村井章子のレビュー一覧

  • 帳簿の世界史

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    権力とは財布の紐を握っていること。
    この言葉を丁寧に歴史的な裏付けを持って解説してくれている本
    とても面白く参考になった

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    2025年08月13日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    格差の問題は、経済学者だけでなく様々な学問の領域の専門家が知を結集して解決すべきということがわかった

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    2025年08月12日
  • コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった 増補改訂版

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    コンテナの歴史がわかる本。1つの発明が思いがけないところまで影響を及ぼすことってありますよね。コンテナできたから荷物がたくさん運べるようになってよかったね、ではもちろん止まらない様子がとても面白かったです。
    経済的な面でいえば、輸送コストの減少によって、世界の色々な場所でそれぞれ部品を作って、最後に合わせて完成品にするというスキームが成り立ったというところが衝撃的でした。つまりは、人件費や土地の安いところで部品を生産することにメリットが生まれたということでもあり、これって今も社会問題ですから。
    ただ、当時、産業が全くなく、衰退していた状況であった地域からすると、そういった大規模資本の投入はポジティブだったんだと思います。時代が変わっただけですね。
    あとは、人的問題。コンテナによる効率化によって雇用が減るわけです。このあたりの人間描写もかなり細かくて面白かったのでおすすめポイント。旧態依然とした邪魔してくるやつとか出てきます。
    そして、最後にコンテナという頑丈で中身の見えない大量のモノを運ぶことによる危険性。爆弾が入っていたり、移民が入っていたりすることもあるようです。
    この全てが変わっているインパクトの大きさこそ、まさしくイノベーションという感じです。

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    2025年07月26日
  • イングランド銀行公式 経済がよくわかる10章

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    端々にイギリス人らしさが表れている書き振りであるものの、イギリスの中央銀行たるイングランド銀行が手掛ける経済の入門として、身近に感じやすいのではないだろうか。
    なお割と日本も取り上げられている(経済に関する材料として、事欠かないのだろう)

    需要と供給、インフレ、価値から始まり銀行の役割などなど気になることが多いのではないだろうか。
    特に貨幣とは信用で成り立つのは他の書籍でも言うがよりそれが強まった。

    面白いのは経済学のプロであるイングランド銀行の行員ですら、モラルハザードを起こし食べきれないほどの食道のポテト取り放題を皿に持ってしまうということ。

    つまり、経済の危機も含めて予測は難しいことに他ならない。。。


    ○以下個人的に気になる事項の抜粋
    銀行の歴史
    紀元前二〇〇〇年頃、起業家精神に富むバビロニアの僧侶が商売のチャンスに気づく。神に奉仕する傍ら、人々が貯蔵している金を預かって保管料をとろうというのである。
    〜中略〜
    抜け目のない僧侶たち本人は気づかなかったかもしれないが、彼らは世界で最も重要なビジネスの一つを生み出したのだった。寺院は、世界最初の銀行だったと言うことができるだろう。

    銀行と呼べるものが再興されるのはおよそ千年後のことだが、一二、三世紀にはイタリアのロンバルディアで貸金業者が通りに出現するようになる。  彼らは小さな木のベンチで商売をした。ベンチはイタリア語で〈banca〉であり、これが英語の〈bank〉の語源になったと考えられる。破産を意味する〈bankruptcy〉も同じ語源から派生した。貸金業者の資金が底をつくと、ベンチは半分に割られ、もう商売はできなくなる。このことを〈banca rotta〉と呼んだ。朽ちたベンチというほどの意味である。

    取り付け騒ぎ
    『素晴らしき哉、人生!』では、ジョージの妻メアリーがハネムーンのために用意していたお金を配って人々を安心させ、取り付け騒ぎは収まった。しかしハネムーンのほうは夢と消えてしまう。

    タロックのスパイクとモラルハザード
    経済学者のゴードン・タロックは、運転に関するモラルハザードを減らしたいなら、シートベルトの着用を義務づけるよりハンドルのど真ん中から尖ったツノでも生やしたほうがいいと言ったことがある(これは「タロックのスパイク」として有名だ)(146)。

    バブル
    ビーニーベイビーズはぬいぐるみで、値段は五ドルぐらいだ。一九九〇年代後半に人々はこのぬいぐるみシリーズのいくつかのバージョンは品薄だから今後値上がりすると信じ込み、
    〜中略〜
    eBayでビーニー一個が五〇〇〇ドル以上で売られたものである。

