月村了衛のレビュー一覧

  • 虚の伽藍

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    京都を舞台に伝統仏教と裏社会の人間の欲望が描かれている
    宗教が利権にまみれているのは分かっていることだが、ここまでのスケール感と怖さまでは想像できていなかった
    もちろんフィクションではあるだろうが、リアルすぎて光景が目に浮かぶようであった
    人を救う、悟りをひらく、その境地を求めたのが主人公の僧侶であった
    一見、成功を掴んでいき、成長し、大きくなっていく傑出した人物だが、それ以上の闇を抱えることになった
    やはりこの作家は面白い
    人の欲望、愚かさをよく理解していると思う

    0
    2026年08月12日
  • 半暮刻

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作中の翔太に影響されて、稚拙ながら人生初レビューです…笑

    海斗のような"グレーな人間"こそ"人間の真の邪悪"なのではないかというメッセージは、地域や歴史を問わず存在する"人間の醜さ"を的確に表現していると思います。
    自分ごとですが、私の身の回りにも「法で裁かれないことをしてなんで悪いの?」といった論調で、悪意を持たずして他者を傷つける人がいました。私は「なぜ悪いのか」を上手く伝えることができず、納得もされなかったため、今でも違和感と不快感が残っています。ラストシーンの翔太と海斗のやり取りには、当時の私達の会話に通じるものを感じました

    0
    2026年08月12日
  • 地上の楽園

    Posted by ブクログ

    もう凄絶すぎて言葉がない。北朝鮮帰還事業をめぐるこの世の地獄の絶望の物語。私が生まれる数年前のことなのに恥ずかしながらあまりよく知らなかった(実際のところこの本一冊だけ読んでも複雑な国家間の利権などもっと調べないと今ひとつ理解できないことはたくさんあるのだが)
    国家規模の詐欺、犯罪に一個人がどうやって巻き込まれずにいられたろう。嘘八百を並べた一冊の本に狂わされる大勢の運命。闘志と不屈の男、勇太だけが救い。とはいえ彼も騙されたとはいえ愚連隊のいざこざに巻き込まれて逃げるのにちょうどタイミングがよかった帰還事業ってことで自ら進んで北朝鮮に帰国したのだけど…日本で差別や貧困に晒される人々が楽園のよう

    0
    2026年08月13日
  • 対決

    Posted by ブクログ

    男女雇用機会均等法、そもそも機能しているのかな最近では女性活躍か叫ばれているが、それは本当なのだろうか?いつの時代にも差別はあると思う、人間は生まれた時点ですでに差別があるのだから、でもやり切れない、切ないですね、みんな何かのメンツにこだわっているだけなのかも。本当の意味での男女平等になれば良いと思う。素晴らしい作品でした。

    0
    2026年08月18日
  • 機龍警察 漆黒社会

    Posted by ブクログ

    対馬海峡沖で不審船のコンテナから発見された夥しい死体は、手足を切り落とした子供の神経を機甲兵装に直接接続して兵器化するという、非道な人身売買に繋がっていた。捜査を続ける特捜部の眼前に浮かびあがる、城州グループと馮コーポレーションの狙いとは?

    5年ぶりのシリーズ第7作刊行。でも作中の時間は1年しか経過していないとは。

    0
    2026年08月08日
  • 機龍警察 漆黒社会

    Posted by ブクログ

    どんどん暗闇に引き込まれていく感覚で読み進める。由起谷さんが、、、。關の過去が、、、。憎らしい奴だと思っていたが。そして姿と關の死闘が始まる。機龍警察終わってしまうの⁇と読み終えたが、帯に第一部完結と書いてあってまだまだ続きそうでほっとする。

    0
    2026年08月07日
  • 半暮刻

    Posted by ブクログ

    とても面白かった
    同じ半グレに対して、立ち直りや墜落を描いており、読書が立ち直りのキーとして描いてくれている点も嬉しい

    0
    2026年08月07日
  • 虚の伽藍

    Posted by ブクログ

    オーディブル視聴。
    これは仏教のためなんや……!と自らに言い聞かせながら、純粋だった坊主が金と欲に塗れたクソ坊主へ変貌していく様とその人間関係を見事に描いた大長編です!!すごい!!
    私は実は主人公は最後氷室さんに殺されるんじゃないか……と思っていたんだけれど、氷室さんは賢いのでそんなことはしなかったし、むしろそれより残酷なラストだったかもしれないですね……まさにタイトルを回収します。

    0
    2026年08月01日
  • 地上の楽園

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・凄絶
    ・むかーし読んだ「北朝鮮脱出」( 姜 哲煥, 安 赫)を思い出した。実家に置いてあるのでもう一度読んでみよう
    ・シベリア抑留といい、この本にある帰還事業といい、「北」の怪しさというか常識を越えた残虐さというのはいったいどこから出てくるのだろうか。

    0
    2026年08月01日
  • 非弁護人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この作家の著作はそれほど多く読んでいるわけではないのですが、読むたびにノックアウトされます。本作はなんとなく昭和感が漂っていて、侠気(これって今の時代にはあまり使っちゃいけない言葉ですか)のある奴があっちにもこっちにも。

    司法試験に首席で合格を果たしたにもかかわらず、嵌められて法曹界を追われた主人公・宗光が調べはじめた事件。パキスタン人の少年マリクはきっと生きている、でなきゃやりきれないと思いながら怒濤の勢いで読みました。宗光も良いけれど、ヤクザの腹心・蜂野がまた良くて。

    しかしこの手の話の映像化を想像すると、私の頭の中で必ずジェイソン・ステイサムの声になるのはなんで!?

