月村了衛のレビュー一覧

  • 普通の底

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    「普通」の人が転落していく様子が描かれる。その思考プロセスはリアリティがあるけど、気持ちのいい話ではなかった

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    2025年09月01日
  • 普通の底

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    第一の手紙、第二の手紙、第三の手紙と時系列に、誰かに宛てた手紙が書かれています。
    誰に宛てたのかは最後にわかるようになっています。
    主人公の川辺優人は幼い頃から争いごとは避け、人より前に出ずに普通であるように生きてきた。
    普通であることを意識するあまり、誘いにはっきり断る事が出来ない。
    最初は大した事ないが、それが最後は取り返しのつかないことになってしまう。

    普通の人生が幸せという願望をもつ人は多いと思う。しかし、普通の人生とは?
    一昔前は、男らしさ女らしさという基準があった。それが普通の基準であったと思う。
    今の時代は、普通の基準がなくなった。故に基準に縋る生きるかたは、生きずらい世の中に

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    2025年08月24日
  • 普通の底

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    ある人物に向けた手紙で淡々と自分の人生を振り返る主人公。普通を望んでいただけと綴る手紙からは、他責思考でタイパコスパの理論武装でガチガチの虚ろな目をした青年の像が浮かびました。読後はただただ今の時代に漂う虚無感と不安感が押し寄せました。

    "普通にやっていただけなのに。普通にやっていたはずなのに。
    気がついたら転落している。ここからどうやって抜け出せばいいのでしょう。"

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    2025年08月22日
  • おぼろ迷宮

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    ネタバレ

    昭和の香りのするアパート「朧荘」に住む女子大生・夏芽はある日バイトに行くと、店主を名乗る見たことのない男に追い返されてしまう。翌日はいつも通りの店主に昨日はなぜ来なかったのかと責められてしまう。友人に電話で相談したのを聞かれ、隣人の鳴滝老人に経緯を話すことに…。この出会いをきっかけに夏芽は鳴滝とともに次々と事件に関わっていく。
    第二の事件は亡くなったはずの息子に毎月送金している花井玉代という老婦人の謎。第三の事件は孤独死した女性の部屋から見つかった、ある警察署内での盗難事件の捜査資料の謎。最後の事件は朧荘から退去勧告を受けた夏芽と鳴滝が50年前の写真の謎に挑む。

    甘党で飄々とした鳴滝老人、同

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    2025年08月15日
  • 普通の底

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    ネタバレ

    読みやすい文章で1時間半ほどでするすると一気読み。
    トー横に行った時点でその後脅されたりするのかなと思いましたが、まさかの闇バイトからの死刑囚。本当の底まで落ちていく話で言葉を失いました。


    社会的に炎上せず、叩かれることもない「普通」を望みながら、大衆に埋没するだけの「凡庸」である自己は認められない。親ガチャに代表される他責思考。

    最後のジャーナリストの覚書にあったこの文言。悪目立ちしないような普通を演じながらも抑えきれない承認欲求に溢れた今の時代をすごく表していて、印象的でした。

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    2025年08月12日
  • 虚の伽藍

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    仏教の蘊蓄のところは読み飛ばして、神聖な宗教世界の裏に蠢くドロドロしたところを中心に読んだ。いいヤツだったのにどのタイミングで踏み外してしまったのか見破れなかった

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    2025年08月06日
  • おぼろ迷宮

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    なかなか面白かったです。
    なるほどと冷静になると分かるんですが読んでいる最中には気がつきません。
    ただ一つクレームを付けるとすれば鳴瀧老人と剛田の正体が分かってしまった事ですね。

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    2025年08月06日
  • 虚の伽藍

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    宗教界もヤクザも公務員も政治家も、みんな同じ穴のムジナ?若いときの理想や正義は、歳を重ねるごとに色褪せて、あげくの果てが、これなんて!

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    2025年08月04日
  • 普通の底

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    ある青年から届いた手紙には、幼少期から「普通」を願って生活を送ってきたことが書かれていた。普通の家庭、普通の教育、普通の交友関係。多少の挫折はあっても、彼は「普通」の軌道に乗り続けている--はずだった。今、彼はとても困難な状況にいる。どこでそうなったのか。どうしてそうなったのか。両親が不仲だからか、トー横に行ってしまったからか、それとも大学時代の起業サークルが原因か、それとも重くのしかかる奨学金のせいだろうか。三通の手紙があぶり出すのは、あらゆるものが可視化された現代社会にはびこる精神的幼稚さと、その行く末。

    著者名を見て手に取ったのが、読むきっかけ。久々の読後感。

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    2025年08月03日
  • 普通の底

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    ネタバレ

    「ただ普通でありたかった」
    闇バイトという名の強盗殺人の罪で死刑判決を下された、「普通」を目指して生きてきた男の人生のお話。
    幼少期から学生時代、就職し、闇バイトに手を出すまでを、3通の手紙という形で表現している。

