【感想・ネタバレ】機械との競争のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年05月13日

「テクノロジー失業」
テクノロジーの進化の早さは指数関数的に伸びており、人間が調整可能な範囲を超えているため、人間の雇用を奪っていく。
自動運転、翻訳。
複雑なパターン認識での進化のスピードも加速している。

人間が機械と共存するには、
組織革新と人的資源への投資。
組み合わせによる新規市場・ビジネ...続きを読むスモデルの創出、人的資源を育てる教育の革新が求められる。

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分散するのは時間や場所など特定の状況に関する知識である。十分に活用されていない機械を見つけて利用すること、もっとうまく活用できる人材やスキルを発掘して生かすこと、供給が途絶えたときに使える余剰在庫の存在を知っておくことなどは、優れた新技術に関する知識と同じくらい、社会にとって役立つものである。

「組み合わせ爆発」は指数関数的な上回る数少ない数学関数の一つである。このことから、組み合わせによるイノベーションは、創意工夫によって人間が競争にとどまる最高の方法だと言えよう。

生産性の向上に教育は飛び抜けて重要な貢献を果たすにもかかわらず、教育そのものの生産性を計測する系統的な試みはほとんど行われていない。
"

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Posted by ブクログ 2014年10月20日

[並走から、追い抜きへ]企業が莫大な利益を得る中で、雇用者数の改善が一向に見られない状況に目をつけた著者は、経済と技術の相関に目をつける。そして、雇用者数の改善が見られない理由を、技術のあまりにも急速すぎる発展にあるとし、多くの労働が機械にとって代えられるという事態が既に起こりつつあることに気づく....続きを読む.....。ディストピアのような話が現実に生じていることを鋭く指摘した警句の書です。著者は、米国のマサチューセッツ工科大学に務めるエリック・ブリニョルフソンとアンドリュー・マカフィー。訳者は、経済関係の著書の翻訳に定評のある村井章子。原題は、「Race against the Machine」。


機械が人間の労働にとって代わる事態が起きているという指摘に、「ホントかよ?」と疑問符つきで読み始めたのですが、読み進めていくうちに「ホントかよ!」と驚かされずにはいられませんでした。実証的なデータを示していますので、極端ながらも説得力のある帰結に読者は真剣にならざるを得なくなるはず。大著ではありませんが、その分研ぎすまされているようで、惹き付けられるものがありました。


その一方で、著者の二人があくまでテクノロジーは良いものであるという立場を崩していない点が印象的。大胆に途方もない現実を突きつけておきながら、その現実を凛々しく越えていこうとする研究者の態度に、知的な強さを感じることもできた作品でした。

〜言い換えれば、多くの労働者がテクノロジーとの競争に負けているのである。〜

将来のことはよくわかりませんが☆5つ

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Posted by ブクログ 2014年06月21日

第1次産業革命や第2次産業革命と同様に、現在のコンピュータの発展によってコンピュータが人の仕事を盗むかというとその通りで、とは言ってもその代わりコンピュータにはできない複雑な仕事は増えるので問題はない。なのだけど、情報技術に対して順応するのが遅くまだまだ仕事が整っていないというのが現状の問題のよう。...続きを読む
技術者の中で雇用の機会が多いのは低レベル、高レベルの人材で、中レベルの技術者は雇用が減っていくらしいが、何かを生み出すコストは減っていっているのでチャンスはどこにでもあるとも。

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Posted by ブクログ 2014年11月09日

産業革命が進展していた頃、機械に職を奪われるという危機感を頂いた労働者が織物機を破壊した事件(ラッダイト運動)については歴史の授業で習ったが、いまやICTが職を代替する時代になっているということを各種分析を根拠に解説している。「平均的な人間の大多数が従事している仕事については機械がこなせるようになる...続きを読むだろう。そしてその人達は新たな職を見つけることはできまい」「この時代は大不況でも大停滞でもない。大再構築である」

