村井章子のレビュー一覧

  • 機械との競争

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    『とくに注目すべきは、従来人間にしかできないとされてきた知的な仕事をデジタル技術がこなし始めたことである。

    汎用コンピューターは、労働人口のうち情報処理的な仕事に携わる60%に直接的影響をおよぼすだけでなく、残りの40%も次第に侵食しつつある。

    チェス盤の残り半分を進むにつれて、テクノロジーのパワーは倍々ゲームで強化され、その用途は飛躍的に拡大し、職業や雇用に影響を与えずにはおかない。

    したがって、スキルの面でも、社会制度や産業の面でも、遅れを取り戻すべく努力しなければならない。さもないと、この先もっと多くの労働者がテクノロジー失業に直面することになるだろう。』

    簡潔で分かりやすい問題

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    2015年10月02日
  • ザ・セカンド・マシン・エイジ

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    ネタバレ

    「機械との競争」とほぼ同じ内容ではあるが大幅に加筆されており読みやすい。読むべき価値のある本だし、今選ぶならこちらだろう。

    ・産業革命は機械の力を生産に利用するためのファーストマシンエイジの幕開けであった。今、時代はセカントマシンエイジの入り口にある。
    セカンドマシンエイジには指数関数的な高性能化、デジタル化、組み合わせ型イノベーションという特徴がある。
    指数関数的な高性能化はムーアの法則に代表されるが、CPUのみならず記憶装置やネットワークなど全てがそう。これまでこのような増加を続けた分野はない(飛行機の速度や小麦の収穫量などが18ヶ月ごとに倍になることはなかった)。イノベーションは全く新

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    2015年09月13日
  • 善と悪の経済学―ギルガメシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠

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    西洋の古典における経済思想を解きほぐし、現在の数理的に割り切った分析に基づく経済学を心を失った社会学として不完全なものとする。
    ギルガメシュ叙事詩や旧約聖書では都市と自然、社会と個人などが対比され現代に通じる自然が不自然化する(服を着るなど)、文明化と経済社会化を記述する。しかし経済社会はいつも倫理とセットであり、ヘブライ社会では経済は重要な項目であったが社会はあくまで神の論理を一番に置いていた。アダムスミスも道徳感情論を主著としていたようにあくまで人間の本質が前提で経済の考え方は後にくるものだと考えていた。ケインズも経済が成熟化すれば誰も経済のことなど考えなくなると予想していた。教養本として

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    2015年09月12日
  • トマ・ピケティの新・資本論

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    「トマ・ピケティの新・資本論」
    ピケティが日刊全国紙リベラシオンに2005年から2012年まで毎月連載していた時評をまとめたもの。「21世紀の資本」とは違い時事の評論なので短く読みやすく、ピケティの考え方がよくわかる。
    日刊紙に連載されていただけあり、その時々のフランスの問題点がよくわかる。問題点は違うものの政治的に日本とあまり変わらないような気がする。
    問題点の指摘はいろいろあるが、税制の問題、所得格差、社会保障、大学の問題が多い。
    特にフランスでの税制の複雑さと金持ち優遇の税制を指摘し、資産への累進課税を主張している。特に不労所得者に関しては容赦がない。
    確かに、民主主義を主張するのであれ

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    2015年08月12日
  • ジョン・P・コッタ― 実行する組織

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    コッター先生の最新作!
    本作は組織論となっています。

    ざっくりまとめると、階層型組織とネットワーク型組織を融合したデュアルシステムを提唱していて、それが、変化にも柔軟に対応し、イノベーティブな動きを導き出すことができるとしています。

    デュアルシステムを成功に導く5つの原則として
    ・社内のさまざまな部門からたくさんのチェンジエージェントを動員する
    ・「命じられてやる」ではなく「やりたい」気持ちを引き出す
    ・理性だけでなく感情にも訴える
    ・リーダを増やす
    ・階層組織とネットワーク組織の連携を深める

    さらにネットワーク型組織を機能させる8つのアクセラレータとして
    ・危機感を高める
    ・コアグルー

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    2015年07月18日
  • ジョン・P・コッタ― 実行する組織

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    縦割型・階層型組織の弊害として官僚主義や意思決定の硬直化に陥った企業が、外部環境の変化に柔軟に対応するための変革プロジェクトを成功させるにはどうすればよいのかを、主に組織論の観点から解説した一冊。

