月村了衛のレビュー一覧

  • ガンルージュ

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    月村了衛『ガンルージュ』文春文庫。

    二人の女性が韓国特殊部隊と死闘を繰り広げる荒唐無稽な痛快アクション小説。ユーモラスな要素もあり、雰囲気は映画『トゥルーライズ』にも似ている。

    元公安捜査官のシングルマザー・秋来律子は隠密作戦中の韓国特殊部隊に息子と息子の同級生を拉致される。息子を救出するために律子は元ロックシンガーの体育教師・渋矢美晴と共に韓国特殊部隊と死闘を繰り広げる。

    律子が冷徹な殺人マシーンならば、美晴はお笑い系アマゾネスという感じで二人の掛け合いが面白く、最後まで一気読みだった。そして、美晴が元彼とよりを戻すラストに期待したのだが、それは叶わなかったようだ。

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    2018年10月23日
  • 槐(エンジュ)

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    グロテスクな場面も一部ありますが、手に汗握る展開が続き後半は特に一気に読んでしまった。主人公は中学3年の男子生徒。それから野外活動部の部員達。決して正義のヒーローではない〝槐〟と実は誰よりも本物の教師だった教頭先生。夏休みの合宿で訪れた先での、死と隣り合わせのサバイバルが今始まる‼︎

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    2018年07月10日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    機龍警察シリーズ第四弾はこれまでの作風からまたちょっと変えてきた。今回は突撃要員ではなく由起谷・城木が主役。作者の月村さんは特に由起谷がお気に入りなんだろうなというのが伝わってくる(実際、次作の短編集でもフューチャーされている)。今回は戦場で常に犠牲となる女性と子供からなるテロ組織が空いて。自分たちの身を守るための自衛組織がいつの間にかテロ組織に変質していく恐ろしさが書かれている。またそんな組織に物心つくころから身を寄せる少女シーラの心情も上手く描かれている。そのシーラと由起谷との取調室でのやり取りがこれまでの龍機兵との動的活躍とは対照的な静的緊張感に溢れた良作。由起谷は幼いころからテロ組織で

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    2018年05月16日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    ネタバレ

    機龍警察、自爆条項、暗黒市場、そしてこの未亡旅団とGW期間に一気読み。今回はユーリも息をのむほどのチェチェンでのテロと憎しみの連鎖、未成年テロリスト カティアと由起谷の交流、全編にちりばめられた機龍兵の戦闘シーン、姿やライザと黒い未亡人<剣の妻>、<風の妻>との死闘、等々、読み応え半端なし。そしてラスト、カティアの手紙には誰もが涙するはず。未読の方は是非一気読みを。

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    2018年05月03日
  • 影の中の影(新潮文庫)

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    ノンストップ・アクションで良いな~
    カーガーのキャラも良いけど、懐かしの任侠映画の中で見たような極道達も良かった。
    終章はもっとサラッと纏めちゃって欲しかったな

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    2018年04月03日
  • 槐(エンジュ)

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    五月蠅いだけかと思った教頭が実は…な展開が好きだ。
    アクション展開が必殺シリーズを思わせるという解説に賛同

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    2018年03月24日
  • 影の中の影(新潮文庫)

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    とにかく面白かった。
    事件終了後も丁寧に拾われていてスッキリとした終わり方。
    ただ、世界中にはきっと本書の内容のような、平和な国に暮らす我々には想像もつかない闇の部分がいくらでもあるのだろう。

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    2018年03月24日
  • 機龍警察 暗黒市場

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    機龍警察シリーズ第3弾
    本作はシリーズ中最高傑作の呼び声高い1冊。
    面白さの要因は何と言ってもシリーズが深まり書き手も読み手も機龍警察に慣れてきたこと。
    想像上の兵器、龍機兵の説明とか警備部を取り巻く環境とかいちいち長ったらしい説明が端折られてきて非常に読み易くなった。
    また自分は龍機兵と言うものに慣れてきて頭にイメージが出来るようになってきたので戦闘シーンも臨場感が出てきてスリルを感じるようになった。
    もちろんストーリーは色々なものが詰め囲まれた折り紙つきの面白さです。

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    2018年03月14日
  • 影の中の影(新潮文庫)

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    いつもの、絶望的なまでのシチュエーションで始まり、魅力的なキャラクター、そして圧倒的なアクション。ちょっと長めのエンディングも良かった。

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    2018年03月07日
  • 機龍警察 暗黒市場

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    「ロシアの闇は深い」
    第三作目は“魔犬”「バーゲスト」の搭乗員であるオズノフが主役。元刑事でもある彼がいきなり警察を辞めさせらたところから話は始まる。そんな彼が頼ったのはかつての友であり現在はロシアン・マフィアであるゾロトフ。彼との因縁をはじめ、オズノフが日本にたどり着くまでの数奇な運命、彼がなぜ刑事であることにこだわるのかが描かれている。そして彼は過去と対峙しなければならない苦境に立たされる。今作もラストまで緊張感が途切れないストーリー展開は圧巻。最後は少々お涙ちょうだいな感じがするが今後の展開を見据えれば仕方ないか。作者がロシアの警察に関する文献が日本では見つからないと知り(トム・ロブ・

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    2018年03月01日
  • 機龍警察 狼眼殺手

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    これまで曖昧にされていた龍機兵という存在について焦点を当てた巻。テロリストの抑止力としての龍機兵の存在の大きさを改めて実感した。
    今作の驚くべきところは、機甲兵装の出番がないにもかかわらず、これまで積み上げていた登場人物の背景や物語のおかげで、退屈するどころかより面白く感じられる点だ。
    新作が出るたびに前作より面白いと感じられる本シリーズ。その分ハードルが高くなっているため不安な気持ちもあるが、それでも早く新たな特捜部の活躍が見たいという気持ちが止まない。

