月村了衛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前半部分が圧倒的に重い。
まっとうに生きようとするが、最低限の生活ですら徐々に手詰まっていく救いのない展開に読む手が進まない。
先が思いやられたが、中盤からはスリリングなコンゲームがテンポ良く進んでいく。
因幡、隠岐、蒲生の三者が手を組みながら、詐欺という舞台の上で、お互いを蹴落とす隙を狙っている。
主人公の隠岐は常に脱落候補筆頭なのにも関わらず、中盤から終盤にかけて覚醒していく。
騙し騙されのコンゲームの先に待っている未来なんて碌なものじゃないだろうと思わせられたが、結末は意外な形でここでも作者に躱わされた気がした。
気になった点:
主人公の隠岐、詐欺に手を染めるまではうだつが上がら -
Posted by ブクログ
ロッキード、東芝ココム規制違反、ソヴィエト崩壊、地下鉄サリン、警察庁長官狙撃、金正男不法入国など、現実に起こった事件をベースに、明らかにされていない謎を、フィクションという形で解き明かすインテリジェンス小説。手嶋龍一が好きな人は楽しめると思う。
それぞれの事件を解決しようと奮闘する主人公砂田と、事件の度に虚実ないまぜで砂田の前に現れるソ連の工作員クラーラ、砂田の部下から妻、元妻、チヨダの一員となる眉墨、のうち特に女性2人が砂田を翻弄する描写に砂田と共に感情が振り回される感覚があった。
登場人物のキャラクターも味わい深く、また表面上しか知らなかった過去の事件の裏側とされる部分の追求も、フィクショ -
Posted by ブクログ
ロッキード、東芝ココム不正、ゴルバチョフのペレストロイカ、そしてオウム真理教に神戸の大震災、北朝鮮。最初の二つはリアルではあまり覚えていないのだけれど、やはり昭和の大事件だから、記憶にはあるし、他の事件は本当にリアルで覚えてる。
日本という国は、そして平成と令和という時代は、それほどまでに、嘘と欺瞞に満ち満ちた時代であり、国なのだろうか。
一介の市井の民として生きる自分には、その時々の自分の思い出は、この本の主人公が辿った想いとはまたかなり似ても似つかないものだけど、その場面場面で、自分がその立場に置かれていたら、やっぱり、この主人公のように、立ち振る舞い、悩み、そして受け入れて、いたのだろう