    たとえば景気が悪くなると男性はまっさきに下着の購入を先送りするという説がある。アラン・グリーンスパンFRB元議長は不況の兆候を知るためにこの「メンズ下着指数」を好んで参照したという。

    新型コロナ危機の最中の二〇二〇年前半に中国の製造業の大半が操業を停止すると、大気汚染はみごとに激減した。一部の都市では死亡数の減少にもつながっている。
    実際、過去の景気後退の中には平均寿命を押し上げたケースもある。大恐慌の間は、アメリカでは失業率の高い地域ほど死亡率が下がった。おそらくタバコの支出を控えたとか、出勤者の減少が交通量の減少につながり交通事故が減った、といった理由からだろう。

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    2025年07月21日
  • 戦略の要諦

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    ●2025年5月26日、東京大学・書籍部にあった。セッションで寄った日。
    「良い戦略、悪い戦略」の著者の最新作だって。

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    2025年05月26日
  • 大暴落1929 (日経BPクラシックス)

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    1929年の大暴落について書かれた本。一度読み所蔵もしていたのだが、メディアマーカーの読書記録がなくなったのであらためて読んだ。1929年秋からニューヨークダウは89%下落したのだが、それには3年がかかっている。持ち直したと見えては下げ、底入れと思われては下げを繰り返し、多くの人たちが大損失を被った。誰もが予想もしていないことも起こり得るのだとあらためて認識した。「落ちるナイフはつかむな」の教訓は、まさにこの時のことを言ったのだと思う。ブラックストーンのシュワルツマンも、暴落後に買い急ぐことを戒めているが、大物は、1929年の大暴落からしっかり学んでいるのだと思う。肝に銘じたい。