    「何も考えてなかった」というのが、大きな結論かな?
    考えているようで考えてない、というか、、、最悪な選択ばかりしているというか、結局のところ他責しているだけなんだけど。
    なんだろう、、、もやもやするけど、わからん。

    ひとつ感じたのは、愛されてる実感がなくて、その事に気づかず成長しちゃったのかな?と。
    とにかく自分のことだけなんだよね、考えてることが。親とか友達とか、それこそ「普

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    2025年08月03日
  • 普通の底

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    引き出しいっぱいの月村さん。何となく「普通でありたかった」という主人公が常に普通でない悪手を選択。最後は闇バイトまで堕ちるのかなと想像してたらその通りの展開。社会批判の件は共感できる部分もあるが、全体的に薄っぺらでモヤモヤした気分残り、読後感よくない。

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    2025年08月01日
  • 虚の伽藍

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    上層部の腐敗に義憤を抱き、自らが権力者に上り詰めることにより組織の浄化を図ろうとする理想を描く若い仏僧が、清濁併せ呑む中でいつしか権勢欲に執着し、理想を見失う。

    社会のどこでも起こりそうな話だが、宗教界を舞台としているせいか余計に生臭さを感じる。

    後半の主人公が俗物すぎて、やや興醒めする。
    親友である海照との決別は序盤から予感があった。

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    2025年07月29日
  • 虚の伽藍

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    京都の坊さん達が繰り広げる、仁義なきコンクラーベ

    最高位を目指すライバル同士の奥さんが、この女狐、なんやとこの仏敵、と罵り合うシーンがありますが、"仏敵"って新鮮!

    Kyoto’s monks stage a no-holds-barred conclave.

    There’s a scene where the wives of two rival contenders for the top rank hurl barbed insults at each other—“You vixen!”, “What the heck are you?!”, even “Yo

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    2025年07月28日
  • おぼろ迷宮

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    初めはカッコよかった鳴滝老が徐々にコミカルになっていくのが興味深い

    この作家さんにしてはなかなか振り切った作品に感じられる

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    2025年07月28日
  • 普通の底

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    「ただ普通でありたかった。」という一文で、第一の手紙は始まる。書いているのは2001年に、会社員の夫と(結婚の際、周囲の空気に合わせるように退職をした)専業主婦の妻のもとに生まれた、ごく普通の青年。誰宛てへの手紙なのかは伏せられている。その手紙で、彼は、生まれてから幼稚園、小学校、中学校と、起こった出来事とその時に考えていた自分の気持ちを、じっくりと見つめて、逐一丁寧に明かしている。お受験をさせられたが、普通の公立小学校に通ったこと、そこでの自分の地位、周りの人たちの力関係、受験に熱心な母親、第三志望だった私立中学への進学、高校受験、大学受験。自分の目標は大手の有名企業への就職であり、学校はそ

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    2025年07月28日
  • 東京輪舞

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     公安警察官の砂田修作が主人公、昭和から平成にかけての大事件に関わっていくというストーリー展開です。ロッキード事件から金正男の不正入国まで…そして退職後にこれまでの人生を振り返るというような内容になっています。

     様々な歴史的な事件には、公安警察官になる前の、田中角栄を護ったことがその矜持として根底にあり、また元部下で元妻との関わりやKGBの機関員だったクラーラという女性とちょっぴり切ないラブストーリーという側面も持っています。

     ちょっと長かったし、私にはちょっとピンとこなかった事件も多かったな…というのが正直な感想…実際にあった事件をテーマにしているので、もっとすべての事件に興味を持て

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    2025年07月23日
  • おぼろ迷宮

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    ネタバレ

    鳴滝老人がとにかく素敵でかっこいい。

    個人的な好みとしては、もう少し身の回りベースの謎がメインだったらなお良かったな。

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    2025年07月13日
  • 虚の伽藍

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    うーん、読み終わってスッキリはしなかった。
    宗教団体も暴力団もなんだったらエラソーに怒鳴る警察も好きじゃないからかなー。最後には主人公の凌玄と同じような虚しさを感じた。
    凌玄はとんとん拍子に偉くなったけど、それは背後にいる後ろ暗い人たちのおかげ。坊主の評価が声の良さや頭の形で決まる、と断言するのは面白かったけど。
    こういう話はきっと現実にあるかもだけど、イマイチ入り込めなかった。

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    2025年07月10日
  • おぼろ迷宮

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    ネタバレ

    夏芽。鳴滝。元総監。甘味。プロムリーズ。
    和菓子屋。オレオレ詐欺。4000万。裏金。移植。ドナー。榊。准教授。
    謎解きは小粒。甘味は美味しそう。バディものとしては弱い。話も切れ味がいまいち。

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    2025年07月07日
  • 虚の伽藍

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    京都の仏教の一大勢力の寺の派閥争い、権力争いと汚職。滋賀の貧乏寺の子どもの夢見た仏への道が利権にまみれ、ヤクザと組んでの成り上がりへの道となっていく。京都の闇に蠢く裏社会、恐ろしい。

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    2025年07月04日