月村了衛のレビュー一覧

  • 暗鬼夜行

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    中学校代表に選ばれた読書感想文の盗作疑惑を巡るサスペンス。冒頭、たくさんの固有名詞に難儀したが、中盤からは一気に引き込まれ、終盤の緊迫感に時間を忘れた。中学生女子の歪んだ自意識、SNSが悪意を拡大させ、教育現場の矛盾、学校統廃合・・・・「山月記」がシンクロして不気味さを増す。

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    2021年12月26日
  • 機龍警察 白骨街道

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    逆ロッキードのようなミャンマーと日本の国際的贈収賄事件に特捜部が切り込む。丸腰で紛争地帯に放り込まれた突入班だが、ライザの大活劇と現地で手に入れた機甲兵装バトルで窮地を脱する。龍機兵は登場しないが、スピード感ある展開と息をのむアクションが相まって面白さは損なわれない。新しいメンバーも加入、今後も目が離せないシリーズ!

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    2021年12月12日
  • 機龍警察 白骨街道

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    物語の展開がエグかった。
    日本でもミャンマーでもきな臭いじゃ済まされないような展開が起きている。

    ミャンマー組の3人はわかりやすい悲惨な状況に追い込まれ、日本では追い詰めたはずの敵の掌で踊らされてたことになり。

    今回は城木さん、クワン、そして新キャラがキーでした

    2021.12.12
    167

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    2021年12月12日
  • 機龍警察 白骨街道

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    待望のシリーズ最新作。読みながら「すげ〜」と呟いてしまった。白骨街道とはただの固有名詞以外の意味もあったんだなと感じた。物語は国内編と海外編にわけて進むのだがどちらもさまざまな情念が渦巻いており圧迫感がすごかった。作者がすごいなと思うのは登場人物のセリフや思考以外の描写に無駄がない点だと思う。お陰で頭の中でイメージしやすく臨場感を持って読むことができた。ただ2作続けて龍機兵が出ないとは。ドラグーンロスが半端ない。

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    2021年12月11日
  • 機龍警察〔完全版〕

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    ネタバレ

    おんもろおおおおおおおおお。
    ひたすらに怒涛。

    確かに序盤はカタカナやなアルファベットやらで小難しく見える。
    しかし読み進めるにつれ、そこまで細部に目を向けなくてもいいことに気づく。
    この作品の魅力は多くのものに開かれているのである.
    そこからはもうとんでもない疾走感だった。
    特に最後の120ページほどは。

    月村了衛はエンタメを描くのがバカ上手いと聞いていたが、これはすごい。
    ドンパチ描くの上手すぎでしょ笑
    久しぶりに身体感覚が消える没頭感を読書で得られた。
    新世界より、以来。

    また生きる楽しみが一つできました。
    月村了衛さんありがとう。

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    2022年06月07日
  • 機龍警察 暗黒市場 下

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    ネタバレ

    「運命なんてただの影だ。臆病者だけがそれを見るんだ」
    「まっすぐに生きろよ。何があってもまっすぐにだ」


    記念すべき100冊目の感想として書きたかったため、買った後読まずに少し溜めました。

    対ではなく、相似していることに熱さを感じました。

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    2021年11月22日
  • 機龍警察 暗黒市場 下

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    オズロフの背負う過去の清算が機甲兵同士の闘いを通して行われる下巻。
    メカバトルとしての面白さだけでなく、登場人物の造詣の深さ、現実でもあり得そうな複雑な国対国のパワーバランスも堪能できた。

    今回も最終的に龍騎兵3機とも活躍が見れたのも良かった。

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    2021年10月27日
  • 機龍警察 暗黒市場 上

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    このシリーズの面白味は、各キャラクターのバックグラウンドの深さだと思う。
    本作上巻では、囮捜査として潜入するユーリの日本に来るまでの経緯が語られる。
    早く本筋(囮捜査)に戻れ、と思いながら読んでいたが、この生い立ちがユーリの今のキャラクターをより際立たせる要素なんだと気づき、じっくり読み進めた。

    ユーリの今を楽しむ準備は出来た。下巻の展開が楽しみだ。

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    2021年10月13日
  • 機龍警察 自爆条項〔完全版〕 下

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    良い、実に良い。ラードナー警部の抱える闇。闇から解放させてくれるもの。単なるエゴイズムからにじみ出たニヒリズムで世界を壊そうとするテロリストとの対峙。やはり機龍警察は最高だなー

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    2021年10月03日
  • 機龍警察 狼眼殺手

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    キモノ戦こそ無いものの、相変わらず骨太なストーリー構成で満足度の高い一冊。緑とライザの心理描写パートで9割くらい相手のこと考えてるし、展開がそれを超えてきて更にびっくり……。あとバンシーの中で眠る緑、実質間接添い寝では???

