村井章子のレビュー一覧
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AIをはじめとする先進技術を開発する企業は国防に協力すべきか。
パランティアの創業者による本。
シリコンバレーに籍を置く企業は自らの技術を国防、つまりは軍事的利用に資するべきかを説くのが冒頭。
冒頭の内容には概ね賛成。だが、国家費用としての軍事費以外にも、軍事全般に資金が集まることが戦争の温床となることも事実としてある。先の世界大戦がそうだったように。こんなこと言っても何にもならないが、バランスの良さが大切であり、世界の舵を切ることのできる人間にはこのバランス感覚が何よりも重要なのではないか。
そして、軍事利用に資さないテック系企業が行き着く先がSNSなどの消費を煽る媒体の開発。これは、社会の批判が過激化することを背景として、多くの資金を投じても炎上しない分野の競争を高めているという。
本文中の政治家は聖職者ではないという話は腑に落ちる。
個人的には好色な人間は、能力が高い傾向にあると感じている。原始の我々は好色でなければ子孫を残せな買ったと考えれば、好色な遺伝子が能力の高さと相関があっても不思議ではないと考える。
つまり、どれだけ不倫をしていようとも能力が高く社会、国、世界をよくできる能力がある人間は評価されるべきである。昨今の世の中では過度な批判が本業の能力値をフル無視して職を奪っている。バカげている。 -
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人はよく「勘違い」とか「魔がさす」といったことがある。「勘違い」は、システム1が少ない手がかりから素早く意味を補い、違いを見落とすことで起き、「魔がさす」は、怒り・誘惑・焦り・場の空気などの自動反応が強くなり、システム2の点検が弱まることで起きる。全てはタイパ、コスパ重視のシステム1のなせる技だということがわかった。
もし人間がシステム2だけで生きるなら、偏見や衝動は減るかもしれないが、日常の判断、会話、共感、直感、創造性まで極端に遅くなり、生きにくい世界になるだろう。大切なのはシステム1を排除することではなく、日常ではその力を生かしつつ、重大な判断ではシステム2が「本当にそうか」と立ち止まることなんだと思う。 -
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ネタバレ経済成長におけるイノベーションの役割をさまざまな観点から評価する・・というのが本書の冒頭に書かれた目的だ。その目的を達成するために、本書では人類の歴史を振り返るところからスタートし、やがて資本主義における様々な要素とイノベーションがどのように関わってくるかを明らかにする。
経済学が人間の厚生を高め、良い社会を作るといった規範的な一面を持っていることからも明らかなように、本書も上記したイノベーションの役割を明らかにするといった立場は崩さないものの、後半ではイノベーションは人類の幸福や、あるいは国家を構成する人たちにとって良いものかどうかという議論が進み、最終的には国家における行政権や司法といった問題にまでその射程を広げていく。
シュンペーターが語るところのイノベーションといった議論を力学的にしつつも、経済学全体、そしてこの世界はどうあるべきかといった議論をするといった意味では、知的に大変面白い一冊ではあった。
一方で、その内容の濃さと分厚さから、どうしても読むのが飛び飛びになってしまい、結果として仕事をしながらなど、理解が挟まってしまった感は否めない。
もともとは大学の講義をまとめたものとあるから、ある程度の時間を持って、しっかり本書に取り組むことができるような人たちが手に取るべき本だろう。 -
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ネタバレフレーミング効果はどのような形で提示されるかによって、人の選択が変わってしまう。たとえば、「術後1カ月の生存率は90%です」と伝えた場合と、「術後1カ月の死亡率は10%です」と伝えた場合では、どちらも同じ事実を示しているにも拘らず前者のほうが手術を選ぶ人が多かった。このように、自分では客観的な事実をもとに判断しているつもりでも、実際には情報の提示のされ方に影響されている。臓器提供の同意率の例でいうと、オーストリアでは100%近く、ドイツでは12%という大きな差があるが、その違いは免許証で「臓器提供したくない人」がチェックする形式なのか、「臓器提供する人」がチェックする形式なのかというものだった。