村井章子のレビュー一覧

  • プラットフォームの経済学 機械は人と企業の未来をどう変える?

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    ☆3.5くらい?。間を開けすぎて読んだので結局何だったの?という印象が一番強かったが、ブロックチェーン等、所々興味のある箇所はあり。原著のタイトルはMACHINE,PLATFORM,CROWD :HARNESSING OUT DIGITAL FUTUREなので、ちょっと日本語のタイトルは違うかなぁ、と。

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    2019年09月13日
  • プラットフォームの経済学 機械は人と企業の未来をどう変える?

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    プラットファーマーの時代となった現代における、企業のあり方について考えさせられる本。
    人間にもまだまだ活躍の場所があるという事だと理解したが、会社がこの先うまく対応していけるのか、世界の動きについていけるのか心許ない。

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    2019年09月11日
  • 大暴落1929 (日経BPクラシックス)

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    ネタバレ

    1929年の株価大暴落について、米国内の状況が書き綴られています。リーマン・ショックあたりの本は何冊か読んでたけど、1929年の暴落についての本は初めてでした。

    リーマン・ショックの際にCDOがブームになっていたように、この時は会社型投資信託がブームになっていたそうで、これがCDO同様歯止めの効かない流れを生み出した一因になったようです。

    私が理解した投資信託が暴落の一因となった仕組みは、以下の通りです。
    ①投資信託が資金調達する際に、予め利率や配当が決まっている社債等に加えて普通株を発行。
    ②投資信託が設立後に投資した株式が値上がりすると、投資信託の価値が上がるが、社債等は利率等が決まっているため価値は変わらず、この価値の上昇分全てが普通株に反映される。つまり、投資した株式の値上がりの数倍の価値を投資信託が生む。
    ③これは即ち値下がりした時に数倍の価値で値下がりすることを意味するため、諸事情で下落した株式の値下がりが雪だるま式に膨らんだ。

    今はこんなことにならないような規制がされているのかな...??
    知っている方がいたら教えてほしいところ...

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    2019年08月20日
  • 悪いヤツほど出世する

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    みんなが思う理想のリーダーは、実際に活躍しているリーダーの中にはほぼいない
    それに良いリーダーでも永遠には続かない

    公正世界仮説 過度の単純化は危険
    東京電力、重役のほうが減給率高くした
    暗黙のエゴ 

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    2019年06月20日
  • 悪いヤツほど出世する

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    リアリストリーダーを解説した本と言うべき内容。日本語タイトルは興味を惹かせる釣りかと思う。
    内容はリーダーシップ教育産業や研修で言われてることと、実態は違うと言うことが、よくわかる。著者はスタンフォードの人気教授で皮肉屋と呼ばれているそうですが、本に書かれている通り、一般的なリーダーシップ本とは趣も違う。でも、会社の中でリーダーシップを発揮しなければいけない立場にはこれが真実だと思う点が多いはず

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    2019年06月12日
  • 悪いヤツほど出世する

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    邦題が俗っぽくてハウツー本みたいな印象になっているけれど、スタンフォード大学ビジネススクール教授が書いたお堅い本。内容は「リーダー論」は耳障りの良い嘘であり、実際のリーダー達を見ればそれが理想論でしかないことがわかると語っているなかなか過激なもの。リーダーシップ研修やセミナー、リーダーによる自叙伝やビジネス書に喧嘩を売るような内容だけれど、過去の権力者や成功者を振り返ってみれば確かにリーダーと人格者はイコールではないなと気づく。なぜか経営者に潔癖な人を求めているけれど、めったにいない人種を求めても仕方ないし、いたとしてもいつまでもその人がリーダーでいるわけではない。ではどうするのかというとこの本の結論としては「自衛しろ」という素っ気ないものだけれど、そもそも「現実を見つめ、自分で考えろ」ということなのだろう。

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    2019年06月10日
  • キッシンジャー 1923-1968 理想主義者 2

