村井章子のレビュー一覧

  • コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった 増補改訂版

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    ネタバレ

    コンテナのおかげでニューヨークとリバプールは凋落した。
    釜山やシアトルが世界のトップになった。
    コンテナは労働者にメリットもデメリットももたらした。労働環境は改善したが待遇改善に終止符が打たれた。
    海上貨物運賃は、輸出輸入の10%以上を占めていた。関税以上に強力な参入障壁だった。
    積み出しと荷揚げに費用がかかる。コンテナで削減できないか。しかし貿易に与えた影響は軽微だった可能性もある。

    エジソンの白熱電球は20年後でも普及率は3%。普及には発明だけでなくイノベーションが必要。コンテナも同じで普及には時間がかかった。

    コンテナの規格は紆余曲折を経た。鉄道、トラックなどと合わせる。

    マルコム

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    2024年05月20日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    トマピケティの本。フランスの講演会の内容をまとめた本なので、格差の現状を図表を使って説明しておりとても判り易い。著者は世界の所得、税、ジェンダー、環境等の格差問題について言及考察しているが、これは複雑な要因が絡んでおり問題解決は一筋縄では行かない。各国にはそれぞれ事情があって、資本主義社会である限り、著者が指摘する格差を是正するのは難しいと思う。

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    2024年04月21日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    経済学は信用されていない。
    学者の中で一致した意見が、一般の人々の意見とかけ離れていることが一因。また悪い経済学者ーエコノミストーが大手をふってまかり通っている。彼らは自社の経済的利益を代表して発言している。
    しじょうの楽観主義をあおろうとする傾向が強い。アカデミックな学者は身長に予想を避ける。将来予想はほとんど不可能だからだ。これらの学者は含みを残した結論を説明するのに、それを導き出した複雑な過程を長々と説明する。

    事実は無力である。2つの質問をする。
    1、自分の意見は?
    2、事実に基づく知識は?
    で、2→1で質問した場合。自分の事実誤認を再確認して、意見を求められた場合、事実誤認を認めて

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    2024年04月14日
  • イングランド銀行公式 経済がよくわかる10章

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    良い本でした。

    ファスト教養のように浅くなく、かと言って専門書のように深くなく、基本的なことをサラッとおさらいできるのでとてもよかった。

    私は経済学をちゃんと学んだことがないので、少し頓珍漢なことを言うかもしれないが、経済学というのは不確かなものを追求する学問なんだと改めて感じた。
    様々な理論が打ち立てられるが、100%確かなことは言えないし、趨勢があったり派閥があったり。
    その傾向があるとか大筋はあっているとか。

    物理学のようにまったくもって正しい数式は存在しないし、不確かなランダム性やカオス理論に影響されてバブルがはじけてしまう。

    どうしても経済学が有耶無耶でとっつきにくいものとい

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    2024年04月20日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    世界中で起きている現代の不平等は、自然や文化の変化だけでなく、政治によって大きく変化する。特に所得格差の拡大や富裕層の税逃れなどが不平等を助長している現実があり、これらの問題に対処するためには、個々の専門学者の取り組みだけでなく、政治的な施策が不可欠だと、言う事だ。日本においては、特に所得税や相続税が他国に比べ既に高い利率がかけられていることを認知しておくべきだ。

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    2024年02月10日
  • コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった 増補改訂版

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    コンテナが普及していく過程と影響の一端を知ることが出来て勉強になった。

    トラック運送会社、鉄道会社や船会社などを巻き込んだコンテナの導入・規格化は世界の物流を効率化させ、結果的にグローバル化を推し進めた。

    港での荷揚荷卸をはじめとした物流費用が低下したことで、企業にとっては生産地と消費地の距離という制約から自由になり、労務費の低い場所でモノを製造することがトータルコストを押し下げることとなった。

