村井章子のレビュー一覧

  • ジョン・P・コッタ― 実行する組織

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    コッター教授の最新作。
    議論のベースとなっているのが、昨今の経営環境の変化のスピードが乗数効果的に速くなっており、従来の階層型組織は限界に近づいているということである。

    この問題に対しての解決策として、本書の大きなテーマは従来の組織と並行してデュアル・システムというネットワーク型の組織を作り運用することを提唱している。ただ、この概念はこれまでに行われていたようなタスクフォースといったようなものとは異なるというのが著者の立場であるものの、それには説得力が欠けるという印象は拭いきれなかったのが正直な感想。また、運用についても色々ケーススタディを例示しているが、組織形態のフレームワークとして一般化

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    2018年10月08日
  • 人質の経済学

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     この手の、社会問題を取り上げる著書は久しぶりに読んだが、脳天をガチコンとハンマーで殴られたような衝撃を受けた。直近では、後藤健二氏の事件の時に注目を集めたが、誘拐事件がこんなに凄惨なものとなり、急増していることは知らなかった。
     そして、各国の対応もこれまた衝撃である。
    「人道支援組織の中には人間の命に値段を付けることを拒否するところもあるが、実際には誰もがそうしている。家族も、企業も、政府も、そしてもちろん誘拐組織も、である。身代金を払う国の中で、自分で交渉して自分で払うと言い張ることで悪名高いのは、イタリア、ドイツ、フランス、スペインなどだ。これらの国は、2003年以来、頻発する誘拐に自

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    2021年08月08日
  • プラットフォームの経済学 機械は人と企業の未来をどう変える?

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    ネタバレ

    ■人間とマシン
    ・人間の強み
     「窓の外を見る」
     偶発的要因を考慮、常識。

    ・ルールより統計へ
     コンピューターは子どもと同じ統計的パターン認識、
     大人はルールに基づくシンボリック手法で習得。

     英語の形容詞の順序ルール
     自分の意見、大きさ、年齢、形状、色、原産地、材質、目的の順。
     ルールが多すぎ、守れない。

    ■物理的なモノ・サービスとプラットフォーム
    ・ここ20年間の地殻変動「オンライン プラットフォーム」
     Free 無料、Perfect 完全、Instant 瞬時

     O2Oプラットフォーム
     オンラインを介したオフラインビジネス
     UXが武器とし、情報の非対称化を解消
     

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    2018年07月30日
  • プラットフォームの経済学 機械は人と企業の未来をどう変える?

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    ネタバレ

    日本語のタイトルが内容を必ずしも正しく表していない。が、プラットフォーム、AIなど、最近のデジタルトレンドや今後の方向性についての知見が語られている。その中には、プラットフォームの二面的・多面的なネットワーク効果や補完財の需給関係といったタイトルどおりの内容も含まれてはいるが、それがメインではない。むしろ、人間とAIなどマシンの能力、直観と論理的推論をどう組み合わせるのがベストなのか、ということを主題としている。その意味では、サブタイトルの方が本書の内容を的確に表している。

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    2018年07月22日
  • 分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学

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    20171217

    んー、横山さんレコメンドの割にはって感じ。翻訳本は事例が冗長すぎる。でも多分ビビッと来なかったのは今働いてるとこがデータドリブンの文化をめちゃめちゃ大事にしてるからそんなの当たり前じゃんって思ったからなのかも。データ収集って設計と運用が肝要だよなぁって思った2年間だったけどまさにそれが書いてました。

    今後の趨勢としてデータドリブンは間違いなく重要になっていくのでもう一度統計学と線形代数を卒業までにやり直しておこうかなぁと思った。やりたいこと多すぎ問題。

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    2018年07月21日
  • ファスト&スロー (上)

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    直感型思考と熟慮思考に関しての研究。人間の判断がどれだけ周りの影響を受けているかが書かれている。判断するとき周りにおいてあるものとか、事前に見たものとかに影響されてるんだなあ。例えばSO◽︎Pの四角の中には、事前に洗うと聞いていたらSOAP、食べると聞いていたらSOUPと答える確率が高いとか。

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    2018年07月16日
  • 機械との競争

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    たとえばチェスは人間と機械の連合軍が最も強いなんてのは今となっては古い情報だし、だから彼らの予測もどこまで信じられるのかなあとちょっと疑問を持ちながら読み進める。
    まあ、うまく機械と人間が融合できる世の中であってほしいなあと今の僕は祈るのみである。

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    2018年07月08日
  • 帳簿の世界史

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    中々興味深いですね。

    会計と言うものが、国家の存立にまで影響していたとは、この本を読んで初めて気づきました。言われてみれば当然で、この本でも触れられていますが、フランス革命も、宮廷の浪費に業を煮やした国民が蜂起したと言う事でしたね。

    アメリカが、その国家建国の頃から、会計を意識していたというのは興味深いです。ある意味、と言うか、当然にと言うか、現在のアメリカ合衆国に至るまでの前身の植民地を含めたアメリカは、ネイティブたちの国ではなく、ヨーロッパ大陸大陸から逃れてきた、あるいは一獲千金を夢見てきた人たちが、人工的に集まってできた集団ですので、色んなことを透明化する必要があったと感じます。なの

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    2018年05月12日
  • 悪いヤツほど出世する

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    確かに理想のリーダーは身の回りには見当たらない。結果、悪い奴ほど出世してるとは妙を得ている。現実を見て、我が身は自分で守れ。こういった現実を飲み込んで、どうできるか。

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    2018年01月18日
  • 悪いヤツほど出世する

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    概要: 謙虚で気配りのできるリーダーが理想とか嘘。実際のリーダーは自信過剰で嘘つきで信頼を裏切り思いやりに欠ける。神話を捨て、(1)実証的的にリーダーの資質を測り、(2)現実を見て自分の身は自分で守れ。
    感想: 内容は同意するが、だからどう?ていうのはあんまりない。そもそも控えめで信頼できて人柄がよいみたいな理想のリーダー像を信じてるやつがそんなにいる?