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    キッシンジャーの傑作評伝の下巻。舞台となるのは、ハーバード大学の教鞭を取りながら、大富豪ロックフェラーの大統領選の参謀として徐々に政治の世界に足を踏み入れる1958年から。そして下巻の中心となるベトナム戦争の和平工作に足を踏み入れながらも、ジョンソン政権下で結果としてはうまくいかずその営みが徒労に終わるも、ジョンソンに次ぐ大統領に就任したニクソンの元で、 NSA/国家安全保障局の大統領補佐官に就任するところまでが描かれる。

    キッシンジャーが問題視したのは、ジョンソン政権下での外交問題が、様々な部局の縦割りで統一的な戦略や意思決定プロセスを経ぬままに迷走していた点である。彼がニクソンの元で政権入りして取り組んだのは、膨大な外交に関するデータの分析手法、大統領への判断の仰ぎ方等の統一的なプロセスに関するシステムを構築することであった。その背景として、実際にどのような迷走がジョンソン政権下で行われていたのかが、この下巻では克明に描かれ、アメリカのベトナム戦争でのゲリラとの戦いが文字通り、底なし沼にはまり込んでしまっているという点を、痛切に理解することができる。

    キッシンジャーという稀代の人物を通じて、20世紀の歴史を振り返ることができる一冊。

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    2019年06月01日
  • キッシンジャー 1923-1968 理想主義者 1

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    20世紀後半の現代史を語る上でのキーパーソンの一人といっても過言ではないヘンリー・キッシンジャー。ニクソン政権での国家安全保障問題担当大統領補佐官として、ベトナム戦争終結の功績でノーベル平和賞を受賞し、その後もアメリカ外交に大きな影響力を持ったキッシンジャーの評伝が本書である。

    "The Idealis-理想主義者"と銘打たれた本書の上巻は、出生した1923年から1958年、ハーバード大学の博士課程を修了し、徐々に外交のスペシャリストとして頭角を表すまでの”青の時代”が中心である。

    上巻の白眉は、第二次世界大戦における欧州の戦場に従軍した時代のエピソードである。ユダヤ系ドイツ人としてホロコーストの危険性をいち早く察知し、アメリカに亡命することに成功した彼が、二等兵として目にした強制収容所における同胞の悲劇をどう受け止めたのかというシーンは、極めて印象的。そうした個人的体験と、自身の政治思想との安易な関連性を繰り返しキッシンジャー自身は否定するが、それでもこの経験が彼の政治思想に与えた影響は見過ごすことができないだろう。

    結局のところ、人間は善か悪かという二項対立の中で生きているのではなく、仮に悪だとしてもその中で無数のバリエーションがある。人が死ぬことが悪だとしても、1,000人が死ぬ可能性のある案よりも100人で済む案があるなら、迷うことなくそちらを選ぶというキッシンジャーの思想はここから生まれたのかもしれない。下巻では、政治の表舞台に立った彼の活躍について。

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    2019年05月12日
  • プラットフォームの経済学 機械は人と企業の未来をどう変える?

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    「人間はテクノロジーを使って何をしたいのか、目的を明確にしなければならないし、人間の価値について深くかんがえなければならない」

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    2019年03月19日
  • 悪いヤツほど出世する

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    ネタバレ

    日米の企業で管理職階を経験、ビジネススクールを卒業し、人事部経験もある僕からみて、フェファー教授の著作はガチ。名著「権力を握る人の法則」とあわせて読むことをお勧めします。
     
    まず重要なのは、「アリソン・デービス=ブレークは、現在ミシガン大学ロス・ビジネススクールの学長である。このビジネススクールは全米トップテンにランクされ、公立では全米最高と言われることも多い」という一文。正しくは前学長だし、学校名もやや異なりますが、皆さん憶えて帰ってください。
       