    「現在のアメリカ人が本書に書かれているような投機熱にとりつかれていることは、無責任な楽観論にとらわれていない人の目には、火を見るより明らかなはずだ」p6
    「終わりは、常に始まりよりも突然である。針を刺された風船がしずしずとしぼむはずがない」p7
    「(1928年の状況)信用取引で株を買おうと、言い換えれば自己資金なしで値上がり益を手にしようと、大勢が株式市場に群がってきた。資金の最初の出し手となったニューヨークの主立った銀行は、やがて国中いや世界中の貸し手の窓口役を務めるようになる」p44
    「1928年の時点では、流動性が高く極めて安全なコールローン市場の金利は約5%だった。5%でもずいぶんと高いリターンだが、金利は1年を通じて上がり続け、年の最後の週には12%に達する」p45
    「知識があろうとなかろうと、不況の到来を予想することは誰にもできないのであって、それは当時もいまも変わらない」P51
    「(株式市場鎮静化のためのFRBの公開市場操作)1928年初めの国債保有高は、6億1700万ドルである。市場に供給される資金の流れを干上がらせるべく、その年の前半に大量の売りオペが行われた。そして後半に入ると、狙い通り投機は沈静化したとの甚だしい勘違いから公開市場操作は打ち切られたが、どのみち長くは続けられなかったにちがいない。28年末には、FRBの国債保有高は2億2800万ドルまで減ってしまったからだ」p60
    「1929年2月14日、ニューヨーク連銀は投機対策として公定歩合を5%から6%に引き上げることを提案した。FRBは、それは意味のない措置で、一般企業の資金調達を困難にするだけだと指摘する。議論は長引き、フーバー大統領はFRBの肩を持つ。結局公定歩合は、夏の終わりまで引き上げられなかった」p61
    「投資信託として一般向けに販売した有価証券の総額は、27年には4億ドルに過ぎなかったが、29年には推定30億ドルに到達。そして29年秋には投資信託の総資産額は、27年初めのほぼ11倍に相当する80億ドルを上回っている」p88
    「(1929年)株価は日々上昇し、下がる気配すらなかった。タイムズ平均は、6月に52ドル、7月にさらに25ドル上昇し、2か月間の上昇幅は77ドルに達する。8月にはまた33ドル上昇し、これはつまり、夏の間だけで株価はおしなべて25%ほども上がったことを意味する」p113
    「市場は連日大商いである。ニューヨーク証券取引所の出来高はほぼ400〜500万株の間で推移した」p114
    「株価が上がっただけでなく、投機の規模もめざましい勢いで拡大した。夏の間だけでブローカーズ・ローンは月4億ドルのペースで増え、夏の終わりには総額70万ドル以上に達している」p115
    「(ハーバード経済学会)来る週も来る週も、会は景気の小幅の落ち込みを予測した。だが29年夏になっても、一向に景気後退は起こらない。とうとう経済学会は降参し、自分たちの見方は間違っていたと認める。結局のところ景気は悪くならないのかもしれない。ところがそこで大暴落が起きる。それでも経済学会は、深刻な不況には至らないと言い続けた」p121
    「1929年の秋までにアメリカはすでに不況になっていたというのが通説になっている。6月には鉱工業生産指数と工場生産指数が共にピークを打ち、下降に転じた。鉄鋼生産高も6月をピークに減少に転じ、10月には貨物輸送量が減少を記録。住宅建設は、数年前から低迷が続いていたが、29年には一段と落ち込んだ。そして最後に株価が下落したのである。当時の景気動向を調べたある学者は、株価の急落は「産業にすでに現れていた変化を反映したものと言える」と述べた」p149
    「株価が下がってきた時点では、どんな不況も予想できていなかった。およそどんなきっかけからでも崩壊するというのが、投機ブームの性質ではある」p152
    「(10月24日の状況)(株価の伝達が遅れたこと)これで先行き不透明感は一段と強まり、売り急ぐ人は増える一方になる。追証を払えない人の担保株は売り払われた。11時半には、市場は激しい恐怖に覆われ出口の見えない状態に陥る。まさにパニックだった」p165
    「12時半、ニューヨーク証券取引所は見学者用通路を閉鎖する。通路の真下では阿鼻叫喚が繰り広げられていた。閉鎖直前に立ち去った見学者の一人は、英国元蔵相ウィンストン・チャーチルである」p166
    「ニューヨークでは、パニックは昼までに終わった。組織的買い支えが、登場したからである」p167
    「1929年の大暴落の際立った特徴は、最悪の事態がじつは最悪ではなく、さらに悪化し続けたことである。今日こそこれで終わりだと思われたことが、次の日には、あれは始まりに過ぎなかったのだとわかるのだった。苦しみを深め、引き延ばし、できるだけ大勢を残酷な運命から逃れられないようにする仕掛けというものがあるとしたら、あれほど巧妙な仕掛けはあるまい。最初の追証請求に応じる資金を持ち合わせていた幸運な投機家も、すぐさま次の追証を要求され、たとえそれに応じられても、また仮借なく次を取り立てられる。そしてついには有り金をそっくり召し上げられて破綻することになった」p182
    「1929年11月半ばに、ようやくにして株は下げ止まる、少なくとも当面は。9月3日からほぼ50%落ち込んだことになる」p221
    「(共和党全国委員会委員長)株式市場を利用して政府の信用を失墜させる陰謀が進行中ではないかと、共和党幹部は考え始めている。政府高官が明るい景気見通しを発表するたびに株価が下がるのは、そのせいにちがいない」p232
    「大暴落に続いて大恐慌がやって来た。それは10年続いた。1933年のアメリカの国民総生産(GNP)は、29年の2/3まで落ち込んでいる」p273
    「1929年秋の大暴落は、それに先立つ投機ブームの中で育まれていた。ブームというものは必ず終わるのであって、わからないのは、いつまで続くか、ということだけである」p274
    「あの年から学ぶべき教訓は多いが、その一つは、いまとなってはじつに明白である。将来は予測可能だと思い上がった人ほど悲惨な末路をたどった、ということだ」p301
    「将来いずれかの時点で株投機がさかんになり、その後に暴落が起きるとしても、1929年と同じような影響を経済に与えることはないと考えられる」p304

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    2025年05月12日
  • 戦略の要諦

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    この本で訴えたい4つのことは、戦略を立てる最善の方法は困難な課題に正面から立ち向かうことであること、活用できるリソースを確認すること、いかにも魅力的な誘惑に負けたり横に逸れたりしないよう注意すること、グループで戦略を立てるやり方には落とし穴が多いと心得ることである。戦略とは何かについての解説、課題の診断方法、診断後の攻略方法、リーダーを迷わす誘惑などを部単位で解説している。

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    2025年01月02日
  • 戦略の要諦

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    重要ポイント:課題の中で最も重要かつ解決可能な要素
    戦略の要諦:困難に向き合い最重要ポイントを見つけてリソースを集中投下する

    戦略:課題を解決するための方針と行動計画の組み合わせ
       →課題の特定から始まる⇔目標:最終到着地点
       ×目標設定からスタート
       〇課題の理解からはじめ、成否のポイントを見極める