質問に対する心構えができていない人はチェックマークを入れるか頭を悩ませるだろう。臓器提供の同意率が高い方が社会的に望ましいのなら、それが実現しやすいように制度を設計するという考え方は実用的ではある。しかし、質問の形式によって選択を誘導された結果をその人自身の意思だと言ってよいのだろうか。このフレーミング効果は、単に人の選択を変えるだけではなく、そもそもその選択がどこまで本人の意思によるものなのかを分かりにくくする。チェックしたという事実だけを見ても、それが本人の意思によるものなのか、提示された形式に影響されたものなのかは分からない。自分自身も知らないうちにフレーミング効果を利用されていないか、自分の判断が本当に自分の意思によるものなのかを考える必要があると思った。
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ネタバレ後知恵バイアスは、単に「結果を知った後に、結果を予測できていたと思い込む」というだけではなく、実際にことが起きてから、その結果に合わせて過去の自分の考えを修正してする。そして、その修正に自分では気づきにくい。例えば、日本は災害が起きた後に行政や政治家が非難されやすい。日本は災害の多い国なので、災害が起こること自体は誰もが想像できることだ。しかし、実際に災害が起きて被害の大きさを目にすると「災害が起こることは分かっていたのに、なぜこれほどの被害をあるのか」「なぜ事前に対策できなかったのか」と責める声が出てくる。それでは、地震が起きる前になぜ「もっとあれこれ対策しろ」と言わないのか。それはそれほど脅威だと思っていなかったからだろう。実際に災害が起きたことによって、過去の自分の楽観的な考えを結果に合わせて修正している。そして、そのことに自分自身が気づいていない。もちろん、専門家に事前に明確な情報があり、それを無視していた場合まで後知恵バイアスとして片づけるべきではない。それでも、被害が起きた後に「なぜ気づかなかったのか」と誰かを責めるとき、自分自身が結果を知ったことで過去を違って見ている可能性には注意する必要があると思った。結果が起きた後に「なぜ分からなかったのか」と誰かを怠慢や無能だと判断するときには、その判断自体が後知恵バイアスによって生まれていないかを考えるべきだ。
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基軸通貨が持つ意味合いをユーロや元、円などと比較しながら、歴史をたどる一冊。
かつての基軸通過はギルダーやポンドであった。それは世界を牛耳っている証であり、多くの恩恵を受ける。貿易などはほとんどが基軸通貨で行われるようになり、現代では70%ほどがドルで取引が行われている。自国の通貨が基軸通貨となることで、GDPが底上げされたり、ルールづくりを優位に進めることができる。また、現金調達も圧倒的に容易である。とはいえ、軍備費を多く支払ったり、保険的立ち振舞を求められたりするので不利益を被ることもある。70年続いているドル覇権はどこまで続くのか、現在の挑戦者である中国との競争の行く先が楽しみである。 -
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ネタバレ本書の著者であるAlexander Karp氏は、AI・データ解析ソフトウェアを手掛けるPalantir Technologies(パランティア)の共同創業者兼CEOである。Palantirは、政府機関や国防、安全保障分野への技術提供で知られる企業であり、近年のAIを巡る議論においても大きな存在感を示している。その最前線に立つ人物が、国家とテクノロジーの関係についてどのような視点を持っているのか。そのような関心から本書を手に取った。
本書を読んでまず印象的だったのは、Karpが大学で哲学を専攻していたという事実である。テック企業のCEOと聞けば、コンピュータサイエンスや工学を専門としてきた人物を思い浮かべることが多い。そのため、一見すると哲学畑の出身という経歴は意外に映る。ところが、本書を読み進めるうちに、その経歴に意外さはなくなった。むしろ哲学を背景に持つからこそ、本書の議論には技術論にとどまらない厚みが生まれているように感じられたからだ。
