月村了衛のレビュー一覧
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ニュースで知っているつもりだったが、「地上の楽園」という幻の看板に騙され、送った側と送られた側の人間を小説を通して、その登場人物と共に楽園どころか生き地獄だったことを体感して、実際には何もわかっていないことを痛感した。
第二部で描かれた次々と人が…目を覆いたくなるような、でもページを捲る手が止まらない社会派だけでないエンタメ小説としての面白さにもグングン引き込まれた。
何よりも恐ろしいのは、
「流れに逆らうものを寄ってたかって叩こうとするのが日本人の国民性」
「拉致問題も帰国運動も根はひとつ…」
「薄々察知しながら、無視し続けた」
という政治家でありマスコミであり我々国民であるということだ -
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敦煌の人の!(しつこいか^^;)
安保法に投げかけてるんかな?
自衛隊の精鋭と言われてる習志野空挺団で。
海外にPKO。
ちなみに、
PKOとは、「国際連合平和維持活動(United Nations Peacekeeping Operations)」のことで、国連が紛争地域の平和維持を支援する活動。
PKOとは言え、周りでテロ組織とかが近くで、バンバンやってるとこで、武器使わんと大丈夫とかは言ってられんしな。
自分を守る為にも、戦闘行為をせざるを得ない事もあるとは思う。
まぁ、この話の中での活動というか戦闘は、ちょっと大規模過ぎるような気はするけど…
そういう、安保法とかそういう事考 -
Posted by ブクログ
月村了衛『十三夜の焔』集英社文庫。
お気に入りの作家の一人である月村了衛の小説ということで特に気にせず購入したが、時代小説であった。月村了衛には『コルトM1851斬月』『コルト1847羽衣』『神子上典膳』『水戸黄門 天下の副編集長』といった面白い時代小説もあるので、期待出来そうである。
感動の結末が待つ、ピカレスク時代小説だった。しかし、随分と時間経過の長い、込み入った話に仕立てたものだ。多くの時代小説に倣い、単純明快、勧善懲悪のストーリーの方が良かったのではないか。それでも十二分に面白いことは保証しよう。
天明四年五月の十三夜。御先手弓組番方である幣原喬十郎は、湯島の路上で男女の斬殺 -
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ネタバレ凌玄という僧侶が燈念寺派のトップを目指す物語なのだが、そんな単純なものでもない。仏教の世界の権力争いと言えばそれまでだが、ヤクザも絡んで途轍もない話になる。ヤクザの抗争、友人の裏切り、そこに女の世界の掟も加わる。えげつない世界を見せてもらった。凌玄にとっては因果応報なところもあるが、なかなか世の中は上手く回っているとも言える。それが釈迦の教えなのかもしれないが、私には分からない。京都弁のセリフは慣れていないと読みにくいかもしれないが、個人的には京都の裏っ側を見事に表現していると思う。私には馴染みの言葉なので、気持ちの強弱を含めて強く心に描写された。
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ネタバレどうかなと思いつつページ開けば大変読みやすく、一気読みできた犯罪小説でした。
主人公川辺優人は幼少より普通を意識して行動し、周りの人からもそう思われながら社会人になったものの過去の悪事から逃れられず死刑にもなる犯罪を犯すわけですが。
自分を顧みると物心ついた時にはもう自分が普通でない事を意識していたので(自称生まれながらのオタク)、普通である事など苦痛で仕方なかったんですけど、でも高校時代あたりから「このままだと社会生活送れなさそう」と危機感を抱き、どうにかこうにか世間一般的な普通を意識して日々送っている訳ですがそれでも気が付くと世間から離れてる自分を意識してしまうのですね。
そういう普通