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    2024年12月31日
  • コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった 増補改訂版

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    面白かったけど長い...
    コンテナの話でもありアメリカ労働者の話でもあり。
    規格あわせるってかなり大事だなぁ。

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    2024年12月13日
  • テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス

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    しばらく前に、会議で投げかけられた「テクノロジーは人を幸せにするのだろうか」という問いがずっと頭にあった。私たちは何の問いを解こうとしているのだろう。

    未来を考えるために過去を知る。かなり分厚いけど、かなり面白かった。

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    2024年12月06日
  • Mine! 私たちを支配する「所有」のルール

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    所有と言う、すごく簡単そうで間違えるわけないと思ってしますが、実例を交えてそんな簡単じゃないことを紹介している。

    所有の根拠として持ち出される6つの格言か、紹介されているが、それぞれ実際はそうではないことを紹介している。
    1早い者勝ち
    2 専有は9分の勝ち
    3自分がまいた種は自分で収穫する。
    4私の家は私の城
    5私の体は私のもの
    6家族のものだから、私のもの

    気に入った言葉、
    企業は所有権を自分たちの都合をよく設計することができる。これは企業が持ち合わせている能力のうち、歌唱評価されているものの、1つ
    法律は誰が主張しているのかだけでなく、何に対して視聴しているかも問題にする
    どちらか訴えを起こしたのかは常に注目する価値がある。このような基礎を起こす人は大にして社会の基準から逸脱している。人生は短い無駄にしない方が良い。
    何に価値を見出すかは人によって様々だ。遅いもの勝ちはお金に報いることが多い。正確に言えば、他人の時間にお金を出す用意がある人に優位になる。
    自分のまいた種は自分で収穫すると言う所有権の主張は、知的労働には当てはまらない
    司法は、所有権の設計について介入に気乗り薄である

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    2024年10月15日
  • イングランド銀行公式 経済がよくわかる10章

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    ネタバレ

    ハトマメ(鳩に豆鉄砲)なフレーズ

    「おそらくインフレの最悪の影響は、貯金に与える打撃である。インフレは、お金の保有に課される税金と考えることができる。所得税が毎月あなたの給料から源泉徴収されるのと同じように、インフレはあなたの貯金の購買力を削り取る。同時に、インフレは債務の価値も減らす」

    「仕事をするということは、基本的に余暇を減らすと決めることだ」

    「モデルはどれも正しくはないにしても、一部のモデルは役に立つ。それに欠点のあるモデルにしても、何もないよりはずっとましだと多くの経済学者は考えている」

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    2024年09月25日
  • ブラック職場があなたを殺す

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    今やただの小売業とはいえないウォルマートや名のある大手企業が具体名を挙げられて、どのようにして屍を積み上げて大きくなっているのか。大きな成果は何かを犠牲にしなくては手に入らないのか。仕事を頑張ってお金を稼ぐことと、お金を使って人生を楽しむことはトレードオフなのか。では自分にとって何が大事なことで、何が大事にできることなのか。仕事が辛いのは誰かが悪い?ルールが悪い?主語が大きくなりがちな社会問題と、都合よく自分を棚上げしてしまう私。

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    2024年09月18日
  • 戦略の要諦

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    『良い戦略悪い戦略』のリチャード・P・ルメント氏の最新作。「戦略」は抽象的単語ゆえに玉石混合の経営理論や手法が語られる分野だが、著者はシンプルに「克服可能な『最重要ポイント』を見きわめ、それを解決方法をみつけること」と明確に定義している。500ページ超の大著であるが、論点はThat's Allで、そこに豊富な事例や要素分解を交えて肉付けされている。前著と同様、鋭い切れ味とほどよいウィットに富んだ文章は小気味よくリズミカルに読める。高度な分析手法や最新の経営理論、権威ある学術研究といった内容ではないものの、戦略の定義と設計ポイントが明確なだけに、本書を共通理解として戦略策定できるとブレが少なく実効性の高い戦略が作れるであろう。

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    2024年08月05日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    ネタバレ

    第1章 経済学の信頼性
    職業の信用度で、一位は看護師、最下位は政治家、下から二番目は経済学者。
    経済学は医学と同じで、これが正しいと断言できる者がない。