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    2024年02月09日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    あまり新鮮な意見では無かった。
    多分皆んながなんとなく感じてる「格差が無くなればいいのにな」って事を具体的な数字で示してくれている。
    だからこそ格差は今後も無くならないと思う、だって皆んなそう思ってるはずなのに、過去から格差が拡大していってるから。
    特に資本主義が最強のイデオロギーのうちはね。かと言って共産主義はありえない。
    で、エコ社会主義!ってのもありえないだろ。
    資源の消費速度が早くてそのうち枯渇するだろうけど、その時は適当に人間が間引かれて、それに適した数の人類が生き残って、「そういう環境」がまた出来上がるだけだとおもう。
    私ができるのは悲惨な間引きが行われない事を願うだけだろう。

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    2024年01月24日
  • 機械との競争

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    2013年の出版なので少し古く、かつそこからの未来想定を含む内容なので、「答え合わせ」ができるのだが、何よりAIに関する考察がやや物足りない。面白かったのは、下記のような発想。

    ー 産業革命の初期までは、立派に雇用されていた職が、20世紀の初めにほぼ消滅すると言う事態が起きた。役馬だ。325万頭が労役に使われていたが、鉄道に変わられたり、蒸気機関にとって変わられた。馬に賃金が支払われていた。

    馬が大量鶴首された。馬は、労働者ではなく、よりアナログな機械として考えるべきでは無いのか。失業者の損失は、生活保護コストや消費の減少にあるが、馬にはそれらが無い。冷酷な言い方をするなら、過剰な馬は美味

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    2024年01月23日
  • 戦略の要諦

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    戦略は課題の本質を見抜いて考えるもの、でも良い戦略を考える明確なプロセスはない、というのが要諦かと捉えた。そうなると最初の方の記述で十分で、それ以外の部分は費用対効果があまり良くないように感じた。

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    2024年01月20日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    オーディブルで聴いたのは失敗だったかもしれない。豊富なデータ比較や諸外国の事情についてなので、オーディブルだと分かりづらいように感じた(わたしの理解力の問題かもしれない)。

    翻訳本なので日本との比較が少ないのも個人的にはイメージしづらかった原因のひとつかなと思う。でも調べないと分からない海外の事情を知れるのはいい機会になった。

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    2023年12月06日
  • 創造的破壊の力―資本主義を改革する22世紀の国富論

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    フランス視点。米国型と北欧型の良いとこどりをしましょう、というよくある見方に関してデータを積み重ねながら説明を進めている。政策策定者に向けてのメッセージ色が強く、イノベーションを起こそうとする主体にとってはあまり有用な情報ではないかも。

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    2023年11月11日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    資産やジェンダー格差、自然と不平等などについて現状をデータで解説しています。
    様々な面で過去よりも改善されつつあることがわかりますが、まだ道半ばということもわかります。

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    2023年10月17日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    2022.3.18にケ・ブランリ=ジャック・シラク美術館で行われた講演の原稿を加筆訂正したもの。講演は民族学会の招きで行われた。

    ・不平等を生む体制が社会によってどれほど異なるとしても、過去数世紀にわたって基調的な流れ~社会的な平等へと向かう底流はあった。18世紀末という特定の時期に水脈が現れ、政治的・社会経済的平等の実現をめざして勢いを増したていった。
    ・不平等を生む体制は社会によって大きく異なるが、自然、文化、不平等の間にはまったくちがう種類の関係性が存在する
    ・気候変動問題は、現在の資本主義システムとはまったく異なる新しい経済システムの出現なくしては解決できない。それは「民主的でエコロ

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    2023年09月17日
  • ブラック職場があなたを殺す

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    長時間労働ほど非効率かつ自分の健康を害するものはない。仕事に生きがいを感じること自体は悪いことではないと思うが、自分の健康や本当の幸福感を犠牲にしていないか見つめ直す必要があると思う。
    自分のは仕事のやりがいは感じているが、仕事に生きがいは求めていない。自分の健康は自分で守るしかないと自覚できる一冊です。

