村井章子のレビュー一覧

  • 善と悪の経済学―ギルガメシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠

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    ネタバレ

     久しぶりの書評です。表面的なテクニックに留まらず「あるべき」という倫理を追求することは、改めて仕事に当てはめる必要があると感じさせられました。

     本書は、経済思想は本来、哲学、宗教などと密接に関連し、常に「倫理的な規範」「善と悪」の価値判断と不可分であるが、現代の主流派経済学は分析的アプローチと数学モデルによってこうした倫理と決別したように=「価値中立的」に見える。しかし、実は「効率性、完全競争、高成長」「快楽追求・効率至上主義的」に価値を置いているとし、リーマン・ショックの問題も契機に、物質的反映がもたらす幸福を躍起になって追い求める「経済成長」よりも巨額の債務に依存しない安定性がより重

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    2017年10月22日
  • 善と悪の経済学―ギルガメシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠

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    この本は作中にも書かれているように「機械論的・強権的な主流派経済学に対する批判の書」です。つまり、現在の経済学にありがちな数式等を駆使したものではなく、数式で表すことの出来ない倫理、哲学を土台にした経済学の本であると言えます。私自身もこの作者の意見には賛成で、物理学等と違い、経済学は人間の行動を相手にした学問であり、そこには倫理学、哲学だけでなく、社会学、心理学等複雑な要素が沢山絡んでいます。その複雑な要素を数式だけで表すのは到底無理な話であり、実際問題現実世界においても様々な経済学の理論はあれど幾度となく金融危機が生じています。経済学は全てを数式で表そうとはせず、数式で表せる部分とそうではな

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    2017年09月18日
  • ミル自伝

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    歴史を書くのは全然義務ではなかったが、義務として書かなければならなかったものもある。詩である。あれは、課題の中で大嫌いなものの一つだった。なにもギリシャ語やラテン語で書かされたのではない。そもそも作詩法も教わらなかった。そんなことに時間をかける価値はないというのが父の持論で、朗読させて音律のまちがいを直すだけでよしとしていたからである。ちなみにギリシャ語では散文すら書かず、ラテン語でも申し訳程度だった。外国語の完全な習得に作文が効果的であることを父が知らなかったはずはないが、そのための時間がどうしてもとれなかったからである。というわけで、私が書かされたのは英語の詩だった。

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    2017年09月01日
  • 善と悪の経済学―ギルガメシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠

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    2017.7昔栗本慎一郎とかはやったけれど、そのあたりの話なのかなあ。いずれにしろ倫理と考え方の話が経済から落ちているのは確かに共感できる。定常状態がもっと見えてもいいのかもしれない。持続可能性とか。まあ面白くよめた。
    2017.6 4章まで読んでいったん止めることにした(近代に入る前)。面白いのだけれど今読むと当たりそうなので。また今度。

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    2017年07月24日
  • 善と悪の経済学―ギルガメシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠

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    現在のウォール街の問題をギルガメッシュの壁から語り起こす経済学についての一大叙事詩です。道具としての経済学はいかに近年のものであり、経済が人間とか社会に向き合う学問である限り、「倫理」からは目を背けてはならない、という熱い想いが一貫されています。「神の見えざる手」の元祖とされているアダム・スミスに対してさえ「国富論」より「道徳感情論」の作者として光を当て直しています。キーワードとしてアニマルスピリットが多く使われていますが、レヴィ・ストロース「野生の思考」を連想してしまいました。また最近、シンギュラリティが間近とされているAIの専門家が、これからはテクノロジーには倫理についての議論が求められて

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    2017年03月15日
  • 大暴落1929 (日経BPクラシックス)

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    経済の本は何冊も読んできたが最高品質の本。
    ただ単に過去を知るだけではなく、今後何度もくりかえされるはずのバブルと株価下落を鳥瞰的に見れるのではないだろうか。

    村井章子さんの翻訳が秀逸の出来栄え。
    自然な訳を堪能されたい。

    なお、この投稿は2017/02/24(金)。
    ここ何ヶ月も賃貸不動産のバルブ感が新聞や雑誌などで書かれている。
    今後、どうなるか?!

