月村了衛のレビュー一覧

  • 地上の楽園

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    日本在住の北朝鮮籍の人が『帰還事業』で1959年12月14日の第一次船から1984年まで約9万人、集団移住した話です。とにかく強烈な追体験ができます。3部立てとなっていて、1部は第一次帰還の前に、日本に住み帰還を勧めていた側の在日高校生の目線で語られます。この部分が一番話も進まないし、移住しても絶対に幸せにならない未来を私たちは知っている上、当時の非人道的な在日差別を追体験し、読むのが辛いです。
    第2部は1部で語り手だった孔仁学の親友、勇太が体験していく、移住後の帰還者たちの暮らし。とにかくここが壮絶を極めているので、恐ろしいのに読む手を止められません。そして、短めの第3部は日韓共同開催ワール

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    2025年12月19日
  • 地上の楽園

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    大作です。
    分厚い単行本でしたが一気に読み終えました。
    夢と幸せのために、憧れの「地上の楽園」と称された北朝鮮への帰国、
    船が到着した瞬間から地獄の生活が始まってしまう。
    重くて苦しい物語。
    月村了衛作品の中でもトップクラスの仕上がり。
    評価が高いのにも納得です。

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    2025年12月16日
  • 地上の楽園

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    1959年から開始された北朝鮮への帰還運動による悲劇をめぐる在日朝鮮人の青年二人の物語。

    日本国内での、在日朝鮮人に対する執拗ないじめ、勉学に励んだところで就職先もない、健康保険に入れないから病院にもかかれないなどの、絶望的な状況があったところへ、「地上の楽園」北朝鮮への帰還事業が始まった。
    これには、朝鮮総連のみならず、共産党、社会党、自民党の超党派の議員、その上、マスコミもこぞってこの事業を賛美する。
    優秀な高校生である孔仁学は、北朝鮮を礼賛する本に影響を受けた上、総連にそそのかされ、この運動にのめり込み、多くの人を北朝鮮に送り込むのだった。

    あまりの悲惨さにページを捲る手が止まらず一

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    2025年12月16日
  • 地上の楽園

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    重い、とにかく重い。
    本作の感想を一言で言ってしまうとこうなりますが、『重い』という言葉だけで片付けられるような話ではありませんでした。
    また、このような悲惨な事案に再び人々が巻き込まれるような事があってはならない、とかやはり差別はあってはならない、などと言ってもそれはどこまでいっても綺麗事でしかない、と思わずにはいられないほどに色々と考えさせられました。
    今はまだ読み終わったばかりなので色々と思うところがありすぎてうまくまとめられないのですが、とにかくまずはこの本の末尾に列記されている参考文献をいくらかでも読んでいきたい、そして日朝の歴史についてわずかながらでも理解を深めたいと思いました。

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    2025年12月16日
  • 地上の楽園

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    帰還事業は、国家承認の拉致事件だったんですね。朝鮮は怖い国なのですね。とても、読むのがつらい物語でした。こんなにひどい国が存在するのでしょうか?フイックションとは言え、かなり現実に近いものでしょう?抑圧された人民は、なぜ、反旗を翻さないのでしょうか?なぜ、金王朝は3世代も続くのですか?本当の朝鮮の暮らしが知りたいものです。でも、地上の楽園でないことだけは間違いないようですね。

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    2025年12月10日
  • 土漠の花

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    ネタバレ

    ちょっと待って、なにこれ。
    めちゃくちゃ面白い。
    物凄く面倒なことに巻き込まれたな。
    面白いとはいい意味で。
    みんな何でそんな覚悟できるん。
    最後のタケトンボはやばい。
    あと理不尽過ぎるところに凄い腹が立つ。
    他の作品も絶対にみる。
    参考文献にやはり、高野秀行さんのソマリランドがありました。好きな人だから嬉しい。

