月村了衛のレビュー一覧

  • 土漠の花

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    ネタバレ

    著者初読。パイセン本。結果としてはこういう物語特有の「アメリカへの忖度」が・・・ということだが、終始緊迫した場面が続き、手に汗握る展開の連続だった。舞台はソマリア国境、遭難したヘリの捜索活動中に駆け込んできたビヨマール・カダン氏族の氏族長の娘アスキラ・エミル。本来なら戦闘行為を行うことのない自衛隊が戦闘に巻き込まれていく。途中の津久田にはうーんとは思ったが、でも、あれが日本人としては普通なのかもと思う。また、この地域の文化や風土にも興味が湧いたこともあり、実りのある大変有意義な読書時間を過ごせた。

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    2025年11月14日
  • 地上の楽園

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    ニュースで知っているつもりだったが、「地上の楽園」という幻の看板に騙され、送った側と送られた側の人間を小説を通して、その登場人物と共に楽園どころか生き地獄だったことを体感して、実際には何もわかっていないことを痛感した。

    第二部で描かれた次々と人が…目を覆いたくなるような、でもページを捲る手が止まらない社会派だけでないエンタメ小説としての面白さにもグングン引き込まれた。

    何よりも恐ろしいのは、
    「流れに逆らうものを寄ってたかって叩こうとするのが日本人の国民性」
    「拉致問題も帰国運動も根はひとつ…」
    「薄々察知しながら、無視し続けた」
    という政治家でありマスコミであり我々国民であるということだ

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    2025年11月06日
  • 地上の楽園

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     北朝鮮への帰国事業に係る虚偽と暗黒を描いた力作であり、実在の政治家やジャーナリストも登場する。3部構成で、終章は主人公達の今後への希望が描かれているが、若干白々しい。

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    2025年10月31日
  • 土漠の花

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    敦煌の人の!(しつこいか^^;)

    安保法に投げかけてるんかな?
    自衛隊の精鋭と言われてる習志野空挺団で。
    海外にPKO。
    ちなみに、

    PKOとは、「国際連合平和維持活動(United Nations Peacekeeping Operations)」のことで、国連が紛争地域の平和維持を支援する活動。

    PKOとは言え、周りでテロ組織とかが近くで、バンバンやってるとこで、武器使わんと大丈夫とかは言ってられんしな。
    自分を守る為にも、戦闘行為をせざるを得ない事もあるとは思う。

    まぁ、この話の中での活動というか戦闘は、ちょっと大規模過ぎるような気はするけど…

    そういう、安保法とかそういう事考

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    2025年10月21日
  • 土漠の花

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    ソマリアで任務に就いていた自衛隊の一個小隊がテロ組織の民兵に襲われていた女性を保護しつつ、自身たちも一人また一人と殺され、残された隊員が反撃しながら生き延びようとする物語。 内容はアクション映画のワンシーンが次々と頭に浮かぶような描写で一気読みしたくなる面白さ。それに加えて隊員1人1人の思いが随所に挟み込まれ、飽きさせない。本当に映画化して欲しい一冊。

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    2025年10月12日
  • 影の中の影(新潮文庫)

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    映像として情景が浮かびやすい物語で、飽きずに読めました。
    楽しかったです。
    なぜ映像化されていないのか疑問に思いました。
    VIVANTのようなイメージで行けそうだなと。
    どうしてガーガーとして生きることになったのか、
    政治としてのバランスなど、現実にこの世の中で蔓延っているんだなと。
    ビルでの戦闘が長く感じたので、少なくして、あと一展開あっても良かったなと思いました。

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    2025年10月11日
  • 土漠の花

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    自衛隊の海外派遣の話で興味深かった。リアルな設定でのエンタテインメントで面白い。
    徐々に明かされる過去によりキャラクターの魅力が増し、ストーリーも最後まで飽きさせない。

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    2025年10月04日
  • 半暮刻

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    ネタバレ

    虚の伽藍、欺す衆生と読んできて今回3作目の小説。翔太が刑務所から出てきて大切な人のために更生していく姿に救われた。後半は何となく展開が読める話ではあったけど、それでもページを捲りたくなった。月村さんの小説は社会の闇、グレーな部分が描かれていて事実を基にしている部分もあるようだが、毎回何でこんなに詳しいんだろうと感心させられる。

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    2025年10月01日
  • 欺す衆生(新潮文庫)

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    ネタバレ

    面白い
    詐欺の手口てこういう感じなのか~すごいなこれは騙されちゃうな
    主人公の不安定な線引き、読んでてこっちもちょっと理屈通らんな~と思うほど
    ほんとに嫌々やってるのか?思う間に足を洗うことなどできなくなってゆく
    かっこいいぞ進め!て気持ちと見てられないようもう解放してくれよ~て気持ちが一緒にある
    ラストもこの感情のまま、ただ呆然(ほめてる)

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    2025年09月30日
  • 十三夜の焔

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    月村了衛『十三夜の焔』集英社文庫。

    お気に入りの作家の一人である月村了衛の小説ということで特に気にせず購入したが、時代小説であった。月村了衛には『コルトM1851斬月』『コルト1847羽衣』『神子上典膳』『水戸黄門 天下の副編集長』といった面白い時代小説もあるので、期待出来そうである。

