月村了衛のレビュー一覧

  • 地上の楽園

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    この本は日本人の課題図書にすべきだと思う。
    朝鮮半島と日本の歴史、国際関係と政治、北朝鮮拉致被害者問題、人間としての道徳…ノンフィクションに限りなく近いフィクションとして書かれた物語。
    かっての北朝鮮を「地上の楽園」と称して日本から送り出した人々の1人として登場する第一部の孔仁学、愚連隊で日本から逃げ出し北朝鮮へ渡った第二部の玄勇太はかって親友同士だった。
    2人の歩んだ地獄の様な日々は誰の責任か!?
    それを問うべく第三話で成り立つ物語。
    かって「帰国運動」とはやされて北朝鮮へ渡った9万人以上。その根底には日本政府としてお金のかかる貧困外国人を追い出す目的もあったという。
    その片棒を担いだ「地上

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    2026年01月26日
  • 普通の底

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    周囲の様子がSNSで見れる現代は、
    他人と比較してしまいがち。
    「普通でありたかった」
    この言葉は切実な印象を持たせるパワーワードだった。

    トー横キッズ
    奨学金返済による貧困
    現代政治かによる世襲と汚職
    自分が年齢を重ねて来た結果、
    次世代にはそれらを残してはいけないと思える。

    普通の人の奨学金返済4万円は
    「貧困に苦しむ者にとっては40万円に相当する」
    真剣に考えなくてはいけない。

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    2026年01月23日
  • 虚の伽藍

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    仏教最大の宗派の末端の寺の後継ぎが、その宗教心や正義感から大事に巻き込まれていく。徐々にヤクザや闇社会とのつながりを強めていき離れられなくなるのだが、宗祖の理想を実現し衆生を救うには必要悪として突き進む。仕掛けの緻密さやヤクザ社会のリアリティは、さすが月村了衛。別の作品で詐欺師として深みにハマる人物を描いていたが、今回はお坊さん。こんなふうに正しい道を進むことに目が眩む人生ってあるような気がする。しかも、京都の恐ろしさをこれでもかというほど生々しく描いている。京都怖い。

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    2026年01月17日
  • 地上の楽園

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    年末に借りたのですがなかなか読む気になれず、8日が返却日。

    読みましたー。

    はい。心して読みました。

    私が知らない事だらけで、自分の無知さをこれまた呪いました。

    朝鮮人への差別から始まる帰国運動。
    大人の言葉を信じて賛同する高校生。
    全てが、無知ゆえの…差別に耐えられず「地上の楽園」と信じて疑わない心からくる、善意。
    良かれと思って帰国を勧め…。

    作者は見事にエンタメとして小説に書き上げ、私達読者に知らせてくれました。

    ただ、私はこの事実を上手く子ども達や夫に伝えられません。こんな出来事があったんだよとか、実際はこんな内情だったんだよ、って言っても本当の苦しみまでは伝わらないですよ

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    2026年01月09日
  • 地上の楽園

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    ネタバレ

    とにもかくにも第2部がよすぎます。
    勇太が最高です。いい男です、ほんとに。かっこいい。
    騙されて北朝鮮に住むことになるが、船に乗った瞬間からもう何もかもおかしいって全員が感じてるのが第1部とはぜんぜん違います。
    村に送られるバスからもう最悪、バスのボロさ、車内の汚さ、風景を見た反応から勇太家族の絶望がわかります。
    村に着いてからの生活は最悪すぎて、ここから先に希望がまったく見えないのが読んでて怖かった。勇太が結婚し、子供が生まれたからさすがにこれ以上悪いことは起きないか?と思えばそれよりさらにひどいことが起きるとは。
    この2部を読んでいけたのは勇太という人のおかげ。彼以外の視点だとあまりにも希

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    2026年01月03日
  • 影の中の影(新潮文庫)

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    ネタバレ

    めちゃくちゃ面白かった!
    土漠の花より良かった気がする。
    何で映画化とかされないんやろう。
    ヤクザの男っぷりもそうだし、樋口がヤバすぎる。暗殺部隊にも引けをとらない男、凄すぎる。またテーマがな。
    とにかく面白すぎで一気読み。月村さんの本はどれも興味あり過ぎる。地上の楽園欲しい。

