村井章子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
膨大なデータから世の中の真理を見抜くという点で、トマ・ピケティの『21世紀の資本』を彷彿とさせる。見抜いたのは何か。国家の会計における内在的論理、平たく言えば、金の貸し借りに関する挙動。
日本は長い歴史の中で、唯一対外債務デフォルトを1942年起こした。戦後インフレの際には、日本のインフレ率は最高で568%に達した、という事実がある。ソブリンデフォルトとは、政府が対外債務、国内債務またはその両方の返済を怠ることだが、借金を踏み倒すとどうなるのか。
信用がなくなる。つまり、国際資本市場にアクセスでき難くなる。資本市場にアクセスできれば、自国の農業生産が不作の年に外国から調達することができるし -
Posted by ブクログ
◯ 政治的支配力をすでに握っている者にとって、ほとんどの場合、創造的破壊という不安定化プロセスには何の利益もない。(48p)
◯ 短期の問題には政府が慎重に対処すべきだ。イギリスの産業革命を生きた多くの人々にとって、短期とは一生を意味した。(524p)
◯ 自動化がまだきわめて困難な対人サービス業は多岐にわたる。そうした仕事は、お金に余裕のある人が多い高スキル労働者の集まる都市で創出されると考えるのが自然だ。(543p)
★技術の進歩は万人にとって良いことであり、ラッダイト運動は誤解に基づいた間違った行為というふうに思い込んでいた。しかし、進歩の恩恵に与れない人々にとっては、当然に合理的 -
Posted by ブクログ
ネタバレ# 意思決定の精度に関する秘孔を突いた一冊
## 面白かったところ
- 「狙った的が外れる」という事実は見る切り口を変えたらカテゴライズでき、「バイアス」と「ノイズ」で表現されていて膝を打った
- 「一晩寝かせるといいアイデアが浮かぶ」というアレの正体の根源が「群衆の叡智」であると力説していて面白い
## 微妙だったところ
- 正規分布や公式など、統計学を始めとした、大きな主語で言う「数学」の知見が多く散りばめられていて難しい
## 感想
組織が正しく前に進むための決断について興味があったため読み始めたが、かなり面白い。
人間という1単位で見た場合と、組織で見た場合では決断の際