月村了衛のレビュー一覧
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月村了衛『槐』光文社文庫。
冒頭を読み始め、学園青春物のホラー小説なのかと思ったのだが、いきなりストーリーは全く予想外の急展開を見せる。読み終えてみれば、爽快感が残る何とも物凄い冒険アクション小説だった。
中学校の野外活動部の合宿で湖畔のキャンプ場を訪れた弓原公一たちは、とんでもない惨劇に遭遇する。半グレ集団の関帝連合がキャンプ場を封鎖し、宿泊客を無差別に惨殺し始めたのだ。絶体絶命の状況下で関帝連合に独り立ち向かう謎の人物…
必殺仕置人、或いはダイハードのジョン・マクレーン、はたまたゴルゴ13のような冷徹なダーク・ヒロイン・槐が何とも魅力的だった。また、中学生たちを守るために自らの命を賭 -
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いやいや〜さすがに本作も面白かったです。
ホンマ、このシリーズは鉄板ですね〜
とにかく龍機兵の活躍よりも組織のしがらみや軋轢とかの方が面白すぎるだろうって感じます。それに敵と味方のあり方が普通じゃなさ過ぎですよ。あと警察って組織の中もそこで働いている人達も……それがまた堪らんところが本作の魅力じゃないですかね。
前回のラードナー、今回のオズノフの経緯となる物語の面白さや伏線の引き方と回収の仕方の巧さは脱帽って感じですね。
重くて暗くて鬱屈しちゃってる彼らに少しづつでも救いがある物語の展開も大好きです。
クセのありすぎるお国柄のアイルランド、ロシア、中国とがお相手で絡ませ方が非常に現実的でね。 -
購入済み
続編が待ちきれない!
今までの4冊の中で、個人的には一番良かった。普通シリーズものは、3冊目位からマンネリ詰まらなくなると感じているが、このシリーズは更に内容が良くなり、話の骨子も太くなっている。今後は沖津の過去や見えない敵の正体など、まだまだ目が離せない。次回作が待ちきれません。
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機龍警察シリーズ、4作目。
今作のメインは城木理事官と由起谷警部補、かな。テーマはチェチェンのテロ組織「黒の未亡人」。
毎回のことではあるが、近未来SF設定でありながら、時代背景の描写では現実を痛烈に突きつけられる。やっぱり日本人として日本で生まれ育った私には、チェチェンの出来事も、少年兵のことも、遠い国のモノと片付けてしまっていることを否めない。「平和ボケ」って言葉があるけど、、、まさに自分のことではないかと胸が痛くなってくる。そんな中、カティアの取り調べでの由起谷主任の言葉は響いた。次元が違う者同士、絶対同じ痛みを共有できないと分かっているだけに、それでもカティアの心を動かす言葉が存在 -
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堂々のこのミス第5位。
連作にも関わらず、しかも4冊目なのにこの評価!凄いんじゃない?
ドラグーンに乗る搭乗員を順番に紹介するシリーズは終わってどうするのか、と思っていたら自爆をものともしない最強テロ集団「黒い未亡人」が登場。
女だけの戦闘集団、しかも自爆させるのは少年兵(少女)と言う日本の常識では有り得ない、しかし世界の潮流の中で見れば現実に有りうる組織。
これに立ち向かう日本警察、如何に近未来の設定とはいえ描写は難しいだろうな~との危惧をものともしない作者の筆力。
少年兵と戦う搭乗員と整備主任の苦悩が描写されるが特にしつこくもなくサラッと流す。
特捜と外三、神奈川県警、警視庁、と登場部署は -
購入済み
こんどはチェチェンか!
