月村了衛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
月村了衛『十三夜の焔』集英社文庫。
お気に入りの作家の一人である月村了衛の小説ということで特に気にせず購入したが、時代小説であった。月村了衛には『コルトM1851斬月』『コルト1847羽衣』『神子上典膳』『水戸黄門 天下の副編集長』といった面白い時代小説もあるので、期待出来そうである。
感動の結末が待つ、ピカレスク時代小説だった。しかし、随分と時間経過の長い、込み入った話に仕立てたものだ。多くの時代小説に倣い、単純明快、勧善懲悪のストーリーの方が良かったのではないか。それでも十二分に面白いことは保証しよう。
天明四年五月の十三夜。御先手弓組番方である幣原喬十郎は、湯島の路上で男女の斬殺 -
Posted by ブクログ
ネタバレ凌玄という僧侶が燈念寺派のトップを目指す物語なのだが、そんな単純なものでもない。仏教の世界の権力争いと言えばそれまでだが、ヤクザも絡んで途轍もない話になる。ヤクザの抗争、友人の裏切り、そこに女の世界の掟も加わる。えげつない世界を見せてもらった。凌玄にとっては因果応報なところもあるが、なかなか世の中は上手く回っているとも言える。それが釈迦の教えなのかもしれないが、私には分からない。京都弁のセリフは慣れていないと読みにくいかもしれないが、個人的には京都の裏っ側を見事に表現していると思う。私には馴染みの言葉なので、気持ちの強弱を含めて強く心に描写された。
-
Posted by ブクログ
ネタバレどうかなと思いつつページ開けば大変読みやすく、一気読みできた犯罪小説でした。
主人公川辺優人は幼少より普通を意識して行動し、周りの人からもそう思われながら社会人になったものの過去の悪事から逃れられず死刑にもなる犯罪を犯すわけですが。
自分を顧みると物心ついた時にはもう自分が普通でない事を意識していたので(自称生まれながらのオタク)、普通である事など苦痛で仕方なかったんですけど、でも高校時代あたりから「このままだと社会生活送れなさそう」と危機感を抱き、どうにかこうにか世間一般的な普通を意識して日々送っている訳ですがそれでも気が付くと世間から離れてる自分を意識してしまうのですね。
そういう普通 -
Posted by ブクログ
ネタバレ《あらすじ》
時はバブル前夜。日本最大宗派燈念寺宗系末寺の跡取り息子凌玄は、実家の寺を立て直すために総本山の宗務を司る総局部門に入職し、幹部僧侶になるべく日々職務に励んでいた。
ある日、文部部長の空善から「売却予定の夜久野の整地現場に顔を出してこい」と立会を命じられた凌玄は、そこで地元の老人が、厳斗上人所縁のものであるからと仏堂の取り壊しに強く反対している姿を目撃する。
帰社後、凌玄はこの件を調べて空善や室長の潮寛に報告するが、実はこの2人は黒幕である統合役員暁常の元、お山の土地売却によって利鞘を得ようと企んでいた張本人たちであった。
2人は凌玄を懲罰にかけ宗門から追い出そうと画策するが、凌玄 -
Posted by ブクログ
読書備忘録939号。
★★★★。
読んでてぜんっぜん!楽しくない!
メンタルを根こそぎ持っていかれる!
★5つは無理!
主人公の転がり落ちていく不幸が自分のこととして夢に出て来そう。
なんなら、既に家を出た息子とか娘の人生が破壊される可能性があるのでは?とうなされる・・・。
主人公の川辺優人。
どうやら誰かに手紙を書いている。
第一の手紙。
この世に生まれて普通に幼稚園に通い、普通に中学を卒業するまで。普通に。
第二の手紙。
高校から新卒で入社した教育コンテンツを手掛ける会社を退職するまで。
普通でいたいが為に高校でちょっと判断を誤る・・・。
さらに普通が良かったんじゃないの?と思わざる