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    2017年02月24日
  • ジョン・P・コッタ― 実行する組織

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    組織のデュアルシステム化の話。
    ネットワーク型組織のアクセラレータ
    危機感を高める
    コア・グループを作る
    ビジョンを掲げ、イニシアチブにきめる
    志願者を増やす
    障害物を取り除く
    早めに成果を上げて祝う
    加速を維持する
    変革を体質化する

    運転をするというタスクに求められるスキルはレースサーキットにいるのか、大型バスを運転するのか状況によってまったく違う

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    2017年02月22日
  • ザ・セカンド・マシン・エイジ

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    現在、話題になっている自動車の自動運転は経済学者が2004年の著書「新しい分業」でコンピューターには無理が仕事を判断したそうである。この例が示すように、コンピューターが予想を超えたペースで人間の能力を超えてきてる状況を筆者は「第ニ機械時代」と呼んでいる。筆者によると現在はその「第二機械時代」のほんの序章に過ぎないとして、その根拠として、指数関数的な高性能化、デジタル化、組合せ型イノベーションの3つの特徴に裏付けられているとしている。その影響は経済的、政治的に計り知れないものであり、企業経営者、政治家を含むリーダーが状況を的確に認識し、政策を実施すべきであり、そのための提言も行っている。より多く

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    2017年01月08日
  • 悪いヤツほど出世する

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    長くも短くもない個人的な社会人経験から正にこのタイトルの事は真理を突いているなと感じた本でした。世間が描くリーダー像と実際のリーダーとの乖離を、個人が持つ感情や想像では無く、学問として研究し説明された良書です。無論、例外がある事もしっかりと認められているがその数は極めて少ないと言ってくれている事もスカッとします!

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    2016年11月13日
  • 悪いヤツほど出世する

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    現実の世界に立派なリーダーが少ない理由が良く分かった気がする。自分がそうなるのも難しそうだ。現実と対峙して生き延びるためのヒントを与えてくれました。

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    2016年09月17日
  • ザ・セカンド・マシン・エイジ

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    グーグルのハル・バリアンは「どんどん安く豊富になるものにとって必要不可欠な存在となる」ことを奨めるが、データ・サイエンティストや携帯電話向けのアプリ開発者は、まさにそれである。また遺伝子配列の解明が進むにつれて、遺伝子関連のカウンセラーも必要不可欠になるだろう。

    現在すでに利用可能なオンラインの教育リソースから最大のメリットを享受できるのは、まちがいなく、やる気満々の自学者である。一例を挙げるなら、12歳で大学の講義を受けている子供がいる。この年齢の子供が大学の講義にアクセスするなど、従来は考えられなかったことだ。その一方で、こうしたものにとんと関心を示さない子供もいる。これでは、両者に大き

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    2020年07月15日
  • ファスト&スロー (下)

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    上巻に続き、さらに深い世界へ。特にプロスペクト理論、「経験と記憶」は秀逸。いつも読み飛ばす解説も上下巻をうまく総括してくれており、さらにカーネマンの2つの論文付と魅力満載!

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    2016年06月25日
  • ファスト&スロー (上)

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    実に面白い。以前から経済学的な綺麗なモデル(例:完全競争)に比べ、「人間とは?」を的確に捉えた一冊。この本を読むまでは、システム1ではなく、システム2を使う習慣を身に付けることが大事だと思っていたが、肝心のシステム2が実はシステム1に騙されやすいことを知った。では、どうすれば人間は論理的に思考できるのか、考えさせられる。

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    2016年06月18日
  • ザ・セカンド・マシン・エイジ

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    人工知能についての学びだけではなく、

    過去のコンピューターの歴史、進化と合わせ、

    今後の世界が読み解けます。

    様々チャンスを得るヒントが詰まった1冊です。

    おすすめですよ!!