    0
    2026年07月27日
  • 土漠の花

    Posted by ブクログ

    面白かったー!活字だけでこんなにも緊迫した場面を描けるのか…と感心しきり。息を止めて一気に読んでしまった。
    月村氏の描写はとても立体的で頭の中でどんどん映像化されていくので、読後は1本の壮大な映画を観終わった感覚になる。
    作品世界の理解を深めるために、参考文献一覧に載っているソマリアと自衛隊に関する本も読んでみたいと思った。

    0
    2026年07月20日
  • 地上の楽園

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    思っていたよりずっとずっと地獄だった。
    衝撃的な内容に星5ではあるのだけど、万人にはお勧めできない。
    今年読んだ本の中で一番辛い内容だった。

    自分は世代ではないので詳しくはないが、テレビで金日生生誕80年記念の万景峰号のニュースを見た覚えがあり、その船乗せられた物資が現地の人の少しの助けになったのだろうか…… と思いを馳せた。
    その後、航行は無くなってしまい、困った人もたくさんいただろうと思うと胸が痛い。

    今、北朝鮮の地方の貧困層はどんな暮らしをしているのか、知る術があまりに限られている。

    作中の勇太は脱北して生き延びることができたが、北朝鮮ではあのあとソ連が解体し、支援が止まったり、大

    0
    2026年07月17日
  • 地上の楽園

    Posted by ブクログ

    丁寧な取材に基づくフィクションだが、ここまで書いておいてこのままおしまいでは寂しいですね。ここはいっちょう誰も書かなかった戦後の暗黒史を世に出してくれませんかね。

    0
    2026年07月15日
  • 対決

    Posted by ブクログ

    久しぶりに、いい本を読んだ。この本をもとに、テレビドラマにもなった。
    二人の女主人公の対決を描く物語。

    一人の女性は、シングルマザーで日邦新聞東京本社の社会部の記者 檜葉菊乃。バツイチで、高校2年生の娘の麻衣子、17歳と暮らしている。40歳を過ぎてから社会部記者に抜擢された。娘は医者になりたくて、頑張っている。新聞記者なので、食事は健気に娘が作っている。

    対決するもう一人の女性は、神林晴海、45歳。独身。両親はもう亡くなっている。統和医科大学の理事。その大学の理事は、ほとんどが医師であり、教授だったりするが、神林晴海は、事務職から理事になり、職員からも評判が良く、大学の事務仕事を改革してき

    0
    2026年07月12日
  • ガンルージュ

    Posted by ブクログ

    日本国内で隠密行動中の韓国特殊部隊を、シングルマザーと体育教師のコンビが追撃する話。シングルマザーである律子のシーンはめっちゃシリアスだけど、体育教師の美晴はもう特殊部隊に金属バットで対抗するあたりからしてもうギャグにしかならない。でも全然しらけるような感じではなくて、いい感じにバランスが取れてる感じで楽しい。
    映画にしたら面白いと思うけど、韓国スパイの暗闘を描いてるから無理かな。

    0
    2026年07月03日
  • 地上の楽園

    Posted by ブクログ

    北朝鮮への帰還事業の実態を初めて深く知った。衝撃だった。そこには希望とは程遠い、差別や抑圧、後悔に満ちた過酷な現実が描かれていた。留まっても、進んでも地獄。報われない人生を生きた人々の苦しみに触れ、ただただ憤り。そして私たちが当たり前と思う自由や家族との暮らし、人として尊重されることの尊さを改めて実感した。同時に、人権とは何かをあらためて考えさせられる一冊だった。

    0
    2026年07月01日
  • 欺す衆生(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    金というものは、ここまで人を愚かに、見苦しくするものなのか。
    嫌々詐欺に加担せざるを得なかったはずなのに欺く快感を自覚してしまい、息継ぐ間もない命懸けのトラブルの連続を更なる"裏"で回避していく隠岐
    700ページを超える長編なのに、おもしろくて一気読み
    昭和から平成にかけての社会情勢の盛り込まれ方が見事でした

    0
    2026年06月28日
  • 欺す衆生(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み応えあり分厚いが一気読み面白かった。詐欺師とヤクザって本当に頭がいい。実在の事件が出てきて豊田商事、安愚楽牧場など今読んでもなるほどと思ってしまう。人間の欲望は不変、本当にそう。楽して儲ける方法はないのに、心の隙に入り込まれるんだろうな。隠岐のギリギリ一線を超えない事を信条にするのも面白い、守りたかった家族は現実だったのか、悲しい。砂州は私の好み過ぎて好きになる。表紙が内容とぴったり!名字も地名に関するものが多く、気分転換になるのでおすすめです。

    0
    2026年06月17日
  • 欺す衆生(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    頭が抜群に切れる主人公
    嫁と2人の娘と言う家族がありながら詐欺師としてしか生きられないのか‥
    主人公を応援するつもりは無いが、ヤクザも登場で緊張とドキドキハラハラの連続だった。
    分厚いが読みやすかった。
    この作者の作品は2冊目だが又読もう思った。

    0
    2026年06月13日
  • 地上の楽園

    Posted by ブクログ

    とんでもない本を読んでしまった
    まさに地獄…
    恐ろしい歴史を真正面から描いた覚悟の一冊だろう



    在日朝鮮人が日本社会から受けるひどい差別、希望のない未来…
    そんな悔しくて苦しい毎日ならば、祖国〝地上の楽園〟を信じたくもなるだろう。

    差別に耐えられず帰国したのに、祖国では更にひどい差別が待っていた。
    目を背けたくなるどころか、吐き気がするほどの北での暮らし。
    著者はよくぞここまで書いたと思う。



    高校生の仁学が『38度線の北』を読み、祖国に夢を抱きどんどんのめり込んでいく姿が苦しくて…
    〝地上の楽園〟が嘘であることを、私たち読者は知っているから「冷静になって!」と叫びたい。

    仁学は〝

    0
    2026年06月12日