月村了衛のレビュー一覧

  • 欺す衆生(新潮文庫)

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    スゴい本でした。720ページも一気に読まされました。放心に近い読後感です。地味に生きたい男がズルズルと悪の道に引きずり込まれながら、次々と現れる厄介な連中を闇に葬りながら、どんどん裏の道でのしあがって行く。昭和の事件史を辿りながら、詐欺師たちが金に躍る。そして、一時の成功と引き換えに皆んな狂っていきます。
    その遺伝子が次女にしっかり受け継がれていたくだりも背筋が凍ります。
    最後の終わり方も良かった。
    詐欺の勉強にもなりました。^⁠_⁠^
    月村了衛さんの他の作品も読んでみようと思いました!!

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    2025年07月18日
  • 虚の伽藍

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    ネタバレ

    騙す衆生系統の月村さん作品!
    こんなんは大好物!
    悪い奴らには京都弁が似合いますね。
    表と裏を簡単に感じ取れる言葉ですよ。
    読み終わったあとは京都弁使いまくりでした。


    拷問に殺害に非道を尽くす主人公が
    嫁と友達の奥さんとのいざこざにはタジタジで心底恐ろしいと思うところはアホっぽくて笑えました。
    氷室がベストキャラクターですね、ソシオパス的な主人公を陰ながら応援し、真の理解者てきな立ち位置がめっちゃツボでした。
    月村さんのこういう系統の主人公を読むと、いつもウォルターが脳裏をよぎります。

    騙す衆生のアゲアゲラストより、終わりが虚しいのが少し残念ですが、これも十分面白かった!

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    2025年07月14日
  • おぼろ迷宮

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    闇社会や陰のある人間をシリアスに描く作品が多い著者だが、本書はコメディー要素が強い。夏芽や鳴滝、剛田らの砕けた言動が微笑ましく、フェードアウトしてゆくラストシーンも朧げ満点。月村了衛先生の笑いのセンス、文才に敬嘆。

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    2025年07月12日
  • 虚の伽藍

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    素晴らしい取材力と構成。いつもおもしろいテーマを深掘りして知らない世界を見せてくれふ作家さん。坊主とヤクザが平成の終わりの裏でも表でも大暴れする話。

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    2025年07月08日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    ネタバレ

    シリーズ4作目

    女性だけの自爆テロ集団、黒い未亡人がチェチェンより潜入
    シリーズ最強の敵との激闘

    シリーズ中、1番面白かった
    ユーリ、ライザの背景や機甲兵装、登場人物の理解が進んだ上で、自爆を厭わない強敵との闘いにワクワクした
    唯一引っかかったのは、黒い未亡人が、粉砕覚悟でわさわざ日本にきてやるほどのテロか?ってとこ。ストーリー的には辻褄合ってるけど、そこはちょっとリアリティにはかけるかな?

    次作も読む必要あり

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    2025年07月02日
  • 白日

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    ひと言で言えば「企業サスペンス」なのかもしれませんが、「白日」という言葉が持つイメージが複雑な陰影を生み出し、月村さんならではの、人間味あふれるサスペンスに仕上がっていると感じました。

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    2025年06月12日
  • 欺す衆生(新潮文庫)

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    初めての月村了衛さん。
    700p超とは思えないほど、次の展開が気になって読み進めてしまう作品だった。

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    2025年05月22日
  • 機龍警察 狼眼殺手

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    今作、アクションよりもミステリ度高め。
    《敵》が何なのかも気になるけど、沖津部長、本当に何者なの⁈特捜部を作った真意って?
    霧の中を進むうちに晴れてきたと思ったら、腐海の森かジャングルの入口に着いた感じ。次作もどうなるのか気になる…。

    今作のヒーローは、個人的に柴田技官!
    柴田技官、グッジョブ!!

    あと、短編集で(私の中で)一気に気になる存在となった宮近理事官。
    今回も一瞬ですが、宮近理事官キュン!ポイントが!毎回入れて欲しい、こういう宮近理事官の姿。あれ?今ままで気付かなかっただけで、実はあったのか?宮近理事官キュンポイント…。え!読み返す?読み返すべき?

    そして、仁礼警部(「草介」っ

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    2025年05月22日
  • 非弁護人

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    法曹資格は有しているが、事情により弁護士として登録できない非弁護人という人物が主役を務めている内容が非常に新しく感じた。その主人公に協力する役柄としてヤクザたちも登場する。本来なら社会からのはみ出しものとして嫌われるヤクザだが、月村作品のアンチヒーロー物ではなんだか格好良く感じてしまう魅力があった。法廷のシーンでは自分自身も裁判員として参加しているかのような臨場感を感じられた。全体を通してバイオレンスな描写は殆ど無いものの、重みを感じる作品だった。

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    2025年05月19日
  • コルトM1851残月

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    ドンパチと江戸時代という設定に惹かれて読み始めたが、最後はまさか切なさで締め括られるとは思っていなかった。

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    2025年05月04日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    機龍警察シリーズ、4作目。
    前作『暗黒市場』は、父と子。今作は、母と子がテーマ。

