村井章子のレビュー一覧
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本書は、ノーベル経済学賞を受賞したダニエルカーネマンの著書で、人間の意思決定のばらつきを取り扱っています。
人間の意思決定は、ノイズ(ばらつき)とバイアスに影響されています。
バイアスについては、前著のファスト&スローで解説されており、本書では、ノイズについて解説されています。
私達の身の回りには、様々な判断のばらつきが転がっています。
人事評価、医師の判断、裁判の量刑‥同じような事案の裁判でも、裁判官により刑期が異なったり、同じ裁判官でも時間や天気により刑期が異なったりするそうです。
上巻では、どんな時にばらつきがあるのか、下巻ではばらつきの原因とその対策を解説してくれています。
判断のばらつきを抑えるには、
複数の独立した判断を統合する。
統計的に考える。
判断を構造化する。
評価基準を設ける。
等があるそうです☺
大事な判断には、バイアスもノイズも除いた正しい判断をしたいと思う一方、そこがまた人間味があるところなのかも、と思ったりも… -
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なぜ未熟練労働者の賃金が移民の流入で押し下げられないのか。
①新たな労働者の流入によって労働需要曲線が右へ移動するから。
なぜなら、その人々がお金を使うから。
その結果として賃金は押し上げられ、労働者の供給拡大の影響を打ち消す。
よって賃金水準も失業率も変化しない。
②機械化の進行を遅らせるから
③雇用主が流入した労働者を効率的に活用するべく、生産方式を再編成するから。
雇用主は企業内の賃金格差があまりにも大きくなることに否定的。
なぜなら労働者の不満が溜まり生産性が上がらないから。
だから賃金が安いからと言って移民に仕事が取って代わられる訳ではない。
高技能移民は賃金水準を押し下げる可能性が高い。
なぜなら外国出身の有資格者を相場より安い賃金で雇えるとなれば、企業はそっちを優先する
貿易は国民全員の生活水準を向上させるのか?
①国際貿易から得られる利益は、アメリカのような規模の大きな経済にとっては極めて小さい。
②規模の小さい経済や貧しい国にとっては貿易の利益は潜在的に大きいものの、市場解放を行なうだけでは問題は解決しない。
③貿易利益の再分配は口で言うほど簡単ではない。
減税により経済成長が起こる証拠はない。
とくに所得上位10パーセントに対する減税は効果ない
イノベーションは無からは生まれない。
経済的なインセンティブがないと生まれない
ヨーロッパが植民地を開拓していた時代に初期入植者の死亡率が高かった国は、今日でもうまくいっていない。
なぜなら、そのような国にはヨーロッパ人は入植せずに搾取的な植民地を建設し、強権的な制度を導入したから。
対照的に、植民地にならずほぼゼロからのスタートとなった国々(ニュージーランドやオーストラリア)ではヨーロッパ流の制度が構築され、それが近代資本主義の基礎となった。
入植者の死亡率が低く今日では事業環境の整った国は、そうでない国よりはるかに豊かになる。
産業集中度の高い部門ほど、労働分配率は下がっている。(増えた利益を株主に分配するため)
賃金がGDPと同じペースで増えない理由は産業集中の進行である程度説明がつく。 -
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ネタバレノイズを探せ
1)犯罪と刑罰
2)システムノイズ
3)1回限りの判断
好ましいノイズ:イノベーション、競争環境(多様性が大切)・・・市場の価値
好ましくないノイズ:組織などで起こるもの。認識されにくい。
ex)プロフェッショナルの判断、自分と他人など
1回限りの判断が必要な場合は『反実仮想の思考実験を行い、仮定を立ててみよう』
ノイズを測るものさしは?
