月村了衛のレビュー一覧

  • 普通の底

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    普通の人の裏側に潜む、闇や弱さを見た気がする。
    私も普通でありたいと思ってしまう人の1人なので、主人公の川辺のように悩んだり矛盾したりしているし、ジャーナリストの章で評される「浅い」にぐさっときた。
    きっかけは些細で、運も悪かったかもしれないけど、川辺が引き返せる点はあったと思う。
    若者がこの本を読んで、日常に潜む危うさに流されないで欲しいなと思う。
    極限状態の描写が圧巻だった。

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    2026年02月24日
  • 対決

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    月村了衛『対決』光文社文庫。

    NHK BSで春から全5話でドラマ化されるようだ。

    医大の女子受験生の一律減点という前代未聞の不正の事実を女性新聞記者が暴こうと奮闘する社会派小説である。

    医大の裏口入学や女子受験生の一律減点という話はニュースなどで耳にしたことがある。裏口入学はもとより、女子受験生の一律減点など受験生の側からしたらたまったものではない。

    裏口入学に関しては地方の私立医科大学などでは金さえ積めば入学出来るという話は数十年前からあり、実際にその医大を出た医師の多くは能力が低く、不人気である。

    また、近年は社会がハラスメントに対して厳しくなり、ジェンダーレスが叫ばれ、女性差別

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    2026年02月17日
  • 普通の底

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    ネタバレ

    「普通」でい続けるって難しいよ。
    というか、普通でありたいと願うがあまり、誰が見ても間違った道に踏み出そうとしている時も、「これが普通に違いない」って勘違いしちゃって結局大間違いを起こしてしまう。

    私も「悪目立ちだけはしないようにしよう」っていうのは特に中高生の頃は考えていたけど、この川辺の目指している「普通」は「無個性」に近い印象を受ける。そういう人は、結局誰にとっても「都合のいい人」になりがちで、だから高井戸や菊池やケーシンや五十嵐に目を付けられてしまったんじゃないだろうか。

    「普通」の人生でありたいと強く願った結果、それが仇となって川辺は人生を踏み外していくけど、一番不幸なのは本人が

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    2026年02月11日
  • 普通の底

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    普通とは何なのか?を考えさせられる物語でした。
    時代の世相を交えたストーリーでリアリティがあり、主人公の一見合理的な思想も興味深く面白かったです。
    本来は恐ろしい犯罪である闇バイトが、滑稽に思える描写でコントのようで面白かったです。

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    2026年02月05日
  • 地上の楽園

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    ネタバレ

    地上の楽園

    著者:月村了衛
    発行:2025年10月25日
    中央公論新社
    初出:『中央公論』2024年4月号~2025年4月号(連載)

    今年の本屋大賞へのノミネート作品発表が、2月6日、今週の金曜日に発表になるが、候補になり、大賞を取ってもおかしくないほどの傑作だった。475ページの大作である点も、書店員好みと言える。ただし、ノミネート作品予想をいろんな人がしているが、この本を挙げた人は今のところ見つからない(^o^)。昨年中に読んでいれば、間違いなくナンバーワン本。

    1960年から実際に始まった在日朝鮮人の朝鮮人民共和国への帰国。北朝鮮本国の公認で行われた朝鮮総連による「帰国運動」、日本

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    2026年02月05日
  • 普通の底

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    常に現時点の社会問題と並走するような物語を紡いでくる月村了衛さん。本作もまた、今の時代の空気をそのまま吸い込むような一冊。

    描かれるのは、「普通の人生」を生きるために、小学生の頃から細心の注意を払ってきた青年の告白。自分語りの形式で綴られる文章は、読み進めるほどに痛々しさと禍々しさを増していく。それは特異な犯罪者の物語というよりも、「今、普通の底にいる人間の、普通の話」と感じられるからかもしれない。

    先のことを考え、踏み外さぬよう行動してきたはずの主人公。しかし人生の途上で、ふとした拍子に闇に引き寄せられそうになる瞬間が訪れる。一度は踏みとどまり、社会人としての道を歩み始めたにもかかわらず

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    2026年02月03日
  • 機龍警察〔完全版〕

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    海外ドラマにあってもいいよね。
    映画はパシフィックリムとかトランスフォーマーとかあるから、海外ドラマ。
    2時間では終わらないですよ。ってぐらい次作に期待大。搭乗員3人、誰しもが闇をもってるし部長も謎。はぁ、面白い。
    とにかく早く、最後の2冊を文庫にしてー!

