村井章子のレビュー一覧

  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    不平等・格差の歴史についての講演会をまとめた一冊。
    講演会なので比較的分かりやすくまとめてあり、読みやすい。
    スウェーデンの社会民主政党をサンプルとして取り上げており、スウェーデンの政治について知識がなかったので、興味深く読んだ。

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    2023年09月28日
  • 帳簿の世界史

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    帳簿から見る歴史という切り口に興味を持って読み始めた。帳簿とはお金の流れであり、即ちあらゆる活動の記録であることから、帳簿がきちんと付けられていない=対象の全体像が把握できていないということだというのが学び。
    プロジェクト管理のように、帳簿による管理ができる組織とできない組織にどのような違いが発生するのか、それ以上に、その違いが生まれる理由の読み解きが一層興味深い。

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    2023年09月18日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    不平等をテーマにした、トマ・ピケティ氏の講演録。どうすれば不平等がこの世の中からなくなるのか。難しい問題だが、解決する日が来ると信じたい。

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    2023年09月07日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    【抜粋】
    (p6)不平等は、社会によって顕著に異なる経済、政治、文化、文明、宗教の移り変わりと密接に結びついている。今日私たちが目にする社会的不平等のさまざまなちがいや度合いや構造は、広い意味の文化で説明することができる。いや、文化以上に、参政権をはじめとする政治参加のほうが大きな原因だったかもしれない。その一方で、「自然」の要因、たとえば個人の能力であるとか、天然資源などに恵まれているといったことが果たす役割は、思うほど大きくない。

    (p10)不平等の大幅な解消なくしては、また現在の資本主義システムとはまったく異なる新しい経済システムの出現なくしては、気候変動問題を解決することはできない

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    2023年08月09日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    『21世紀の資本』で有名なピケティによる2022年3月に行われた講演の内容を書籍化したものとなっているので、分厚い『21世紀の資本』と違って、1時間くらいで読み終えてしまった。

    内容としては、やはりピケティらしい不平等についてのもので、
    不平等の問題は、まだまだあるものの、全体として不十分ではありながら平等への歩みは続いているとしたうえで、
    所得格差や資本格差、ジェンダーや議決権の不平等などついて、データを示しながら、語られている。
    また、不平等が生まれる背景には、社会的、文化的な原因があるため、フランスやスウェーデンの歴史的事例を通してそのことが述べられている。

    これらの中で特に印象に残

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    2023年08月06日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    トマ・ピケティの著作が、さまざまな場面で取り沙汰されるのを見るにつけ、「21世紀の資本」を読まなくてはなあと思ってはいた。
    だが、いつも後回し。読みたい本がたくさんありすぎて腰を据えて読む気になかなかなれず。
    そんな時に、この講演録は、章立てが細かく、データを駆使してわかりやすくピケティの分析を披露してくれているので、経済学に暗い自分でも十分に読める。

    データは中央値や平均値を見るのでは実態が掴めないこと。データ分析が鮮やかでさすがだ。
    そこから浮かび上がる格差について、ピケティはあらゆる格差をゼロにしようと思っているわけではなく、一部の富裕層と圧倒的多数の一般庶民の格差を5対1.あるいは1

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    2023年08月04日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    ネタバレ

     2022年3月18日のジャック・シラク美術館で行われた講演録。
     「社会的不平等の違いや度合いや構造は・・・・参政権をはじめとする政治参加のほうが大きな要因だったかもしれない。その一方で、「自然」の要因、たとえば個人の能力であるとか、天然資源などに恵まれているといったことが果たす役割は、思うほど大きくない。」

     スウェーデンの例は「ある国が本来的に不平等だとか平等だということはないと示した点で興味深い」「肝心なのは、政権運営を担うのは誰か、何を目指すのかということである。」

     そして「不平等の大幅な解消無くしては、また現在の資本主義システムとはまったく異なる新しい経済システムの出現なくし

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    2023年07月30日
  • 悪いヤツほど出世する