    企業は創業時のフラットな「ネットワーク型」組織から、ビジネスの拡大に伴い、効率的なマネジメントを行うために「階層型」組織へ移行することが多いが、著者は変化の少ない定常的業務を行う階層型組織を基本としつつ、変革プロジェクトのような緊急性・重要性の高い業務を行う組織としてネットワーク型組織も並存させる「デュアル・システム」を提唱し、熱意ある社員が様々な部門から自主的に参画し、役職に関係なくリーダーシッ

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    2015年07月12日
  • 機械との競争

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    MIT教授らによる、IT革命がもたらした"影"の部分、すなわち雇用喪失や格差拡大といった、社会に対する「負の影響」のマクロ経済的な分析と、それらの課題に対する提言をまとめた一冊。

    過去の産業革命では、蒸気機関等の革命的技術が衰退産業を上回る規模の雇用を創出したため、失業が社会問題化することはなかったが、「ムーアの法則」に象徴される今日の技術革新スピードは速すぎて人や組織が着いていけず、「雇用喪失>雇用創出」の状態に陥っており、格差を助長する要因にもなっているという。

    この状況を打開するには「技術を味方につける」ための組織革新や人的投資が不可欠であるとして、「新たな組み合わせによるイノベーシ

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    2015年06月07日
  • 機械との競争

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    MITスローン・スクール教授による、短いが衝撃的な本。 ITの加速度的な進歩により従来人間だけができた仕事が侵食されつつあり、機械に人間の雇用が奪われてゆく。 この変化を理解するうえで提示される二つの法則が分かりやすい。一つは半導体の集積度が18ヶ月毎に2倍となるムーアの法則。もう一つは米粒が倍々に増える「チェス盤の法則」。指数関数的な変化は気づいた時には想像を絶する大きさになり、まさにITのインパクトはこれに当てはまると著者は主張する。 「ワーク・シフト」と並び、未来の社会と働き方を考える上で面白い。

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    2015年05月01日
  • 分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学

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    本書は分析やと統計の学術書でもなければ、技術書でもありません。「分析力を組織・経営に活かし、その組織・経営が競争優位でありつづけるにはどうあるべきなのか」について論じ・事例を示し・そのためのプロセスを包括的にまとめた、おそらくは世界で最初の一冊です。

    第一部では「分析力を武器とする企業の特徴」と題して、分析力を武器とするとはどういうことなのか・具体的に分析力を武器とする企業とはどんな企業でどんなことをしているのか・本当に業績(経営)に結びついているのかなどについて、まとめられています。

    第二部では「分析力を組織力にする」と題して、分析力を組織として武器にするためのプロセスをモデル化し、それ

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    2015年01月25日
  • ファスト&スロー (下)

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    一定の規則性が存在しない状況では、直感は信用できない

    直感の妥当性は下記条件で満たされる
    ・十分に予見可能な規則性を備えた環境であること
    ・長期間にわたる訓練を通じてそうした規則性を学ぶ機会があること

    計画の錯誤を減らすには
    「多くの人は過去の分布に関する情報を軽視または無視しがちであり、この傾向がおそらく予測エラーの主因だと考えられる。したがって計画立案者は、入手可能なすべての分布情報が十分に活用できるように、予測問題の枠組みを整える努力をしなければならない」

    死亡前死因分析は自信過剰に対して効果的

    損失回避
    損失は利得より強く感じられる
    損失回避率はおおむね1.5〜2.5

    悪は善

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    2018年11月25日
  • ファスト&スロー (上)

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    認知心理学の権威による著書。
    人の判断にまつわる研究の成果を詳しく記した本。ファスト&スローと言われると脊髄反射と脳かと早とちりするけど、実際には脳を構成する2つの思考システムのこと。ファストは直感的な判断を司る自動運転プログラム群、システム1。スローはいわゆる人間的な知的決断を下すシステム2。それぞれのシステムの持つ長所と短所。問題の解決に関してそれぞれのシステムがどう関与するかが詳しく調べられている。

    上巻で見られる大きな結論としては、人の脳は統計的に正しい判断を行う事が大変難しいシステムだ、という事。本質的には偏見を避けることはできず、余程の注意と教養を持ってしても是正は困難。