    由起谷(ゆきたに主任、漢字変換が面倒い!)、城木の特捜部2大イケメン(ユーリも入れると特捜3大イケメン)が対になって物語りが進行。
    そこへ、少女カティマが母というテーマを背にして絡んでくる。

    由起谷主任の取調べは見もの(読みもの⁈)です。
    落とすというより、相手を信じたい、昔の自分を重ね合わせる相手に対して、自分と同じように、怒りをコントロールして正しい(正しいって難しいが)道を歩めるはずだと信じたい。気持ち、祈るような思いを感じた。

    作中登場する2つの手紙も対照的。
    ラストに登場する手紙、泣くー。

    城木

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    2025年04月28日
  • 奈落で踊れ

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    実際にあった出来事をモチーフにした作品で、登場する政治家などは実際の人物が出てきてノンフィクションも感じつつ読むことが出来た。本来小難しくなりそうな大蔵省をテーマにしながらも程良い重みで読むことができた。

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    2025年04月24日
  • 機龍警察 暗黒市場 下

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    泣いた。久々に胸が熱くなって泣いたよ。
    熱い男、ユーリの生き様をみてくれ…読んでくれ!
    「機龍警察」シリーズの3作目「暗黒市場」を!

    この3作目だけでも勿論おもしろいけれど、ユーリの葛藤と燻っていた灯火の炎が息を吹き返す感動は、是非ともシリーズ1作目から読んで体感して欲しい。

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    2025年04月19日
  • おぼろ迷宮

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    月村さんの引き出しの多さには驚かされる。コミカルな推理小説?人情噺?ホロリとさせられた。「人生も、どんな物語も、終わりよければすべてよしというわけだ…それにね…」総監がなんて言ったか気になる。「世界が悲惨であること、それは真実ではありますが、真実が一つとは限りません。社会には希望がある。そして、それは人の生きる力になっている」ニヒリズムに陥いることなく。

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    2025年04月02日
  • 警官の標 警察小説アンソロジー

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    ネタバレ

    警察小説名手による警察小説オムニバス。この手の企画は寄せ集め感強く中途半端になることが多い印象だが、本書は例外中の例外。粒揃いでどの作品も素晴らしく面白い。警察組織を舞台にしているが、各著者のそれぞれお得意分野を披露してくれている。特に月村作品は警察小説としてはものすごく特異なのだが、如何にもな感じが面白かった。つまらない作品がなく、読んで損のない一冊。

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    2025年03月10日
  • 非弁護人

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    読んでも読んでも事件がどう決着するのかわからなくて、先が気になりグイグイ読み進めさせられた。
    主人公の宗光は元検察官で前科があり、弁護士としても働けない。法律の知識はあるので裏社会で重宝される。
    ニヒル感があって柄も良くなく、子どもに怖がられるおじさんなのだが、子どもを助けるような男。
    ハードボイルドって言うのかな。ところどころ見える義侠心と悲しみも背負ってる孤独感が何とも魅力的。ヤクザとの丁々発止のやりとりもかっこいい。
    検察時代の因縁がある篠田との関わりも心憎い。
    底知れない事件と無関心な社会のありよう、その隙を衝く犯罪の設定が、本当にありそうで怖かった。

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    2025年02月19日
  • 欺す衆生(新潮文庫)

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    バカおもろかった。
    読みやすいけどチープではないし、テンポがよくてダレないし。
    自分に刺さる面白い本って最初っからおもろいんだよな。

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    2025年02月15日
  • 機龍警察 暗黒市場 下

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    下巻は一気読み。
    善悪が簡単には区別できないロシアの複雑さ、武器市場の取引現場における様々な思惑、目的が異なる日本の省庁間の駆け引きなどに翻弄されながらも極限の状態を薄皮一枚で耐え続けるユーリ。
    賄賂に塗れた権力の犬であることを自覚しつつ、それを最小限に抑える矜持を込めた「最も痩せた犬」という通り名と、それを体現する「痩せ犬の七ヶ条」が随所で効いています。
    物語の重厚さ、近未来的戦闘装備の独創性、細部まで練り込まれた主要人物の人格を形成する背景、先が予想できない目まぐるしい展開など、文句なしの星5つです。

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    2025年02月11日
  • 土漠の花(1)

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    ネタバレ

    1巻だけでこんなにハラハラするの初めて読んだ。息付く暇がない、とはこのこと。

    あらすじにも書いてあるから、彼の死は決まっていたけれど……あのエピローグはまだ人生が続くんだと捉えてしまった。いい意味で裏切られた。そんな演出が素晴らしい。

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    2025年02月10日
  • 対決

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    ネタバレ

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    内密に行われていた医大受験の女子、多浪生の減点を記者の檜葉菊乃が追う。最終的な取材対象である大学理事の神林晴海も、女性差別の多い世界で生き抜いてきただけあり言質が取れない。ただふたりとも(特に仕事で)性差別されてきた為、思うところは同じ。他にも研修医制度や体力的な男女差など問題山積み。怒りや虚しさと共に、越えられない性差があることも現実で。差別は許されない。公平とはなんだろう、どうすればより良い方向に向かうのだろうか。考えることの多い読書でした。

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    2025年02月05日