上下巻感想
自分の判断、会社としての判断は正しいのか?大丈夫?と考え読み始めた。
例えば難民認定の許可は審査官によって大きく違い、ある人は5%ある人は88%の許可していた事や100人の精神科医の診断結果は54%しか一致しなかったなどなどの沢山の事例や調査結果に驚かされた。そう言った判断は明確な基準が
...続きを読むあり間違いがないと考えていたがほとんどの場合、大きな乖離があるという。ではそれが何なのか?その原因は大きくバイアスとノイズに分類され違いは簡単に言うと、銃で的を狙い一定方向に的を外す要因はバイアス、上下左右などランダムに外す要因がノイズということだった。ノイズにもいろいろなものがあり、発生の事例や要因や測定方法や対処法が分かりやすく書かれていた。この本を読むことによって自分が思っているより自分が冷静で客観的な判断ができていないという事実を認識して、対処法を講じていく必要があると感じた。またアルゴリズムでの判断と人間の判断の違いや有効性は人事評価などノイズが発生しやすい場面で適応できるシステムの必要性を感じた。
また、前作でも感じたが作者がノーベル賞受賞者でありながら、専門家の無能を辛辣に笑い飛ばす語り口がとても痛快だった。自分の馬鹿さ加減も深く認識させられる。