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    2026年02月01日
  • 怪と幽 vol.020 2025年9月

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    今回の特集は、昭和に流行ったオカルトについてと小泉八雲さんの2本立てで、ユリゲラーさんや つのだじろうさんのインタビューも掲載されていました。
    先月「緊急検証!THE MOVIE」を読んだばかりの私には、ユリゲラーさんが立て続けに出てきたから、懐かしいというよりも「ブーム再来!?」って勘違いしてしまいそうになる(笑)

    加門七海さんが当時のご自身のことを「心霊現象のみに強い関心を抱いていた」って仰られてたけど、考えてみれば私もそうだったかもしれない。オカルト全般というより、心霊と超能力に惹かれてたから、夏休みには毎年「あなたの知らない世界」とかワイドショーの心霊写真特集を友達と観たりしてたし、

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    2026年01月26日
  • 槐(エンジュ)

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    ネタバレ

    またまた面白い、なんか凄く映像向きな作品が多い気がする。土漠の花、影の中の影、ガンルージュもこれも。教頭先生!やってくれると思ったよ。銃はいりませんって瞬間に。本当に面白かった、月村さん次は何読もうかな。

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    2026年01月22日
  • 普通の底

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     オーディブルで聴いたのだが、すごい作品である。ごく普通の人が、いつの間にか犯罪に巻き込まれ、殺人者として死刑を宣告されてしまう。そんな現実が実際にあるのだろう。闇バイトに従事せざるを得なかった若者の実際はごく普通の人なんだと…。かつては普通の人は普通に生きれたのに、現代社会では普通に生きることさえ難しくなっているのだと思う。

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    2026年01月21日
  • 普通の底

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    今までにない月村作品に完全に惹き込まれてしまった。
    主人公からの獄中からの手記ということには全く気づかず読み進めていくなかで、なぜ犯罪に手を染めていくのか、第三章に続くまでのその時々の心理状態が丁寧に描写されているけど、見事に薄っぺらい笑

    果たしてこんなにもうまくいかない人生ってあり得るのか、逆にうまくいくってどんなことなのか、そして普通って何?と改めて考えさせられる作品であるのは間違いない。

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    2026年01月18日
  • 地上の楽園

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     北朝鮮帰還運動!この時代に生まれなくて良かったとつくづく思う。
     史実を忠実に描き切った作者に拍手。このような問題作を提示するとは恐れ入った。イヤミスとは違うが、ずっと重たい雰囲気のまま話は進んでいく。
     朝鮮戦争と日本の立ち位置など現在では窺い知れぬ歴史を小説の形で具現化した衝撃の問題作と言える。

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    2026年01月15日
  • 地上の楽園

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    ネタバレ

    本書は1959年から1967年にかけて行われた在日朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)による北朝鮮帰国運動をベースに書かれた小説である。
    北朝鮮帰国運動は、在日朝鮮人とその家族を集団的に北朝鮮へ帰国させるための運動で、約9万3千人が永住帰国した。
    日本社会でひどい民俗差別を受け、貧困生活を送っていた在日朝鮮人たちは、朝鮮総聯が、衣食住の心配のない「地上の楽園」と喧伝する北朝鮮での暮らしに夢を託した。
    ところが、帰国した先に待ち受けていたのは、常軌を逸した強制重労働と非人間的生活環境だった。
    彼らは、北朝鮮の社会主義体制のもと、「在胞」、「帰胞」として新たな差別を受け、思想教育や監視の対象になることもあり