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    2025年12月06日
  • 地上の楽園

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    地上の楽園

    あの頃、誰もがそこに夢を見た

    あの頃、誰もがそこに憧れを抱いた

    あの頃、誰もがそこに希望を求めた

    日本での酷い差別に、苦しい生活に耐えれず、希望の楽園へ渡ったおよそ9万人の在日朝鮮人(日本人妻は約1800人)


    今でこそ地上の楽園なんてものは偽り、そんなものは存在しないということは百も承知である

    しかし、あの頃にはそんなことがわかるはずもない
    差別のない、希望に溢れ、安定した夢のような生活
    彼らはただそれをを求めて祖国へ向ったのだ


    だが、希望の楽園へという偽りの国で彼を待ち受けていた真実とは!?

    日本以上に厳しい差別が待っていた
    その日その日の命をつなぐのが精一杯

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    2025年12月05日
  • 地上の楽園

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    自分の親戚も帰国運動で北朝鮮に行ってしまったので、「地上の楽園」という言葉は幼い頃から知っていて読まなければいけないと思い手にとった。フィクションと書かれているけれど事実と合っていることが多くてびっくりした。済州島→猪飼野→猪飼野/北朝鮮、親戚の1人も学校の先生だったということ、北朝鮮に渡ってから送られてきた切実にあれこれ送って欲しいという手紙まで全く一緒で猪飼野に残った家族達が心痛めていたことも聞いていたし、北朝鮮に行ってからの生活の描写は他人事でなく読むのが辛かった。本当にとんでもない国際犯罪だと思う。

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    2025年12月05日
  • 普通の底

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    社会の空気や言説をくみ取りながら構築された架空の物語を読んでいるという感覚と、実在する人物による手記を盗み読んでいるという感覚が交互にやってきた。やっぱりこの書き手が好きだ。

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    2025年12月05日
  • 地上の楽園

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    『地上の楽園』はまやかしだった

    差別が戦争を生み、戦争がまた新たな差別を生む
    人はそんな歴史を何千年も繰り返してきた
    そしてその悪循環を止められないのは、人間の持つ弱さなのか

    だが、人類は「学ぶ」ことで、その弱さを乗り越え、強さを手に入れることができる
    今度こそそれを信じたい
    信じて「学ぶ」ことを始めよう

    そして本当の『地上の楽園』を作り上げよう

    月村了衛さんのそんな想いを感じた物語でした

    必読の一冊

    読んで学べ!( ゚д゚ )クワッ!!

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    2025年11月25日
  • 地上の楽園

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    1959年の大阪で、朝鮮学校の中等部を卒業した仁学は大学の受験資格を得るために公立高校へ進学したが、虐めや暴力、そして差別のなかで唯一の味方であった山崎先生から一冊の本を勧められる。
    『38度線の北』を読み終えた仁学は、「地上の楽園」と称される北朝鮮への帰国運動に力を入れるようになる。
    幼馴染の勇太が、ヤクザの抗争に巻き込まれたことで、勇太に「帰国」を勧める。

    仁学が北朝鮮への帰国を勧めてからのその後を第一部に勇太が北朝鮮で経験したことを第二部として描かれている。


    地上の楽園はまやかしだった。
    十万人近くを地獄へ送る壮大な罠だった。
    なのに、今日に至るも、責任を取るどころか、誰も謝罪すら

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    2025年11月18日
  • 地上の楽園

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    ネタバレ

    2025/09/25予約9
    星5では足らない。
    北朝鮮帰還事業、こういうことだったのか。不勉強でわからないことが多すぎて調べながら読み、第一部で孔仁学のつき進む方向がそっちじゃないのに頭がよく正義感に溢れた若者だったからか、そそのかされうまく使われてしまう。今読んでいる私たちは間違いがわかるが、当時は知識って本からあるいは信頼する人から得るもので、偏ってることがわからない。リアルタイムの情報も無く信じて北朝鮮に帰還(帰国)するなんて。第二部はとにかく辛い。金賢姫の手記を読んだ時の驚きがよみがえった。家族をみんな失ったのに脱北し生き続けた玄勇太、私の語彙力ではすごい、以上の事が言えないのがもどか