一方、機械ができない仕事は、クリエイティブな仕事とプロフェッショナルな仕事。起業家が作り出す新たな付加価値によって新たな雇用が生まれるということであり、そのための教育や制度作りを一層加速するべきという主張。これが米国の学者の書籍であることに驚く。米国に於けるこういう仕組みは最先端と思っていたがその米国でさえ危機感を頂いている。いわんや日本においておや・・・。

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Posted by ブクログ 2018年12月30日

「イノベーションのジレンマ」の言葉を借りると、
人間自体が「持続的技術」で、機械が「破壊的技術」と言えるかもしれません。

テクノロジーの急速な進歩によって、雇用が減り、クリエーターと肉体労働者に二極化するという話です。


1.この本をひと言でまとめると
 「機械との競争」に人は負けている。機...続きを読む械を味方につけよ。

2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
・eディスカバリーが弁護士の仕事を肩代わりしたように、高度なスキルもコンピュータに浸食される恐れなしとしない。(p101)
→ちょうど昨日、「弁護士収入:2割が年収100万円以下」というニュースを見た。ネットで調べれは大抵のことはわかるからかも。

・ソフトなスキルの中でも、リーダーシップ、チーム作り、創造性などの重要性は高まる一方である。これらは機械による自動化が最もむずかしく、しかも起業家精神にあふれたダイナミックな経済では最も需要が高いスキルだ。大学を出たら毎日上司にやることを指示されるような従来型の仕事に就こうなどと考えていると、いつの間にか機械との競争に巻き込まれていることに気付くだろう。(p.127)
→働き方について従来の考え方を見直さないといけない。

・著者からの提言(p131)
→基本的には「小さな政府」のような考え方で、納得できる。

3.突っ込みどころ
・「解説」で指摘していたが、著者が具体的な対応策として述べていることが「アメリカでは十分やっているではないか」という指摘はその通りだと思う。
・5章の「人類も世界もデジタルフロンティアでゆたかになると私たちは確信している」はあまりにも楽観すぎないか。楽観の根拠も抽象的。
・看護師を肉体労働者と分類するのはちょっとちがうのでは?
・技術の進化が指数関数的としているが、そこまで急激といえる根拠がわからなかった。

4.自分語り
・本が硬くて読みにくかった。
・極論を言えば、人間にしか出来ない仕事(肉体労働)をするか、新しい仕事を創出するしかない

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Posted by ブクログ 2018年10月12日

景気が良くなっても雇用環境が良くならないのは、テクノロジーの進歩による「雇用の喪失」だと。
産業革命を牽引したのは「蒸気機関」、次が「電気」、そして現在進行中のコンピュータとネットワーク。
「文明がこれまで成し遂げた最も偉大な功績は、機械を人間の主人ではなく奴隷にしたことである」
しかし、人間側のス...続きを読むキルや組織制度が技術の早い変化に追いついていない。
それには「組織改新の強化」と「人的資本への投資」だと。
教育には改善の余地が極めて大きいと。
「教育のデジタル化」
アメリカの状況がこうである。
日本は?

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Posted by ブクログ 2017年05月25日

テクノロジーは雇用を破壊する。

コンピューターは雇用に影響を与えず、近年低迷しているのではないか、と言われていたが、むしろ逆だ。発展が早すぎて人類が進化に追いつけていない。
コンピューターの発展は雇用体系を大きく変え、失業を起こしている。
労働力を節約する手段が、その労働力の新たな活用先を見つける...続きを読むペースを上回ることで、失業率が高くなっている。

技術の発展の恩恵は存在がするが、誰もが技術の恩恵にあずかれるという保証はどこにもない。むしろ大半の人が恩恵を得られるかどうかという法則すら存在しない。
現にアメリカの平均賃金に変化はなくとも、中央値は下がっている。テクノロジーの発展により格差が広がり、富めるものは富み、貧しきものはより貧しくなる。


