【感想・ネタバレ】機龍警察 暗黒市場のレビュー

吉川英治文学新人賞受賞作。このシリーズは日本SF大賞を受賞し、「このミス」でも上位入選常連なのに、もっと世の中の認知が上がって良いはずだということを強く言いたい!決してライトな作品ではないため、この価格帯、文量に躊躇してしまう文芸初心者の方もいるかもしれません。でも是非、シリーズ1作目『機龍警察〔完全版〕』から挑戦してみてください。1作目、2作目と来てこの3作目を読むと、「読書の喜び」が感じられるはずです。
著者によると映像化はしないそうですが、それもそのはず活字を読むだけで情景が目に浮かんでくるのです。必要ありません。特に、エヴァンゲリオン、攻殻機動隊などSFアニメにハマった人には絶対刺さるということを保証します。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年09月10日

オーディブルで。ユーリオズノフ警部が主役。
ユーリは、正義感の塊のような警官の父の血を
そのまま継いだ子供。まっすぐに生きるクラスの人気者。その対局=影というべき落ちぶれたロシアンマフィアの父の子であるゾロトフとの少年時代の友情。落ちぶれた父に日々酷い目に合わせれながらも、父と楽しそうに過ごすゾロト...続きを読むフを目撃するユーリ。ユーリの父が犯罪を犯したゾロトフの父を知らずに射殺してしまった事件。そして、10数年ぶりに
警官になったユーリと、マフィアになったゾロトフとの
再会。何かすごく切ない気持ちになった。

ユーリのモスクワ民警91分署時代の、素晴らしい仲間や上司.恋人との幸せな時代からの暗黒への急展開。
まさかの仲間全員が裏切り。本当にロシアは、怖い。国家権力は怖い。
やせた犬の7か条が、かっこいい。警官じゃなくても
人生に有効だと思う。
①尻尾を決して巻くな
②相手の目をひかず、相手から目をそらすな
③凍ったヴォルガ川よりも冷静になれ
④見方を変えて違う角度から見ろ
⑤自分を信じろ
⑥目と耳と鼻を決してふさぐな

ユーリは、ものすごくタフガイ。過去の裏切りや
過ちに傷つきながら、まっすぐに生きようとしている
姿勢に感銘を、受ける。最後に裏切った上司が、当時の最善策を取っていて、本質的には、ユーリの、味方だったみたいな件は、国家の陰謀の前には、仕方ないのも理解できるが、気持ち的には、納得がしにくかった。
そしてなぜだろう。影であるゾロトフ、テイエーニのことは、最後まで憎めなかった。何か、ゾロトフとユーリは、最後まである意味お互いを分かり合えたまま、敵対
した気がする。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年01月26日

ユーリの「契約破棄」と裏社会への進出というショッキングな出来事から始まる。
充実した刑事時代、一転して突き落とされた地獄と負け犬の日々、そして現在進行形の潜入操作の「相似」に翻弄されながら、ユーリ、そして特捜は闇の市場を暴くことができるのか。

潜入捜査の緊張感とワクワク感。
特捜と組対の合同捜査、...続きを読むそして宮城県警、受け入れがたくとも目的を同じくする者の熱い共闘。
沖津に翻弄される由起谷夏川コンビ、やはり沖津はすごい。

龍機兵乗りの中で一番脆い部分を抱えたオズノフ警部が、過去においても現在においてもとにかく大変な目に逢いまくる。
「影」ゾロトフとの複雑な関係のもつれや、かつての上司ダムチェンコへの信頼・尊敬・敬愛、それを裏切られた憎しみと哀しみなど、こういうのが……ブロマンス……???

0

Posted by ブクログ 2018年03月14日

機龍警察シリーズ第3弾
本作はシリーズ中最高傑作の呼び声高い1冊。
面白さの要因は何と言ってもシリーズが深まり書き手も読み手も機龍警察に慣れてきたこと。
想像上の兵器、龍機兵の説明とか警備部を取り巻く環境とかいちいち長ったらしい説明が端折られてきて非常に読み易くなった。
また自分は龍機兵と言うものに...続きを読む慣れてきて頭にイメージが出来るようになってきたので戦闘シーンも臨場感が出てきてスリルを感じるようになった。
もちろんストーリーは色々なものが詰め囲まれた折り紙つきの面白さです。

0

Posted by ブクログ 2018年03月01日


「ロシアの闇は深い」
第三作目は“魔犬”「バーゲスト」の搭乗員であるオズノフが主役。元刑事でもある彼がいきなり警察を辞めさせらたところから話は始まる。そんな彼が頼ったのはかつての友であり現在はロシアン・マフィアであるゾロトフ。彼との因縁をはじめ、オズノフが日本にたどり着くまでの数奇な運命、彼がなぜ...続きを読む刑事であることにこだわるのかが描かれている。そして彼は過去と対峙しなければならない苦境に立たされる。今作もラストまで緊張感が途切れないストーリー展開は圧巻。最後は少々お涙ちょうだいな感じがするが今後の展開を見据えれば仕方ないか。作者がロシアの警察に関する文献が日本では見つからないと知り(トム・ロブ・スミスが最高の教科書だったのこと)苦労して書いたとされるロシア警察の世界はトム・ロブ・スミスに負けないくらい良く出来ている。誰が敵だか分からないこの戦いの中で、純粋過ぎるオズノフは少々役不足な気がしていたが、今作を読んでやはり特捜部には必要な人材だと思わされた。今後も姿警部と凸凹コンビを演じて欲しいものだ。