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    2026年01月16日
  • 虚の伽藍

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    手段が目的になり、祈りが犠牲者を生む。組織の維持が目的ではなく、民衆の願いを叶えるために祈るのが信仰やと思います。まあこの作者の事やから虚実の実の方が多いかもしれまへんな。御仏のみが知る、でっか。

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    2026年01月14日
  • ガンルージュ

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    単純に面白い!
    ゆうたろう、将来は公安入ってくれないかな。美晴の元カレ誰だろうね。影?
    とりあえず、ありえない設定だけどありえなくもない。月村了衛さん、ハマるー!

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    2026年01月12日
  • 地上の楽園

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    朝鮮総聯の口車と高校の恩師の紹介で読んだ「38度線の北」に感化され、北朝鮮帰国事業に心身を捧げ、家族、知人に北への帰国を説いて回り、実の兄をも北に送った孔仁学だが、北での生活の悲惨な実態を知った帰国者の家族たちからその行いをなじられ、一家の生活は崩壊し、恩師は自ら命を絶つ。

    愚連隊で人殺しに関わった仁学の友人玄勇太は、仁学の誘いに乗り第一次帰国船で母弟妹とともに北に渡るが、そこに待っていたのは大阪鶴橋猪狩野での朝鮮人差別を遥かに上回る帰国者(「帰胞」)差別と衣食にも事欠く貧困、筆舌に尽くし難い朝鮮当局者による弾圧だった。

    作中、命からがらの脱北に成功し裏社会で生き永らえだ勇太が罪悪感に苛ま

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    2026年01月10日
  • 東京輪舞

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    昭和から平成の終焉まで、公安に勤務していた砂田の生き様を通して綴る警察歴史小説。ロッキード事件、オウムサリン事件をはじめとする歴史的な大事件を絡めて、公安警察、ロシアの女スパイ、警察内の軋轢、政治家たちの思惑、暗殺、裏社会の男たちの姿を矛盾なく描いていていつのまにか物語の終わりが来る。前半ロッキードの辺りは自分の知識が無いこともあり中々読み進まなかったが、後半はテンポよく読むことが出来た。
    何よりこの小説の事件はすべて記憶にあるので、そんな舞台裏があったのかな??と当時の空気感を思い出す。
    エンディングがまた素晴らしい。

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    2025年12月13日
  • 虚の伽藍

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    ネタバレ

    いやー、好きだわー。
    まさに月村作品って感じ。
    鎌倉殿の13人の北条義時か。
    はたまたSWのアナキン・スカイウォーカーか。
    権力というのは恐ろしい。

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    2025年12月09日
  • 白日

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    初読み作家さんでしたが、なかなか読み応えありました。

    出版社の教育部門で推し進めている新規プロジェクトである「黄道学園」。引きこもりや不登校の子どもたちにとっては理想的な学園。

    そのプロジェクトの局長の息子が転落死。自殺か事故か?プロジェクトの行方を左右する大問題!

    企業の派閥争い、隠蔽、出世争い、あ〜中間管理職て大変なのね…。



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    2025年12月04日
  • 奈落で踊れ

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    ブグトモの皆さんが“敦煌”を賑わせていたので、
    やはりその波に乗るべく読ませていただきました。
    勝手に「敦煌現場の描写」が主軸だと思い込んでいました。むしろ物語が始まるのは 1998年・大蔵省接待汚職事件の発覚後。
    敦煌でどんな“おもてなし”が行われていたのか、
    偏差値の高いエリート官僚様たちがどれほど歓待されていたのか――
    そのあたりの生々しさをもっと読めたら、と思いました。

    事件そのものは先人読者のレビューが充実しているので、私が驚いたことをひとつ。
    この作品、実名の政治家が何人も登場するんですよね。
    ひゅん、と背筋が冷えました。
    もちろんフィクションとしての扱いですが、
    当時も特に差し

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    2025年11月27日