富めるものと貧しきものの差は何かが言及されている。

・スキルの高い労働者 ↔︎ スキルの低い労働者
これからの時代を生きぬくにはSTEAM ( Science , Technology , Engineering, Art , Mathematics )らしい。
仕事を奪われると嘆く人は、コンピューターにもできる仕事しかしていない。

・スーパースター ↔︎ 一般人
コンピューターの発展により誰でも世界に発信できることや、様々なもののコピー可能なことが大きな影響を与えている。
現在 ( 2007) の アメリカの0.01%の人間が、アメリカの6%の資産を持っている。

・投資家 ↔︎ 労働者
労働者は機械に変わるが、投資家は変わらない。投資家は労働者の賃金ではなく機械に投資するようになる。


これから我々はどうするべきか、筆者は提案している

・教育
1.とりあえず先生の報酬を増やし、よりよい人材にとって訴求力の高いものとす2.る。
2.教師の終身在職権を剥奪し、裁量制とする。
3.学生の指導と、試験・資格認定を切り離す。学校は学生の募集や評判や社会的地位向上を考えるのでなく、教育を重視するべき。
4.義務教育の時間を増やす。(そして経営学やプログラミングなどを学ぶ)
5.スキルを持つ移民の積極的な受け入れ行う。

・企業家精神
6.全ての高等機関で企業と経営の基礎を教え、起業家層を育成する
7.起業家ビザを作り、企業家精神の発展に努める
8.起業の手間を簡略化。意見交換の場も揃える。

投資
9.通信、輸送インフラの強化に投資する(アメリカはインフラが弱いらしい)
10.基礎研究や、政府の重要な研究機関への予算を増やし、無形資産や組織改革を新たな研究対象に設置する。

法規制
11.労働市場の流動性を保つ。解雇が処罰されるとなれば、企業にとっては雇うことがリスクになる。
12.技術の導入より人間の雇用の方が相対的な魅力になるような状況を作り出す(これは雇用の観点なので、僕としては懐疑的である)
13.福利厚生と企業を切り離し、市場の流動性を高める。医療保険やその他の福利厚生が雇用に義務付けられていると、転職や起業がしづらくなる。企業を考えていても、医療保険がなくなるかと思うと踏み切れないように。
14.新しいネットワークの規制はゆっくり行う。実験段階の、とりわけ新しいプラットフォーム作りに関しては、最大限試行錯誤や実験ができるようにするべき。
16.金融サービスに対して供給されている補助金を削減する。「金融機関が大きすぎて潰せない」と政府に存続を保障されることで、金融サービスに多くの優秀な人材とテクノロジーが吸われてしまう。
17.特許制度を改革し、審査官を増やす。
18.著作権の保護期間は伸ばすべきではない。新しいアイディアは既存のアイディアの掛け合わせで生まれるから。


日本はアメリカを目指してすらいないが
日本より教育が進んでるとされているアメリカでも、教育に関して問われているのだ。今こそ改革の時、ということなのだろう。

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Posted by ブクログ 2016年02月11日

機械が人間の労働に置き換わるかという議論は産業革命の頃から尽きない議論である。
機械、コンピュータの普及により人間がやるべき仕事の領域が大きく狭まり、人間が本来すべき仕事にリソースが集中することになるだろう。

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Posted by ブクログ 2015年10月07日

「アメリカの景気はなぜ回復しないのか。GDPは増大するが失業率は改善されないのはなぜなのか。指数関数的に進歩したコンピュータがこれまで一般労働者が行っていた労働を侵食しているからだ」という内容です。
1時間以内に読み終えることができるうえ、非常に平易な文章で書かれて(訳されて)いるので、ぜひ読んでみ...続きを読むてください。
ところで、この本は単純な労働者の仕事を機械が代替することを中心に書いてありますが、今やコンピュータはもっと創造的なこともできてしまいます。『アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)』と併せて読むことをお勧めします。