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    2020年10月03日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    テロ組織『黒い未亡人』との戦いと由紀谷、城木に焦点が当てられた物語。今作からは突入要員の3人が中心になることはないが、前作で過去を知っている分、各言動により深みが増して見えて面白い。また、1作目から話題に上がっていた「敵」の正体が徐々に明らかになっていく。外部からの敵と機甲兵装で戦いつつ、内部の敵と政治的に争う構造は複雑ながらも読みごたえがあり、飽きさせない。

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    2017年12月23日
  • 機龍警察 狼眼殺手

    購入済み

    キリアン・クインも鈴石輝正も

    読んでいるうちに、正義というものの定義が分からなくなった。誰もが自分の乗っている車窓から見える景色こそが正義の景色と主張する。しかし読了と共に、人の為を想い行動する正義、ぶれずに貫く正義こそが、真の正義と知ることが出来た。良い作品に出会えました。

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    2017年09月30日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    ネタバレ

    「機龍警察」シリーズ4作目。
    今作はチェチェン紛争で家族を失った女性・少女で構成されるテロ組織「黒い未亡人」との闘い。未成年でありながら機甲兵装を駆り自爆をも辞さない敵と対峙することとなる特捜部。これまでとは全く異なる困難な任務、そしてある意味では最強の敵。緊迫感が尋常でない。
    戦闘シーンも安定の迫力。「風の妻」ファティマVS姿・「剣の妻」ジナイーダVSライザの生身での白兵戦、ビル内部で繰り広げられる機甲兵装同士の肉弾戦は手に汗握る激しさ。
    何よりも少女テロリスト・カティアの存在が大きい。
    真正面から向き合う由起谷に心を開いていく姿、同じような境遇のライザからのメッセージ、裏切り者になりながら

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    2017年08月28日
  • 機龍警察 自爆条項〔完全版〕 下

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    本作が、本シリーズの本当の意味での最初の物語と言われるのも納得の、充実内容に満足。テロリストの過去を持ちながら警察組織に属するという、謎だらけの美人が主人公で、彼女の人間性が少しずつ晒されるってことだけでも興味津々。テロ対警察の知略対決もスリリングだし、最後の直接対決も迫力満点。彼女の穏やかな微笑が目に浮かぶようなクライマックスも美しい。分量のこともあってか、前作は多少の物足りなさを感じたけど、2作目の本作には大満足。このシリーズはまだまだ読んでみたいですね。

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    2017年08月12日
  • 機龍警察 自爆条項〔完全版〕 上

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    まだ前半だけど、既に緊迫のドンパチシーンがあったりで、求心力は抜群。前作の細かい内容を忘れてしまったけど、読んでいるうちに、何となく理解できるようになっている構成も有難い。ということは、本作から入ってもほぼ問題なく楽しめるであろうこともうかがえます。一作目では確か、各キャラの人物描写は殆どなかったから、今回、元テロリストの彼女のエピソードが細かく描かれているのも興味深い。更なる盛り上がりが予想される後半が楽しみ。

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    2017年07月22日
  • 槐(エンジュ)

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    夏休み恒例の合宿のため、寂れたキャンプ場を訪れた水楢中学校野外活動部の弓原公一はじめ7名の部員と2名の教諭。
    初日の夕方、夕食の準備をする彼らの耳に聞こえてきたのは、立て続けの銃声。突如、半グレ集団の関帝連合によりキャンプ場が封鎖、キャンプ客たちが虐殺されはじめる。
    公一たちも捕らえられ、絶体絶命のピンチに陥ったとき、正体不明の何物かが半グレ集団への反撃を始め…

    一片の同情の余地もない、とことん凶暴で狂った集団(ただワル知恵はよく働く)に、謎の戦士の協力を得ながら立ち向かう、それぞれに悩みや問題を抱えた中学生たちという構図が、ものすごい緊張感と、(不謹慎かも知れませんが)時折、ある種の痛快さ

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    2017年07月09日
  • 槐(エンジュ)

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    月村了衛『槐』光文社文庫。

    冒頭を読み始め、学園青春物のホラー小説なのかと思ったのだが、いきなりストーリーは全く予想外の急展開を見せる。読み終えてみれば、爽快感が残る何とも物凄い冒険アクション小説だった。

    中学校の野外活動部の合宿で湖畔のキャンプ場を訪れた弓原公一たちは、とんでもない惨劇に遭遇する。半グレ集団の関帝連合がキャンプ場を封鎖し、宿泊客を無差別に惨殺し始めたのだ。絶体絶命の状況下で関帝連合に独り立ち向かう謎の人物…

    必殺仕置人、或いはダイハードのジョン・マクレーン、はたまたゴルゴ13のような冷徹なダーク・ヒロイン・槐が何とも魅力的だった。また、中学生たちを守るために自らの命を賭

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    2017年06月17日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    機龍警察は鉄板なのである。
    作中の一行一行がいい大人の胸を
    ドキドキワクワクで一杯にしてしまう。

    ここまで完成度の高いシリーズは他にありません
    号を追うほどに濃密で狡猾で泥だらけな物語が面白さを加速する。

    日本中の男性諸氏に読んでもらいたいです。


    機龍警察は鉄板です

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    2017年01月24日
  • コルトM1851残月

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    前半部と後半部のどちらがより好きか?
    と問われたなら迷わず答えられますが、
    それは単に好みの問題。

    兎に角、頭の先から足のつま先まで
    重厚で暗い世界観に
    どっぷりつかりながら
    楽しく読み終えました。

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    2016年11月02日