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日本のどこかでロシアン・マフィアによる武器密売市場が開かれようとしている。大物マフィアのゾロトフと組んだユーリは、バイヤーとして参加を許された。その背後で展開する日本警察と密売業者との熾烈な攻防。渦中のユーリは自分とゾロトフとの因縁の裏に、ロシアの負う底知れぬ罪業が隠されていたことを知る。時を超えて甦るモスクワ民警刑事の誇り――至高の大河警察小説、運命の影と灯火の第3弾。解説/宇田川拓也
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Posted by ブクログ
予想できないような、どんでん返しを期待する話も悪くはない。 しかしながら、本作のように、「クライマックスでたぶんこうなって欲しいよなあ」と思う読者の期待に、見事に応えてくれるのも素直に嬉しい。
泣いた。久々に胸が熱くなって泣いたよ。 熱い男、ユーリの生き様をみてくれ…読んでくれ! 「機龍警察」シリーズの3作目「暗黒市場」を! この3作目だけでも勿論おもしろいけれど、ユーリの葛藤と燻っていた灯火の炎が息を吹き返す感動は、是非ともシリーズ1作目から読んで体感して欲しい。
下巻は一気読み。 善悪が簡単には区別できないロシアの複雑さ、武器市場の取引現場における様々な思惑、目的が異なる日本の省庁間の駆け引きなどに翻弄されながらも極限の状態を薄皮一枚で耐え続けるユーリ。 賄賂に塗れた権力の犬であることを自覚しつつ、それを最小限に抑える矜持を込めた「最も痩せた犬」という通り名...続きを読むと、それを体現する「痩せ犬の七ヶ条」が随所で効いています。 物語の重厚さ、近未来的戦闘装備の独創性、細部まで練り込まれた主要人物の人格を形成する背景、先が予想できない目まぐるしい展開など、文句なしの星5つです。
脳が痺れる 没頭して読み終わって、心地よい脱力感 年に一度はこういう作品を読みたい そう願って本を読み続け、出会えた幸せ ちょっと都合よすぎる展開もあるが、それを吹っ飛ばす面白さ このシリーズは、長く語り継がれる傑作のラインナップだよ
再読 上下巻通してやはり面白かった 外務省の思惑などリアリティがあり興味を惹かれた 牡鹿半島まで逃げる…はやり過ぎだけど
読みごたえがある。シリーズ3冊目で一番良い。 前作の自爆条項と同様に現在、過去、現在の3パート。今作の主人公は龍騎兵搭乗員のユーリ・オズノフ。 ロシアの警察官時代の過去パートそれ自体も読ませるが、過去を引きずっているユーリと、過去と現在の事件の繋がりとアクションが重層的に描かれる。
「突入せよ」 何度も見てきた言葉ですが、この本以上に鳥肌が立つ事はありませんでした。 -俺達の街を取り戻す。-仲間を取り戻す。-仲間の無念を晴らす。 捜査員達の強い思いが一気に爆発し駆け出す姿は手に汗握ります。 この本では、ロシアの裏社会だけで無く、東日本復興の名の下に中途半端な支援に因る現地の弊...続きを読む害も学べます。宮城県閖上の話しは本当なんですかね。本当なら大問題かと。 この本はストーリー以上に、キャラクターの持つ仕事や仲間への矜持や思いが光り、感情移入出来る事が楽しみな作品です。 ダムチェンコと沖津が言い表してくれています。「いい男だな」「まったくです」
オズロフの背負う過去の清算が機甲兵同士の闘いを通して行われる下巻。 メカバトルとしての面白さだけでなく、登場人物の造詣の深さ、現実でもあり得そうな複雑な国対国のパワーバランスも堪能できた。 今回も最終的に龍騎兵3機とも活躍が見れたのも良かった。
政治家-オリガルヒ-マフィアによる聖なる腐敗の三位一体と、沖津が想定している<敵>、警察内部のみならず、外務省にも食い込んでいる<敵>はどうちがうんやろか、決してロシア側のことばかり言うてられないシビアな状況だぞ、これ。 ってのと「犯罪は経済活動だ」って沖津の言葉に薄ら寒くなった。その公式が成立し...続きを読むちゃったら、警察には勝ち目無いじゃんか。 でまあそれはそれとして、班長、マヂ班長!最後まで班長!!最も痩せた犬たちに敬礼を。
国や巨きな組織の前に、一個人の力ではどうしようもないことは確かにある。 ただ、信頼や友情という言葉では表しきれないほどのかけがえのない仲間を得たときの一個人は、想像できないほどのパワーを発揮することも可能かも知れない。 このように、現実の苦々しさに打ちのめされつつも、人間の素晴らしさに素直に感動する...続きを読むという複雑な読後感をもたらす本書で、印象に残った言葉は二つ。 「最も痩せた犬達」と「クレムリンの二重構造」 現時点で文庫化されているシリーズを、改めて再読したくなった。
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