題材のチョイスが何より素晴らしい。こんなニッチな題材で日常の謎系ミステリーが成立するとは。小学生の時分、父親が買ってくれた昭和の特撮大全集を貪る様に読んでいた頃を思い出してノスタルジックな気持ちに浸れた。特撮への造詣があれば一層楽しめること請け合い。短編形式ゆえに途中でオチが読めたり、主人公の20代という年齢設定に多少無理を感じたものの、存分に楽しめた。しかし、冒頭二話のインパクトが強いので、三話目以降は物足りなさが勝ってしまった。バリエーションが出尽くしてしまった印象もあり、続編はちょっと難しそうかな。