村井章子のレビュー一覧

  • コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった 増補改訂版

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    荷物、海運、物流の、コンテナリゼーションを中心とした歴史的書物。物流の大元の話を学べることに価値がある。戦争から物流、サプライチェーンへとロジスティクスの意味を変えてきて、その中でのコンテナの圧倒的な意義。
    一方で仕組みを作るという時に誰が得をするのか、という問題が非常にクリティカルにわかりやすい。単なる先行者利益としての起業的価値と、コモディティ化との結節点はどこにあったのか、繰り返しここがポイントになる。

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    2025年11月16日
  • イングランド銀行公式 経済がよくわかる10章

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    ネタバレ

    第1章 経済の基本は「選択」と「トレードオフ」
    ・経済とは「限られた資源をどう使うか」という選択の積み重ねである。
    ・何かを選ぶときは必ず「何かをあきらめる」ことになる。これが「機会費用」の考え方。
    ・たとえば「残業する」にイエスと言えば「娘に本を読む」にノーを言うことになる。
    ・すべての意思決定にこの「イエスとノーの関係」が潜んでいる。

    第2章 需要と供給が市場を動かす
    ・価格が下がれば需要は増える。これが「需要の法則」。
    ・ただし「高いほうが欲しい」という例外(見せびらかし消費)もある。
    ・供給側では「限界費用=限界収入」になるまで作り続けるのが利益最大化の原則。
    ・市場は売り手と買い手

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    2025年10月26日
  • ファスト&スロー (上)

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    あらゆる本で引用されてる古典なのでずっと気になっていて、いざ手に取って読んでみたが、いやはやなんとも素晴らしい。
    SNS中毒、スマホゲーム中毒、フェイクニュース、陰謀論、ポピュリズム、トランプ現象など昨今の問題を理解する上で必読と言える。

    ビジネス書では研究エビデンスを本文中に盛り込むことが多いが、取ってつけたような形が多く、読みにくいし印象に残りにくい。その点、本書は項それ自体のテーマを裏付ける研究であるし、著者本人が考えて生み出した研究であるから固有のエピソードもあって面白い。
    やはり一次情報は強い。

    身近な人を思い浮かべると、システム1優位な人もシステム2優位な人も思い浮かぶ。
    しか

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    2025年07月23日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    トマ・ピケティが社会にある不平等の定量的実態と、その源泉について講演した際の書き起こし。

    不平等の源泉は政治的構造であるという批判は、『国家はなぜ衰退するのか』と同じ論調。
    再分配・累進課税の強化には賛成だけど、どこまでも比率を上げ続ければ良くなるのか?という検証と、働く人が意欲を失わない制度設計(=『壁』の完全撤廃)は必須に思う。

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    2025年05月15日
  • 戦略の要諦

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    戦略とは何で、どう考えるべきかが一冊にまとまっている。500p超で骨太な本。
    大切なことは、何が一番重要なポイントなのかを見極め、それを解決するためにどうするのかということ。みたいな話ではあるが、奥が深い。
    一回では理解が追いつかないので何回か読み直したい。

    目標数値を達成するものではないという話もあり、個人的に持っていた違和感の正体に気づけた。

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    2025年05月10日
  • 帳簿の世界史

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    ネタバレ

    <目次>
    序章ルイ16世はなぜ断頭台へ送られたか
    第1章帳簿はいかにして生まれたのか
    第2章イタリア商人の富と罰
    第3章新プラトン主義に敗れたメディチ家
    第4章太陽の沈まぬ国が沈むとき
    第5章オランダ黄金時代をつくった複式簿記
    第6章ブルボン朝最盛期を築いた冷酷な会計顧問
    第7章英国首相ウオルポールの裏金工作
    第8章名門ウエッジウッドを生んだ帳簿分析
    第9章フランス絶対王政を丸裸にした財務長官
    第10章会計の力を駆使したアメリカ建国の父たち
    第11章鉄道が生んだ公認会計士
    第12章クリスマス・キャロルに描かれた会計の2面性
    第13章大恐慌とリーマン・ショックはなぜ防げなかったのか
    終章経済

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    2025年04月16日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    貧困に陥った人は、能力主義な世界では自分に能力がないからと自己嫌悪に陥ってしまう。しかし、データで示されている通り所得間の移動は固定的であり、頻繁に起きるものではない。だから、貧困に陥ってしまった人は、自分が生まれた境遇が原因であることが多い。だからこそ、社会は、彼らを見捨てず救済しなければならない。しかしそれは金銭面だけではなく、人としての尊厳や生きがいを取り戻せるよう支援できるようなシステムが必要である。

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    2025年04月09日
  • ファスト&スロー (上)

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    【書名】
    ファストアンドスロー上 ダニエル・カーネマン

    【目的】
    自身のバイアスに自覚的になり、自身の判断エラーを防ぎたい。
    そのために、システム1、システム2という概念を知り、判断エラー事例に触れる。
    結論、辛かったがその分何かが身についた気がする。

    【要点】
    アンカリング効果、プライミング、問題の過度な単純化、平均回帰、ハロー効果、後知恵効果、が事例を通じてどう判断エラーにいたるか提示されている。
    多くの直観に反する実験結果が提示されている。

    【印象に残ったポイント】
    わたしの理解力だと、難解で読みにくい。
    ただ、数々の書籍で参照されていた本書の概念が身体知的にインストールできた気が

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    2025年03月19日
  • 悪いヤツほど出世する

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    こうあるべきだと言う規範とこうであると言う事実を混同しないこと。また他人の言葉ではなく、行動を見るということが大事です。

    それともう一つ、白か黒かで考えないことです。どこかに悪い人間がいて、悪事ばかりか、働いているなら、彼らを隔離して絶滅させれば良いのです。だが、善と悪を分ける境界線は、あらゆる人間の心の中にあります。自分の心を隔離して、破壊することを望む人間がいるでしょうか。

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    2025年02月10日
  • NOISE下 組織はなぜ判断を誤るのか?