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    正論だけではない リーダーとしての資質。示唆に富んだ内容。リーダーはアイドルのような 偶像なのかもしれない。また 読みたい。

    リーダーの資質に感動させる要素は必要ない。必要なのは事実であり データであり アイデアだ。激励や応援はスポーツの役に立っても仕事の問題解決にはならない。

    上司の情報を収集しよう。新入社員の情報よりもよほど重要である。欠点のない人間はいない。

    人間は誰しも 他人の仕事に駆り出されるとか上司の命令 よりも自分の仕事の方がやる気が出る。

    男性は女性よりも ナルシストになりやすい 。男性 は 競争 好きだが女性は協調を好むことが原因だろう。

    決定的な瞬間にリーダーに求

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    2023年07月26日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    ピケティの思想がギュッと詰まったコンパクトな一冊。個人的には、50ページほど増やしてもう2-3ずつ論拠を示して欲しかった。反論の余地がある部分がいくつか。このページ数でこの価格、というのもちょっと抵抗あり。

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    2023年07月26日
  • NOISE下 組織はなぜ判断を誤るのか?

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    普段の生活に存在するノイズを具体例を用いて説明してくれているのですごく分かりやすかった。
    ノイズを防ぐためにどうすればいいのか、また、ノイズをなくしていくことでどういったことが起きるのかをよく理解できた。
    きっちりとした成果を出していくためには、ノイズが生じにくい環境作りが大切。しかし、ノイズが皆無であれば、システムが崩壊する可能性もあると思った。
    いいバランスでノイズを削減していくことが重要である。

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    2023年06月20日
  • 貨幣発行自由化論  改訂版――競争通貨の理論と実行に関する分析

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    1/3くらい何言ってるか分からんかった
    貨幣も他のものと同じように競争させることで理想の通貨が生まれていくという主張
    確かに1国1貨幣という前提に疑問を呈してるのは良い

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    2023年06月04日
  • テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス

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    具体の話が少し頭に入ってきにくい感じがあったので、機会があれば再読を頑張りたい。

    第一次産業革命では、ラッダイトと呼ばれる機械を壊して抵抗する労働者が現れたりして、イノベーションに対するアレルギー反応ようなものがでたりするが、最終的には全ての人に技術革新の恩恵が行き渡ることもあり、受け入れられてきた。
    ただ労働置換技術によって仕事を失ってしまった人たちが、恩恵を受けずに人生を終えてしまうようなことが第二次産業革命の際にも起きており、政治経済の面からのフォローが必要である。

    自分個人としては、イノベーションにいち早く適応し、自身のスキルとして使っていかなければ、ならないと思う。

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    2023年05月30日
  • NOISE上 組織はなぜ判断を誤るのか?

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    面白かった。
    ファースト&スローも良かったが、人間の判断の曖昧さ、将来の予測、ノイズやバイアスなどは、自分が判断する時に気をつけなければならない。
    最初の発言者に、意見が引っ張られると言うことは、経験的にある。
    尺度ノイズについてはもっと勉強しないといけない。

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    2023年05月29日
  • コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった 増補改訂版

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    ここ数年、天候不順や感染症の蔓延を発端に不安定な物流の現状を目の当たりにしている。特に、海運におけるコンテナ不足はたびたび問題となっている。今や当たり前に活用しているコンテナ、コンテナの歴史を見つめ直し、その将来を考察している本書は、物流との関係を断ち切れない現代人は必読だと感じた。
    マルコム・マクリーンの優れた先見性は、あの時代に海運業を貨物を運ぶ産業と認識していたことと筆者は述べている。何かを発明することの重要性が注目されがちだが、埋もれた発明品を適応させるため、現状の制度を変えるマクリーンのパワフルさこそがコンテナの導入に繋がったのだろう。
    本書の中で最も印象に残ってるのは7章の規格であ

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    2023年05月12日
  • コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった 増補改訂版

