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日経BPクラシックス 第14弾
アダム・スミス『道徳感情論』新訳である。その冒頭――。
「人間というものをどれほど利己的とみなすとしても、なおその生まれ持った性質の中には
他の人のことを心に懸けずにはいられない何らかの働きがあり、他人の幸福を目にする快さ以外に
何も得るものがなくとも、その人たちの幸福を自分にとってなくてはならないと感じさせる」
スミスといえば、利己心が市場経済を動かすという『国富論』の記述が有名だが、
スミスの『国富論』に先立つ主著である『道徳感情論』では、他者への「共感」が人間行動の根底に置かれる。
本書序文を書いているノーベル経済学賞受賞者アマルティア・センは、こう述べている。
「スミスは、広くは経済のシステム、狭くは市場の機能が利己心以外の動機にいかに大きく依存するかを論じている。
(中略)事実、スミスは『思慮』を『自分にとって最も役立つ徳』とみなす一方で、『他人にとってたいへん有用なのは、
慈悲、正義、寛容、公共心といった資質』だと述べている。これら二点をはっきりと主張しているにもかかわらず、
残念ながら現代の経済学の大半は、スミスの解釈においてどちらも正しく理解していない。」
リーマン・ショック後の世界的な経済危機を経て、新しい資本主義を考える際の必読書といえる。
Posted by ブクログ 2023年05月06日
何とも言えない満足感が得られる書籍でした。ただ中身が非常に濃いので(ページ数も700ページほどある)、正直最初の方の議論がほとんど頭から抜けつつあり、なんとか時間を見つけて2度目に挑戦したいと思います。
冒頭にノーベル経済学賞受賞者でもあるアマルティア・センの序文がありますが、これだけでもお金を取...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月05日
他人の喜びに共感しない者は、礼節が欠けているだけかもしれないが、
他人の苦しみや悲しみに共感しない者は、不人情として軽蔑の対象となる。
しかしながら、相手と完全に感情が一致することはない。
相手の苦しみや悲しみを少しでも和らげてあげたいと思えば十分である。
誰もが胸の中に住む中立な観察者(良心)と対...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年08月04日
国富論に並ぶアダム・スミスの主著。
「道徳感情論」と「国富論」前提となる人間観が、共感的か、エゴイスティックかということで矛盾しているみたいに言われることもあるが、「道徳感情論」の初版は、「国富論」出版前だが、「道徳感情論」の第6版は、「国富論」の出版後に出ていることから、アダム・スミスとして、こ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月27日
人間は、他の人のことを心に懸けずにはいられない。“経済学の父”が、『国富論』に先立って構想した、「共感」原理に基づく道徳哲学を読み解く書籍。
私たちは、他人が悲しんでいると自分も悲しくなる。
それは想像力の働きによって、自分の身を他人の身に置き換えて考えるからだ。想像こそが、他人を思いやる気持ちの...続きを読む
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