月村了衛のレビュー一覧
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ネタバレ山風賞受賞作品ってことで。機龍警察シリーズの信頼感もあったし。で、本作。テンポよく読まされる展開は相変わらずで、安心して読み進められる。でも前半、何だか登場人物のいちいちが空虚に思えて仕方なく、面白くて頁を繰る手は止まらないんだけど、いまひとつ乗り切れなくて…みたいな、もどかしい感じが続く。でも折り返しあたりで、視点人物が相棒を殺ってから以降、人物像の薄さはだいぶ気にならなくなる。よかった、よかった…と思いきや、終盤になってまた、悪女が再登場し、それと共に像の薄さも復活。これ、この女の描写が浅いのが一番の問題だな、とどのつまりが。なぜこんな風になったのか、どうやって過去の悪事を成し遂げたのか、
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なじみのメンバーの過去が少しづつ明らかになっていく最近の流れですが、今回はとうとう機龍兵は登場しなかった。なんか大沢在昌の新宿鮫シリーズを読んでいるような感じがしました。
それと前から気になっているのが沖津部長がシガリロを所かまわずふかしまくって会議しているシーンが多く出て来るんだけど、今の日本でこんなことができるのはヤクザの事務所ぐらいじゃないですかね。時代錯誤の描写はリアルさを損なうので止めたほうがいいと思うな。(月村了衛はヘビースモーカーであえてやっているのかね。)これからはコロナについての描写も必須になってくると思うのでそろそろ卒業したほうがいいのではないか?あんなに聡明な沖津部長がタ -
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主人公 汐野は作家を目指していたが、
挫折し教師の職に就いた。
誰よりも文学に詳しく、真に通じてると
奢りの心を持ちながら甘んじて教鞭をとる。
汐野が勤める学校は読書感想文に力を注いでおり、
今年は汐野の指導の元、藪内三枝子の感想文が
学校代表になり市に提出された。
ある日、その感想文が盗作だと書き込みがされ
真偽の解明の為、汐野を含めた学校全体が
巻き込まれる。
嘘で固められた人の心の中、
感想文は盗作なのか、
周りを埋める教師、保護者、大人達は
真実を語ってるのか。
心に棲む暗鬼に性別や年齢は関係ないと痛感。
また、心中に巣食う闇はその種となったものでしか
代わりがない人の業を感 -
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ネタバレ市立駒鳥中学校は、一学年に一、ニクラスの小規模校で、目立ついじめも暴力事件もない平凡な中学校。
作家の夢に挫折し国語教師となった汐野が、文芸部の顧問として指導し、最優秀作として全日本コンクールに出品した読書感想文が、過去の優秀作の盗作だという告発のLINEが流れる。
感想文を書いた生徒が教育委員会の教育長の娘だったこともあり、悪質なイタズラとして片付けようとした学校側の思惑をよそに、またあらたなLINEが投稿され、やがて保護者たちを巻き込んで問題は大きくなっていき…
月村了衛さんが中学校を舞台にサスペンス?と意外だった。
読んでみれば、中身は中学生の話ではなく、夢破れて傷ついた自尊心と密 -
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てっきり女ランボー的な話になるかと思えばさにあらず。
そちらの描写は割と淡々としているのに対し、子供たちの描写がしっかりとしていました。
ある種、青春小説としてとらえる方が正しいのかもしれません。
とはいえ、犯罪者側の残酷描写とかはしっかり描かれているので、子供向けとはいえないのがちょっとターゲット層を絞りづらいというか何というか。(^^;
2 箇所ぐらいしっかりと書かれている戦闘描写に作家の思想というか、書きたかったことが現れているんじゃないかなぁと思いました。
面白かったけど、手放しで褒めるほどにはオリジナリティが無いんじゃないかという印象です。