本書は、AIやソフトウェア開発といった技術そのものを論じるだけではなく、技術と国家、民主主義、産業政策、安全保障といった広い視野から、「テクノロジーは社会においてどのような役割を果たすべきか」という根源的な問いを投げかけている。このような問いには、技術的な知識だけでは答えることができない。社会や歴史、価値観に対する理解が不可欠であり、その意味で哲学的な思考が重要な役割を果たすことがよく分かる。
本書から得た最大の学びは、個々の主張そのものよりも、著者の思考の組み立て方にあった。Karpは未来を論じる際、現在の技術動向だけを根拠とするのではなく、古典や歴史を参照し、それらを土台として現在を分析し、未来への展望を導き出している。加えて、日本への言及が見られる点も興味深かった。例えば、ルース・ベネディクトの『菊と刀』や、トヨタ生産方式を築いた大野耐一氏の思想が引用されている。単に日本を事例として取り上げているのではなく、国家や産業のあり方を考察する上で、日本の歴史や製造業が持つ知見を参照している点が印象的であった。著者はアメリカの未来を論じているにもかかわらず、その根拠を自国の経験だけに求めていなく、他国の知見を横断しながら議論を構築していく。その姿勢そのものが、本書から学ぶべき点の一つであると感じた。つまり、本書の議論は「現在から未来を予測する」のではなく、「過去を理解し、現在を捉え、その延長線上に未来を構想する」という構造を持っている。この思考のプロセスは非常に示唆に富んでいた。
先見性とは、未来を予測する特殊な能力ではなく、歴史や古典の中に蓄積された知見を深く理解し、それを現代の文脈へ適切に接続する力なのかもしれない。その意味で、本書はテクノロジーについて論じた一冊であると同時に、「未来を考えるための思考法」を示した書物でもある。本書で提示される個々の主張については、読者によって賛否が分かれる部分もあるだろう。しかし、それ以上に価値があるのは、著者がどのような知的基盤の上に議論を構築し、どのような論理によって結論へ至っているのかを追体験できる点にある。
私にとって本書は、テクノロジーの未来を論じた本である以上に、未来を構想するためには過去に学び、哲学的な問いに向き合うことが不可欠であると教えてくれた一冊であった。 -
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1,とにかく怒ってます。著者は四方八方にキレ散らかしていて、アメリカの現状についてブチギレている本だと思えば、かなり読みやすくなると思います。何についてブチギレているかはネタバレで。
2,出典で様々な学問の学者や教授、偉人が出てきます。私は、イーロン・マスクとピーター・ティールくらいしか知らなかったですが、この手の本の玄人からしたらアベンジャーズ的で嬉しいのかなと思います。
3,思ったほどそんなに難しい本ではなかったと思いますが、2〜3回くらい読まないと細かい主張は全部拾いきれないかなと思いました。
ネタバレ↓
大体大まかにいうと4つの主体に対して主張(ブチギレ)してるんじゃないかなと思いました。
1,企業(シリコンバレーのテック企業)に対して。
→なんで最先端のテクノロジーを持って世界やアメリカを変革していかなければならない責務があるのに、インスタとかゲームとか広告とかで金儲けばっかして政治と国家から逃げてんの? 貢献しろよ! 原爆見習えよ!!
ここが1番ブチギレてる。
2,政府
→アメリカのテックの民間企業をもっと信頼して協力させろよ!
こんなんじゃいつまでたっても平和になんねぇよ。原爆見習えよ!
3,国民
→お前らの多様性の尊重という主張によって守られるべき命や人権、固有の文化が軽んじられてるんだけど、やめてくれる?このままだとアメリカのアイデンティティが完全に失うわれるんだけど、それでいいの?ダメでしょ!!
あと功績に対しての評価よりもスキャンダルに敏感すぎるのはマジでやめてほしい。
4,エリートや指導者
昨今の情勢に対して、ポジショントークし過ぎ。民族とか社会の枠組から脱して、是々非々で自分の信念や道徳観念に照らし合わせて、ビビんないで発言しろよ!
お前ら自分のことしか考えてなさすぎ。
主だった内容はざっくりこんな感じに私は捉えられました。
もっとも、本書では出典で論理立てながら的確に主張していました。
補足追加
エリート層や政治家についてもキレていました。
政治家は全然戦争の現地に赴かないで、指示ばっかり。アフガニスタンの戦争現場のテクノロジーや作戦はアナログすぎる。それによって血を流してるのは下っ端の兵士だけじゃないか!!こんなんだったらみんな経験した方が良い!!徴兵制だ!
