月村了衛のレビュー一覧
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ネタバレおんもろおおおおおおおおお。
ひたすらに怒涛。
確かに序盤はカタカナやなアルファベットやらで小難しく見える。
しかし読み進めるにつれ、そこまで細部に目を向けなくてもいいことに気づく。
この作品の魅力は多くのものに開かれているのである.
そこからはもうとんでもない疾走感だった。
特に最後の120ページほどは。
月村了衛はエンタメを描くのがバカ上手いと聞いていたが、これはすごい。
ドンパチ描くの上手すぎでしょ笑
久しぶりに身体感覚が消える没頭感を読書で得られた。
新世界より、以来。
また生きる楽しみが一つできました。
月村了衛さんありがとう。 -
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月村了衛『悪の五輪』講談社文庫。
1964年の東京オリンピックを巡り暗躍する悪党たちを描いたクライム小説。
戦後が終わり、日本がオリンピックという世界の檜舞台に立つために国民が一丸となって、大きく変貌しようとしていた昭和の時代。そして、今。新型コロナウイルス禍の中で、国民の多くが開催に反対する中、日本政府と組織委員会とが無観客でも強行開催しようという現在の東京オリンピックとは全く状況が違うようだ。余りにも対照的な2つの東京オリンピックを対比して読むのも面白い。
オリンピックの利権に悪党たちが群がるのは今も昔も変わらぬようだ。そして、虚しさだけの残る祭りの後……
翌年に東京オリンピック開 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・・・か・・・カッコいい・・・orz
いやもぅ、「機龍警察」シリーズは、どれもカッコいいんですけどね。これまでの作品同様、極めて重厚で救いようのない暗さを孕みつつ、ラストシーンに見える光の眩しさ、陳腐な表現をすれば「読後感の良さ」はシリーズ随一かと。
SFとしての評価ポイントは、新型機甲兵装「キキモラ」と<龍機兵>の対比。<龍機兵>に匹敵する運動性能を誇るキキモラを倒すために、その本質を掴んだユーリが編み出した奇策が「そう来たか!」と膝を打つ面白さ。機甲兵装同士の戦闘シーンもサービス満点の描写ぶりで、重厚なストーリー展開の中で派手なドンパチも堪能できるという、稀有なエンターテインメント作品 -
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月村了衛『東京輪舞』小学館文庫。
日本の裏面史で蠢く公安警察と数々の事件の背後を描いた警察大河ミステリー。ミステリーというよりも、昭和から平成という激動の時代の中で、誰よりも国を思い、真面目に生きた警察官の人生と叶わぬ恋を描いた長編小説であった。
敗戦から75年を過ぎてもなおアメリカに支配され続ける日本。日本の各地に治外封建の米軍基地が幅を利かせ、日本政府はアメリカの下僕であり続ける。政治や企業の腐敗と凶悪事件の日本近代史の裏に必ず見え隠れするのはアメリカやロシア、中国といった大国の影である。
田中角栄邸を警備していた主人公の警察官・砂田修作は公安へと異動し、時代を賑わす数々の事件と向き -
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いやいや、面白かった。きっと助かると思っているんだけど、囮捜査に入ったユーリの運命には、終始ハラハラさせられっぱなし。キモノ同士の闇ファイトも、闘う側に回されるんだろうな、という予感はあっても、そこにどうやって持っていくのか見えなかったけど、なるほど、このタイミングでバレる訳やね。過去のシーンで裏切った(と思わされていた)上司も、そのキャラぶりと裏切りという行為に、かなり乖離があるように感じられたけど、救出劇への身を呈した参加を見せつけられるに至って、感動もひとしお。劇的展開が素晴らし過ぎる。シリーズ第一作の時点では『まあそこそこかな』とか思っていたんだけど、第二・第三長編と読み進むにつけ、こ