月村了衛のレビュー一覧

  • コルトM1851残月

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    読んでいる時に頭に浮かんだ言葉は“宿業”です。

    コルトM1851という銃を使い、相手を倒す姿に、爽快感を得ましたが、それ以上に、郎次・お蓮・儀平の過去から背負っているものが交錯した時、悲しい定めを感じてしまいました。

    郎次の最後の行動が印象的で、その行動で、宿業に別れを告げることが出来たのかなと想像してしまいました。

    初めて、月村さんの作品を読みましたが、非常に面白いと思いました。
    是非、他の作品も読んでみたいです。

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    2016年06月12日
  • コルトM1851残月

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    これまでの時代小説の概念を覆す全く新しい大藪春彦賞受賞の驚愕の時代小説。解説で馳星周が時代小説ノワールと呼んでいるが、作品の素晴らしさを表す見事な表現だと思う。

    舞台は江戸時代。昼は廻船問屋の番頭、夜は裏金融を牛耳る儀平一味の大幹部、残月の郎次は裏切りの果てに一味に孤独な闘いを挑む。

    少しずつ明らかになる郎次の過去と最新式のコルト六連発銃との邂逅。そして、まるで銃に魂を操られるかの如く硝煙と血風の真っ只中に身を投じていく郎次。果たして、結末や如何に…

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    2016年04月11日
  • 機龍警察 暗黒市場

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    いやいや〜さすがに本作も面白かったです。
    ホンマ、このシリーズは鉄板ですね〜
    とにかく龍機兵の活躍よりも組織のしがらみや軋轢とかの方が面白すぎるだろうって感じます。それに敵と味方のあり方が普通じゃなさ過ぎですよ。あと警察って組織の中もそこで働いている人達も……それがまた堪らんところが本作の魅力じゃないですかね。

    前回のラードナー、今回のオズノフの経緯となる物語の面白さや伏線の引き方と回収の仕方の巧さは脱帽って感じですね。
    重くて暗くて鬱屈しちゃってる彼らに少しづつでも救いがある物語の展開も大好きです。
    クセのありすぎるお国柄のアイルランド、ロシア、中国とがお相手で絡ませ方が非常に現実的でね。

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    2016年04月05日
  • 機龍警察 未亡旅団

    購入済み

    続編が待ちきれない!

    今までの4冊の中で、個人的には一番良かった。普通シリーズものは、3冊目位からマンネリ詰まらなくなると感じているが、このシリーズは更に内容が良くなり、話の骨子も太くなっている。今後は沖津の過去や見えない敵の正体など、まだまだ目が離せない。次回作が待ちきれません。

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    2016年02月08日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    チェチェンの女性テロリストグループが新潟で行おうとする自爆テロを、下関出身の刑事とその仲間が防ぎ戦う話。シリーズ第4作。登場人物たちの書き込みにますます磨きがかかっている。

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    2015年12月13日
  • 機龍警察 暗黒市場

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    このシリーズで一番面白かった。眠気押して三章は一気読み。

    ユーリの過去もライザと同じくかなりダークだけど、人間らしさがそこにあるというか、結構ユーリに感情移入できちゃう。強くない、迷う、不安になる、裏切られても信じたい、そんな姿が人間らしいと思える。

    ストーリーも敵味方わからない人や、立場が二転三転する人もいてなかなかスピーディに進みます。クワンがいいキャラだなぁ。


    機龍兵は相変わらず私のなかではエヴァ。

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    2015年10月15日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    機龍警察シリーズ、4作目。

    今作のメインは城木理事官と由起谷警部補、かな。テーマはチェチェンのテロ組織「黒の未亡人」。

    毎回のことではあるが、近未来SF設定でありながら、時代背景の描写では現実を痛烈に突きつけられる。やっぱり日本人として日本で生まれ育った私には、チェチェンの出来事も、少年兵のことも、遠い国のモノと片付けてしまっていることを否めない。「平和ボケ」って言葉があるけど、、、まさに自分のことではないかと胸が痛くなってくる。そんな中、カティアの取り調べでの由起谷主任の言葉は響いた。次元が違う者同士、絶対同じ痛みを共有できないと分かっているだけに、それでもカティアの心を動かす言葉が存在