戦争は会議室で起きるんじゃない!現場で起きてるんだ的なことだったと思います。
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世界を変える発明。そのイノベーションを乗り越える上でのハードル/契機。
システム、労使交渉、規格。そして戦争。
・マルコム・マクリーンの先見性
海運業とは船を運航する産業ではなく貨物を運ぶ産業
輸送コストの圧縮に必要なのは単に金属製の箱ではなく、貨物を扱う新しいシステムなのだということをマクリーンは理解していた。港、船、クレーン、倉庫、トラック、鉄道、っして海運業そのものーつまり、システムを構成するすべての要素が変わらなければならない。
・機械化に対する港湾労働者組合の執拗な抵抗は、一つの原則を確立した。それは仕事を奪うようなイノベーションを産業界が導入する場合には、労働者を人間的に扱うという原則である。 -
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・目標管理を戦略と混同してはいけない
・グループやワークショップ方式で戦略を立てるやり方は落とし穴が多いと心得る。グループで臨む場合でも、必ず困難な問題をじっくり見ることから始めなければいけない。勇み立って一足飛びに結論に飛びついたりしないこと。最重要ポイントは何かを見極め、それを乗り越える一貫した方針を考える手順は、一人でもグループでも変わらない。
・大事なのが、直面する難題のどこが勝負どころなのか、つまりどこが最重要ポイントなのかを見極めることだ。ただし、すべてのリソースを投じれば(ほぼ)確実に乗り越えられると妥当に判断できるポイントでなければならない
・一つひとつの課題に対する解決は、設計するのであって選択するのではない。設計に当たっては変化し適応する意思が欠かせないし、設計した戦略を実現する実行力も必要になる
・人によって判断が違うのはなぜか、その原因をとことん議論しなさい。その過程で貴重なヒントが得られるかもしれない
・価値創造によって株価を押し上げるために重要な要素は戦略的有効性と戦略的拡張。戦略的有効性とは、あなたの会社にだけ生み出すことのできるユニークバリューを創出し、かつ、その生み出した価値を競争相手による侵食や模倣から守ることに尽きる。戦略的拡張とは、ユニークバリューをより多くの買い手またはほか類似製品またはその両方に拡張することである。
・戦略はリーダーが設計する方針あるいは方向性だ。リーダーは誰がどこでどう戦うかを考え、その方針を示す。近代的な企業における戦略の実行とは、放っておいたらやらないことをシステムの一部にやらせるために権力を行使することを意味する
・SDGsのように一貫性のない野望を羅列したリストが作成されたら、一貫性のある目標を選別し、残りは少なくとも当面後回しにすると言った対応を考えることが戦略家の役割である
・士気を高揚させる(と考えられた)ポジティブな謳い文句から課題の解決へと戦略の軸を転換した。顧客満足度の改善という困難だが乗り越えられそうな課題にフォーカスしたことで、クエストコーの業績は改善し、評判は高まり、共通の課題に社員が取り組むことを通じて能力も向上した
・戦略を野心的な目標や投資家向けの売り込みと取り違えているようでは、戦略策定の第一歩となる状況診断を的確に行うことは難しい。診断に必要なのは、厳しい現実、辛い真実を直視することだ。そして診断に基づいて解決策を決め、具体的で一貫性のある行動に落とし込むー戦略を立てるとはこういうことである
・直面する課題の最重要ポイントを攻略しようとするとき、その解決先は価格競争を招く、あるいは激化させるようなものではありえない
・Zoomの成功は、2011年のウェベックスrがそうだったように、現時点で使い勝手が悪く苦情の多いソフトウェアに着目し、より良いソフトを開発したことにある
・本格的な改革を実行する前に、複雑な組織を整理しておかなければならない。まず不必要な業務を洗い出し、外注するか下請けに出すか単純に切り捨てる。次に情報の流れを悪くしている余計な手続きや関門を排除する。排除したあとに変わりのものを導入してはならない。続いて規模の大きい単位を解体する。こうすると、それまで幅を利かせていた大きい事業部や部門の権威は失われ、潤沢な予算の分け前に預かっていた赤字のユニットが明るみに出るはずだ
・組織の整理を行うと、会社の機関事業は何かということがはっきり見えてくる
・社員にとっては、自分の仕事をちゃんとやっていればすべてがうまくいくと信じられることが必要
・長期を見通して考えることが我々の既存の能力を高め、短期思考では思いつかなかったような新しい取り組みへと向かわせてくれる。長期施工は発明に必要な失敗や反復を支え、未開の地へ乗り出すことを後押ししてくれる