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Posted by ブクログ 2015年10月02日

『とくに注目すべきは、従来人間にしかできないとされてきた知的な仕事をデジタル技術がこなし始めたことである。

汎用コンピューターは、労働人口のうち情報処理的な仕事に携わる60%に直接的影響をおよぼすだけでなく、残りの40%も次第に侵食しつつある。

チェス盤の残り半分を進むにつれて、テクノロジーのパ...続きを読むワーは倍々ゲームで強化され、その用途は飛躍的に拡大し、職業や雇用に影響を与えずにはおかない。

したがって、スキルの面でも、社会制度や産業の面でも、遅れを取り戻すべく努力しなければならない。さもないと、この先もっと多くの労働者がテクノロジー失業に直面することになるだろう。』

簡潔で分かりやすい問題提起的な作品。

我々としては、機械で出来ることは最大限機械で行って、機械では出来ない部分をいかに強みとして人間に働いてもらうのかを真剣に考えることが大事なんだろうなぁ〜。






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Posted by ブクログ 2015年06月07日

MIT教授らによる、IT革命がもたらした"影"の部分、すなわち雇用喪失や格差拡大といった、社会に対する「負の影響」のマクロ経済的な分析と、それらの課題に対する提言をまとめた一冊。

過去の産業革命では、蒸気機関等の革命的技術が衰退産業を上回る規模の雇用を創出したため、失業が社会問題化することはなかっ...続きを読むたが、「ムーアの法則」に象徴される今日の技術革新スピードは速すぎて人や組織が着いていけず、「雇用喪失>雇用創出」の状態に陥っており、格差を助長する要因にもなっているという。

この状況を打開するには「技術を味方につける」ための組織革新や人的投資が不可欠であるとして、「新たな組み合わせによるイノベーション」を、足し算ではなく"かけ算"で行うことができる組織・人材開発の必要性を主張する後半は「フリー」以降の文脈にも通じており、「ITによって仕事が奪われる」という危機感を逆に原動力にして、前向きに未来を切り開こうという"楽観論"は納得感が高い。

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Posted by ブクログ 2015年05月01日

MITスローン・スクール教授による、短いが衝撃的な本。 ITの加速度的な進歩により従来人間だけができた仕事が侵食されつつあり、機械に人間の雇用が奪われてゆく。 この変化を理解するうえで提示される二つの法則が分かりやすい。一つは半導体の集積度が18ヶ月毎に2倍となるムーアの法則。もう一つは米粒が倍々に...続きを読む増える「チェス盤の法則」。指数関数的な変化は気づいた時には想像を絶する大きさになり、まさにITのインパクトはこれに当てはまると著者は主張する。 「ワーク・シフト」と並び、未来の社会と働き方を考える上で面白い。

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Posted by ブクログ 2014年11月19日

機械に仕事を奪われる。昔からよく言われることだが、これまでは機械化による産業全体の効率化のおかげもあって、新規事業が生まれ、そこが雇用を吸収するという流れがあった。しかし現在のテクノロジーの発展はあまりに速いため、全体最適化の前に雇用が失われる事象が発生する。
本書の指摘はそれほど新しいものではない...続きを読むが、具体的に機械に祖語とを奪われない職種が、実は肉体労働だというのは面白かった。

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Posted by ブクログ 2014年07月31日

 ざっくり言うと、機械はものすごいスピードで進化しているので、機械と人間が競争するのはよして、機械を上手に活用していきましょうという内容でした。

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Posted by ブクログ 2014年07月12日

機会が人の仕事を奪っていくので、人はより付加価値をつけていかないといけないということ

技術的特異点ですね

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年05月18日

コンピューターの発展は人間の仕事を奪い、人間の仕事(雇用)を二極化[高所得と低所得]すると、その処方箋として、教育、起業家精神、インフラ投資、法制度などをあげる。