4)判断を要する問題
5)エラーの計測
6)ノイズの分析
7)機会ノイズ
8)集団によるノイズの増幅
『判断』という言葉が使われるのは、『意見が一致すべきだ』と多くの人が考える課題・問題があるとき。
→不一致が一定の許容範囲内に収まることが期待されている。
判断の検証は多くはできない、が、『判断と実際の結果』『判断のプロセス』は検証できる。
バイアスとノイズは独立している。バイアスもノイズも同じくらい問題。
良い判断をしたい場合、『factと価値観』をわけるべきである。
情報→解析し、予測的判断→評価的判断
予測的判断にはノイズが入り得るが、これをできるだけ除去しよう。
予測→評価では価値観が入るが、その際、バイアスがかかる
★機会ノイズ:プロフェッショナルでも同じ事実に対して同じ判断はできない★
群衆の知恵を利用して、自分の中の群衆を作る(2回以上考える。時間を空ける。自分で反証する。強力な論拠の有無を調べる。弁証法的自助努力)
★多くの場合、『自分の中のあいまいな確率分布から、適当に抜き出した』ものにすぎない★
群衆の知恵←→集団のダイナミクス(情報カスケード、社会的圧力)
阻塞的判断のノイズ
9)人間の判断とモデル
10)ルールとノイズ
11)客観的無知
12)正常の谷
妥当性の錯覚
★『まれ』な事象を判断して、満足、得意になるのは、ノイズを増やす行為である★
ノイズを減らすには、情報を単純化、評価にルールを作る
『まれ』なことについては、決定的な情報があるなら、ルールから外れてもよいが、多くはルール通りがよい。
・人は、1回でもアルゴリズムが失敗すると、アルゴリズムを信じなくなり、『自分の判断』を優先してしまうものだ(しかし、ルール、アルゴリズムのほうが、人の判断よりは優れている)。
統計的思考と因果論的思考法
因果論的思考法:結果をみて、過去をふりかえり、もっともらしく考える。
因果関係と相関性
ノイズはなぜ起きるのか
13)ヒューリスティクス、バイアス、ノイズ
14)レベル合わせ
15)尺度
ヒューリスティクス、診断バイアス、利用可能性ヒューリスティック、結論バイアス(予断)、確証バイアス、感情ヒューリスティック、過剰な一過性 -
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ネタバレーーーーーーーーーーーーーーーーーー
結局良いリーダーシップなんて理想論なんだね。
期待せず、自己の利益を淡々と追求しよう。
世間的に成果をあげたリーダーがよい人とは限らない。(スティーブ・ジョブズ、ビルゲイツ)
リーダーになったら、演技も必要。
自分らしさを出しすぎると失敗する。
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既存のリーダーシップ研修よろしくない。研修を受けた人が満足するだけで、実際の効果を検証していない。
★ナルシスト型の人はリーダーに向いている。
オーセンティックリーダーシップ(自分らしさを全面に押し出すリーダーシップ)教育が大流行だが、実はうまくいってる例がほとんどない。
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素の自分を封印して、求められている役割を演じる。
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Posted by ブクログ
・どんな意思決定にも予測的判断がかかわってくる。予測的判断においては、正確性が唯一の目標であるべきだ。だからあなた個人の価値観は事実から切り離しておくように
・人間はご機嫌だとでたらめを受け入れやすくなり、また全般的に騙されやすくなる。つまり、つじつまの合わないところを探し出したり、嘘を見抜いたりする気がなくなってしまう
・カスケード効果:情報カスケードとは大勢の人が順番に前の人の選択情報を参照しながら判断する場合に、自分自身の持つに基づかず、多数派の選択肢を選ぶ傾向を指す
・機械学習アルゴリズムは、ほかのモデルが見落としてしまうような変数の組み合わせの中に重要なシグナルを見つける。データに隠れているある種の極めて稀なパターンがハイリスクと強く創刊しており、アルゴリズムはそれを発見できる
・結論バイアス:初めから特定の結論を目指して判断プロセスを開始すること
・過剰な一貫性:予断を持っているとき、それを裏付ける証拠ばかり探し矛盾する証拠は無視する各省バイアスも、後から出てきた重要な証拠を過小評価する点で似ている
・ノイズとは、各人に備わった「判断者としての性格あるいは個性」の副産物なのである
・優れた判断者は、自分の最初の考えに反するような情報も積極的に探し、そうした情報を冷静に分析し、自分自身の見方と客観的に比較考量して、当初の判断を変えることをいとわない人、いやむしろ、すすんで変えようとする人である。リーダーが決断力を発揮するのはプロセスの最後であって、最初ではないのだ
