月村了衛のレビュー一覧

  • 暗鬼夜行

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    主人公 汐野は作家を目指していたが、
    挫折し教師の職に就いた。
    誰よりも文学に詳しく、真に通じてると
    奢りの心を持ちながら甘んじて教鞭をとる。

    汐野が勤める学校は読書感想文に力を注いでおり、
    今年は汐野の指導の元、藪内三枝子の感想文が
    学校代表になり市に提出された。
    ある日、その感想文が盗作だと書き込みがされ
    真偽の解明の為、汐野を含めた学校全体が
    巻き込まれる。

    嘘で固められた人の心の中、
    感想文は盗作なのか、
    周りを埋める教師、保護者、大人達は
    真実を語ってるのか。

    心に棲む暗鬼に性別や年齢は関係ないと痛感。
    また、心中に巣食う闇はその種となったものでしか
    代わりがない人の業を感

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    2021年08月14日
  • 東京輪舞

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    1976年のロッキード事件から2018年までの長い物語。公安の捜査、外国スパイとの攻防、そこに組織の論理や人間関係が絡み読み応えがあった。実際にあった事件をベースにしているので、リアリティがありドキドキしながら読み進めた。最後の『昭和と平成の幕が下りる』という一行が印象的だった。

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    2021年08月08日
  • 暗鬼夜行

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    着想は良いと思うが、舞台設定が中学というのは少し無理がないか?
    読書感想文の盗作疑惑を主題に、学校の統廃合、教師の労働問題、県政の腐敗、SNSによる拡散など話題を広げて問題提起しているのはわかるが、爽快感もしくは重厚感が物足りなく、どっちつかずとなっているのは残念。小説家志望が小説家になれずに、強い信念や志も持たずに教師になってしまい、なんとなく自分を押し殺して生きようとして、人生の挫折を味わった話だと割り切って読むのが正解。

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    2021年05月30日
  • 追想の探偵

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    ミステリーという程じゃないけどね。特撮の雑誌を編集する神部実花は「人探しの神部」と言われ、特撮が全盛だったころの消息不明になった監督や俳優、美術担当などの裏方たちを探し出しては、特集を組む。こんなの不可能だというのを人脈と人当たりの良さ、根気で探し出してしまう。その過程も面白いが、探し出された人々にそれぞれの歴史があるのも読みどころか。神部実花の特撮への思い入れがひしひしと伝わってくる。ただ、私自身はそういう映画などへの思い入れはないので、そんなものかなあという感じ。

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    2021年05月24日
  • 東京輪舞

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    ロッキード、ソビエト崩壊、地下鉄サリン、警察庁長官狙撃、金正男来日…。昭和・平成史にその名を轟かす重大事件を一人の公安警察官の生涯を通じて描き出す大河的警察小説で、およそ公安らしくない情動的な主人公が警察内部の泥試合に翻弄され、ひたすら負け続ける姿が暗鬱たる気分を誘う。ロシア人美女スパイとのラブロマンスは賛否が分かれそうだが、このくだりがないと重苦しくなり過ぎるので、評価が難しいところ。終章では独白形式の憂国論が展開されるが、この失望感には同意せざるを得ない。著者の田中角栄に対する思い入れの強さが印象的。

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    2021年04月16日
  • 暗鬼夜行

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    ネタバレ

    市立駒鳥中学校は、一学年に一、ニクラスの小規模校で、目立ついじめも暴力事件もない平凡な中学校。
    作家の夢に挫折し国語教師となった汐野が、文芸部の顧問として指導し、最優秀作として全日本コンクールに出品した読書感想文が、過去の優秀作の盗作だという告発のLINEが流れる。

    感想文を書いた生徒が教育委員会の教育長の娘だったこともあり、悪質なイタズラとして片付けようとした学校側の思惑をよそに、またあらたなLINEが投稿され、やがて保護者たちを巻き込んで問題は大きくなっていき…


    月村了衛さんが中学校を舞台にサスペンス?と意外だった。
    読んでみれば、中身は中学生の話ではなく、夢破れて傷ついた自尊心と密

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    2021年02月11日
  • 黒涙

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    月村作品だけど何故かあまり響かなかった。多分主人公の沢渡に魅力がないことが大きい。警察内部の描き方が甘い点はあるが、黒社会や中国スパイ等を巡るストーリも良かったし、沢渡以外の主要人物は確り描かれていたけど、やはり主人公に魅力がないとねえ。それに内通者もすぐわかっちゃったし。

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    2021年02月06日
  • 暗鬼夜行

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    ネタバレ

    誹謗メールに始まる学園ミステリー。

    最近の著者の作品は現代ノワールのハードボイルドサスペンス調だったので、社会問題は絡めているもののエンタメ系の学園ミステリーでした。
    真相はがっかりな感じでしたが、ラストの主人公の精神が破綻していくのが怖かった。

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    2021年02月05日
  • 神子上典膳

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    シンプルなチャンバラシーンが魅力的。
    そして、最後のあっと言わされた感。(^^;
    山中の逃走劇も登山もの的な感じがあり楽しかったです。
    サービス満点な一冊。
    一刀流についてちょっと知っている方が楽しめるかと思います。

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    2021年01月03日
  • コルトM1851残月

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    江戸を舞台としたノワール。
    当時としては段違いの高性能銃、コルト M1851 を持つ主人公が淡々と悪さをしている中でちょっとした熱さを見せるのが特徴的。
    この手の話でチャンバラが出ないのは珍しいですね。
    主人公がピンチに陥ってからの展開の早さが好印象でした。
    オチもきれいでしたね。

