村井章子のレビュー一覧

  • 大暴落1929 (日経BPクラシックス)

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    大暴落直前、期中、その後の恐慌や人々の様子をデータとエピソードによりガルブレイスらしく描写。
    直後の楽観論-ファンダメンタルは基本的に健全とのコメント-など現在のコロナ暴落後の様子ともシンクロ。

    恐慌が長引いた原因
    (1)所得分配 富裕層の消費は非恒常的で不安定、脆弱化(2)企業構造 資金詰まりを起こした企業は投資を犠牲にしてでも債務償還や配当に当てるため経済は縮小スパイラル
    (3)銀行システム 経営基盤が脆弱な金融機関多数存在。システム的信用収縮、所得、雇用、物価の落ち込み銀行破綻
    (4)経常収支 高関税政策による貿易収支黒字に加え資本収支黒字により不均衡が蓄積、ドイツと中南米債務国 資金

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    2020年03月23日
  • 帳簿の世界史

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    単式簿記と複式簿記の歴史から経済の発展、政治史を眺めていく本。

    帳簿を記すことで、国家や社会、会社が強くなること。複式簿記の考え方は一つの哲学として語ることができることが書いてあって面白かった。「目には目を、歯には歯を」も複式簿記の考え方であることなど。

    自分でも複式簿記の勉強をしたくなり、テキストを買ってみた。

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    2025年05月24日
  • 良き社会のための経済学

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    強く興味を惹かれた1〜5章のみ読んだ。
    ノーベル経済学賞を受賞した大家による、一般向けの大著。

    経済学者の仕事に興味があり、そのテーマに関連の深いところだけを読んだが、経済学がどういう学問か、経済学者に何が求められているか、わかりやすく書かれていた。
    「経済学者がどんなふうに仕事をしているか」について書かれた本はそう多くないと思うので、そういった点でも面白い本。

    ・経済学者に求められるのは政策提言。
    ・経済学は変貌しつつある。今後さらに進歩するためには、他の社会科学や人文科学との再統合を進める必要がある。
    ・我々が十分に賢くないが故に、経済学者は数学を用いる。
    ・経済学者にできるのは、現時

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    2020年03月01日
  • 人質の経済学

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    タイトルの通り、人質に関する経済学。池上さんお墨付きだけありなかなかおもしろい。誘拐、交渉にもいろんな法則、データがあることを知れる一冊。
    歴史的地理的背景も語られており、興味深い。
    人質ビジネス、身代金ビジネスを分析する本

    メモ
    ・9.11後のアメリカのマネロン対策により流れが大きく変わった。アメリカを経由できなくなったことにより、ヨーロッパで資金洗浄が行われるように。その流れでサヘル地域がとても危険な状況に。
    ・誘拐組織のみならず政府も人質一人あたりを値踏みし、値段づけを行なっている。

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    2019年12月28日
  • プラットフォームの経済学 機械は人と企業の未来をどう変える?

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    ☆3.5くらい?。間を開けすぎて読んだので結局何だったの?という印象が一番強かったが、ブロックチェーン等、所々興味のある箇所はあり。原著のタイトルはMACHINE,PLATFORM,CROWD :HARNESSING OUT DIGITAL FUTUREなので、ちょっと日本語のタイトルは違うかなぁ、と。

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    2019年09月13日
  • プラットフォームの経済学 機械は人と企業の未来をどう変える?

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    プラットファーマーの時代となった現代における、企業のあり方について考えさせられる本。
    人間にもまだまだ活躍の場所があるという事だと理解したが、会社がこの先うまく対応していけるのか、世界の動きについていけるのか心許ない。

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    2019年09月11日
  • 大暴落1929 (日経BPクラシックス)

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    ネタバレ

    1929年の株価大暴落について、米国内の状況が書き綴られています。リーマン・ショックあたりの本は何冊か読んでたけど、1929年の暴落についての本は初めてでした。

    リーマン・ショックの際にCDOがブームになっていたように、この時は会社型投資信託がブームになっていたそうで、これがCDO同様歯止めの効かない流れを生み出した一因になったようです。

