月村了衛のレビュー一覧

  • 普通の底

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    子供の頃から目立たないこと、普通であることを旨として生き続けた男が、人生に躓き堕ちていく姿を手紙という形で描く本編は、先に待ち受けるであろう闇を想像させてただただ陰鬱。
    最後まで自分の最悪の選択を「これしかなかった」と言い訳し、親ガチャという言葉でひたすら責任転嫁する他責思考は胸糞悪い。
    でも、こういう人身近にもいるよね的な怖さも。

    男を取材する手紙の宛先人であるジャーナリストの覚書を読むにつれ、今の世の中に蔓延する空気のようなものへの恐怖がひたひたと押し寄せる。

    「社会的炎上せず、叩かれることもない「普通」を望みながら、大衆に埋没するだけの「凡庸」である自己は認められない。親ガチャに代表

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    2025年11月04日
  • 槐(エンジュ)

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    ちょっと現実離れした話でしたが、エンタメとして楽しく読めました。
    続編が作れそうな終わり方でしたね。

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    2025年11月01日
  • 普通の底

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    普通の子供が普通の生活を送る内にドン底まて堕ちる鬱作品。語り手の手紙という体裁の一人称視点で語られるが、もどかしい気持ちで一杯になる。

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    2025年10月21日
  • 普通の底

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    怖いなぁ。
    どんだけ頑張っても過去の過ちで転落することが往々にしてある。

    他責、と言われたらそう思えなくもないけど、やっぱり抗えないことなんて人間たくさんあるし、そんなこと言ってたら人生どこでも気が抜けない、、
    確かに他の選択肢はあった。あったけど、これといった明確な正解もなかった気がする。

    人生運なのかなぁ、そう思わずにはいられない。

    2025.10.19
    195

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    2025年10月19日
  • おぼろ迷宮

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    タイトルから想像していたのと違ってポップでライトな内容だった。
    これはこれで悪くないけどやや物足りなかった

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    2025年10月14日
  • おぼろ迷宮

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    オンボロアパート朧荘に住む女子大生、その隣人の元警視総監の老人、現職の刑事、水戸黄門と頼りない助さん角さんの様な3人が事件?を解決する短編。著者はノワール物や機龍警察シリーズのようなハードなストーリーは勿論、ガンルージュや本作のようなコメディタッチの物語も上手い。

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    2025年10月11日
  • ガンルージュ

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    ネタバレ

    渋矢美晴
    生徒の吉田を殴って、PTAから吊し上げられる。水上第二中学校の体育教師。ソフトボール部、軽音楽部の顧問。インディーズ・バンド『マッドアリス』としてそれなりに顔も名も売れているつもりでいた。三十三歳。神奈川県横浜市出身。日体大体育学部武道学科卒。バンドの絶頂期、新宿署生活安全課の刑事と付き合っていた。祐太朗の担任。

    PTA会長
    観光組合の役員でもある。

    PTA副会長
    地元商店街の世話役。

    秋来祐太朗
    美晴の担任する一年二組の生徒。殺人事件を目撃し、犯人に誘拐される。

    秋来律子
    祐太朗の母。シングルマザー。温泉旅館の清掃係。賃金が足りない分をデイトレーダーとして稼いでいる。元警視

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    2025年10月09日
  • コルトM1851残月

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    ネタバレ

    仙太郎
    白髭の親分。

    郎次
    残月の郎次と呼ばれる。儀平子飼いの配下。日本橋の廻船問屋「三多加屋」の番頭。

    儀平
    祝屋。郎次を拾い上げた男。
    暗黒街の親分格
    郎次が属する勢力を統率する存在。

    清吉
    蔵前の札差祝屋の手代頭。

    徳三
    対談方。祝屋の〈裏〉に仕える男。

    文治
    対談方。祝屋の〈裏〉に仕える男。

    番町の由五郎

    鶴門の作次

    石河土佐守政平
    勘定奉行。

    宗右衛門
    三多加屋の主。

    喜之松
    三多加屋の蔵付頭。

    彦六

    常吉

    牟田屋善右衛門
    油問屋の二代目。

    篠屋利兵衛
    遊び仲間。老舗の両替商の三代目。

    源造

    新八
    三多加屋の手代頭。

    忠太郎
    祝屋番頭。

    向井将監

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    2025年10月08日
  • 白日

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    黄道学園は実在の「N高校」をモデルにしたのだろうか?バイト先の塾の生徒が通っていたが、自由な校風で楽しそうだった。やはり通信制の学校や不登校生徒に対する偏見を無くすことは難しい。黄道学園の開校プロジェクトを進め、その理念を誇りに思う秋吉ですらその偏見を完全には払拭できていなかった。そこまでの自家撞着に陥るまでの流れが上手かったが、結末はやや安直か。
    月村了衛作品は初めてですが、解説によると「らしくない作品」だそうです。退屈になりかねないビジネス小説を一気読みさせる力量は前評判通り。他のスケールの大きそうな作品も読みます。

