月村了衛のレビュー一覧
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ロシア人の元刑事ユーリを中心にストーリーが進み、隠された過去も明らかになる、
マフィアへのスリリングな潜入捜査、警察内部闘争、友人・元恋人・同僚たちとの悲しみに溢れた愛憎劇、そして、主人公兵器パワードスーツ”機龍”の出番は少なめながら、ラストまであっという間に読めてしまうSFサスペンスシリーズ。
本作主人公ユーリに感情移入でき、失神するような火傷と打撲を味わう疑似体験できてしまった。
どうやら、次回作の文庫化するまで待てず、ハードカバー価格で買ってしまうぐらい世界観に、はまってしまったようだ。
この作品、アニメ・ハリウッド映画でではなく、海外で発表されないかなぁ、日本発SF文学作品として -
Posted by ブクログ
月村了衛『コルトM1847羽衣』文春文庫。
『コルトM1851残月』の姉妹作。今度は、伝奇時代ガンアクション任侠小説である。女渡世人の羽衣お炎が6連発のコルトで悪者たちを次々と撃ち倒す様は痛快。オドロ様の正体は想像通りであったが、その先の展開と結末には不満だった。
女侠客の羽衣お炎は、最新式のコルトM 1847を携え、失踪した信三郎の跡を追い、佐渡に渡る。佐渡に着くや何者かに襲われたお炎は、コルトM1847であっさり返り討ちにする。軽業師のおみんを乾分にしたお炎は、邪教集団『オドロ党』と佐渡奉行、薩摩藩士たちの企みに挑む。
本体価格900円
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Posted by ブクログ
元作家志望、現在中学の国語教師・汐野。学校では読書感想文コンクール選考の責任者となっている。代表となった生徒の作品が盗作だとSNS上で投稿された。盗作なのか悪戯なのか、校長・他教員、生徒家族、地方議委員まで巻き込み波紋は広がる。
教育現場だけでなく、地方政治の問題、心の闇まで広がっていたよ、それにそれぞれのダークな部分思いっきり出てた。
物語ではあるものの、学校の先生は改めて本当に大変だなあと思ったのと、問題の中学生が怖かったなあ。汐野の周りは歪んだ人ばかり。そんな人たちが汐野を奈落に突き落とす、げっそりしながら読み終えました。『山月記』よく読んでおくといいかも。