村井章子のレビュー一覧
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ネタバレ人間は、他の人のことを心に懸けずにはいられない。“経済学の父”が、『国富論』に先立って構想した、「共感」原理に基づく道徳哲学を読み解く書籍。
私たちは、他人が悲しんでいると自分も悲しくなる。
それは想像力の働きによって、自分の身を他人の身に置き換えて考えるからだ。想像こそが、他人を思いやる気持ちの源である。
私たちは、友人に喜びよりも悲しみをわかってもらいたいと願う。
不幸な人は、共感が得られたら悲嘆を引き受けてもらったと感じる。この時、相手は悲しみを分かち合ったと言える。
私たちは自分の富を誇示し、貧しさを隠そうとする。それは、人間が悲しみよりも喜びに共感する傾向があるからだ。
栄達を求めず、何者にも頼らず、ひたすら自由に生きる。
そのための方法は、野心を抱かないこと、そして人々の注目を独占する支配者と自分を比べるような愚を犯さないことだ。
人々の尊敬と賛美に値するようになるための道は、2つある。
「富と権力を手に入れる道」と「知恵を究め、徳を実践する道」だ。そして、大多数の人間は、前者に惹きつけられる。
生活の程度が中流~下流の人の場合、堅実な職業的能力を備え、注意深く、不正を犯さず、慎み深く振る舞えば、失敗しない。「正直は最善の処世術である」という諺の通りである。
幸福は、心の平穏と楽しみの中にある。心が穏やかであれば、たいていのことは楽しめる。不幸に陥る大きな原因は、他者と自分の境遇を比べ、その差を過大視することにある。
個人にとって有用な資質は「理性と理解力」「自制心」だ。この2つの資質が「思慮」という最も有用な徳を形成する。 -
Posted by ブクログ
以前に「ファスト&スロー」を読んだので、認知・判断にノイズやバイアスが発生するメカニズムは理解していて、新たに得るものは多くないと感じた。
また、タイトルに「組織はなぜ判断を誤るのか?」とあるので、企業の組織運営的な内容に期待したが、ちょっと違っていた。医療や裁判などで括られた”集団”を組織としている感じがする。
ファスト&スローと同様に「人間の判断なんて不確かだ」の研究結果やインタビュー(公式、非公式)の内容を織り交ぜて説明されているので理解しやすい。
特に、自分が正しいと思っていることを肯定する情報は正しく、矛盾している情報は無視する行動はあるあるだなと思った。
また、各章が短いので隙間時間で読書が進められるのはうれしい。 -
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1929年ニューヨーク市場の歴史的な大暴落とそれに続く十年間の不況を経て、ようやく経済状態が落ち着きを見せた 1955年に初版。その後、ITバブル前夜の 1997年に再版され、この日経BPクラシックスとしての邦訳はやはりリーマンショック直前の 2008年。コロナ禍とそれに伴う大規模金融緩和の時代に、またこの本が多く読まれているのだという。
1980年代日本の熱狂的なバブル経済を見てきた世代として、今のこの状況をバブルと呼ぶには抵抗があるが、それでもリーマンショック以降の中央銀行による株価の下支えオペレーションがいつか限界を迎え、大恐慌時代が再来するという予言は多い。もっとも、この本から得られる教訓の一つは、学者にしろ政治家にしろ未来予測はアテにはならないということだが。 -
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著者がフランスの日刊紙に月1回の頻度で掲載するコラムをまとめたもの。最新の記事が2011年であり、おおよそ10年前のフランスに関する話題。
21世紀の資本に書かれているエッセンスがすでにあり、資本による収益率は経済の成長率を超えているため、資本を持つものはさらに富み、そうで無いものとの格差が広がる、という考えのもと、度々、資本に累進性の課税を行うべきとの主張が展開される。
遺産を受け継いだだけの経営者の子が、スティーブ・ジョブズよりも資産を持っている、という例が引かれており、それを読むとこの主張も説得力を感じざるを得ない。
日本においてはどうなんだろうか? -
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ガルブレイスは、100歳近くまで存命し、ルーズベルトを含む民主党の複数の大統領のアドバイザーを務めました。経済学者としての業績には、毀誉褒貶がありますが、その知名度は著作の読みやすさもあって、抜群のようです。
本書では、1929年のアメリカの大恐慌前後の経済状況、特に金融市場の状況から恐慌前後の状態を解説しています。2008年のサブプライムと同じレバレッジを利かせた投資方法(当時としては空売りや、社債や優先株でレバレッジをかけた投資信託)などが一気に巻き戻った結果、暴落が加速したあたりは80年を経て歴史が繰り返したことを克明に語っていると言えるでしょう。バブルが破裂する際に優良な資産程売られるのは、マージンコールの支払いのために現金化が必要とされるため、というくだりはまさにレバレッジの巻き戻りが市場に与えるインパクトの凄まじさを示す例でしょう。
ガルブレイスは2006年に鬼籍に入りましたが、2008年以降のリーマン危機時に存命であれば、1929年との対比でどのような分析をしたことでしょうか。 -
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ガルブレイス 「 大暴落 1929 」 1929年に起きた ウォール街の株の大暴落の経緯を説明した本。経済の変化というより、経済に踊らされている人の変化に着目している。
経済に踊らされている人の動き
*政府〜実態と異なるウソの発表
*銀行と投資家〜終わりがきたことをなかなか認めない
*社会〜金儲け一色に染まり価値観がどこかしら狂っている
「株の大暴落は 投機ブームが終わっただけ」「投機ブームは 時代の空気〜普通の人でも金持ちになれるという自信」とした著者の見解に、日本のバブル崩壊を想起した。
著者は 株の大暴落と 直後に起こった 世界恐慌に 関係性を見いだしていない。
株の大暴落についての著者の見解
*市場が不況に気付いたから暴落が起きたのではない
*株が下がった時点では 不況は予測できなかった
*指標の悪化に一部の投資家が敏感に反応して売りに転じ、いずれ破裂するバブルがはじけた 可能性はある
「政府から 経済は基本的に健全である と聞かされたら、何かがうまくいっていない と考えた方がいい」