教育への投資とインフラ投資は、そのとおりだと思った(特にアメリカは軍事に金を使うのでインフラ投資の割合は低いと聞く)が、雇用の二極化は...続きを読む避けられないかも知れない、高度成長期のように、所得の中央値をあげる社会情勢・状態が世間的には幸福感を醸し出すと思うのだが、自分の子供達の時代を思うと、そんなハッピーな時代がもう来ないかもしれないと思うと、少し暗くなる。

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Posted by ブクログ 2014年04月29日

テクノロジー失業に関するお話。指数関数的な情報通新技術の進歩に、新たな雇用の創出が追い付いていない現状。人件費削減が進む社会で、創造的職業と肉体的職業以外は早々に駆逐される可能性があるという。最後は楽観論で締め括っているが、勝者総取りの社会を是正するには、新たな雇用をどのように産み出すのか、考えてい...続きを読むかなくてはいけないと思う。

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Posted by ブクログ 2024年01月23日

2013年の出版なので少し古く、かつそこからの未来想定を含む内容なので、「答え合わせ」ができるのだが、何よりAIに関する考察がやや物足りない。面白かったのは、下記のような発想。

ー 産業革命の初期までは、立派に雇用されていた職が、20世紀の初めにほぼ消滅すると言う事態が起きた。役馬だ。325万頭が...続きを読む労役に使われていたが、鉄道に変わられたり、蒸気機関にとって変わられた。馬に賃金が支払われていた。

馬が大量鶴首された。馬は、労働者ではなく、よりアナログな機械として考えるべきでは無いのか。失業者の損失は、生活保護コストや消費の減少にあるが、馬にはそれらが無い。冷酷な言い方をするなら、過剰な馬は美味しい馬肉として、飼育コストを換金する事さえできる。

CEOの報酬と平均的社員の報酬を比べると、1990年には70倍だったが、2005年には300倍だという。このデータはやはり古いが、しかし、ここで考えるべきは、将来、CEOだけが人間でロボットやAIがワーカーになる場合、この差は極限まで広がり、CEOは残りの失業者への生活保護を支払いながら、しかし、他のCEOが提供する商品を、失業者以上に獲得するモチベーションを制度設計として保たねばならない事だ。

ー 今まで誰も思いつかないことを想像することはコンピューターにはできない。創造的なビジネスのアイディアを出す経営者や、感動的な歌を作る作曲家は、コンピューターには置き換えることができない。肉体労働も置き変わらない。

今や、居酒屋でロボットが客の注文に答えて料理を運んでいる。歌やイラストもAIが作る。本著の見立ては既に古い。本源的な人間の価値について、問い直すべきだが、答えが出ない。人間が作ったという「情報」があれば、錯視だとしても成立してしまう気がするからだ。

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Posted by ブクログ 2022年07月23日

約10年前に書かれた本ということを前提に。
発展による未来予想系の本だが、予想と現実が違うことがよくわかる。
正確な未来は予想できないが、近い形では実現していく。
その中で自分はどうするか。
そんなことを考えた。

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Posted by ブクログ 2021年02月25日

機械との競争によって失業者が世に溢れるディストピアを描く…訳ではなく、意外にも筆者はデジタル社会の将来に楽観的。ただし、的確な政策が講じられれば…と説く。
トランプ政権の4年間でこの理想とは反対に進んでしまったように思える。

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Posted by ブクログ 2019年03月26日

装丁が面白い。色あせたように見える黄色い紙を使用。紙が厚くページ数が少ない。内容は見た目ほどのインパクトはなかった。

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Posted by ブクログ 2018年07月08日

たとえばチェスは人間と機械の連合軍が最も強いなんてのは今となっては古い情報だし、だから彼らの予測もどこまで信じられるのかなあとちょっと疑問を持ちながら読み進める。
まあ、うまく機械と人間が融合できる世の中であってほしいなあと今の僕は祈るのみである。

