村井章子のレビュー一覧
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専門家の意見をどれくらい信用するか、というインターネット調査があり、1位は看護師で84%、最下位は政治家で5%だった。では経済学者はどれくらい信用されているだろう?
下から2番目、25%である。
経済に関係する政策には経済学者が必ず関与しているが、その結果としての社会の現状に、多くの人が不満を抱いているのだろう。
こういう社会では、分かりやすい政治家に人気が集まる。経済学者でも、分かりやすい経済施策で人気を集める人もいる。彼らの政策、市民に支持される政策は、往々にして良心的な経済学者の意見とは異なるものである。
人々から信用されていないかも知れないが、世の中には良い経済学もある。それは -
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総じて読みやすく、かつ、有用な本だと感じた。
経済学の観点からプラットフォームを説明していることが、エンジニアとしてプラットフォームの技術面に興味を持っていた私にとって新鮮だった。改めてタイトルを見返すと、たしかにプラットフォームの「経済学」であった。引用が豊富であり、その中には経済学の参考文献も含まれている。
事業提案をするときに、市場は将来こうなり[そう]だから、こういうことをやれば、こういう理由で儲かり[そう]という説明が必要だが、この[そう]の部分の検討材料や説明時の根拠として、経済学の観点が有効かもしれないと思った。
時間の都合でざっとページをめくっただけになった、第3部「クラ -
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帳簿というか会計を締めて現状を把握しないと複雑な世の中を把握する事は無理だし、実態を把握しないと適確な施策を打つのは不可能だと思う。特に今の世の中は本当に複雑になっているから。そうした会計の重要な役割がどう認知されて、発展してきたのかを説明してくれるが、正直現在でも上手く回っていないというのが著者の意見。だからエンロン事件もリーマンショックも起きたのだし。フイレンツェで近代の複式簿記が発達して中でアラビア数字の果たした役割は大きかった。でも王室は自分たちの財布の中身を公にする事を好まなかった。今でも多くの企業はそこまで大ぴらに自分自身の会計を丸裸にしたくない。競争と投資家への開示の間にいる。難
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行動経済学に興味がある人ならきっと聞いたことのある本であるし、そうでなくとも、出てくる話や実験をどこかで耳にしたことがある人は少なくないはず。
でも、そんなことは抜きにぜひ読んでほしい一冊。掛け値なしに面白い。
直感や熟考といった私たちの様々な思考の形態が、実際のところどんな働きをしているのか。
数々のユーモアあふれる実験結果とともに、筆者が紐解いてくれる。
読み進めるうちに、自分の身近な例で思い当たることも色々と出てきて、より引き込まれるだろう。
余談だが、上下巻としてもかなりのページ数と文章量があり、正直なところ物理的にそれなりに重い。
比較的平易な翻訳がされているので、手段があるなら -
購入済み
経済思想史です
経済の思想史というべきものです。
経済学の知見が少なくても理解はできます。でも、経済学の知見があればあるほど、より楽しく読めると思います。但し、著者の考えがすべてとは思いません。
また、一つだけ、コロナ対策で評価の高い権威主義的国家での経済についての記載が少ないように思えました。 -
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ネタバレ著者は二人のノーベル経済学賞受賞者。
原題は「Good Economics for Hard Times」とありますが、コロナ禍の今にあって、ちょうど米大統領選が佳境のころから読み始めたので、本書で取り上げられているテーマと、日々目にするニュースやSNSの投稿などとシンクロすることも多く、政治と経済の今についての理解を深めるには良書であったと思います。
経済成長
移民
自由貿易
地球温暖化
社会保障
格差
お金だけで解決しないことや、さまざまなトレードオフが生じること、マクロな経済モデルの想定通りには行動しない人や企業、そうした複雑系の中で、良い方向に向かうための本質とは何かを二人の経済 -
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開発経済学の研究者として2019年にノーベル経済学書を受賞したアビジット・V・バナジーとエステル・デュフロ夫妻が自身が長年研究してきた社会格差、人種差別(と個人の移ろいやすい嗜好性の問題)、移民、環境破壊、自由貿易などのテーマを一般人向けに平易にまとめた一冊。
テーマは数あれど通底しているのは、「一見、絶望ばかりに見える問題に対して、経済学が解決できる部分は確実にあり、希望を捨ててはいけない」という点である。真摯な研究者として、経済学を一つのツールとして、確実な課題解決に結びつけるための実践がまとめられており、ランダム化試験などの統計的手法をフルに活用しながら、本当に問題解決につながる政策を -
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プラットフォームの日本語訳って”舞台”とか基盤”って意味がり、ビジネスでいうとアメリカのGAFAやUber、Airbnb等、需要者と供給者を結びつけるプラットフォームを構築して莫大な利益を上げています。そんなプラットフォームについて人工知能やロボット、ビットコイン等の科学技術を絡め解説されています。全部で13章の構成となっているのですが、それぞれの章末に”この章のまとめ”と”あなたの会社では?”の項目が有り、一方的な知識のインプットに終わらない様、著者の優しさが感じられます。500頁程と読み応えのある本ですが、その内容の面白さに一気に読めちゃいました!
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同じ著者が書いた前作「権力を握る人の法則」はあまり好きでなく後味悪い読書だったが、そうは言っても多々支持されている人なので続編も読んでおこうかという意識から読んだ。結果良かった。リーダー育成産業が盛んなのにも関わらず、なぜほとんどの人は上司に不満なのだろう。リーダー育成プログラムが役に立ってないどころか、まともなこと教えてないんじゃないの?という視点から書かれた本。確かに!人は役職が上がると、周りは皆真実を言ってくれない。間違っていても指摘されない。周りもも上に上るような人は間違いなどしない、という思い込みから、ゆがみが生じていくのは、確かになあ。
結局は自分の身は自分で守るしかないのだ。リー -
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【民主主義国家の政治指導者に必要とされるのは説得する力である。リスクを取りたくない、苦い薬を飲まないでなんとかなると思いたい人たちを説得する政治家が、有識者の支持を得られるかどうか、そこに日本の将来が懸かっている】(文中より引用)
半世紀以上にわたり政治を中心として日本を研究し続けてきた成果がまとめられた作品。過去のエピソードを紐解きながら、令和の時代に求められる政治・社会像を論じていきます。著者は、名著『代議士の誕生』でも知られるジェラルド・L・カーティス。訳者は、経済系の作品の翻訳も手がけた村井章子。
深い経験と探求に裏付けられた高所からの視点が興味深いことはもちろんなのですが、更に惹 -
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【誘拐ビジネスを繁栄させる要素として、無政府状態、経済発展、そしてもちろん、強欲を挙げることができる】(文中より引用)
外国人の誘拐や難民の密入国といったテロ組織や犯罪集団が生業とする「ビジネス」に光を当てた作品。数々の犯罪の裏で資金がどのように動いているかを明らかにしていきます。著者は、マネーロンダリングに関する研究の第一人者として知られるロレッタ・ナポリオーニ。訳者は、上智大学を卒業し翻訳家として活躍する村井章子。原題は、『Merchants of Men: How Jihadists and ISIS Turned Kidnapping and Refugee Trafficking