    そして、人事部時代に「人事研修はゼロでいい」と提唱して非難された身として、以下を引用して感想文を終わります。
     
    ・リーダーシップについてよく耳にする教えの大半は、事実ではなく期待に、データではなく願望に、科学ではなく信仰に基づいている
    ・知識も経験も資格もない人が、元気よく教えている
    ・マーティンは必要なときに怒りを示すことができない、強引さが足りない、自信もなさそうに見えると指摘した。これはまた、驚くべき発言である。スキルや価値観や信頼の大切さを強調するセミナーを長年提供してきて、感情的になるな、攻撃的になるな、自信過剰になるな、と教えてきたはずの人物の言葉とも思えない
    ・実際の感情とは裏腹につねにポジティブな感情を表現しなければならない職業は、心理的に負担が大きく、ストレスが多い。ただしそうした職業は金銭的見返りが大きい。
    ・リーダーが嘘をつくのは、嘘のもたらすメリットが大きいうえに、デメリットはごく小さいからである
    ・知名度が高いことは、それ自体が財産だ。
    ・組織の善意や寛容に期待するのは、端的に言って愚かなことである。
    ・他人は自己利益に基づいて行動すると考え、他人の行動をそのように予測するほうが身のためだということだ

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    2019年03月02日
  • 帳簿の世界史

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    少し前に読み終わった本。『会計の世界史』を読んでいたら思い出したので、ついでにレビューする。

    一言でいうと、『美味しんぼ』の帳簿バージョン。美味しんぼが、あらゆる問題を料理で解決するように、この本の作者にとっては、世界のあらゆる事件はすべて、帳簿に端を発し、帳簿によって解決される。

    会計の知識を深める目的で読み始めたんだけど、上記の事実に気が付いてからは、帳簿が難事件を解決するエンターテイメントとして楽しみながら読めた。良書だと思う。

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    2019年02月04日
  • 帳簿の世界史

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    都合が悪くなると数字を見なくなる、自分の利益のために改竄を行う、集計手間がかかるため反対され頓挫する…今日では財務会計は細かく制度化されているのものの、制度化されていないものを扱うデータ分析の世界では、いまでも似たようなことは起きていると感じます。
    歴史を学ぶことで会計と監査がなぜいまの形になったのか、そしてその意義を知ることができ面白かったです。

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    2019年01月09日
  • 善と悪の経済学―ギルガメシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠

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     経済学の本というよりは、経済学の歴史の本と言った方が分かりやすいと思う。
     ギルガメシュ叙事詩から聖書、そしてアダム・スミスの「神の見えざる手」理論、そして映画『マトリックス』まで。人類の初めから経済はどのように発展していったかを論じている。
     経済のことを詳しく知らなくても、根気があれば読みこなせる。
     筆者の主張としては、経済は未来永劫発展していくことはないのだから、「このあたりで満足したらどうだろう?」ってことを言いたいのだと思う。

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    2019年01月08日
  • 悪いヤツほど出世する

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    ナルシズムがあり、嘘をつき、信頼感がなく、思いやりのない人が出世しやすいというだけで、それがリーダーに向いているというわけではない。資質というよりは、選抜・入れ替えの問題があるかと思う。

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    2018年12月31日
  • 機械との競争

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    「イノベーションのジレンマ」の言葉を借りると、
    人間自体が「持続的技術」で、機械が「破壊的技術」と言えるかもしれません。

    テクノロジーの急速な進歩によって、雇用が減り、クリエーターと肉体労働者に二極化するという話です。


    1.この本をひと言でまとめると
     「機械との競争」に人は負けている。機械を味方につけよ。

    2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
    ・eディスカバリーが弁護士の仕事を肩代わりしたように、高度なスキルもコンピュータに浸食される恐れなしとしない。(p101)
    →ちょうど昨日、「弁護士収入:2割が年収100万円以下」というニュースを見た。ネットで調べれは大抵のことはわかるからかも。

    ・ソフトなスキルの中でも、リーダーシップ、チーム作り、創造性などの重要性は高まる一方である。これらは機械による自動化が最もむずかしく、しかも起業家精神にあふれたダイナミックな経済では最も需要が高いスキルだ。大学を出たら毎日上司にやることを指示されるような従来型の仕事に就こうなどと考えていると、いつの間にか機械との競争に巻き込まれていることに気付くだろう。(p.127)
    →働き方について従来の考え方を見直さないといけない。