    また

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    2014年12月23日
  • ファスト&スロー (上)

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    第一部
    井戸端会議において他人や最終的には自分自身について、判断や選択のエラーを突き止め理解する能力を高めるのが本書の目的

    システム1(早い思考)とシステム2(遅い思考)

    「注意を払う」とよく言うが、これはまさに当を得た表現である。というのも、注意は限度額の決まった予算のようなものだからだ。この予算はさまざまな活動に配分できるが、予算オーバーは失敗につながる。努力を要する作業の場合、多数の活動が互いに邪魔し合うという特徴があるため、同時にこなすのは難しく、ときには不可能である。

    瞳孔は知的エネルギーの消費量を刻々と教えてくれる

    認知心理学で重要な発見の一つに、あるタスクから別のタスクに

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    2018年11月25日
  • 機械との競争

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    機械に仕事を奪われる。昔からよく言われることだが、これまでは機械化による産業全体の効率化のおかげもあって、新規事業が生まれ、そこが雇用を吸収するという流れがあった。しかし現在のテクノロジーの発展はあまりに速いため、全体最適化の前に雇用が失われる事象が発生する。
    本書の指摘はそれほど新しいものではないが、具体的に機械に祖語とを奪われない職種が、実は肉体労働だというのは面白かった。

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    2014年11月19日
  • ファスト&スロー (上)

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    人間の判断がどういう場合に歪むのかを書いている。
    歪みの力は極めて強く、それを免れるのは困難。
    知っておくべき内容。

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    2019年05月21日
  • 分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学

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    ネットフリックスの事例から始まり、各社がどのようなかたちで分析を活かし、経営に反映しているのかが解説されています。スポーツ界でできていることをビジネスにも取り入れるべきという点はとても共感できます。

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    2014年09月28日
  • 機械との競争

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    ネタバレ

     ざっくり言うと、機械はものすごいスピードで進化しているので、機械と人間が競争するのはよして、機械を上手に活用していきましょうという内容でした。

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    2014年07月31日
  • 機械との競争

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    機会が人の仕事を奪っていくので、人はより付加価値をつけていかないといけないということ

    技術的特異点ですね

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    2014年07月12日
  • 機械との競争

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    ネタバレ

    コンピューターの発展は人間の仕事を奪い、人間の仕事(雇用)を二極化[高所得と低所得]すると、その処方箋として、教育、起業家精神、インフラ投資、法制度などをあげる。

    教育への投資とインフラ投資は、そのとおりだと思った(特にアメリカは軍事に金を使うのでインフラ投資の割合は低いと聞く)が、雇用の二極化は避けられないかも知れない、高度成長期のように、所得の中央値をあげる社会情勢・状態が世間的には幸福感を醸し出すと思うのだが、自分の子供達の時代を思うと、そんなハッピーな時代がもう来ないかもしれないと思うと、少し暗くなる。

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    2014年05月18日
  • 分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学

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    1.まねされ難い
    2.独創的
    3.応用可能
    4.ライバルを遥かに凌ぐ
    5.常に新しい
    ーーー
    ●社内への展開(以下のものが有る)
    活動基準原価計算(ABC)
    ベイズ推定
    組み合わせ最適化
    バイオシミュレーション
    制約時効分析
    実験計画法
    将来価値分析
    モンテカルロシミュレーション
    重回帰分析
    ニューラルネットワーク分析
    テキスト解析
    収量分析

    EPM(エンタープライズパフォーマンスマネジメント)
    純利益、経済付加価値(EVA)、投資利益率(ROI)
    マーケティング、CRMは今時大事
    ーー
    CRMとかバリューチェーンとかその目的別にどの数学が対応するか乗っている。

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    2014年05月15日
  • 機械との競争

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    テクノロジー失業に関するお話。指数関数的な情報通新技術の進歩に、新たな雇用の創出が追い付いていない現状。人件費削減が進む社会で、創造的職業と肉体的職業以外は早々に駆逐される可能性があるという。最後は楽観論で締め括っているが、勝者総取りの社会を是正するには、新たな雇用をどのように産み出すのか、考えていかなくてはいけないと思う。

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    2014年04月29日