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    6年くらい前にビルゲイツがお勧めしてるからぜひ読みなよと同僚からお勧めされた本にやっと手を伸ばすことができました。

    単なる箱に過ぎないコンテナは、いかに世界の物流に影響を与えたかが時系列でよくまとめられています。海運送業にもたらした構造変革(前時代の港における荷役による積み下ろしから工場からラストワンマイルまでの直輸送)の大きさを理解することができます。

    【コンテナ輸送のポイント】
    ・如何に多くのコンテナを効率的に運送し、行き帰りで積載量を最大に近づけることができるか
    ・コンテナ輸送には特別な技術的ハードルもないため、先行者利益が小さく、完成したシステムを大規模に展開できるか
    →現在繁栄し

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    2023年05月02日
  • ファスト&スロー (下)

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    読みやすいけど、腑に落ちる感覚があまりない。

    人間の思考について書かれているが、応用先が思いつかなかった。

    上下巻共に読むのに時間をかけすぎた。
    一気に読破すると見えてくるものがあるかもしれない。

    とりあえず寝かせて、数年後にでも戻ってきたい。

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    2023年04月11日
  • コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった 増補改訂版

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    ネタバレ

    この書籍は、世界中でコンテナ輸送が成り立つまでの道のりが記されています。
    コンテナが発明される前は荷物を船内に秩序なく詰め込み、沖仲仕が人力で運び出すというスタイルであった。
    人力では効率も悪く、人件費もかかるということで、トラック運送業者のマルコム・マクリーンがコンテナを発明。
    しかし、発明当時は受け入れられなかった。コンテナのサイズ、船までの輸送、港湾の整備に問題があるからだ。
    コンテナの規格化、港湾整備、ガントリークレーンの建設等、現在では当たり前となった設備が開発、運用されるまでの物語である。
    まさに、「箱」の発明が世界を変えたのである。
    コンテナ、海運業界に従事し、興味ある方は必読で

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    2023年02月11日
  • 国家は破綻する―金融危機の800年

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    金融危機による国家デフォルトにフォーカスしている。
    公的債務増加、金利上昇、インフレなど、現在の経済が示しているいくつかは、深刻な金融危機が始まるサインと言えそう。一方で、金融危機の増幅装置としての銀行危機はまだ始まっていない(発覚していない)。これが表に出てくるかどうか、報道を見ていきたい。直近だと、20221027 スイスの銀行クレディ・スイスグループが、証券化商品グループの大部分をアポログローバルマネジメントなどに売却すると発表。7-9月で6000億円赤字。10-12月も赤字予想。

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    2022年10月27日
  • NOISE下 組織はなぜ判断を誤るのか?

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    ノイズが思った以上に多く、これを少なくすることは簡単ではない。
    人間に首尾一貫した判断が苦手であり、やはりガイドラインのようなものでかなり判断の振れ幅を抑えてやる事が必要だとよくわかる。
    このガチガチのガイドラインは、日本人にはかなり好まれる傾向にあるとは思うが、融通の効かない社会は息苦しい。
    筆者の対策を、うまく使って行きたい。

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    2022年10月18日
  • NOISE上 組織はなぜ判断を誤るのか?

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    本書は、ノーベル経済学賞を受賞したダニエルカーネマンの著書で、人間の意思決定のばらつきを取り扱っています。

    人間の意思決定は、ノイズ(ばらつき)とバイアスに影響されています。
    バイアスについては、前著のファスト&スローで解説されており、本書では、ノイズについて解説されています。

    私達の身の回りには、様々な判断のばらつきが転がっています。
    人事評価、医師の判断、裁判の量刑‥同じような事案の裁判でも、裁判官により刑期が異なったり、同じ裁判官でも時間や天気により刑期が異なったりするそうです。

    上巻では、どんな時にばらつきがあるのか、下巻ではばらつきの原因とその対策を解説してくれています

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    2022年10月09日