    第2章 移民について
    移民は自然災害や戦争で起きる。経済的インセンティブだけではあまり増えない。
    マリエル難民事件=大量の移民があっても、雇用には悪影響を与えない、ことの実証。キューバからマイアミに大量の移民が押し寄せた事件。労働市場は、単純な需要と供給曲線の結論には従わない。
    1,移民がお金を使うので、労働の需要も増える。
    2,機械化の進行が遅れるため。
    3、増えた労働者を効率的に活用するべく、生産工程を変える。
    4,既存労働者の労働と競合せず、補完する。やりたがらない仕事をやってくれるおかげで、別の仕事ができるようになる。
    移民のほうが野心と丈夫な身体がある。その2世は活躍する。ジェフベゾス、スティーブジョブス、フォード、など。
    人を雇うことは、普通の仕入れとは違う。首にすることは簡単ではない。そのため、無作為には雇わない。ただやすければいい、ということではない。従って、受け入れ国の労働者をそのまま代替することはない。
    高技能移民の場合のほうが、既存の労働者の代替になりやすい。プラスマイナス両面があり得る。
    移民は大群にはならない。移民するにはコネクション、ネットワーク、人のつながりが必要。何もないとレモン市場のように、粗悪品だけが市場に残るように思われて移民に踏み切れない。
    発展途上国では、インフラ整備や都市開発の予算が限られているため、一部だけが高い家賃になり、それ以外はスラム化する。都市化は、田園都市を目指しやすいため、規制をかけて高層アパートを作らせない。その結果、周辺にスラムが広がる。生まれ故郷は心地よく、助け合いがあるため、魅力的な仕事があるとわかっていても、都市に出てくる人数も限られている。農村部の人にとって都市は不確実性の塊。
    家族の面倒を見て貰うため、わざと男の子に高い教育を受けさせないこともある。
    どんな産業でも企業は群れる。群れた方が、宣伝、雇用などで有利。
    強制的な移民政策がかつてはあった。都市部を有利にすることで労働力を確保しようとした。
    慣れ親しんだ故郷を離れることは、ハードルが高いことである。

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    2024年07月06日
  • テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス

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    機械が登場して仕事を追われた職人が暴動を起こし、便利になるはずの機械を破壊する。結局人間は個人としての利益のために動くのであり、機械化が世の中を豊かにする、などと楽観的な思考にはならない。
    とあるアーティストが、サブスクリプションは利益がないから無くなって欲しい、との発言をして話題になった。程度こそ違うがまさにラッダイトの一つではないだろうか。
    長期的に見ればプラスだろうが、職を追われる側からすればマイナス以外でない。AIによる技術革新は止まらないのだから、先を読み行動するしかないのだろう。

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    2024年06月23日
  • ファスト&スロー (上)

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    残念ながら、ある会社の将来性を評価するスキルだけでは、株取引で成功するには十分ではない。なぜなら、株取引における重要な問題は、その会社に関する情報がすでに株価に織り込まれているかどうかを見極めることだから!

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    2024年06月13日
  • ファスト&スロー (上)

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    行動心理学の先駆け的な本らしい。訳本の読みづらさはある。正しく判断するためには人間が陥りやすいバイアスを学ばなきゃだめ。

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    2024年05月25日
  • 戦略の要諦

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    「ミッション」、「パーパス」は無意味であるの表紙に興味を抱き読んだ。パーパス経営など言われているが、パーパス作りが目的化する状況もあったため。
    骨子は最重要の課題を設定して集中して対処することを主張。≒戦略と位置付けている感じ。
    目標設定は戦略でないと繰り返し書かれており、その通りだと痛感。売り上げ目標が先に設定され「頑張って達成するぞ」的な会社なので余計に。
    後半は課題形成におけるプロセスも過去事例を交えて書かれており、非常に参考になった。経営に関する書籍を読んできている人は最終の第五部だけ読んでも意義がありそう。

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    2024年05月02日
  • 分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学

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    企業戦略の目線で、分析を使って競争優位性を生み出すにはどうすればよいか、ということが書かれていると思います。分析の実践者ではなく、ひとつかふたつ高い目線で書かれており、分析に力を入れるということは企業リソースや戦略からどうあるべきか、人はどのように作っていくか、など。
    企業戦略に関わる本にありがちな、答えありきの事例、都合の良い解釈がされている事例もあるとは思います。ただ企業活動として分析にどう取り組んでいくかという本はなかなかないですし、その趣旨で納得感も高く、貴重な本だと思います。

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    2024年04月30日