月村了衛のレビュー一覧
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機龍警察シリーズ、短編集。
長編を4作立て続けに読んだ勢いもあったので、1作品が短い、もうちょい続き読みたいっという気持ちが沸く。えっ!この先どうなったの?って所で終わる作品が多い。でも短編てこんな感じのテンポになるよね。
個人的イチオシは、『勤行』。宮近理事官の真摯な仕事ぶりとご家族への愛がギュッと詰まった短編。
長編での疲労(読み応えがあるが故の、良い意味の疲労である)を癒してくれる。
笑ってはいけない、宮近理事官は真剣なんだ…と思いつつも、えっ!と言うようなアクシデントに見舞われる宮近理事官。無事ミッションをクリアし、果たして娘さん、奥様の信頼を勝ち取れるのか⁇
機龍警察のキャラの -
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今までの骨太な社会派ミステリーとはガラリと雰囲気が違って少々戸惑ってしまったほど。
軽快で面白さもあり、キャラも際立っていて楽しめた。
おんぼろアパートの「朧荘」に住む女子大生夏芽と隣りに住む老人・鳴滝が、身近に起こる不思議な事件を解決していく。
先ずは、夏芽がバイト先で不可解な出来事を遭遇したことをアパートから友人に電話で喋っていたところ、それが隣りの老人に筒抜けで…
翌日、散歩中に老人に誘われて洋菓子店『プリムローズ』でケーキを食べながら、不可解な出来事を詳しく話すことになり…
この鳴滝老人が不思議で、謎の人脈があるのか瞬く間にサクッと解決してしまうという。
2話から振り込め詐欺かと -
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本物の悪とは何なのか。
作品がたどり着いたラストがすごかった。
会話の流れがどこに行き着くのか、一緒にその場で聞いているような緊張感を味わった。
第1部の「翔太の罪」はスムーズに内容が理解できたけど、第2部の「海斗の罪」は、海斗がトップ企業で活躍するエリートなだけあって、話の内容も会話も難しくなって読むスピードが落ちる。
だけど後半になるに連れて、社会のしくみに愕然としながら、じわじわと追い詰められるように没入してしまった。
派手に盛り上がる訳ではないのに、独特の作風で魅力を感じた。
半グレの世界を描く暗めの作品だけど、キーアイテムとして「本」が出てくるのが意外だし素敵に思えた。
作中に登 -
購入済み
グレーゾーンのお話
法の隙間を縫うようなグレーゾーンに蠢く半グレたちのお話である。作家月村了衛の作品は「土漠の花」や「機龍警察」で読んでいたが、この作品は立場を変えて圧巻側に立っている。正義の味方の話ではないから、読んでいてあまり良い気分にはなれないが、それでもなかなかの迫力で描きだされている。
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派閥争いの中で苦悩するサラリーマンが主人公だ。
教育事業に取りんでいる出版社で、新規プロジェクトの立ち上げの最中に起こる事件…社長派と専務派の主権争いの中で、人事部がゲシュタポのように監視の目を光らせ探りを入れてくる。部下からもどうするんですか!と突き上げが続き…あらゆる苦難が中間管理職の身に襲いかかる。どうしても僕の好みはこんな感じの小説が多いなあ。
無責任を貫いても平気でいられたらいいのだろうが、真面目な小心者はそうはいかない。トラブルを解決するために、正面から立ち向かい、ボディーブローをまともに受け、荒波の中で呼吸困難になり、精神が蝕まれていく…ところどころサラリーマン第一線で仕事をし -
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月村了衛、深町秋生、鳴神響一、吉村英梨、葉真中顕、伊兼源太郎、松嶋智左『警官の標 警察小説アンソロジー』朝日文庫。
7人の作家による7編全てが書籍初収録となる贅沢な警察小説アンソロジー。
自分は、7人の作家全て最低1作は読んでいる。月村了衛と深町秋生、葉真中顕は文庫化作品は全て読破している。吉村英梨と松嶋智左も文庫化作品はほぼ読んでいるが、最近は取捨選択しながらという感じだ。鳴神響一と伊兼源太郎は文庫化作品を1作読んで肌に合わないと感じてからは読んでいない。
月村了衛の『ありふれた災厄』と深町秋生の『破談屋』が取り分け面白かった。
月村了衛『ありふれた災厄』。★★★★★
本短編の冒 -
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起きている出来事はノンフィクションと捉えても過言ではないかと。主人公である翔太海斗の2人の章から成る本作ですが、それとは別にホスト時代とそれ以降という、時系列での2部構成にもなっています。事の発端は悪質なホストグループの仕組みではありますが、誰が悪いのかを考えると、そもそもは日本社会自体の構造や政治(家)を始めとする既得権益に大きな問題があるのだろうなと。本作で表現されているホストグループにしろ広告代理店にしろ癒着や談合にしろマスメディアにしろSNSにしろ、そして人の生い立ちにしろ、それぞれが単体で歪んでるだけではなく全ては一本の線で繋がっているんだろうなと。どこかひとつだけを直しても、海斗の
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読書備忘録893号。
★★★★。
最近は、世間を揺るがせた事件や社会的テーマで骨太小説をリリースしている月村さん。
想像するに、これらの作品を世に出すには相当なリサーチとか、参考文献の読破など体力を消耗するものと思っています。
そこでたまにはこういうあまり中身を感じられないけど一定の満足感が得られる娯楽小説で息抜きするのかな、と勝手に想像しました!笑
作品名からストーリーは明快。
北朝鮮からの亡命です。
亡命先は日本!
なぜか?拉致被害者を日本政府との交渉材料に出来ると踏んだから。
拉致被害者の高齢女性。
島根の海岸で拉致された。
当時、拉致現場をぎりぎり掠めた警官、漁師、海保の関係者 -
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日本推理作家協会賞 受賞作。
初めて読む作家ですが、圧倒的な筆力に驚きました。本作の舞台はソマリアの国境という日本人には馴染みの薄い危険地域。そこで死闘を繰り広げる若き自衛官たちを、友情と確執を絡めながらリアルに描写していきます。
安倍内閣の時に「集団的自衛権」が強行採決されて、私たちが恐れていたのは、まさに本書のような状況なのだと思います。
ソマリアは、ネットで検索すると、テロや誘拐、武装強盗が後を絶たず、治安が極めて悪いため外務省は「レベル4:渡航は止めてください。退避してください」を発出しています。
そんな危険地域で残虐な武装集団の群に包囲され、絶体絶命のピンチに陥ったのは、ビヨマ