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    2025年11月17日
  • 地上の楽園

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    在日朝鮮人と北朝鮮帰還者の苦労と差別が
    リアルに書かれていて心に刺さった。
    それだけでなくどうすればギクシャクした両国の関係を改善できるのか具体的な案もあり勉強になりました。

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    2025年11月17日
  • 地上の楽園

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    北朝鮮への帰国に尽力した(してしまった)者と帰国した者、それぞれの地獄を描いた作品
    どこまでが史実でどこまでがフィクションか分からないが、圧倒的な臨場感があった
    こういう世界は体験したくはないが、読書を通じて少しでも知れてよかった

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    2025年11月15日
  • 欺す衆生(新潮文庫)

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     傑作です。もう本当に一気に読んでしまった。
    主人公が最後どんな運命を辿るんだろうと読み進めていき、最後に待っていたのは衝撃と絶望でした。
     主人公以外の心理描写がひっとつも無くて、700ページ近く誰も信じられないハラハラが続きます。それがこういう詐欺という綱渡りのストーリーだからこそ輝くと思う。
     欺す相手も富裕層だからそこだけは救い。
     自分は肝っ玉が小さく成り上がる人間ではないなと痛感した。
     月村了衛さんはすごい作家さんだと思いました。

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    2025年11月10日
  • 地上の楽園

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    読み続けるのが非常に辛い小説だった。
    自民党の小泉純也議員をはじめとして、マスコミまでが挙って北朝鮮を地上の楽園と賞賛するのだが、現代の知識でこの小説を読む読者にはあまりの欺瞞に憤然としてしまう。
    在日朝鮮人を国策として官民で推し進め、朝鮮総連も自国に棄民として在日朝鮮人を送り込む。
    以前は民間放送で北朝鮮と言わず、北朝鮮・朝鮮民主主義共和国。
    と言い直していたのを思い出すのも、この小説によって喚起された。
    地上の楽園とはあまりに皮肉で恐ろしい表現であった。
    辛い小説だが読まなければならない一冊だった。

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    2025年11月10日
  • 地上の楽園

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    高市政権になり、拉致被害者問題が微かにだが動き出す可能性を感じる昨今、その根っこにある北朝鮮帰還事業の欺瞞と闇を、そして騙されて北朝鮮に渡った在日朝鮮人および日本人妻たちの生き地獄という言葉では生温いほどの無間地獄を、忘れさられることを強く拒否するような強烈な言霊を容赦なく読者に投げつける、月村氏渾身の大傑作。同胞を裏切り続けて地獄に送る様は、ある意味ホロコーストよりたちが悪く、スターリンや文化大革命の大粛清に匹敵する悪行であり、人間がどこまで悪になれるのかの見本市のよう。その無間地獄の生き残りが、それでも見出す希望とは、歴史を風化させないための言霊を後世に残すことだった。本年の、そして月村氏

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    2025年11月07日
  • 地上の楽園

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    長編だが、ラストまで一気。朝鮮に帰国する人々、デマを信じて乗船した先には地上の楽園が待っている。また、真実だと信じた少年の後悔。実話⁈

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    2025年11月06日
  • 地上の楽園

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    分厚いのを1日で読んだ。色々な感想は誰かが密告するかもしれないからここには書かない。
    小泉進次郎は読んだほうがいい。クリステルさんに読んでもらって教えてもらいなさいな。日本政府も悪いなー。

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    2025年11月09日
  • 地上の楽園

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    これは力作。
    北朝鮮の帰国運動について知らない部分も多かったので自分の勉強不足を恥ずかしく思った。
    地上の楽園と信じて帰国した人々が、どれだけ過酷な生活を強いられたのか。
    私はたまたま生まれたのが日本だったけど、北朝鮮で生まれていたらどんな人生を送っていたんだろうと考えると怖くてたまらない。

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    2025年11月02日