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    『ファスト&スロー』のカーネマンらによる著。組織の判断の誤りに焦点。バイアス(真の値からのズレ。全体的に評価が甘い、等)と、ノイズ(ばらつき。「あなたはいつも同じ人間ではない」)がある。ノイズを減らせば、バイアスを顕在化させることができる。人間の判断をモデル化して、モデルに基づく予測をすると、本人よりも精度が上がる(ノイズが除去されるため)。

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    2025年01月19日
  • 自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から

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    ピケティ入門書。2冊の他の著書を引用しながらした講演をまとめたもので、問題意識がクリアなものの、資料は一部のみしか掲載されてません。気になる箇所が出たら追加で文献を買って深掘りする必要があります。
    なぜ不平等ではいけないのか、参政権が平等にあれば男女格差は是正されるのか、先進国は本当に二酸化炭素の排出量が低いのか、そんな素朴な質問を持つ人が最初に読むと良い本かもしれません。

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    2025年01月04日
  • イングランド銀行公式 経済がよくわかる10章

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    市場、貿易、経済成長、物価、貨幣、金利、インフレ・デフレなどなど、10章の読み物として構成されており、数式なども出てこないため、経済の入門書として最適な一冊です。
    高校生やこれから経済を学ぶ大学生が読んでおくといいと思います。

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    2024年09月18日
  • 帳簿の世界史

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    読書習慣や家計簿アプリの習慣などポジティブな影響を非常に受けたので星5
    帳簿って…つけられるんだ…! という気づきを得た当時の民衆の気持ちになって収支を記録してるしちいかわの読書ノートも書いてる

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    2024年08月22日
  • 道徳感情論

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    人間道徳の本質は何なのか。そしてそこにおいて大きな役割を果たす共感とは何なのか。

    アダム・スミスはこの著作で明らかにしていきます。

    私がこの本を読んで驚いたのはアダム・スミスの観察力の鋭さでした。

    読んでいて思わず「よく観てるな~この人は」とうならざるをえない場面が何度もありました。


    これは名著です!ぜひ読んで頂きたい作品です!おすすめです!

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    2024年08月19日
  • Mine! 私たちを支配する「所有」のルール

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    あんまりメモは残せなかったが、色々と示唆に富む内容だった。エネルギーや環境の分野への学びが後半に出てきてなるほどと思う事多々。
    長いけどまた読み直したい。

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    2024年07月26日
  • 帳簿の世界史

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    開始: 2024/7/17
    終了: 2024/8/23

    感想
    誰にでも訪れる清算の日。その時に負債超過に驚かなくても済むように。毎日帳簿を作成することは人生を救う。自分の成績と成果を見ておく。

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    2024年08月23日
  • Mine! 私たちを支配する「所有」のルール

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    所有という概念と、それがどのように形成されたか、変化しているのか。
    その中で私たちの社会はどうなって行くのか。望む方向に導くためにどんなことが行われているのか。
    アメリカの法律はイギリス系で、ドイツやフランスをベースにする大陸系の日本とはいくらか状況は違っている。また、州ごとに法律が違うというアメリカの特異性もある。
    印象的なのは、法的な所有をコントロールすることで社会は良くも悪くも変えられるということ。
    金持ちが税金を払わなくていいようにすることで社会の不平等は拡大する。一方で、環境を守るようなインセンティブを設計できる。
    裁判所はどんな社会が望ましいのかという観点を含めて法を解釈、運用して

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    2024年07月16日
  • NOISE下 組織はなぜ判断を誤るのか?

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    判断あるところにノイズ(バラつき)あり。
    この本を読んで、本当に肝に銘じるべき言葉だと思った。

    裁判や医師の判断、人事評価、間違いなく客観的と思えるような科学的捜査法など、
    均一な判断が下されるべきものにも、実はその判断には想像以上にバラつき(ノイズ)がある。
    裁判であれば、裁判官ごとや、同じ裁判官でも事例や時と場合によって、判断にバラつきがある。
    それは言わば、くじ引きやガチャのようなものと言っていいくらいにバラつきがある。

    ノイズ(バラつき)はエラーを引き起こす要因になるが、
    バイアス(偏り)が注目されやすい一方で、ノイズ(バラつき)は見落とされやすい。

    本書では、そのノイズの例を上

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    2024年06月19日
  • イングランド銀行公式 経済がよくわかる10章

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    【評価】
    内容   :★★★★★
    読みやすさ:★★★★☆
    難易度  :★★☆☆☆
    ボリューム:★★★★★

    【所感】
    BOE監修の経済学の入門書。アカデミックなアプローチではなく、終始身近なテーマと経済学の繋がりについて説いていく流れ。経済学に触れてこなかった人でも本書を読めば至る所に経済学が働いていることに気づくことだろう。斯く言う自分も改めて基本の振り返りと足りてない基礎知識の補充ができた。オススメできる一冊。

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    2024年06月15日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    著者の前作を読んだことがあるので、興味本位で通読。

    現代社会に蔓延している問題について、新たな視点で分析しているところが本著の面白いところだった。
    著者の前作を読んでなければ、恐らく手にとらなかった作品だが、視野が広がった本である。

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    2024年06月05日