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Posted by ブクログ 2017年12月18日

テクノロジーの進歩は人から雇用を奪っているだろうかという問いに、YESと答えた上で、この後の展望や提案などがなされている。面白い記述は、この書の段階ではチェス最強が、コンピューターでもなく、人間でもなく、コンピューターを効率良く使う人間であるというくだり。はやすぎる技術革新に社会の体制がついていって...続きを読むないという指摘。イヤな展望を払拭するほどではないが、明るい展望も書かれている。

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Posted by ブクログ 2015年05月24日

☆3.5
失業はしたくないぞ。でも、産業大改革進行中の変化が激しい面白い時代にちょうど良く生きていることを、とても嬉しく思う。AIには苦手で私に得意な部分の力をつけられるように仕事をしていこうと思ったよ。
関連書籍を読むための取りかかりの本として、主張が明確なよい本だよ。

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Posted by ブクログ 2015年02月09日

米国商務省経済分析局が設備投資の対象に「情報技術」を加えたのが1958年。この年をIT元年だと考え、ムーアの法則により、集積密度の倍増ペースが18ヶ月毎だと仮定すると、32回倍増したのは2006年。すなわち、つまりその年にチェス盤の32マス目に到達している。2015年は38マス目。指数関数的な進化が...続きを読む我々を驚愕させるのはまさにこれから。



未来のコンピューターは、パターン認識能力、問題解決能力から人類の脳そのものの感情や、知性までカバーするようになる。



統計は平均値ではなく、中央値で見ること。



1983年から2009年にアメリカで創造された富の100%”以上”が世帯の上位20%で生じており、残り80%の世帯では富が”減って”いる。それも、富の正味増加分の80%以上が上位5%の世帯に、40%以上が上位1%に集中している。つまり、「GDPが増えても国民の大部分は貧しくなっている。」



2000年以降、雇用が激減しているが、それは解雇の増加ではなく、雇用の喪失。欠員1件あたりの募集頻度がこの10年で激減した。つまり、雇用主は労働者を必要としていない。



オークンの法則が通用しなくなっている。デジタル技術の高性能化と普及に伴い、GDPが回復しても雇用が回復しなくなった。テクノロジーが雇用に与えるインパクトはとても大きい。



オークンの法則:

雇用されて生産活動に貢献する労働者が増えれば実質GDPが高まり、逆に失業率が高まり生産活動に従事しない労働者が増えると実質GDPは低下するので、両者の間に負の相関関係が生じる





産業革命の”初期"までは立派に雇用されていた者の数が、20世紀初めにはほぼ消滅した。それは「馬」である。役馬の数がイングランドでピークに達したのは産業革命からしばらく経った1901年で、325万頭が使われていた。



2002年以降の経済成長の65%を世帯の上位1%が手にしている。



GDPに占める企業収益の比率は過去50年で最高水準に達した一方、労働者に対する報酬は賃金と福利厚生を足した総額で見ても過去50年で最低の水準となっている。パイの取り分は資本家が大きく、労働者が小さくなっている。



モラベックのパラドックス

35年に及ぶAI研究で判明したのは、難しい問題が容易で容易な問題が難しいということである。我々が当然なものとみなしている4歳児の心的能力、すなわち顔を識別したり、鉛筆を持ち上げたり、部屋を歩き回ったり、質問に答えたりといったこと(をAIで実現すること)は、かつてないほど難しい工学上の問題を解決することになる。…新世代の知的機械が登場したとき、職を失う危険があるのは証券アナリストや石油化学技師や仮釈放決定委員会のメンバーなどになるだろう。庭師や受付係や料理人といった職業は当分の間安泰である。最も解明が難しい人間のスキルは「無意識」。



現時点で世界最強のチェスプレーヤーは、人間でもマシーンでもなく、「マシーンを使った人間」。そして、「弱い人間+マシーン+よりよいプロセス」の方が「強い人間+マシーン+お粗末なプロセス」よりも強い。