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    2015年09月16日
  • 機龍警察 暗黒市場

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    極めつけの傑作だった。

    機龍警察シリーズ、最初から凡百の小説とは
    一線を画す面白さだったけど、
    シリーズを重ねるごとにレベルアップしていき、
    シリーズ第三弾の本作で完全に化けたと確信した。

    ページをめくる手が止まらない。
    何人たりともこの本を読むことを妨げるな。
    久々にそう感じる作品を味わえた。

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    2015年05月13日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    堂々のこのミス第5位。
    連作にも関わらず、しかも4冊目なのにこの評価!凄いんじゃない?
    ドラグーンに乗る搭乗員を順番に紹介するシリーズは終わってどうするのか、と思っていたら自爆をものともしない最強テロ集団「黒い未亡人」が登場。
    女だけの戦闘集団、しかも自爆させるのは少年兵(少女)と言う日本の常識では有り得ない、しかし世界の潮流の中で見れば現実に有りうる組織。
    これに立ち向かう日本警察、如何に近未来の設定とはいえ描写は難しいだろうな~との危惧をものともしない作者の筆力。
    少年兵と戦う搭乗員と整備主任の苦悩が描写されるが特にしつこくもなくサラッと流す。
    特捜と外三、神奈川県警、警視庁、と登場部署は

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    2015年02月16日
  • 機龍警察 未亡旅団

    購入済み

    こんどはチェチェンか!

    1作目はチャイナ、2作目はアイルランド、3作目はロシアと、世界の裏社会と日本の警察が派手な戦いを繰り広げる本シリーズの最新作。
    ついにチェチェンが舞台だ!もう次はアラブに行くしかあるまい。

    それはさておき、本作も素晴らしい出来で満足。暴力の支配する荒廃した地からやってきた少女と、暴力を内に秘めながら克服した警察官の心のやりとりを軸に、いろいろな要素がぶち込まれた網目模様のドラマが破綻なく成立していて楽しめました。
    あいかわらず装甲機兵の戦闘シーンは迫力があるけど、それすら今作では脇役っぽい。
    ラストは、今後の伏線か?
    それにしても......警官が死に過ぎ。

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    2014年05月30日
  • 機龍警察 暗黒市場

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    機龍警察シリーズ、3作目。

    今回は龍機兵搭乗要員の1人、ユーリ・オズノフにクローズアップ。元ロシア警察の捜査員であり、無実の殺人容疑を掛けられていたユーリ。前回のライザも同様であったが、あまりに壮絶な過去に言葉を失うほど圧倒された。その壮絶さに対し、ストーリー自体はSFなれど、ロシアの現状を上手く填め込んであって、単なる絵空事と感じさせないのがこのシリーズの凄いところ。また、3人の龍機兵搭乗要員の中ではユーリが一番人間的な弱さを持っているキャラであるだけに、ライザ以上に感情移入もしやすく、展開に胸を打った。今のところ、シリーズの中では今作が私の一番。

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    2014年04月05日
  • 機龍警察 暗黒市場

    購入済み

    ユーリの生い立ちが明らかに!

    今作はロシア人の元警官であるユーリに焦点があてられています。いつも損な役回りのユーリですが、本作でもいつにも増して虐められています。メインキャストなのに。
    ライザがメインだった前作ほどの華(というには暗いが)はないけど、ストーリーの面白さは増していますね。このシリーズ、作を追うごとにパワーアップしていているで楽しみです。
    そういう点では、3作で3人の主人公を描き切ってしまったのに話は終わりそうもない、という今の状況、どう展開するんだろう?