    ・著者からの提言(p131)
    →基本的には「小さな政府」のような考え方で、納得できる。

    3.突っ込みどころ
    ・「解説」で指摘していたが、著者が具体的な対応策として述べていることが「アメリカでは十分やっているではないか」という指摘はその通りだと思う。
    ・5章の「人類も世界もデジタルフロンティアでゆたかになると私たちは確信している」はあまりにも楽観すぎないか。楽観の根拠も抽象的。
    ・看護師を肉体労働者と分類するのはちょっとちがうのでは?
    ・技術の進化が指数関数的としているが、そこまで急激といえる根拠がわからなかった。

    4.自分語り
    ・本が硬くて読みにくかった。
    ・極論を言えば、人間にしか出来ない仕事(肉体労働)をするか、新しい仕事を創出するしかない

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    2018年12月30日
  • 帳簿の世界史

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    中世イタリアで複式簿記が生まれたことから、リーマンショックまで、会計と監査の重要性を時系列でおった作品。
    なぜ会計が広く用いられるようになるまで時間を要したのかをうまく説明できていると感じた。
    特に、ルネサンス期の人文主義に偏重した考え方や、絶対王政における秘密主義的な考え方が会計・監査の広まりを妨げた一方で、
    プロテスタント的な職業倫理が浸透していたイギリスやオランダでは円滑に運用されるに至った。
    17世紀初頭には世界初の株式会社(東インド会社)が設立されたこと、
    18世紀の南海泡沫事件において首相ウォルポールが最小限の混乱に食い止めたことなども具体例としてあげられ、読み物として興味深い。

    特に東インド会社が、イギリスやオランダで設立されたことと、その頃には引当金などの会計手法も存在していたことは、
    財務会計の意義(投資家への情報提供機能)と資本主義の考え方に非常に合致していたと言える。

    星5つにしてもいいと思ったが、本筋とは少しズレた項目(登場人物をいちいち紹介したり、そもそも会計に関係ない説明)が多々あったことや、
    19世紀以降の会計手法についての説明が物足りなかったことから星4つ。

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    2018年12月11日
  • ファスト&スロー (下)

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    上巻ではあまり感じなかったが、これは行動経済学の本であるとしっかり感じられる。システム1とシステム2をうまく使って従来の経済学の理論を行動、経済学が打ち破っていく様子を順々に解き明かしている。

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    2018年11月12日
  • ジョン・P・コッタ― 実行する組織

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    今の変化についていくために、プロジェクトチームの設置などでは追いつくことは難しく。階層組織とネットワーク組織のデュアル・システムが重要である。デュアル・システムは元の組織自体が今まで経験してきたものであると。そして、その駆動力としては危機感が必要であるということであった。なるほどなるほどと納得しながら、読ませていただきました。階層組織とネットワーク組織のイメージが今までぼんやりとしていましたが、明確化することが出来ました。これを今いる環境に当てはめると、うーん。。すぐには実践してみる機会はまだなさそうです。

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    2018年11月04日
  • 善と悪の経済学―ギルガメシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠