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    2026年01月02日
  • 地上の楽園

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    戦後、北朝鮮への帰還事業。歴史的事実を壮絶なひとつの物語として書き下ろしている。
    あまりにも惨たらしい救いのない話だがページを進める手が止められずに一気読み。

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    2025年12月30日
  • 地上の楽園

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    ★5 その日、その場所で何があったのか… 在日朝鮮人帰還事業の現実を綴る社会派小説 #地上の楽園

    ■あらすじ
    戦後、高度成長期になる前の大阪。在日朝鮮人の学生である孔仁学は、同級生から日常的に差別を受けていた。友人の玄勇太は優しく頼りになる男であったが、素行が悪く将来の見通しは暗い。

    そんな貧しく耐えがたい日々に思い悩んでいた仁学は、ある一冊の本に出会う――寺尾五郎『38度線の北』 そこには、祖国北朝鮮が「地上の楽園」として紹介されており…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    ★5 もう何も言うことがありません、読んでおくべき作品です。

    これまで報道では聞いたことがあったし、たくさん記事も読

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    2025年12月30日
  • 地上の楽園

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    太平洋戦争後の在日朝鮮人の北朝鮮への帰還事業をテーマにした小説。

    日本で差別された在日2世が、祖国北朝鮮へ還ったら、そこは地獄そのものだったという救いのない話。

    壮絶、それしか表現できない。

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    2025年12月28日
  • 虚の伽藍

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    さすが月村了衛といった作品。
    宗教団体の末端の立場にあった凌玄が、一つの案件の裏を探ったことで上から潰されそうになる。
    そこに目をつけた京都の闇社会のフィクサーである
    和久良に引き込まれ、暴力団組織の若頭と共に悪事に手を染めていく。
    初めは仏教を救うため、自身の窮地のために悪事に
    加担していき、どんどんと組織の上部に出世してい
    く。
    関東圏の暴力団組織からも目をつけられるが、持ちまいの口の巧さや根回しでトラブルを回避する

    二部では、時が過ぎて廃寺で仏像が何者かに盗まれる事件が起こり、凌玄の立場が怪しくなる
    凌玄がだんだんと変わっていく描写がリアルに描かれていく
    この手の物語は、決して主人公に

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    2025年12月28日
  • 地上の楽園

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    日本在住の北朝鮮籍の人が『帰還事業』で1959年12月14日の第一次船から1984年まで約9万人、集団移住した話です。とにかく強烈な追体験ができます。3部立てとなっていて、1部は第一次帰還の前に、日本に住み帰還を勧めていた側の在日高校生の目線で語られます。この部分が一番話も進まないし、移住しても絶対に幸せにならない未来を私たちは知っている上、当時の非人道的な在日差別を追体験し、読むのが辛いです。
    第2部は1部で語り手だった孔仁学の親友、勇太が体験していく、移住後の帰還者たちの暮らし。とにかくここが壮絶を極めているので、恐ろしいのに読む手を止められません。そして、短めの第3部は日韓共同開催ワール

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    2025年12月19日
  • 地上の楽園

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    大作です。
    分厚い単行本でしたが一気に読み終えました。
    夢と幸せのために、憧れの「地上の楽園」と称された北朝鮮への帰国、
    船が到着した瞬間から地獄の生活が始まってしまう。
    重くて苦しい物語。
    月村了衛作品の中でもトップクラスの仕上がり。
    評価が高いのにも納得です。

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    2025年12月16日
  • 地上の楽園

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    1959年から開始された北朝鮮への帰還運動による悲劇をめぐる在日朝鮮人の青年二人の物語。

    日本国内での、在日朝鮮人に対する執拗ないじめ、勉学に励んだところで就職先もない、健康保険に入れないから病院にもかかれないなどの、絶望的な状況があったところへ、「地上の楽園」北朝鮮への帰還事業が始まった。
    これには、朝鮮総連のみならず、共産党、社会党、自民党の超党派の議員、その上、マスコミもこぞってこの事業を賛美する。
    優秀な高校生である孔仁学は、北朝鮮を礼賛する本に影響を受けた上、総連にそそのかされ、この運動にのめり込み、多くの人を北朝鮮に送り込むのだった。