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    2023年08月28日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    r>gで有名なフランスの経済学者のトマ・ピケティが過去データを分析して、不平等を切り口に世界で起こっている様々なことを論じる。

    所得、ジェンダー、教育格差など。驚いたのはヨーロッパなどでは1800年代から統計データがあること。

    累進課税などの導入により、十分ではないが、格差は縮まっていること。

    教育に国がかけるお金は重要であり、これが格差を縮めるのに重要な役割を果たすが後回しにされること。

    炭素の排出量は一人当たりに換算すると北米が群を抜いて大きいにも関わらず、同様の排出量が求められていることなど、筆者が述べるように分野を超えて専門家の知見を集約することが重要である。

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    2023年08月19日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    一般的な知識で格差や平等を語っていたが
    違う視点でこれらを考えさせられた
    不平等とは それらを生む体制を歴史的に考える
    所得格差 資産格差 ジェンダー格差
    図で説明されると
    説得力がある
    人間はそれでも平等への道を歩んでいる
    歩みはのろく範囲は限られるが
    そして著者は気候変動の影響が日常生活に
    影響を及ぼすようになると
    現在の経済システムに対する考え方が
    急激に変わるとしている
    今だと思う もう始まっている
    どうなる

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    2023年08月17日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    フランス革命は、中産階級の所得と資産を押し上げただけで低産階級にはほとんど意味を持たなかった。スウェーデンはもともと平等な国ではない。戦前においては、上位20%の資産を持つ男性しか選挙権を持たず、しかも投票権は寄付額に応じて定められていた。そのため、ある地域では1人が投票総数の50%を占めることもあった。累進課税制度のような国ごと、人ごとの二酸化炭素排出量に合わせた排出量規制が不可欠。

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    2023年07月22日
  • 創造的破壊の力―資本主義を改革する22世紀の国富論

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     創造的破壊とは、新しいイノベーションが次々に生まれて既存技術を時代遅れにし、新しい企業が絶えず既存企業と競争し、新規雇用と事業が続々と創出されて既存の雇用と事業に置き換わっていくプロセスのことである。創造的破壊は資本主義の原動力であり、無限の再生を可能にするが、同時にリスクや混乱ももたらす。よって適切な規制や指導のあり方を学ばなければならない。

     創造的破壊のパラダイムに基づく成長モデルは、オーストリアの経済学者ヨーゼフ・シュンペータが提唱した次の3つのアイデアから着想を得ているため、シュンペーター理論に基づく成長モデルと呼ばれることもある。ただしこれまで厳密にモデル化され検証されたことは

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    2023年07月13日
  • コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった 増補改訂版

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    1950〜2000年代にかけてコンテナリゼーションの変遷を学ぶことができました。コストがかかる海上輸送において、より効率的なコンテナ輸送を実現することで世界的に経済発展を促し、埠頭での雇用や設備環境を大きく変えてしまったのは非常に面白かった。ベトナム戦争を皮切りに、コンテナ活用の押し上げ、日本を経由することで空のコンテナの有効活用、ジャストインタイムによるグローバルサプライチェーンの実現など多様な歴史を知ることができました。付加価値をつけながら次なるフェーズへの発展という点では、多くの企業が学ぶべきステップアップだと感じました。

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    2023年02月28日
  • 分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学

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    多くの企業は、日々の活動から収集したデータを分析している。だが、その分析結果を競争優位にまで高めている企業は少ない。分析力を武器に業績を拡大している世界中の企業の事例をもとに、その活かし方を詳述する書籍。

    分析力を武器とする企業の取り組みには、例えば、次のようなものがある。
    ・全世界でホテル事業を展開するマリオット・インターナショナルでは、客室料金を最適化する収益管理システムを導入し、収益力の改善を図っている。
    ・鉄鋼メーカーのロッキー・マウンテン・スチール・ミルズは、生産を中止した鋼管の製造再開を決断する際、コスト分析ソフトで検討することで、的確な判断を下した。
    ・ハラーズ・エンターテイン

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    2023年01月08日