月村了衛のレビュー一覧

  • 土漠の花

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    自衛隊員が派遣先で戦闘に巻き込まれ、目の前に敵が迫った時、どのように対処するのか?

    この小説は、そんな命題がベースにあるものの、ほぼ全編息もつかせぬ壮絶な戦闘シーンの連続で、スペクタクル活劇というにふさわしい内容になっている。

    舞台はアフリカ・ソマリアの国境地帯。海賊対処のため、派遣された陸上自衛隊第一空挺団の精鋭たちが主人公となる。

    彼らの野営地に氏族抗争で命を狙われた女性が駆け込み、彼女を保護したことから抗争の相手方の攻撃を受けることになる。

    わずか12名、武器も土地勘も通信手段も皆無の中、圧倒的な人数や武器で攻めてくる相手に、数人の隊員が命を落とし、負傷者も続出する。

    撤退の途

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    2026年04月01日
  • おぼろ迷宮

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    元警視総監の老人と女子大生、オンボロアパート隣組のコンビが、町の事件を解決するミステリー。昭和のボロアパートが舞台だけに人情物語である。

    3話目の事件、過去の事件とは言え、真相を明かしたうえで追求しないのは‥?真相を追い続ける刑事の物語(百年の時効)を読んだばかりだからかもしれないが、何だか納得できなかった。刑事なのに良いのかそれで。地域のちょっとしたトラブルといった趣の他のケースとは異なり、明らかに犯罪なのだが‥

    それにしてもプリンを毎日食べ続けるのは苦しい‥カレーパンを食べ続ける(謎の香りはパン屋から)のと、どちらがしんどいだろうとと思ったが、1日で終わらないことを考えると、圧倒的に連

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    2026年03月29日
  • 普通の底

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    戻れない分岐点、積み重なる後悔。これは、あなたのそばにある『底』の物語。

    普通に生きようともがきながら、少しずつの選択ミスで貧困の深淵へと沈んでいく男。その過程を、本人から記者へ宛てられた「手紙」という形式で綴る一冊です。

    物語のトーンは、さながら現代版『私は貝になりたい』。もし映像化するなら、かつての絶望を演じきった中居正広さんが浮かびますが、今の年齢や状況を考えると無理だな。

    「普通」の足元がいかに脆いか、その没落の描写は見事です。しかし、納得がいかないのは構成。最終章で手紙の受取人である記者が「考察」を述べるのですが、それが読者であるこちらの感想を先回りして奪ってしまうような内容で

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    2026年03月24日
  • 地上の楽園

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    ネタバレ

    ずっしりと心にのしかかる今作。
    地上の楽園とはよく言ったもので、
    その希望にあふれるネーミングと
    実際の出来事との落差には言葉を失うばかり。

    性格の異なる幼なじみの二人の
    それぞれが受けた苦しみに胸が痛んでしょうがない。
    長い時間をかけ、奇跡的な再会の末に
    本当の希望を紡ごうとするラストに救いを感じた。

    フィクションだけど、かなりノンフィクション!

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    2026年03月23日
  • おぼろ迷宮

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    ネタバレ

    日常の謎くらいのライトミステリーはこの設定で楽しいけど、警察内部の事件は違うんじゃないかな…ともやっとした。スイーツ食べる場面は面白かったけどプリンは残さず食べてほしかった。

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    2026年03月20日
  • 普通の底

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    川辺優人は意外と負けず嫌いなんじゃ無いか?
    だけどトップは諦めていて底辺の人に負けないように頑張っていたんだと思う。
    それが普通って言ってるだけで

    職と金が無くなり社会の底辺に陥った時
    犯罪に手を染めたという事は
    やはり自分の事が誰よりもかわいかったんだと思う

    死刑宣告後上告しないって言うのも
    自分を美化しいるだけで
    その内時間が経てば大好きな自分の命を守りに入る
    と思う

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    2026年03月19日
  • 普通の底

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    闇バイトに手を染めた獄中の人物がジャーナリストに向けて書いた手記の体裁をとる本作は、その筆致に臨場感があり、本当に自分が巻き込まれているかのように一瞬のめり込んでしまった。

    良くも悪くも目立つところのない「普通」でありたい。なぜなら目立ったところにある人はそれがよほど傑出した長所でない限り、他人からあれこれ口出しされるから。
    かといって凡人では終わりたくない。
    このような思考は私自身も持っているし、程度の差こそあれ多くの人が少しは持っているのではないかと勝手ながら思います。

    凡人として大人になってしまうと、そんな自分を認められず、社会や生まれ育った環境のせいにしてしまう他責思考が生まれるこ

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    2026年03月15日
  • 対決

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    「男と女。性差というものが存在する限り、人間社会から生差別はなくならない。」という言葉が印象に残った。善意の発言や他愛ない話の中に点抜きがたく、無意識に蓄積された差別の根っこが残る。この辺を本書では全てにつながる問題の〈根〉を感じたと綴り問題提起する。

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    2026年03月15日
  • おぼろ迷宮

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    おんぼろアパート「朧荘」に住む女子大生
    夏芽と、同じアパートに住むミステリアスな老人、鳴滝のコンビが町で起こる事件を解決していく。
    4編からなる連作ミステリー(か?)

