月村了衛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
プロローグ
とある、公園のベンチの片隅で本書を読み終えた
思わず空を見上げるとドが付くほどの晴天
一方で心は曇天且つ冷え切っている
それはまるで、北緯38度線のようだ
“北”へ送ったものと送られたものの物語が
始まろうとしている
そこに“約束の地”はあったのか!?
この壮絶な物語の扉は開け放たれた!
本章
『地上の楽園』★5
多くのブク友さん絶賛の一冊
エンタメ的に云うならば、仁学と勇太の魑魅魍魎持ち受ける慟哭必至の冒険小説
北への帰国!?帰還!?を送った者“仁学”の後悔と
帰還を選択した者“勇太”の後悔
当時は、何が正解で何が不正解なのかは、誰も知る由がなかった
た -
Posted by ブクログ
在日朝鮮人帰還事業。1959年に始まったそれは、人類史上最悪の「大量殺戮」への序章だった。大阪に暮らす二人の若者、孔仁学と玄勇太が経験する「地獄」を通して、日本人の差別感情と、政府・マスコミらが犯した大罪に迫った社会派小説。
4冊目となる月村さんの作品はやはり裏切らなかった。一気読み!フィクションと承知しながらも、実在する本や人物、知った政治家などの名前が出て来ると、今更ながらそういうことだったのかと思わされる。そして、主人公達と同時代を生きてきた自分が何も知らないことに愕然となる。拉致被害に遭った日本人がタラップを降りて帰って来たテレビ映像もだぶった。
第一部での主人公・仁学の視点で進むと -
Posted by ブクログ
先月、東京地裁が「国家的施策として事実と異なる情報を流布して原告らを誤信させ渡航させた」として北朝鮮政府に対して脱北者4人に賠償命じる判決出したばかり。この時も、「情報を流布した」マスコミと日本政府は頬かぶりしたまま。歴史を掘り下げ、謙虚に学ぼうという姿勢は微塵もなし。「差別を逃れて帰国したつもりが、祖国は日本以上に厳しい差別が待っていた」キタのくだりはおぞましいできごとオンパレードに目を背けたくなるが勇太の行動になんとか救われる。また、おかしい事はおかしいとハッキリ言う山崎先生「大事なんは人々が差別のない社会に幸せに生活できること」にも。ただ、今また世界中で壁が築かれ始めている。本当に同じ
-
Posted by ブクログ
医学部の受験で女子が一律減点されていた問題をテーマに、それを暴こうとする記者と、大学の権威を守るために隠蔽しようとする理事の対決を描いた作品。
対決する女性2人は、立場こそ違えど誠実に生きようとしてる。そしてそれぞれが女性であるというだけで理不尽な差別を受けてきた。本書では性差別やその他の差別に正面から向き合い、それが決してなくなることはないことも受け入れつつ、解決を模索していく。そしてその思考の先に主人公2人の対決がある。
もう物語が動き始めてから最後の最後まで、まったく緊張感が途切れない。扱っている問題は胸糞悪いものですが、主人公2人がどこまでも誠実なので、物語としては清々しさすら感じるも -
Posted by ブクログ
ネタバレ2月6日再読。
この小説を読む度に、色々なことを考えさせられる。
私は彼と同年代なので、考え方や世の中に対して共感できる点も多々ある。
だけど一方で相容れない部分もあるが、この本を読むと自分の人生の先が怖くなりもする。
今回読んで思ったのは、私たちの社会が何かと意味や物語を求めすぎていることも今を生きる上で息苦しくなっているのではないだろうか。
シンプルに見下されたくない、怒られたくない、傷つきたくない。
こういったことを甘やかしだと過度に批判されるため、それなりの理由をつけて何事も納得する。
自分の感情にも嘘をつきながら、納得する理由を探している。
佐伯ポインティさんの動画のコメントに、Z -
Posted by ブクログ
さすが月村了衛といった作品。
宗教団体の末端の立場にあった凌玄が、一つの案件の裏を探ったことで上から潰されそうになる。
そこに目をつけた京都の闇社会のフィクサーである
和久良に引き込まれ、暴力団組織の若頭と共に悪事に手を染めていく。
初めは仏教を救うため、自身の窮地のために悪事に
加担していき、どんどんと組織の上部に出世してい
く。
関東圏の暴力団組織からも目をつけられるが、持ちまいの口の巧さや根回しでトラブルを回避する
二部では、時が過ぎて廃寺で仏像が何者かに盗まれる事件が起こり、凌玄の立場が怪しくなる
凌玄がだんだんと変わっていく描写がリアルに描かれていく
この手の物語は、決して主人公に -
Posted by ブクログ
すっごく面白かった!!
4編からなる連作短編集(1つだけ中編サイズ)
こういった作りの作品の中では今まで読んだ中で1番完成度が高いように思う。
世間を忍ぶ元警視総監が謎を解くのも面白いのだけれど、それよりもバディを組む夏芽とその他の主要人物全員に濃すぎない個性があり、バランス良く調和しているのでほんわかと暖かい気持ちにさせてくれるところが素晴らしい。
月村氏の作品でクスクス笑うものなんて今までなかったと思うが、まさかこんなものも書けるなんて医者と教師以外で初めて『先生』と言いたくなってしまった。
新たな新境地を開いた作品のように思う。
それにしても最後の終わり方はまるで朧のよう、、、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ現代に生きる私たちの核心をついた1冊だった。
正直、最後のジャーナリストの感想のパートを読むまで、なんとも言葉にし難い感想を抱いた。
この本を手に取った時、普通になりたいという言葉には思わず同情してしまうような悲惨な過去や、もしくは知的障害のグレーゾーンな人物を想定していた。
だがあくまでどこにでもいそうな普通な青年。確かに両親が不仲だったことや、トー横に無理やり誘われたことなど可哀想ではあるけれど、それでもここまで道を踏み外すものなのかと考えさせられてしまった。
ただ最後のジャーナリストのパートを読み、彼のそして現代人の私たちを端的に鋭く刺す言葉に納得した。
自分の卒論で若者が推し活に夢中に -
Posted by ブクログ
カッコいい……(←全感想)
「機甲兵装」っていう二足歩行のロボット(パワードスーツ?)の描写が本当に全部カッコいい……。 ロボットって、例えばエヴァみたいなアニメだと、絵や声優の演技、モノローグ、解説役のセリフで「操縦」を描くけど、登場人物が「ウワッ」って顔をしかめて言ってると、「何か……痛そう……!」ってなるんだけど(さもしき私の観察力)
「機龍警察」は小説なのでロボットを100%BMI操縦(脳の信号で機械操作するやつ)に切り替える時に「痛みとともに感覚が入れ替わる。」と文章で明記してあるので、アニメには無い別の実在感。滾っちゃうなぁ。 「そうか。痛いのね……」みたいな。どれくらい痛いかは読