    感動の結末が待つ、ピカレスク時代小説だった。しかし、随分と時間経過の長い、込み入った話に仕立てたものだ。多くの時代小説に倣い、単純明快、勧善懲悪のストーリーの方が良かったのではないか。それでも十二分に面白いことは保証しよう。


    天明四年五月の十三夜。御先手弓組番方である幣原喬十郎は、湯島の路上で男女の斬殺

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    2025年09月27日
  • 土漠の花

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    自衛隊メンバーが軋轢もありながら力を合わせて窮地を脱出する物語。特に特筆すべきことはないが後半涙が流れてしまうのは歳のせいだけでは無いはず。

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    2025年09月23日
  • 機龍警察 狼眼殺手

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    今回は生身の戦い。なんとなく敵の姿がみえつつ。非合法で日本を守るような裏の警察組織なのか??
    読みやすさ、スリリングな展開、キャラクターの魅力度ともに素晴らしいだけに、そろそろストーリーのモヤット感をスッキリしてほしもの。

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    2025年09月20日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    いつもながら敵テロリストの命名が絶妙。モビルスーツ同士の戦いも映像が見えてくるような文章でさすが。
    ただ、身内の敵なるものが、どうもしっくりこない。シリーズ続けてずっとこのモヤモヤが続くと思うと、せっかくの良い作品なのだが、食欲がなくなる可能性も・・

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    2025年09月20日
  • 虚の伽藍

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    千年の村社会ーまさに京都の本質
    うわぁ、すごいこと書くなぁ
    “再開発“といえば、もう利権の取り合いで汚い金の奪い合いは当たり前と思っていたが、そこに高い志を持っていたはずの若い僧侶がずぶずぶと落ちていく
    社会派かつ超エンターテイメントで面白かった

    この作品が高校生直木賞だなんて、自分が高校生でこんな社会派小説読んでなかった
    今の高校生恐るべし!

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    2025年09月15日
  • 虚の伽藍

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    ネタバレ

    凌玄という僧侶が燈念寺派のトップを目指す物語なのだが、そんな単純なものでもない。仏教の世界の権力争いと言えばそれまでだが、ヤクザも絡んで途轍もない話になる。ヤクザの抗争、友人の裏切り、そこに女の世界の掟も加わる。えげつない世界を見せてもらった。凌玄にとっては因果応報なところもあるが、なかなか世の中は上手く回っているとも言える。それが釈迦の教えなのかもしれないが、私には分からない。京都弁のセリフは慣れていないと読みにくいかもしれないが、個人的には京都の裏っ側を見事に表現していると思う。私には馴染みの言葉なので、気持ちの強弱を含めて強く心に描写された。

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    2025年09月10日
  • 普通の底

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    ネタバレ

    どうかなと思いつつページ開けば大変読みやすく、一気読みできた犯罪小説でした。

    主人公川辺優人は幼少より普通を意識して行動し、周りの人からもそう思われながら社会人になったものの過去の悪事から逃れられず死刑にもなる犯罪を犯すわけですが。

    自分を顧みると物心ついた時にはもう自分が普通でない事を意識していたので(自称生まれながらのオタク)、普通である事など苦痛で仕方なかったんですけど、でも高校時代あたりから「このままだと社会生活送れなさそう」と危機感を抱き、どうにかこうにか世間一般的な普通を意識して日々送っている訳ですがそれでも気が付くと世間から離れてる自分を意識してしまうのですね。
    そういう普通

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    2025年09月07日
  • 普通の底

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    普通として生きたかった青年が転落するまでの克明な記録。
    お受験から両親の不仲、クラスの様子など解像度が高く、読んでいてずっと沈んだ気持ちになる。
    高校の時に1回ミスをしたから転落した、と読み解くこともできるだろうが、実際は"普通"と思っていた選択肢が全て最悪となるほうに転がっていったように思う。今は底に沈むシステムができているので、一旦そこに乗ってしまうと抜け出すのは難しい。
    SNSで社会や政治に怨嗟の念を書いている人たちもこういうものなのかなぁ...と思えた。

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    2025年09月02日
  • 普通の底

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    どこにでもいそうなのに、この違和感をおぼえる浮世離れした感じの人は身近にはいないなと思えた。子どもの時からこんなに処世術を考えてこれたなら、きっといくつかの決定的な分岐点でも「普通でい続ける」選択をできたはずなのに。相手になめられてはいけない、弱みを見せてはいけない、そのような無意識の優越感が、曇りをもたらすのだろうか。小説がめちゃめちゃリアルだからこそ、自分との違いを見つけたくて仕方なかった。

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    2025年08月31日
  • 機龍警察 白骨街道

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    ネタバレ

    シリーズ6作目

    国際指名手配犯の君島がミャンマー奥地で逮捕された
    身柄の引渡し役として官邸に指名された突入犯3人 白骨街道
    城州グループと城邑毬絵

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    2025年08月27日
  • 機龍警察〔完全版〕

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    現在進行中のシリーズに手を出すのに多少ためらいはあったが、長編というより連作っぽいのと、月村さんなら途中で投げ出さないと信じ手に取る。相変わらず心地よいスピード感。時に長い回想シーンに興ざめる場面もあるが、10年以上昔の作品とは思えない。とりあえず現在発行されている分までは読もう。

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    2025年08月27日