月村了衛のレビュー一覧
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子供の頃から目立たないこと、普通であることを旨として生き続けた男が、人生に躓き堕ちていく姿を手紙という形で描く本編は、先に待ち受けるであろう闇を想像させてただただ陰鬱。
最後まで自分の最悪の選択を「これしかなかった」と言い訳し、親ガチャという言葉でひたすら責任転嫁する他責思考は胸糞悪い。
でも、こういう人身近にもいるよね的な怖さも。
男を取材する手紙の宛先人であるジャーナリストの覚書を読むにつれ、今の世の中に蔓延する空気のようなものへの恐怖がひたひたと押し寄せる。
「社会的炎上せず、叩かれることもない「普通」を望みながら、大衆に埋没するだけの「凡庸」である自己は認められない。親ガチャに代表 -
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ネタバレ渋矢美晴
生徒の吉田を殴って、PTAから吊し上げられる。水上第二中学校の体育教師。ソフトボール部、軽音楽部の顧問。インディーズ・バンド『マッドアリス』としてそれなりに顔も名も売れているつもりでいた。三十三歳。神奈川県横浜市出身。日体大体育学部武道学科卒。バンドの絶頂期、新宿署生活安全課の刑事と付き合っていた。祐太朗の担任。
PTA会長
観光組合の役員でもある。
PTA副会長
地元商店街の世話役。
秋来祐太朗
美晴の担任する一年二組の生徒。殺人事件を目撃し、犯人に誘拐される。
秋来律子
祐太朗の母。シングルマザー。温泉旅館の清掃係。賃金が足りない分をデイトレーダーとして稼いでいる。元警視 -
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ネタバレ仙太郎
白髭の親分。
郎次
残月の郎次と呼ばれる。儀平子飼いの配下。日本橋の廻船問屋「三多加屋」の番頭。
儀平
祝屋。郎次を拾い上げた男。
暗黒街の親分格
郎次が属する勢力を統率する存在。
清吉
蔵前の札差祝屋の手代頭。
徳三
対談方。祝屋の〈裏〉に仕える男。
文治
対談方。祝屋の〈裏〉に仕える男。
番町の由五郎
鶴門の作次
石河土佐守政平
勘定奉行。
宗右衛門
三多加屋の主。
喜之松
三多加屋の蔵付頭。
彦六
常吉
牟田屋善右衛門
油問屋の二代目。
篠屋利兵衛
遊び仲間。老舗の両替商の三代目。
源造
新八
三多加屋の手代頭。
忠太郎
祝屋番頭。
向井将監
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黄道学園は実在の「N高校」をモデルにしたのだろうか?バイト先の塾の生徒が通っていたが、自由な校風で楽しそうだった。やはり通信制の学校や不登校生徒に対する偏見を無くすことは難しい。黄道学園の開校プロジェクトを進め、その理念を誇りに思う秋吉ですらその偏見を完全には払拭できていなかった。そこまでの自家撞着に陥るまでの流れが上手かったが、結末はやや安直か。
月村了衛作品は初めてですが、解説によると「らしくない作品」だそうです。退屈になりかねないビジネス小説を一気読みさせる力量は前評判通り。他のスケールの大きそうな作品も読みます。
〜会社でのいじめは、学校でのいじめの比ではない〜
『七つの会議』や本作 -
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主人公のお坊さんがどんどんブラックに染まっていく展開がスリルがあって
この人どこまで黒くなっていくんだろうと
ドキドキしました
金とヤクザが絡む組織の不正や権力闘争
それが僧侶の社会の出来事で
人間としてのいっそうの生々しさを感じました
自分の考えや行いを正当化する方法として
仏様を利用するのはとても危ういし気持ち悪い
どこかで絶対に罰が当たると思ってたら
最後 ヤクザ以上にブラックになって
頂点まで上り詰めた後に
それまでの自分自身を全否定し
自分自身の存在意義もなく
空っぽになってしまった
生きていても
生きていないと同じ
それこそが最大の罰でした
まさしく自業自得
昭和から