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    チェコ人の経済学者による、経済論。
    歴史を紐解き、聖書や古代ギリシア、ローマにおける哲学、倫理学、数学等と経済学との関連を明確にし、善悪を含めた倫理の要素と経済学とに焦点を当て論述している。以前は倫理的要素が経済学でも大きく論じられていたが、現在は経済学と倫理学、哲学とは切り離されている。善悪の観点を排除した現在の経済理論は、目的を見失っていると批判している。常に進歩と発展を追及している資本主義のあり方に警鐘を鳴らす著者の考え方は理解できた。
    「よい経済学者であるためには、よい数学者であると同時によい哲学者でなければならない。経済学は数学に肩入れしすぎて、人間的な要素をおろそかにしてきた」p13
    「現代人は進歩という概念に毒されているが、古くはこの概念は存在しなかった。時の流れは循環的であるとされ、人間が歴史に足跡を残すとは考えられていなかった」p18
    「社会が全体として高度化するほど、その構成員は個人として独力では生き延びられなくなる。社会の分業が進むほど、生存に関わる程度にまで相互依存の度合いは高まる」p40
    「14世紀のヴェニスでは、ユダヤ人といえば金貸しだった。経済史家のニーアル・ファーガソンが指摘するとおり、シャイロックが「アントニオはいい人間だ」と言うとき、それは倫理的によいという意味ではなく、返済能力を備えているという意味である。ユダヤ人が、金貸しはどの職業よりいい商売だと知ったのは、この頃である」p117
    「プラトンもアリストテレスも、労働は生きるために必要とみなしていたものの、それは低い階級のやることだと考えていた。そうすればエリートは労働に煩わされることなく「純粋に精神的な活動すなわち芸術や哲学や政治」に専念できる。アリストテレスは、労働は「堕落であり時間の無駄であって、真の名誉への道を妨げる」とさえ考えていた」p123
    「安息日は生産性を高めるために設けられたのではない。安息日は絶対であって、主が天地創造の七日目に休んだ例に倣っている。主は疲れたから、あるいは元気を回復するために休んだのではなく、大仕事を成し遂げたから休んだ。仕事をやり遂げたら、達成感に浸り、成果を楽しむ。七日目は、楽しむための日なのである」p125
    「(クセノポン)家具であれば、家に十分整えればそれ以上は買わないものだ。だが銀の場合は、どれほど所有しても、これ以上いらないと言う人はいない」p148
    「(マンデヴィルの平和な蜂の世界)この社会で起きたことはこうだった。蜂はいよいよ栄えてよい暮らしをするどころか、まったく逆のことが起きたのである。窓枠もドア飾りもいらない社会では、一握りの鍛冶職人しかいらない。一事が万事で、多くの蜂は職を失ってしまった。判事、弁護士、検事も失業し、法の執行を監督する役人も不要になる。贅沢も暴飲暴食もなくなり、需要が激減して、農夫、執事、靴屋、仕立屋は商売が立ち行かなくなった。好戦的だった蜂社会は平和志向になり、軍隊は廃止される。あわれ大勢の蜂は死に絶え、ごく少数だけが生き延びる」p262
    「悪徳は有効需要を増やす相乗効果に相当し、経済の牽引力となる」p265
    「アルコール中毒患者が飲んでも飲んでも飲みたくなるように、消費は本質的には中毒と同じではあるまいか」p312
    「経済学は「稀少資源の配分」の学問とされているが、では資源が豊富になったらどうするのか」p340
    「私たちは、感謝し満足することを知るべく努力しなければならない。信じられないほど貧しかった古代の哲人に比べれば、少なくとも物質的には何百倍も豊かな状況にあるのだから」p347

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    2018年10月24日
  • 帳簿の世界史

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    ネタバレ

    表紙買いして大正解よ!
    最近は、物流がらみを続けて読んでいたので、その背後にある「帳簿(会計技術)」の歴史ってのも関連してるしね。

    メディチ家の繁栄とあっという間の衰退、コジマの「帳簿(会計技術)」で栄え、栄えた果実としてのギリシャ文化かぶれが、以後の党首の「帳簿(会計技術)」離れを招き、あっという間の衰退につながったとか、もう道徳の教科書に載せるレベルだよね。

    ほかにも、フランス革命への道(ネッケルの奮闘と挫折とその予期せぬ影響の果て)とか、今まで読んできたものの裏側に「帳簿(会計技術)」の進化があったんだなあと、改めて。

    そして、日本語版解説にざっくりと書いてある「日本における帳簿(会計技術)の歴史」、これで一冊読みたいところである。

    ただし、最後の解説、せっかく会計士が解説してるのに、余計なこと(ブロックチェーン技術で通貨と帳簿が一体化してるか創通か賛美)書いてたのは最後の最後にマイナス。コインチェック事件も、結局、盗まれた仮想通貨は換金されて終わってるしね。

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    2018年10月14日