十分に活用されていない機械を見つけて活用すること、もっと上手く活用出来る人材やスキルを発掘して活かすこと、供給が途絶えた時に使える余剰在庫の存在を知っておくことなどは、優れた新技術に関する知識と同じくらい社会にとって役立つ。



イノベーション力を高めるには、これからは「STEM(科学、技術、工学、数学)」ではなく、「STEAM(+アート)」である。



1992年、クリントン大統領が全米から最高の頭脳を集めて将来の経済について議論させた時、インターネットに言及する者は誰一人いなかった。



貧困国における携帯電話の普及は、産業を様変わりさせるだけではなく、世界を変える。



雇用の二極分化が進む。どうしてもコンピューターに置き換えるのが難しい雇用は2タイプ。

1. 創造的な仕事。今まで誰も考えつかなかった事を想像する事。

2. 肉体労働。



21世紀に成功するのは、組織革新とスキル開発を最適な形で実現できる経済。

組織革新を推進し、人的資本の形成を促進する事。

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Posted by ブクログ 2017年04月01日

機械に雇用を奪われているという産業革命後のような状況が
近年のアメリカ経済の停滞から推測出来ると筆者は主張する。
こうしたテクノロジーの発展により雇用を奪われるのは
ブルーカラーではなく、ホワイトカラーの可能性が高いと警鐘を鳴らす。
ロボットの運動能力は未だきわめて原始的で、2足歩行ロボットも階段の...続きを読む登り降りにも一苦労している段階だ。
ウェイターや看護士、配管工などの仕事は高度な問題解決能力を必要とし、機械はこの作業を苦手とする。
IT技術は指数関数的に発達する(ムーアの法則)ので、油断ならない。

IT技術が駆逐する領域を見極めることが大切。

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Posted by ブクログ 2014年11月19日

産業革命以降、人間にしかできなかった仕事の多くが機械に取って代わられ、その結果として多くの人間が失業した。
経済は発展して、世の中は便利になっているのに雇用は増えない。増えた富の大部分はごく一部の人に集中しており、多数派は貧しくなっている……

内容はそこそこ。ただ装丁が良くない。読みにくい。
--...続きを読む

memo:

49
コンピュータは、パターン認識や複雑なコミュニケーションなど、これまで人間が独占してきた領域を侵食しつつある。

54
(NASAの報告書より)「人間は非線形処理のできる最も安価な汎用コンピュータ・システムである。しかも重量な70キロ程度しかなく、未熟練の状態から量産することができる」

99
スキルと賃金の関係が、最近になってU字曲線を描き始めたという。つまりここ10年間、需要が最も落ち込んでいるのは、スキル分布の中間層なのである。

111
幸いなことに、人間はまさにコンピュータが弱いところに強い。

147
情報は、消費されてもすり減ることはない。(中略)エリックは、読み終わった本をアンディに貸してあげることができる。この時、本の中身は少しも減っていない。いやそれどころか、エリックが読み終わった本はアンディにとってもっと貴重だと考えられる。なぜなら2人はその本に書かれていることを共有し、それをもとにして新しいアイデアを共同で生み出せるかもしれないからだ。

171
著者によれば、どうしてもコンピュータに置き換えることが難しい雇用には2つのタイプがあると言う。1つは、創造的な仕事で、(中略)もう一つは肉体労働なのだと言う。
高所得を得られる創造的な職場と、低賃金の肉体労働に二極化するということだ。

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Posted by ブクログ 2014年05月06日

産業革命期のラッダイト運動が現代でも起こりうるのか。リテラシーの高まった日本ではきっと起こらない。チェス盤の法則から紐解く機械と労働者のこれからについてオススメの一冊。

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Posted by ブクログ 2014年04月29日

機械が発展していっても、人の職はそれに応じて増えていく。機械に代われない仕事もいっぱいある。ちょっと希望が持てた。

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Posted by ブクログ 2021年06月24日

機械が得意なことは機械化される。
その結果、人の労働が2極化する。
新しみは感じなかったが、わかりやすく整理されていた。

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