハロー効果とかアンカリングとかプライミング効果とか)をたくさん...続きを読む知ることができるのはもちろん、自分の決断や行動を見直すきっかけをくれる。最初に見た・聞いた数字とかに影響されていないかなとか。
論文なので、それを証明する実験結果も掲載されているので、納得感もある。

0

「学術・語学」ランキング