月村了衛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
すっごく面白かった!!
4編からなる連作短編集(1つだけ中編サイズ)
こういった作りの作品の中では今まで読んだ中で1番完成度が高いように思う。
世間を忍ぶ元警視総監が謎を解くのも面白いのだけれど、それよりもバディを組む夏芽とその他の主要人物全員に濃すぎない個性があり、バランス良く調和しているのでほんわかと暖かい気持ちにさせてくれるところが素晴らしい。
月村氏の作品でクスクス笑うものなんて今までなかったと思うが、まさかこんなものも書けるなんて医者と教師以外で初めて『先生』と言いたくなってしまった。
新たな新境地を開いた作品のように思う。
それにしても最後の終わり方はまるで朧のよう、、、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ現代に生きる私たちの核心をついた1冊だった。
正直、最後のジャーナリストの感想のパートを読むまで、なんとも言葉にし難い感想を抱いた。
この本を手に取った時、普通になりたいという言葉には思わず同情してしまうような悲惨な過去や、もしくは知的障害のグレーゾーンな人物を想定していた。
だがあくまでどこにでもいそうな普通な青年。確かに両親が不仲だったことや、トー横に無理やり誘われたことなど可哀想ではあるけれど、それでもここまで道を踏み外すものなのかと考えさせられてしまった。
ただ最後のジャーナリストのパートを読み、彼のそして現代人の私たちを端的に鋭く刺す言葉に納得した。
自分の卒論で若者が推し活に夢中に -
Posted by ブクログ
カッコいい……(←全感想)
「機甲兵装」っていう二足歩行のロボット(パワードスーツ?)の描写が本当に全部カッコいい……。 ロボットって、例えばエヴァみたいなアニメだと、絵や声優の演技、モノローグ、解説役のセリフで「操縦」を描くけど、登場人物が「ウワッ」って顔をしかめて言ってると、「何か……痛そう……!」ってなるんだけど(さもしき私の観察力)
「機龍警察」は小説なのでロボットを100%BMI操縦(脳の信号で機械操作するやつ)に切り替える時に「痛みとともに感覚が入れ替わる。」と文章で明記してあるので、アニメには無い別の実在感。滾っちゃうなぁ。 「そうか。痛いのね……」みたいな。どれくらい痛いかは読 -
購入済み
雰囲気のある劇画調のタッチ
雰囲気のある劇画調のタッチで緊迫した画面を作り出している。ヤクザと気質の中間、いわゆる半グレ状態の主人公の個性がくっきりと描きだされていてとてもいい。月村了衛の原作がなかなかにしっかりしているので、絵柄だけではなくストーリー展開も楽しみである。
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Posted by ブクログ
ソマリアで現地の女性を保護した結果、戦闘に巻き込まれる自衛隊のお話
以下、公式のあらすじ
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男たちは、命を賭けて女を守ったーー。
なぜここまで激しく攻撃されるのか?
なぜ救援が来ないのか?
自衛官は人を殺せるのか?
ソマリアの国境付近で、墜落ヘリの捜索救助にあたっていた陸上自衛隊第一空挺団の精鋭たち。その野営地に、氏族間抗争で命を狙われている女性が駆け込んだとき、壮絶な撤退戦の幕があがった。圧倒的な数的不利。武器も、土地鑑もない。通信手段も皆無。自然の猛威も牙を向く。最悪の状況のなか、ついには仲間内での疑心暗鬼まで湧き起こる。なぜここまで激し -
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月村ワールド全開!!
凌玄が大妖怪に変貌していく様をおどろおどろしい仏教界の中で圧倒的な存在感として描いている。
政敵を喰らうだけでは飽き足らず、凌玄を引き入れてくれた和久良やヤクザまで喰らい利用するとは、、、
でも凌玄が一番凄いのは仏教を自分をマインドコントロールするように自分自身に酔いしれることができることではないかなと思ったりして恐ろしかった。
他の登場人物も和久良や氷室・地下二階など曲者ばかりだし、宗教の醜さをこれでもかと描いていて震えたね。
実際、今の坊主なんて職業坊主しかいないだろうから清廉さなんか必要ないんでしょう。
個人的には一番欲深い人種がなる職業だと思う。
地獄の沙汰も金次