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    2021年07月28日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    シリーズ4作目にして一番好きかも。食い入るように一気読み。由起谷、好きだなあ。カティアの今後に想いを寄せざるを得ない。

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    2021年07月28日
  • 悪の五輪

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    月村了衛『悪の五輪』講談社文庫。

    1964年の東京オリンピックを巡り暗躍する悪党たちを描いたクライム小説。

    戦後が終わり、日本がオリンピックという世界の檜舞台に立つために国民が一丸となって、大きく変貌しようとしていた昭和の時代。そして、今。新型コロナウイルス禍の中で、国民の多くが開催に反対する中、日本政府と組織委員会とが無観客でも強行開催しようという現在の東京オリンピックとは全く状況が違うようだ。余りにも対照的な2つの東京オリンピックを対比して読むのも面白い。

    オリンピックの利権に悪党たちが群がるのは今も昔も変わらぬようだ。そして、虚しさだけの残る祭りの後……

    翌年に東京オリンピック開

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    2021年07月17日
  • 機龍警察 暗黒市場 下

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    ネタバレ

    ・・・か・・・カッコいい・・・orz

    いやもぅ、「機龍警察」シリーズは、どれもカッコいいんですけどね。これまでの作品同様、極めて重厚で救いようのない暗さを孕みつつ、ラストシーンに見える光の眩しさ、陳腐な表現をすれば「読後感の良さ」はシリーズ随一かと。

    SFとしての評価ポイントは、新型機甲兵装「キキモラ」と<龍機兵>の対比。<龍機兵>に匹敵する運動性能を誇るキキモラを倒すために、その本質を掴んだユーリが編み出した奇策が「そう来たか!」と膝を打つ面白さ。機甲兵装同士の戦闘シーンもサービス満点の描写ぶりで、重厚なストーリー展開の中で派手なドンパチも堪能できるという、稀有なエンターテインメント作品

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    2021年06月05日
  • 東京輪舞

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    月村了衛『東京輪舞』小学館文庫。

    日本の裏面史で蠢く公安警察と数々の事件の背後を描いた警察大河ミステリー。ミステリーというよりも、昭和から平成という激動の時代の中で、誰よりも国を思い、真面目に生きた警察官の人生と叶わぬ恋を描いた長編小説であった。

    敗戦から75年を過ぎてもなおアメリカに支配され続ける日本。日本の各地に治外封建の米軍基地が幅を利かせ、日本政府はアメリカの下僕であり続ける。政治や企業の腐敗と凶悪事件の日本近代史の裏に必ず見え隠れするのはアメリカやロシア、中国といった大国の影である。

    田中角栄邸を警備していた主人公の警察官・砂田修作は公安へと異動し、時代を賑わす数々の事件と向き

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    2021年04月08日
  • コルトM1851残月

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    江戸を舞台としたガンアクションノワール!?

    昼間は廻船問屋の番頭!
    夜は江戸の闇の金融を牛耳る一味の大幹部!
    そして、コルトを相棒に組織の邪魔者を消し去るスイーパー!

    主人公の郎次は残月の異名を持ち組織での将来が約束されていた・・・

    はずが・・・

    ある殺しで暗転!?窮地に立たされる!
    味方が寝返り、誰も信じられない中、相棒のコルトだけを信じ自分の為に突き進む!

    郎次カッコいいです!

    因みに本作との出会いはラジオでした。

    それと、全然違う物語ですが何故か中村文則の『掏摸』を思い出してしまいました。

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    2021年03月22日
  • 機龍警察 暗黒市場 下

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    政治家-オリガルヒ-マフィアによる聖なる腐敗の三位一体と、沖津が想定している<敵>、警察内部のみならず、外務省にも食い込んでいる<敵>はどうちがうんやろか、決してロシア側のことばかり言うてられないシビアな状況だぞ、これ。

    ってのと「犯罪は経済活動だ」って沖津の言葉に薄ら寒くなった。その公式が成立しちゃったら、警察には勝ち目無いじゃんか。

    でまあそれはそれとして、班長、マヂ班長!最後まで班長!!最も痩せた犬たちに敬礼を。

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    2021年01月26日
  • 機龍警察 自爆条項〔完全版〕 下

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    シリーズ二作目
    ロボットに乗ってドンぱちする警察ミステリー(冒険小説)っていうシリーズもの
    一作目に比べ、回想編が好みだった

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    2021年01月25日
  • 機龍警察 暗黒市場 上

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    元民警のオズノフ警部の過去、短い栄光の日々と、その後のおぞましい過去が語られる。
    しかし、沖津が一番の悪党だなと再確認。

    そして、過去の因縁の絡む潜入捜査の行方は下巻へ

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    2021年01月24日
  • 機龍警察 暗黒市場 下

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    国や巨きな組織の前に、一個人の力ではどうしようもないことは確かにある。
    ただ、信頼や友情という言葉では表しきれないほどのかけがえのない仲間を得たときの一個人は、想像できないほどのパワーを発揮することも可能かも知れない。
    このように、現実の苦々しさに打ちのめされつつも、人間の素晴らしさに素直に感動するという複雑な読後感をもたらす本書で、印象に残った言葉は二つ。
    「最も痩せた犬達」と「クレムリンの二重構造」
    現時点で文庫化されているシリーズを、改めて再読したくなった。

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    2021年01月04日
  • 機龍警察 暗黒市場 下

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    いやいや、面白かった。きっと助かると思っているんだけど、囮捜査に入ったユーリの運命には、終始ハラハラさせられっぱなし。キモノ同士の闇ファイトも、闘う側に回されるんだろうな、という予感はあっても、そこにどうやって持っていくのか見えなかったけど、なるほど、このタイミングでバレる訳やね。過去のシーンで裏切った(と思わされていた)上司も、そのキャラぶりと裏切りという行為に、かなり乖離があるように感じられたけど、救出劇への身を呈した参加を見せつけられるに至って、感動もひとしお。劇的展開が素晴らし過ぎる。シリーズ第一作の時点では『まあそこそこかな』とか思っていたんだけど、第二・第三長編と読み進むにつけ、こ

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    2020年12月29日