    私が理解した投資信託が暴落の一因となった仕組みは、以下の通りです。
    ①投資信託が資金調達する際に、予め利率や配当が決まっている社債等に加えて普通株を発行。
    ②投資信託が設立後に投資した株式が値上がりすると、投資信託の価値が上がるが、社債等は利率等が決まっ

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    2019年08月20日
  • 悪いヤツほど出世する

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    みんなが思う理想のリーダーは、実際に活躍しているリーダーの中にはほぼいない
    それに良いリーダーでも永遠には続かない

    公正世界仮説 過度の単純化は危険
    東京電力、重役のほうが減給率高くした
    暗黙のエゴ 

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    2019年06月20日
  • 人質の経済学

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    私たちの考える人質事件は犯罪としての認識だが、テロ組織にとってはビジネスとっては政治取引の手段でしかない。タイトル通り、犯罪もベースにした経済圏が成り立ってしまっている。そんな経済圏を成り立たせているのは実は先進国だということに気づいていない国が多い。そんな先進国のウィークポイントをうまく突かれているのが人質だという状況。不安安定な国では人権ではなく商品としての扱いが克明に記されている。
    人質、移民問題。。悪を売り物にした経済圏はどこにでも成り立ってしまっている現代の怖さを知る一冊。

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    2019年06月12日
  • 悪いヤツほど出世する

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    リアリストリーダーを解説した本と言うべき内容。日本語タイトルは興味を惹かせる釣りかと思う。
    内容はリーダーシップ教育産業や研修で言われてることと、実態は違うと言うことが、よくわかる。著者はスタンフォードの人気教授で皮肉屋と呼ばれているそうですが、本に書かれている通り、一般的なリーダーシップ本とは趣も違う。でも、会社の中でリーダーシップを発揮しなければいけない立場にはこれが真実だと思う点が多いはず

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    2019年06月12日
  • 悪いヤツほど出世する

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    邦題が俗っぽくてハウツー本みたいな印象になっているけれど、スタンフォード大学ビジネススクール教授が書いたお堅い本。内容は「リーダー論」は耳障りの良い嘘であり、実際のリーダー達を見ればそれが理想論でしかないことがわかると語っているなかなか過激なもの。リーダーシップ研修やセミナー、リーダーによる自叙伝やビジネス書に喧嘩を売るような内容だけれど、過去の権力者や成功者を振り返ってみれば確かにリーダーと人格者はイコールではないなと気づく。なぜか経営者に潔癖な人を求めているけれど、めったにいない人種を求めても仕方ないし、いたとしてもいつまでもその人がリーダーでいるわけではない。ではどうするのかというとこの

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    2019年06月10日
  • キッシンジャー 1923-1968 理想主義者 2

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    キッシンジャーの傑作評伝の下巻。舞台となるのは、ハーバード大学の教鞭を取りながら、大富豪ロックフェラーの大統領選の参謀として徐々に政治の世界に足を踏み入れる1958年から。そして下巻の中心となるベトナム戦争の和平工作に足を踏み入れながらも、ジョンソン政権下で結果としてはうまくいかずその営みが徒労に終わるも、ジョンソンに次ぐ大統領に就任したニクソンの元で、 NSA/国家安全保障局の大統領補佐官に就任するところまでが描かれる。

    キッシンジャーが問題視したのは、ジョンソン政権下での外交問題が、様々な部局の縦割りで統一的な戦略や意思決定プロセスを経ぬままに迷走していた点である。彼がニクソンの元で政権

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    2019年06月01日
  • キッシンジャー 1923-1968 理想主義者 1

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    20世紀後半の現代史を語る上でのキーパーソンの一人といっても過言ではないヘンリー・キッシンジャー。ニクソン政権での国家安全保障問題担当大統領補佐官として、ベトナム戦争終結の功績でノーベル平和賞を受賞し、その後もアメリカ外交に大きな影響力を持ったキッシンジャーの評伝が本書である。

    "The Idealis-理想主義者"と銘打たれた本書の上巻は、出生した1923年から1958年、ハーバード大学の博士課程を修了し、徐々に外交のスペシャリストとして頭角を表すまでの”青の時代”が中心である。

    上巻の白眉は、第二次世界大戦における欧州の戦場に従軍した時代のエピソードである。ユダヤ系

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    2019年05月12日
  • プラットフォームの経済学 機械は人と企業の未来をどう変える?