・人間の判断は、たとえば、怒りや怖れといった感情的要因にも左右される(機会ノイズ)。だから、可能であれば数日、数週間後にもう一度判断するのは良い習慣である。
・超予測者は、自分の当初の仮説に反するような情報や反対意見を積極的に探し、反対意見が正しく、自分の判断が間違いである可能性をいつでも認める用意があり、「自分と同じ意見の人より違う意見の人に耳を傾けるほうが有益だ、と考える。自分の予測を絶えずアップデートし、自己改善することこそが、超予測者の必須条件である
・判断を分解する、評価を独立に行う、総合判断は最後に行う
・初めから非構造化面接のようなものを行っていると、最後に下すべき結論のことが頭から離れず、すべての情報を常に最終目標に照らしてみてしまう。議論の最初から落としどころを探っていて、結局遅かれ早かれそこに到達する。集合知を生かせない
・分析チームのミッションは「最終決定においてこの項目がどのような重みづけがされるかはべつとして、この項目の評価に関する限り買収はイエスかノーか」というシンプルな問いに対する答えになる
・基準率と比較した相対的な統計的評価を入れる
・とりわけ重要な判断の場合には、大方の人が何らかのスキームや計算式に縛られることを嫌がるし、それを使って判断することに頑強に抵抗する。計算式を使わなければならないことが決まると、システム自体を都合よく捻じ曲げ、望みの結論に達するよう採点を変えてしまったりする。そのため、プロセスの最後までは独立して評価を行う必要がある
・創造性豊かな人間には、それを発揮する場を与えてやらなければならない。人間はロボットではないのだ。どんな職業でも、人間には判断の余地を与える価値がある。君を規則でがんじがらめにしたら、君はノイズを出さないだろう。だが、全然楽しくないから、独創的なアイデアも出てこなくなる
・不正行為を防ぎたいなら、ある程度のノイズは容認しなければならない、学生たちが、論文の盗用をしたらどんな罰を受けるかわからない状態にしておくほうがいいのだ。そうすれば盗用を慎むだろう、ノイズの形でいくらか不確実性を残しておくことが抑止効果を高める
・実効性のあるルールの策定に必要な情報を持ち合わせていないケースのほうが重大な問題
・プロジェクトマネジャーに適任なのは、会社の管理部門の幹部クラスである。社内の手続き上の面倒を避けられるメリットがあり、会社がノイズ検査に本気で取り組んでいるというメッセージを発信できる
・最近起きたとか、劇的であるとか、個人的に重要な意味があるといった理由から、あまり関係のない出来事や情報を過剰に重視していないか -
Posted by ブクログ
タイトル通りの本。非常におもしろい。
はじめに、の中で、「あなたの最大の敵は自分自身である」として、「セルフ•ハンディキャッピング」というコンセプトが説明される。これは、失敗の確率を高める細工をしておけば、実際に失敗しても、自分の能力が低いせいではない、と言い訳できることを指す。(例: 数学の試験の前に、読書に耽る。)
一瞬、「まさか」と思ったが、言われてみれば思い当たることが多いし、研究で繰り返し実証されているのだそう。
「頼みごとは相手への賞賛である」(P99)という指摘も興味深い。頼み事をすることで、良い意味で目立ち、選ばれることが出来る、というのは、逆説的で、勇気付けられる。例え断られても、頼む前に戻るだけ、と考えれば、ゼロリスク•ハイリターンな戦術だ。
P229のナビスコの元CEOロス•ジョンソンが、前任のCEOロバート•シェバーリを追い落とす技が神がかっていた。まず、シェバーリCEOの名前を冠した寄附講座、それから、研究センタービル、を立て続けに作って、本人を気持ちよくさせておきながら、取締役会メンバーに対して、『建物に名前が付けられるような人は、死んだも同然』という印象を巧みに植え付けた、というわけ。怖いな〜。。
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<目次>
第1部 1945年の敗北
第1章 ブリキの玩具~小菅のジープ(1945年)
第2章 アニメ誕生~アニメ(1963年)
第3章 みんなスターだ~カラオケマシン(1971年)
第4章 かわいい~ハローキティ(1975年)
第5章 持ち歩く音楽~ウォークマン(1979年)
第2部 1990年代
第6章 女子高生天国~スクールガール文化、世界へ
第7章 アニメ新世紀~オタク
第8章 世界を虜にするゲーム~ファミコン&ゲームボーイ
第9章 反社会的ネットワーク~2ちゃんねる
第3部 そして2010年代
終章
<内容>
アメリカの研究者による、戦後日本の文化の発展を,「モノ」から見て行ったもの。海外でこれほど日本のモノが影響を与えたとは、当の日本人は気づいていなかっただろう(私も知らなかった)。その影響力は若者文化においてはすごいものだと知れる。ただこれを意図的に作ってきたわけでないところが、悩ましいところだが、どんな文化も意図的に発展するわけではないが、こうした本で学ぶところは多いだろう。