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    2016年05月29日
  • ザ・セカンド・マシン・エイジ

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    AIと経済社会に関する本。

    ファーストマシンエイジ(=蒸気機関)と匹敵する大変革をセカンドマインエイジ(=IT、AI)が起こすとの論拠を具体的な例を多数含めて説明している。

    AI関連で一番参考になる。

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    2015年12月26日
  • 「権力」を握る人の法則

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    とても素晴らしい本だった。
    できるところから実践していきたい。

    ・実績と昇進は関係ない
    ・上へ行くためには、上の人に存在を知らせ、評価してもらわなければならない
    ・自分が階層の頂点でない限り、上には必ず誰かがいる。したがって大事なのは、上の人間があなたの昇進を望むように持っていくことである。
    ・将来の目標達成のために自分を変える
    ・組織内のパワーポリティクスを理解する
    ・7つの資質:①決意、②エネルギー、③集中、④自己省察、⑤自信、⑥共感力、⑦闘争心
    ・自分は優秀だと思い込むと自信過剰になり、ひいては傲慢になりやすい
    ・キャリアをスタートさせるときには、やりたいことを臆せず要求する意思と、自

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    2016年01月16日
  • ザ・セカンド・マシン・エイジ

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    蒸気機関が馬の仕事を奪ったように、コンピュータが人間の仕事を奪うのか?
    最近特に興味を持っているテーマなので読んでみました。
    同じく興味を持っている人にはおすすめの本です。

    本書では、肉体労働が機械に置き換わった産業革命を「ファーストマシンエイジ」、知的労働がコンピュータに置き換わる近い将来を「セカンドマシンエイジ」として、セカンドマシンエイジではどんな世界(経済など)になっているかについて言及しています。

    ・生活の豊かさは現在のGDPや生産性統計では計れなくなる
    ・定型的な仕事は肉体労働、知的労働によらず激減
    ・否定型的な知的労働(アナリストなど)、肉体労働(美容院など)は増加
    ・勝者総

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    2015年10月04日
  • 機械との競争

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    「テクノロジー失業」
    テクノロジーの進化の早さは指数関数的に伸びており、人間が調整可能な範囲を超えているため、人間の雇用を奪っていく。
    自動運転、翻訳。
    複雑なパターン認識での進化のスピードも加速している。

    人間が機械と共存するには、
    組織革新と人的資源への投資。
    組み合わせによる新規市場・ビジネスモデルの創出、人的資源を育てる教育の革新が求められる。

    "
    分散するのは時間や場所など特定の状況に関する知識である。十分に活用されていない機械を見つけて利用すること、もっとうまく活用できる人材やスキルを発掘して生かすこと、供給が途絶えたときに使える余剰在庫の存在を知っておくことなどは、

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    2015年05月13日
  • ファスト&スロー (下)

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    下巻では、上巻で述べられた認知バイアスのフレームを受けてさらに議論が進み、一般的傾向としての「自信過剰」の問題と、実はそれが資本主義の原動力になっていることや、計画の錯誤、保有効果、稀少確率の過大評価、メンタル・アカウンティング、感情フレーミング、「経験する自己」と「記憶する自己」の2つの自己、物語として記憶される人生、幸福の基準などなど、どれをとっても興味深い話題がてんこ盛り。おもしろくて最後まで一気に読み通しましたが、読み流して終えてしまうにはもったいない深い話ばかりでした。
    この手の話題は、年齢を重ね、経験を経るに連れて一層理解が深まるように思いますし、いずれ時間を経てぜひまた読み返して

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    2015年03月17日
  • ファスト&スロー (上)

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    元々行動経済学は非常に興味を持っていた分野で、その創設者でノーベル経済学賞受賞者のカーネマン自身の書いた本ということで、非常に期待を持って読み始めましたが、期待に違わぬ面白さ。長い本でしたが、一気に読み通しました。上巻の第1章では、この本の表題になっている「速い思考」(直感)と「遅い思考」(熟考)の特性や意思決定における役割などが述べられていましたが、これは行動経済学の文脈ではこれまであまり聞いたことがなく、興味深く読みました。
    第2章のヒューリスティクスとバイアスはこれまでたっぷり読んできた話でしたが、これまであまり知らなかった例や考え方も豊富に取り上げられており、こちらも勉強になりました。

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    2015年03月17日