1作目はチャイナ、2作目はアイルランド、3作目はロシアと、世界の裏社会と日本の警察が派手な戦いを繰り広げる本シリーズの最新作。
ついにチェチェンが舞台だ!もう次はアラブに行くしかあるまい。
それはさておき、本作も素晴らしい出来で満足。暴力の支配する荒廃した地からやってきた少女と、暴力を内に秘めながら克服した警察官の心のやりとりを軸に、いろいろな要素がぶち込まれた網目模様のドラマが破綻なく成立していて楽しめました。
あいかわらず装甲機兵の戦闘シーンは迫力があるけど、それすら今作では脇役っぽい。
ラストは、今後の伏線か?
それにしても......警官が死に過ぎ。 -
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機龍警察シリーズ、3作目。
今回は龍機兵搭乗要員の1人、ユーリ・オズノフにクローズアップ。元ロシア警察の捜査員であり、無実の殺人容疑を掛けられていたユーリ。前回のライザも同様であったが、あまりに壮絶な過去に言葉を失うほど圧倒された。その壮絶さに対し、ストーリー自体はSFなれど、ロシアの現状を上手く填め込んであって、単なる絵空事と感じさせないのがこのシリーズの凄いところ。また、3人の龍機兵搭乗要員の中ではユーリが一番人間的な弱さを持っているキャラであるだけに、ライザ以上に感情移入もしやすく、展開に胸を打った。今のところ、シリーズの中では今作が私の一番。 -
購入済み
ユーリの生い立ちが明らかに!
今作はロシア人の元警官であるユーリに焦点があてられています。いつも損な役回りのユーリですが、本作でもいつにも増して虐められています。メインキャストなのに。
ライザがメインだった前作ほどの華(というには暗いが)はないけど、ストーリーの面白さは増していますね。このシリーズ、作を追うごとにパワーアップしていているで楽しみです。
そういう点では、3作で3人の主人公を描き切ってしまったのに話は終わりそうもない、という今の状況、どう展開するんだろう? -
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ネタバレ地上の楽園
著者:月村了衛
発行:2025年10月25日
中央公論新社
初出:『中央公論』2024年4月号~2025年4月号(連載)
今年の本屋大賞へのノミネート作品発表が、2月6日、今週の金曜日に発表になるが、候補になり、大賞を取ってもおかしくないほどの傑作だった。475ページの大作である点も、書店員好みと言える。ただし、ノミネート作品予想をいろんな人がしているが、この本を挙げた人は今のところ見つからない(^o^)。昨年中に読んでいれば、間違いなくナンバーワン本。
1960年から実際に始まった在日朝鮮人の朝鮮人民共和国への帰国。北朝鮮本国の公認で行われた朝鮮総連による「帰国運動」、日本 -
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常に現時点の社会問題と並走するような物語を紡いでくる月村了衛さん。本作もまた、今の時代の空気をそのまま吸い込むような一冊。
描かれるのは、「普通の人生」を生きるために、小学生の頃から細心の注意を払ってきた青年の告白。自分語りの形式で綴られる文章は、読み進めるほどに痛々しさと禍々しさを増していく。それは特異な犯罪者の物語というよりも、「今、普通の底にいる人間の、普通の話」と感じられるからかもしれない。
先のことを考え、踏み外さぬよう行動してきたはずの主人公。しかし人生の途上で、ふとした拍子に闇に引き寄せられそうになる瞬間が訪れる。一度は踏みとどまり、社会人としての道を歩み始めたにもかかわらず -
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今回の特集は、昭和に流行ったオカルトについてと小泉八雲さんの2本立てで、ユリゲラーさんや つのだじろうさんのインタビューも掲載されていました。
先月「緊急検証!THE MOVIE」を読んだばかりの私には、ユリゲラーさんが立て続けに出てきたから、懐かしいというよりも「ブーム再来!?」って勘違いしてしまいそうになる(笑)
加門七海さんが当時のご自身のことを「心霊現象のみに強い関心を抱いていた」って仰られてたけど、考えてみれば私もそうだったかもしれない。オカルト全般というより、心霊と超能力に惹かれてたから、夏休みには毎年「あなたの知らない世界」とかワイドショーの心霊写真特集を友達と観たりしてたし、