月村了衛のレビュー一覧
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ネタバレ本書は1959年から1967年にかけて行われた在日朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)による北朝鮮帰国運動をベースに書かれた小説である。
北朝鮮帰国運動は、在日朝鮮人とその家族を集団的に北朝鮮へ帰国させるための運動で、約9万3千人が永住帰国した。
日本社会でひどい民俗差別を受け、貧困生活を送っていた在日朝鮮人たちは、朝鮮総聯が、衣食住の心配のない「地上の楽園」と喧伝する北朝鮮での暮らしに夢を託した。
ところが、帰国した先に待ち受けていたのは、常軌を逸した強制重労働と非人間的生活環境だった。
彼らは、北朝鮮の社会主義体制のもと、「在胞」、「帰胞」として新たな差別を受け、思想教育や監視の対象になることもあり -
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朝鮮総聯の口車と高校の恩師の紹介で読んだ「38度線の北」に感化され、北朝鮮帰国事業に心身を捧げ、家族、知人に北への帰国を説いて回り、実の兄をも北に送った孔仁学だが、北での生活の悲惨な実態を知った帰国者の家族たちからその行いをなじられ、一家の生活は崩壊し、恩師は自ら命を絶つ。
愚連隊で人殺しに関わった仁学の友人玄勇太は、仁学の誘いに乗り第一次帰国船で母弟妹とともに北に渡るが、そこに待っていたのは大阪鶴橋猪狩野での朝鮮人差別を遥かに上回る帰国者(「帰胞」)差別と衣食にも事欠く貧困、筆舌に尽くし難い朝鮮当局者による弾圧だった。
作中、命からがらの脱北に成功し裏社会で生き永らえだ勇太が罪悪感に苛ま -
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一気に読み終えた。
2人の在日コリアン男性を軸に、北朝鮮への帰還事業、その後の物語。
物語の序盤から現れるとある本や、その雰囲気は、旧ソ連に招かれた著名な作家たちのその後を思い起こさせ、日本人2人目のノーベル文学賞を受賞した作家がTVを見、「私には帰るべき北朝鮮がない」と涙したエピソードなどが脳裏に浮かんできた。
この数十年、政治家は話にならないとしても、いわゆるマスコミや進歩的文化人は一体、何をしてきたのだろう。何を無視し続けて来たのだろう。
拉致問題と帰還事業が密接に関わっている、作中のこの言葉が印象に残る。
当時と今、何か変わったのだろうか。
何も変わっていないのではないか、と唖然 -
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ブグトモの皆さんが“敦煌”を賑わせていたので、
やはりその波に乗るべく読ませていただきました。
勝手に「敦煌現場の描写」が主軸だと思い込んでいました。むしろ物語が始まるのは 1998年・大蔵省接待汚職事件の発覚後。
敦煌でどんな“おもてなし”が行われていたのか、
偏差値の高いエリート官僚様たちがどれほど歓待されていたのか――
そのあたりの生々しさをもっと読めたら、と思いました。
事件そのものは先人読者のレビューが充実しているので、私が驚いたことをひとつ。
この作品、実名の政治家が何人も登場するんですよね。
ひゅん、と背筋が冷えました。
もちろんフィクションとしての扱いですが、
当時も特に差し -
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ニュースで知っているつもりだったが、「地上の楽園」という幻の看板に騙され、送った側と送られた側の人間を小説を通して、その登場人物と共に楽園どころか生き地獄だったことを体感して、実際には何もわかっていないことを痛感した。
第二部で描かれた次々と人が…目を覆いたくなるような、でもページを捲る手が止まらない社会派だけでないエンタメ小説としての面白さにもグングン引き込まれた。
何よりも恐ろしいのは、
「流れに逆らうものを寄ってたかって叩こうとするのが日本人の国民性」
「拉致問題も帰国運動も根はひとつ…」
「薄々察知しながら、無視し続けた」
という政治家でありマスコミであり我々国民であるということだ -
Posted by ブクログ
敦煌の人の!(しつこいか^^;)
安保法に投げかけてるんかな?
自衛隊の精鋭と言われてる習志野空挺団で。
海外にPKO。
ちなみに、
PKOとは、「国際連合平和維持活動(United Nations Peacekeeping Operations)」のことで、国連が紛争地域の平和維持を支援する活動。
PKOとは言え、周りでテロ組織とかが近くで、バンバンやってるとこで、武器使わんと大丈夫とかは言ってられんしな。
自分を守る為にも、戦闘行為をせざるを得ない事もあるとは思う。
まぁ、この話の中での活動というか戦闘は、ちょっと大規模過ぎるような気はするけど…
そういう、安保法とかそういう事考