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    2017年12月29日
  • 機械との競争

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    テクノロジーの進歩は人から雇用を奪っているだろうかという問いに、YESと答えた上で、この後の展望や提案などがなされている。面白い記述は、この書の段階ではチェス最強が、コンピューターでもなく、人間でもなく、コンピューターを効率良く使う人間であるというくだり。はやすぎる技術革新に社会の体制がついていってないという指摘。イヤな展望を払拭するほどではないが、明るい展望も書かれている。

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    2017年12月18日
  • ファスト&スロー (上)

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    ノーベル経済学賞(正しくはないのだが)をとった心理学者の本。訳本でもあり、最初のほうはかなり読みづらかった。統計の話になってからは、興味深く読ませてもらいました。下巻を直ぐに読みたいとまでは、思えませんでした。

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    2017年09月23日
  • 国家は破綻する―金融危機の800年

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    チャート、テーブルが豊富で、データに基づいた国家破綻に関する論文。日本の経済学者でここまでやれる人はいないでしょうね。でも、三橋さんなんかは、かなり近いかな。結論は、表題の「国家は破綻する」ということで、経済学が発達しようが、破綻するのです。その理由についての考察が少なかったようで、少し残念ですね。

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    2017年09月23日
  • 大暴落1929 (日経BPクラシックス)

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    本棚を見ていてふと気になり再読。
    アメリカ人ってある意味凄い、何ら変わらんもんね。やってみて駄目ならやり直すしかないでしょ的な発想、この志向に資本主義は確かにマッチします。痛い目に合う時は容赦ないけれど、それも呑み込む共通認識が社会に備わっている気がするな。だからこういう過去の教訓があっても同じことを何度となく繰り返す。うん?日本も違う意味で同じかな?
    ところで実はトランプという人は意外に経済という観点でアメリカ的にはダメな人かもしれない。とにかくアメリカに拘っていて、何でも良いからガンガン行くという能天気さが実のところ薄い感じがしなくは無いと思うのですが。

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    2017年09月18日
  • ファスト&スロー (下)

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    ネタバレ

    まとめると、この上下巻の結論は、二つのキャラクター(システム1, 2)、二つの人種(理論の世界に住む架空の人種エコンと、現実の世界で行動するヒューマン)、二つの自己(現実を生きる「経験する自己」と記録をとり選択する「記憶する自己」→冷水実験、持続時間の無視とピーク・エンドの法則)が存在するということ。そして常に認知的錯覚があるということを知っておく必要があるということ!

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    2017年09月10日
  • 悪いヤツほど出世する

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    リーダーシップの定説に対するアンチテーゼを紹介している本。サーバントリーダーシップ、謙虚なリーダーシップなど巷で持て囃されている理想のリーダーなどは、現実には存在しないと、筆者は断言する。
    むしろ、ナルシスト、社員への冷徹な姿勢、部下への約束を守らない、といった行動が合理的になっているのである。
    特に面白かったのは、ナルシストなリーダーが多いことだ。出世の階段をだれよりも早く駆け上がる為には、自分の成果を周囲にアピールするプレゼン力が必須になる。ナルシストであれば、自分のアピールはお手もので、出世へと繋がる。一方で、謙虚な人は自分の成果を卑下する傾向があるため、周囲からの評価が低くなりがちであ

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    2017年08月20日
  • 悪いヤツほど出世する

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    タイトル通り、今の世の中には謙虚で部下思いないわゆる好ましいリーダーは少なく、自分の利益を追求する悪いリーダーが多く権力を握っている、と説く。
    出世したかったら悪い奴になれ、というわけではないが、リーダーシップ教育で語られがちな理想的なリーダーを目指したり求めたりするよりも、自身も自己利益を追求しなければ、むしろ他の利己的な人々の餌食になってしまう。
    現実的に組織の力関係を理解しなかった人たちはキャリア形成に失敗する、というのはもっともだろう。
    ただ、自部署の系列の役員がオススメの本としてあげていたのはいかがなものか。と個人的な意見。

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    2017年07月12日
  • 善と悪の経済学―ギルガメシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠

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    数学や物理学をはじめ、いわゆる「科学」と呼ばれる学問は、理論を構築するにあたり必要な公理系(または実験的事実に基づく法則)を基礎として演繹的に構築していく。

    翻って、経済学はどうであろうか?
    確固たる基礎を持っているのだろうか?
    よく理論経済学の論文なんかで登場する効率的市場仮説(EMH)やホモ・エコノミクスを仮定しているが、これは本当に人間の行動をうまくモデル化していると言い切れるのだろうか。

    金融工学をはじめとした数学的に経済を分析する、ということが近代経済学の主流であることは疑いようがない。
    Black-Scholes方程式からデリバティブのプライシングをするとなんかカッコいいし笑

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    2016年12月27日
  • 悪いヤツほど出世する

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    7章:自分の身は自分で守れ
    自分の身は自分で守り、自分の利益を自分で確保するほうがよい。リーダーシップ神話に頼るのをやめたら、ずっとうまくやれるはず。信頼に値しない人間を信頼して裏切られたり、失望したり、キャリアを台無しにしたりする危険性も大幅に減るはずである。

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    2016年10月23日
  • ファスト&スロー (上)

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    ファスト(システム1)とスロー(システム2)の状態説明。
    ハロー効果、平均回帰。行動経済学では投資家の心理など。

    著者は、認知心理学者でノーベル経済学賞受賞者。
    C0011

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    2016年08月25日