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    2013年10月05日
  • 対決

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    まだ記憶に新しい、医学部を目指す女子学生と多浪生に対する一律減点の不正入試。

    自分は男女雇用機会均等法はできたけれど、まだまだ企業も社員の理解も浅い頃に新人だった世代。

    均等法は名ばかりで、結婚や出産で退職(産休ですら公務員以外は肩身が狭かった。)するのが珍しくなかったし、退職しないウザい既婚女性は均等法の名の下に遠くへ転勤の辞令を出して退職に追い込むこともあったり。

    物語にもあるように、マスコミとか一流大手企業とかもフツーにやってたな。
    ごく一部の頑張った女性たちが裁判とか起こしてやっと今少しマシになってきた。


    医師の世界で女性は使いにくいとか男性の方が体力も力もあるし働けるという

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    2025年12月19日
  • 東京輪舞

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    昭和から平成の終焉まで、公安に勤務していた砂田の生き様を通して綴る警察歴史小説。ロッキード事件、オウムサリン事件をはじめとする歴史的な大事件を絡めて、公安警察、ロシアの女スパイ、警察内の軋轢、政治家たちの思惑、暗殺、裏社会の男たちの姿を矛盾なく描いていていつのまにか物語の終わりが来る。前半ロッキードの辺りは自分の知識が無いこともあり中々読み進まなかったが、後半はテンポよく読むことが出来た。
    何よりこの小説の事件はすべて記憶にあるので、そんな舞台裏があったのかな??と当時の空気感を思い出す。
    エンディングがまた素晴らしい。

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    2025年12月13日
  • 虚の伽藍

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    ネタバレ

    いやー、好きだわー。
    まさに月村作品って感じ。
    鎌倉殿の13人の北条義時か。
    はたまたSWのアナキン・スカイウォーカーか。
    権力というのは恐ろしい。

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    2025年12月09日
  • 白日

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    初読み作家さんでしたが、なかなか読み応えありました。

    出版社の教育部門で推し進めている新規プロジェクトである「黄道学園」。引きこもりや不登校の子どもたちにとっては理想的な学園。

    そのプロジェクトの局長の息子が転落死。自殺か事故か?プロジェクトの行方を左右する大問題!

    企業の派閥争い、隠蔽、出世争い、あ〜中間管理職て大変なのね…。



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    2025年12月04日
  • 地上の楽園

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    一気に読み終えた。
    2人の在日コリアン男性を軸に、北朝鮮への帰還事業、その後の物語。

    物語の序盤から現れるとある本や、その雰囲気は、旧ソ連に招かれた著名な作家たちのその後を思い起こさせ、日本人2人目のノーベル文学賞を受賞した作家がTVを見、「私には帰るべき北朝鮮がない」と涙したエピソードなどが脳裏に浮かんできた。
    この数十年、政治家は話にならないとしても、いわゆるマスコミや進歩的文化人は一体、何をしてきたのだろう。何を無視し続けて来たのだろう。

    拉致問題と帰還事業が密接に関わっている、作中のこの言葉が印象に残る。

    当時と今、何か変わったのだろうか。
    何も変わっていないのではないか、と唖然

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    2025年12月04日
  • 奈落で踊れ

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    ブグトモの皆さんが“敦煌”を賑わせていたので、
    やはりその波に乗るべく読ませていただきました。
    勝手に「敦煌現場の描写」が主軸だと思い込んでいました。むしろ物語が始まるのは 1998年・大蔵省接待汚職事件の発覚後。
    敦煌でどんな“おもてなし”が行われていたのか、
    偏差値の高いエリート官僚様たちがどれほど歓待されていたのか――
    そのあたりの生々しさをもっと読めたら、と思いました。

    事件そのものは先人読者のレビューが充実しているので、私が驚いたことをひとつ。
    この作品、実名の政治家が何人も登場するんですよね。
    ひゅん、と背筋が冷えました。
    もちろんフィクションとしての扱いですが、
    当時も特に差し

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    2025年11月27日
  • 機龍警察 自爆条項〔完全版〕 下

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    なかなか熱い作品でした。
    いわゆる国際謀略ものであり、なおかつ近未来ハードボイルドですが、ある人間の過去を描きながら現代の事件での二転三転はなかなかいいし、手に汗握る。

    3068冊
    今年296冊目

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    2025年11月21日
  • 虚の伽藍

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     宗教界とヤクザの世界、いかにもありそうな映画になりそうな小説でした。話は面白く、電車の友には最適です。
     でもなんでしょう?最後の一つの星をつけるほどではない?どうもよくわりません。

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    2025年11月18日