    あまりの悲惨さにページを捲る手が止まらず一

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    2025年12月16日
  • 土漠の花

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    ネタバレ

    ちょっと待って、なにこれ。
    めちゃくちゃ面白い。
    物凄く面倒なことに巻き込まれたな。
    面白いとはいい意味で。
    みんな何でそんな覚悟できるん。
    最後のタケトンボはやばい。
    あと理不尽過ぎるところに凄い腹が立つ。
    他の作品も絶対にみる。
    参考文献にやはり、高野秀行さんのソマリランドがありました。好きな人だから嬉しい。

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    2025年12月06日
  • 普通の底

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    社会の空気や言説をくみ取りながら構築された架空の物語を読んでいるという感覚と、実在する人物による手記を盗み読んでいるという感覚が交互にやってきた。やっぱりこの書き手が好きだ。

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    2025年12月05日
  • 欺す衆生(新潮文庫)

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     傑作です。もう本当に一気に読んでしまった。
    主人公が最後どんな運命を辿るんだろうと読み進めていき、最後に待っていたのは衝撃と絶望でした。
     主人公以外の心理描写がひっとつも無くて、700ページ近く誰も信じられないハラハラが続きます。それがこういう詐欺という綱渡りのストーリーだからこそ輝くと思う。
     欺す相手も富裕層だからそこだけは救い。
     自分は肝っ玉が小さく成り上がる人間ではないなと痛感した。
     月村了衛さんはすごい作家さんだと思いました。

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    2025年11月10日
  • おぼろ迷宮

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    すっごく面白かった!!
    4編からなる連作短編集(1つだけ中編サイズ)
    こういった作りの作品の中では今まで読んだ中で1番完成度が高いように思う。

    世間を忍ぶ元警視総監が謎を解くのも面白いのだけれど、それよりもバディを組む夏芽とその他の主要人物全員に濃すぎない個性があり、バランス良く調和しているのでほんわかと暖かい気持ちにさせてくれるところが素晴らしい。
    月村氏の作品でクスクス笑うものなんて今までなかったと思うが、まさかこんなものも書けるなんて医者と教師以外で初めて『先生』と言いたくなってしまった。
    新たな新境地を開いた作品のように思う。

    それにしても最後の終わり方はまるで朧のよう、、、

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    2025年10月25日
  • 普通の底

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    ネタバレ

    現代に生きる私たちの核心をついた1冊だった。
    正直、最後のジャーナリストの感想のパートを読むまで、なんとも言葉にし難い感想を抱いた。
    この本を手に取った時、普通になりたいという言葉には思わず同情してしまうような悲惨な過去や、もしくは知的障害のグレーゾーンな人物を想定していた。
    だがあくまでどこにでもいそうな普通な青年。確かに両親が不仲だったことや、トー横に無理やり誘われたことなど可哀想ではあるけれど、それでもここまで道を踏み外すものなのかと考えさせられてしまった。
    ただ最後のジャーナリストのパートを読み、彼のそして現代人の私たちを端的に鋭く刺す言葉に納得した。
    自分の卒論で若者が推し活に夢中に

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    2025年10月19日
  • 機龍警察〔完全版〕

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    カッコいい……(←全感想)
    「機甲兵装」っていう二足歩行のロボット(パワードスーツ?)の描写が本当に全部カッコいい……。 ロボットって、例えばエヴァみたいなアニメだと、絵や声優の演技、モノローグ、解説役のセリフで「操縦」を描くけど、登場人物が「ウワッ」って顔をしかめて言ってると、「何か……痛そう……!」ってなるんだけど(さもしき私の観察力)
    「機龍警察」は小説なのでロボットを100%BMI操縦(脳の信号で機械操作するやつ)に切り替える時に「痛みとともに感覚が入れ替わる。」と文章で明記してあるので、アニメには無い別の実在感。滾っちゃうなぁ。 「そうか。痛いのね……」みたいな。どれくらい痛いかは読

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    2025年10月12日
  • 土漠の花

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    激闘。
    日本の自衛隊の隊員たちが、命を守るため、命をかけて行動するお話しでした。
    隊員それぞれの背景とともに、今の行動の中の心理を読みながら追体験したような感じでした。
    元気な時におすすめします。

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    2025年10月05日