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    「人間はテクノロジーを使って何をしたいのか、目的を明確にしなければならないし、人間の価値について深くかんがえなければならない」

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    2019年03月19日
  • 悪いヤツほど出世する

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    ネタバレ

    日米の企業で管理職階を経験、ビジネススクールを卒業し、人事部経験もある僕からみて、フェファー教授の著作はガチ。名著「権力を握る人の法則」とあわせて読むことをお勧めします。
     
    まず重要なのは、「アリソン・デービス=ブレークは、現在ミシガン大学ロス・ビジネススクールの学長である。このビジネススクールは全米トップテンにランクされ、公立では全米最高と言われることも多い」という一文。正しくは前学長だし、学校名もやや異なりますが、皆さん憶えて帰ってください。
       
    そして、人事部時代に「人事研修はゼロでいい」と提唱して非難された身として、以下を引用して感想文を終わります。
     
    ・リーダーシップについて

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    2019年03月02日
  • 帳簿の世界史

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    少し前に読み終わった本。『会計の世界史』を読んでいたら思い出したので、ついでにレビューする。

    一言でいうと、『美味しんぼ』の帳簿バージョン。美味しんぼが、あらゆる問題を料理で解決するように、この本の作者にとっては、世界のあらゆる事件はすべて、帳簿に端を発し、帳簿によって解決される。

    会計の知識を深める目的で読み始めたんだけど、上記の事実に気が付いてからは、帳簿が難事件を解決するエンターテイメントとして楽しみながら読めた。良書だと思う。

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    2019年02月04日
  • 帳簿の世界史

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    都合が悪くなると数字を見なくなる、自分の利益のために改竄を行う、集計手間がかかるため反対され頓挫する…今日では財務会計は細かく制度化されているのものの、制度化されていないものを扱うデータ分析の世界では、いまでも似たようなことは起きていると感じます。
    歴史を学ぶことで会計と監査がなぜいまの形になったのか、そしてその意義を知ることができ面白かったです。

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    2019年01月09日
  • 善と悪の経済学―ギルガメシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠

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     経済学の本というよりは、経済学の歴史の本と言った方が分かりやすいと思う。
     ギルガメシュ叙事詩から聖書、そしてアダム・スミスの「神の見えざる手」理論、そして映画『マトリックス』まで。人類の初めから経済はどのように発展していったかを論じている。
     経済のことを詳しく知らなくても、根気があれば読みこなせる。
     筆者の主張としては、経済は未来永劫発展していくことはないのだから、「このあたりで満足したらどうだろう?」ってことを言いたいのだと思う。

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    2019年01月08日
  • 悪いヤツほど出世する

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    ナルシズムがあり、嘘をつき、信頼感がなく、思いやりのない人が出世しやすいというだけで、それがリーダーに向いているというわけではない。資質というよりは、選抜・入れ替えの問題があるかと思う。

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    2018年12月31日
  • 機械との競争

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    「イノベーションのジレンマ」の言葉を借りると、
    人間自体が「持続的技術」で、機械が「破壊的技術」と言えるかもしれません。

    テクノロジーの急速な進歩によって、雇用が減り、クリエーターと肉体労働者に二極化するという話です。


    1.この本をひと言でまとめると
     「機械との競争」に人は負けている。機械を味方につけよ。

    2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
    ・eディスカバリーが弁護士の仕事を肩代わりしたように、高度なスキルもコンピュータに浸食される恐れなしとしない。(p101)
    →ちょうど昨日、「弁護士収入:2割が年収100万円以下」というニュースを見た。ネットで調べれは大抵の

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    2018年12月30日