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    2020年12月20日
  • 暗鬼夜行

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    なんだろう、このあと一歩感は。スマホとかLINEを登場させてる割にはその特性を活かしきれておらず無理に時代に合わせようとしてる?動機がぶっ飛んでいて推理の斜め上だった。

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    2020年12月14日
  • 暗鬼夜行

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    初見の作家である、前置きもなく端緒から物語は始まる、これはもう文学ではなくただの事件ものだ。最初から最後まで嫌ごとばかり続いていき最後は辟易とした、ちょっとこれからフォローしようとは思えない作家である。中学教師の話であるが、専門課程をこなした小学教師とは違い三流大学出でもなれる中学教師などロクな教師しかいないことは、周知の事実であるが、生徒からしてみたら熱血教師もいやだしエロ教師はもっと嫌で、ただ単にひたすら授業を進めてくれる教師が一番ありがたいのでないかと思う。

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    2020年12月08日
  • 槐(エンジュ)

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    てっきり女ランボー的な話になるかと思えばさにあらず。
    そちらの描写は割と淡々としているのに対し、子供たちの描写がしっかりとしていました。
    ある種、青春小説としてとらえる方が正しいのかもしれません。
    とはいえ、犯罪者側の残酷描写とかはしっかり描かれているので、子供向けとはいえないのがちょっとターゲット層を絞りづらいというか何というか。(^^;
    2 箇所ぐらいしっかりと書かれている戦闘描写に作家の思想というか、書きたかったことが現れているんじゃないかなぁと思いました。
    面白かったけど、手放しで褒めるほどにはオリジナリティが無いんじゃないかという印象です。

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    2020年11月08日
  • 暗鬼夜行

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    末路、という言葉にはいかにも終幕や行き着いた先のネガティヴさしか感じないが、この作品の末路はその上がること叶わない千仭さではない山月の咆哮の凄みを感じる。織り込まれる文学作品が全て生きて来るラスト。人は変わると言う事。

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    2020年10月31日
  • 暗鬼夜行

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    ネタバレ

    中学校の教員の現場をリアルに描いた点では、なかなかよかった。こんなことで大騒ぎするの?って思う人も多いでしょうけど、こんな感じなんですよ。SNSはどれだけ禁止しても大人だって漏らしちゃう。ああ、本当に先生ってたいへんだなあ。

    さて内容ですが、まあ、だいたい予想通り。ほかに疑わしい人物が登場してこないもんね。

    主人公をもう少しいい人にしたほうが、応援したくなってもっと面白くなったのではと思います。なんか、当然の罰を受けてざまあみろって感じですよ、これじゃ。

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    2020年10月31日
  • 暗鬼夜行

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    10月-26。3.0点。
    中学教師の主人公、以前は作家を目指していた。
    指導した中2女子の読書感想文が、市代表となった。
    その感想文が盗作だと、同級生のスマホにタレコミが。

    イヤミスとしては凄くいいと思う。サラッと読める。
    でも、人間って怖いな。

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    2020年10月28日
  • 暗鬼夜行

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    「土漠の花」がスケールが大きく面白かった。
    反してこれは中学の読書感想文の盗作がテーマ
    教師 教育委員会 役所 そして生徒
    それぞれが絡まりドキドキするミステリー
    とても面白かったのだけれど
    うーん 共感しにくかったなあ
    あまりにもエゴとエゴ

    汐野の生い立ちとか家族は?
    キャラクターが出来上がったわけが知りたいと思った
    登場人物の名前とキャラクターがごちゃごちゃになってしまった

    それにしても 中学生 こわー

    ≪ スマホから 疑心暗鬼が 一瞬で ≫

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    2020年07月18日
  • 暗鬼夜行

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    題材は全く違うが「騙す衆生」と相通ずるものを感じた。自分が中学の時は保護者たちのことなんて噂したことすらなかったけど、今の学校が作中のようなら実におぞましい。そして馳星周の「不夜城」を思い出さずにはいられないほど呪詛がすごい。

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    2020年07月04日
  • 暗鬼夜行

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    夏休みの課題である読書感想文。駒鳥中学校の最優秀作を全国コンクールに出品した直後に、生徒達のLINEに盗作をほのめかすメッセージが届く。当該生徒の担任であり文芸部の顧問でもある汐野の行動や、教頭・校長の対応は呆れ果てたものだが、理想や情熱のない教師なんてこんなものかもしれない。盗作疑惑の追及や犯人探しをせずに400ページ近い本書を読ませる力量はさすがだと思うが、残念ながら読後感は決してよくはなかった。

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    2020年06月14日
  • 追想の探偵

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    題材のチョイスが何より素晴らしい。こんなニッチな題材で日常の謎系ミステリーが成立するとは。小学生の時分、父親が買ってくれた昭和の特撮大全集を貪る様に読んでいた頃を思い出してノスタルジックな気持ちに浸れた。特撮への造詣があれば一層楽しめること請け合い。短編形式ゆえに途中でオチが読めたり、主人公の20代という年齢設定に多少無理を感じたものの、存分に楽しめた。しかし、冒頭二話のインパクトが強いので、三話目以降は物足りなさが勝ってしまった。バリエーションが出尽くしてしまった印象もあり、続編はちょっと難しそうかな。

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    2020年05月20日