    大学生の夏芽と、頭脳明晰のダンディなおじさま、鳴滝の二人の共通点は、スイーツ好き。
    美味しいスイーツをたべながら町で起こる
    難事件を解明していくが、ちょっと緩い感じの
    解決方法で、過去に警察内で起きた難事件の時は、この解決の仕方はどうなんだろうと思った
    (当然トップは総辞職でしょ。いくら時効とはいえ)
    ただ、全体的にはとても読みやすい。
    この作家さんの他の作品を読んでいないため
    知らなかったが、他の方のレビューを読んで
    硬派の

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    2026年03月08日
  • 黒警

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    中身はダークな小説だが、月村作品にしては軽めで箸休め的な印象。十分面白いが、月村作品としては物足りない。

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    2026年03月06日
  • 虚の伽藍

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    ヤクザやフィクサーが跋扈する裏社会で、のし上がっていくお坊さんの物語。とにかく黒い、暗い。
    (あえての設定だと思うけど)主人公を含めて登場人物に感情移入できない。けど、これは本当にある世界かもしれない、と思うと、怖いけど読んで良かったな。

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    2026年02月18日
  • 対決

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    2026.4.5 NHKBS ドラマ、松本若菜 豊嶋花
    中堅私立医大の入学試験で、女子受験生の点数が一律減点されている――疑惑を耳にした新聞記者の檜葉菊乃は極秘取材を試みるうち、医大理事である神林晴海を突破口とみなし接触する。一方、疑惑の揉み消しを命じられた晴海は菊乃を強く警戒する。社会にはびこる女性差別と闘い、強く生きるふたりが立場ゆえに対立する。正義とは。信じるものとは。二人の「対決」の果てに見える地平を描く、傑作長編。

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    2026年02月15日
  • 普通の底

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    途中で読むのをやめようかと迷うほど、正直かなり胸くそ悪い作品でした。
    1枚目、2枚目の手紙を読んでいる間は、「どれだけ頑張って努力してきても、出会う人間次第で人生が狂ってしまうことってあるよな……」と、まだ同情する気持ちもありました。
    でも、3枚目の手紙は本当に読むのがきつくて、ページをめくる手が重かったです。
    フィクションではあるけれど、どこか現実と地続きで、決して作り話として割り切れない怖さがありました。
    しばらくは、人が死なない、ほんわかした小説を読みたいです。

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    2026年02月01日
  • 虚の伽藍

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    松恋・マライ直木賞本から。アンタッチャブルなのか、自分の性向がそうさせるのか、本書の舞台である仏教界隈の物語はあまり見ない気がする。その分興味深く、フィクションと分かりつつ、俗世と変わらない薄汚さに寒気がする。二部制の構造を取るけど、一部が同じようなパターンの繰り返しで、正直、飽きてくる。そこはさすが、二部で巻き返しが図られるので、読後の満足度はそれなりに高い。

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    2026年01月26日
  • おぼろ迷宮

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    星3.7と言ったところ。
    作風としては以前読んだ同じ作者の『ガンルージュ』に近い感じだと思いました。
    ただ、最後の章の話は果たして必要だったのか?という疑問が残ります。
    面白いのは面白かったのですが、その前の章で終わっていても別に良かったんじゃないかなという感じでした。

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    2026年01月17日
  • 黒涙

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    ネタバレ

    平山
    外務省アジア太平洋局中国・モンゴル第二課の参事官。

    呉際明
    中国商務部アジア司長補佐。

    蔵原
    経済産業大臣。

    鎌田
    外務大臣の主席秘書官。

    沢渡
    警視庁組織対策部第二課の警部補。公安部へ異動。資料整理室のアドバイザー兼雑用係。重大な事案の専任チーム。

    小淵
    沢渡の上司。係長。

    有限会社桃山企画
    公安の別室。

    滝口
    公安部外事第二課長。警視正。特別チームの指揮官。一人Gメン'75。

    天老会
    洪門の末裔を自称する上海系の犯罪組織。

    広川
    沢渡とコンビを組む相棒。公安部外事第二課。


    黒社会「義水盟」の大幹部。沢渡と兄弟分の契りを交わしている。蓬莱インフォメーシ

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    2026年01月13日
  • 黒涙

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    ネタバレ

    ラウタン、悲しい。
    最後はというか、結局、沈は沢渡を許す結末でいいよな。また2人がお酒飲むシーンをみたい。ラウタンー!
    こうなると、人間は裏切る生き物だね
    いやこれは昔から思ってるけど、現実にも。人は人をいとも簡単に裏切る。汚い世の中。
    だから私は1人がいいな。

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    2026年01月10日
  • 警官の標 警察小説アンソロジー

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    「web TRIPPER」に掲載された作品をひとまとめにしたアンソロジー。警察ものがもたらす人間ドラマやミステリーとしての広がりを感じることが出来る作品。読んだことのある作家が大半だが、読んだことのなかった、鳴神さんと吉川さんが良かった。また伊兼さんの硬派な感じも大好きだった。捜査を主軸にした正統派警察ものが少ない印象を持ったがそれがこのジャンルの幅の広さを知るすべになる。

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    2026年01月09日
  • 虚の伽藍

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    え、これ文庫化する気あります?ってほどに分厚い本です。ちょっと持ち歩くのは大変な重さなので、ひたすら自宅で読んでました。読みやすい文体なんですが、テーマが私には難しかったです。仏教とか、経済とか、ヤクザとか。

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    2025年12月28日
  • 普通の底

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    主人公は最終的に特殊詐欺に手を染めることになって警察に捕まるのですが、実際に特殊詐欺をやった若者たちもこういう普通のどこにでもいる人間なんだろうと思います。
    貧すれば鈍する、という言葉通り、貧困や借金、失業などで行き詰まったり追い詰められてこうした犯罪に手を出す羽目になるんだろうな、と。
    一度、正規のレールを外れてしまうと、そこから這い上がることがほぼ不可能な今の日本社会はおかしい。
    闇バイトに手を出す若者を、個人の責任にしている限りこういう犯罪はなくならないのだろうと思います。

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    2025年12月13日