・戦略ファウンドリーとは、少人数の経営幹部が集まって課題を検討し、最重要ポイントを見極めて、課題解決のための一貫性のある行動計画を建てるプロセスのことである。長期予算計画をたてるだけの戦略プランニングとは全く違う
・複雑な課題に直面した企業への質問
過去5年を振り返って、自社と業界にとって最大の変化は、技術、競争、顧客行動のどれだったか。その変化は自社にどういった影響を与えたか
今後3〜5年を展望して自社と業界にとって最大の変化は、技術、競争、顧客行動のどれだと考えるか。この3つのうち、現在の自社にとって最も問題なのはどれか、最もチャンスになりそうなのはどれか
過去5年の自社が実行したプログラムやプロジェクトのうち、成功した、やる価値があったとあなたが考えるものはどれか。それらの実行中に遭遇した困難や障害はどのようなものだったか。そうした困難を乗り越えられた要因は何だったと考えるか
過去5年で自社が実行したプログラムやプロジェクトのうち、失敗したとあなたが考えるもんはどれか。その原因は何だと考えるか。何か他に方向はあったと考えるのか
現在自社が取り組んでいる問題のうち最も優先度が高いのはどれだと考えるか。現在自社が実行中のプログラムやプロジェクトのうち、その優先度の高い問題の解決につながるものはどれだと考えるか
良い戦略を構築する鍵となるのは、直面する問題を診断し、最も重要な課題を見極めることである。現在自社が直面する最も重要な課題は何だと考えるか、2つ挙げてほしい。ただし、重要な課題とは財務実績の悪化それ自体ではない。その根本にある問題は何かを考えてほしい。2つの課題を見極めたら、それを阻む主な要因についても意見を述べてほしい
現在の自社の組織構造や主な経営方針が原因で生じた注意すべき問題はなにかあるか。そうした問題のうち、あなたが質問6で特定した重要課題の解決を妨げかねないものはあるか -
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本書は、国家とシリコンバレーの分断を生んだ原因と、それによってもたらされる危機、および処方箋について論じたものだ。
分断の原因分析とその結末については広範な視点から言及されており、その切り口には目新しさがあった。
一方で、「では、どうするのか」という問いに対しては抽象的な言及にとどまっており、具体策まで描ききれていない点が残念だった。
また、筆者自身が軍事産業の利益を享受してきた経営者である以上、官民の再合流を掲げる主張はポジショントークと映りかねない。加えて、本書が問題視する「知的脆弱性」の加速装置であるSNSは、まさにシリコンバレー自身が生み出したものだ。批判の矛先が向かうべき構造的問題を筆者自らが作り出しているという矛盾に、本書は正面から向き合っていない。
さらに、直近のAnthropicをめぐる騒動を踏まえると、民衆はシリコンバレーと軍事の融合を必ずしも歓迎していないことが示されている。民主主義においては民意こそが判断の根拠となる以上、それに反する形でテックと軍の融合を推し進めることは、本書が守ろうとする国家の理念とも相容れないのではないか。 -
Posted by ブクログ
昨年2月に原書が出て以来、話題になっていた一冊。著者はパランティアの共同創業者ということで、ピーター・ティールは(さらに、おそらくはイーロン・マスクも)これに近い思想なのだろう、という意味で大変勉強になった。
端的に言えば、主張は
・テック業界はアメリカ政府のおかげで繁栄していることを忘れるな
・テック業界は消費者向けにくだらないプロダクトを作るのではなく、国のために働け
・防衛の主軸はソフトウェアなのに、このままだとアメリカも同志国もヤバイ
・経営者は善悪や価値観を語ることから逃げるな
という感じ。このうち、1つ目ではマリアナ・マッツカートが引用され、4つ目ではマイケル・サンデルが引用され、その辺りが魔融合したら、なんとも保守的な本に仕上がっている。マッツカートもサンデルも、自分の主張がこんな料理に使われたと知ったら憤慨するのでは。
つまるところ根本的には問題意識はみんな似ているのだが、パランティアの特徴は、国を守るために働けというドグマが強烈なことと、それに比して個人の自由や平等といった観点が希薄なことだろう。西海岸の高学歴白人男性たちにそれを言われましても、というのが率直な違和感である。
とはいえ、おそらくこの本のナラティブには相応の説得力があり、アメリカのみならず日本でも共感する人が多いだろうと思う。
なお、あまりに引用文が多すぎること、幹から外れた主張が多すぎる(たとえば第三部全体)こと、などが書籍としての完成度を下げていると感じた。