    〜会社でのいじめは、学校でのいじめの比ではない〜
    『七つの会議』や本作

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    2025年10月07日
  • おぼろ迷宮

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    ネタバレ

    初めての一冊、ライト風に見せて・・・中途半端
    コメディっぽい空気感は好感が持て、掴みの事件
    も赤毛組合を思い出す一冊で、その後の女子大生
    と老人の関係構築もテンポよかったのだが・・・
    4話あるうちの3話をラストに持ってくると締り
    があって良かったかも、ラストの朧荘最後の日は
    2番目ぐらいに処理してしまえばよかったのに
    (個人の感想です)

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    2025年09月30日
  • おぼろ迷宮

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    おんぼろアパート『朧荘』に住む女子大生夏芽は、まるで異次元に迷い込んだかのような不可解な出来事に遭遇する。〈謎〉を解決するのは、隣に住む正体不明の老人、鳴滝。尋常ならざる人脈と驚異の推理力を駆使する彼は一体何者なのか。街にはびこる不可思議な事件の謎を、凸凹コンビがスイーツを食べつつ華麗に解決!。続編出ないかなぁ。

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    2025年09月30日
  • 普通の底

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    怖い。ただそう感じた、不思議な本だった。
    中学受験を体験しているなど、何かと主人公と共通点が多いためどんどん転落していく様子に呆気に取られてしまった。
    ひたすら救いのない物語。

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    2025年09月28日
  • 機龍警察 白骨街道

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    歴史的な邂逅や戦闘シーンは秀逸なんだけど、基幹となるストーリのぶっ飛び方についていけなくなりつつで・・・(そもそも「敵」とかって訳わからんし)
    ストーリとか無視して場面場面を楽しめる筆力が高いので、新作出れば読んじゃうんだろうな~

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    2025年09月20日
  • 対決

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    この人の作品だからページをめくるのを止められないのはいつも通りだけど、そろそろ機龍警察の続編を読みたいという気持ちと、2018年に発覚した東京医大の入試における女性差別問題が、きちんとまとめられないままに忘れられつつある現状では、この作品は貴重だと思う気持ちが相半ばした

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    2025年09月20日
  • 虚の伽藍

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    一介の僧侶が裏社会勢力を利用して教団のトップへ上り詰めるストーリー。月村了衛の他のノアール小説のように自らの機転で事態を解決するよりも、外部勢力の力で解決する場面が多く、あまりスッキリしない。作中で沢山描かれる教団の醜聞は、実際にも似たよう事あったのかと思わせられた。

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    2025年09月14日
  • 普通の底

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    普通で生きたい気持ちはわかるけど、なんとなく嫌な人と話してる感覚になる本。感情がひとつも見えてこない。

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    2025年09月13日
  • おぼろ迷宮

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    ネタバレ

    真相が分かったのに焦らす鳴滝さんが感じ悪くて好きになれないと思ってしまいましたが、三話での律儀にプリンを食べまくる姿に笑っちゃいました。
    このプリン地獄、わりとページ数取ってるし月村さんのおすすめシーンなのかも。
    正体も隠し通すと思いきや呆気なく夏芽に教えてくれるし(これは剛田刑事が悪いのか)読み終わる頃にはまたこのコンビの活躍が見たくなりました。

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    2025年09月07日
  • 普通の底

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    一人の人間が壊れて行く話しでした。
    小学生の頃から妙に大人びていましたねぇ
    選択が裏目裏目に出てしまいました、でもその選択をしたのは自分な訳で…

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    2025年09月06日
  • おぼろ迷宮

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    なんというか…つまらなくはないけど、飛び抜けて面白くも深くもない。
    おじいさんが、昔の伝手を使ってひょいひょいと解決してしまうから、物足りない感じ。
    警察の裏金の伝票の話はよく小説になっているから、目新しくもない。最後だけ、謎めいている。

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    2025年09月06日
  • 虚の伽藍

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    主人公のお坊さんがどんどんブラックに染まっていく展開がスリルがあって
    この人どこまで黒くなっていくんだろうと
    ドキドキしました

    金とヤクザが絡む組織の不正や権力闘争
    それが僧侶の社会の出来事で
    人間としてのいっそうの生々しさを感じました

    自分の考えや行いを正当化する方法として
    仏様を利用するのはとても危ういし気持ち悪い

    どこかで絶対に罰が当たると思ってたら

    最後 ヤクザ以上にブラックになって
    頂点まで上り詰めた後に
    それまでの自分自身を全否定し
    自分自身の存在意義もなく
    空っぽになってしまった

    生きていても
    生きていないと同じ

    それこそが最大の罰でした
    まさしく自業自得

    昭和から

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    2025年09月03日