0

Posted by ブクログ 2016年04月05日

いやいや〜さすがに本作も面白かったです。
ホンマ、このシリーズは鉄板ですね〜
とにかく龍機兵の活躍よりも組織のしがらみや軋轢とかの方が面白すぎるだろうって感じます。それに敵と味方のあり方が普通じゃなさ過ぎですよ。あと警察って組織の中もそこで働いている人達も……それがまた堪らんところが本作の魅力じゃな...続きを読むいですかね。

前回のラードナー、今回のオズノフの経緯となる物語の面白さや伏線の引き方と回収の仕方の巧さは脱帽って感じですね。
重くて暗くて鬱屈しちゃってる彼らに少しづつでも救いがある物語の展開も大好きです。
クセのありすぎるお国柄のアイルランド、ロシア、中国とがお相手で絡ませ方が非常に現実的でね。面白いんです。

超オススメのシリーズです。

0

Posted by ブクログ 2015年10月15日

このシリーズで一番面白かった。眠気押して三章は一気読み。

ユーリの過去もライザと同じくかなりダークだけど、人間らしさがそこにあるというか、結構ユーリに感情移入できちゃう。強くない、迷う、不安になる、裏切られても信じたい、そんな姿が人間らしいと思える。

ストーリーも敵味方わからない人や、立場が二転...続きを読む三転する人もいてなかなかスピーディに進みます。クワンがいいキャラだなぁ。


機龍兵は相変わらず私のなかではエヴァ。

0

Posted by ブクログ 2015年05月13日

極めつけの傑作だった。

機龍警察シリーズ、最初から凡百の小説とは
一線を画す面白さだったけど、
シリーズを重ねるごとにレベルアップしていき、
シリーズ第三弾の本作で完全に化けたと確信した。

ページをめくる手が止まらない。
何人たりともこの本を読むことを妨げるな。
久々にそう感じる作品を味わえた。

0

Posted by ブクログ 2014年04月05日

機龍警察シリーズ、3作目。

今回は龍機兵搭乗要員の1人、ユーリ・オズノフにクローズアップ。元ロシア警察の捜査員であり、無実の殺人容疑を掛けられていたユーリ。前回のライザも同様であったが、あまりに壮絶な過去に言葉を失うほど圧倒された。その壮絶さに対し、ストーリー自体はSFなれど、ロシアの現状を上手く...続きを読む填め込んであって、単なる絵空事と感じさせないのがこのシリーズの凄いところ。また、3人の龍機兵搭乗要員の中ではユーリが一番人間的な弱さを持っているキャラであるだけに、ライザ以上に感情移入もしやすく、展開に胸を打った。今のところ、シリーズの中では今作が私の一番。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年03月06日

シリーズ第3弾、もはや安定的圧倒的エンターテイメントの傑作、面白いのなんのって…賞賛の言葉ナシ、生涯ベスト10に入賞決定。以下意味もないが自分の記録としてツラツラと…完全なるネタバレ含みますのでご注意ください!


過去の作品においてSFとミステリ的本格警察小説の融合に成功しているシリーズである。今...続きを読む作でメインを張るのは機龍兵搭乗員の一人、ユーリ・オズノフ警部である。

小説のジャンルとして「サスペンス」なるものがあり、キリキリと胃の痛むような緊張感を読者に与えることが至上なのだが、その舞台としてタイムリミット(いつまでになんとかしないと誰かが死ぬetc)やら、自然災害(暴風圏の航海やら、大寒波の中の雪山遭難etc)やら様々ある中で、キリキリさ加減半端ナイのが潜入、囮捜査である、今回ユーリはその渦中のど真ん中で活躍することになる。

元警官の彼がなぜ機龍兵の搭乗員にまで身をやつしたか?その過去がフラッシュバック的に綴られるのだが、それも囮捜査に端を発した裏切りによるものだったとは!物語は過去と現在のユーリの潜入捜査を交互に描いていく。この対比と、ユーリの苦悩内面の描写に読者は圧倒される、なんてドMなんだよ!ユーリ!

そもそも3人の搭乗員のキャラ付けは当初からハッキリしていたと思うし、自分的にもその色合いは判別容易だった。ユーリは「苦悩」。最も人間的で、だからこそ悩み、だからこそ強くなれる素養を感じていたのだが、見事にユーリ・オズノフ警部の生き様を反映させる物語構成であり、月村氏のリーダビリティのなんと凄まじいことか!(ちなみに姿は「野生」ライザは「虚無」でした)

かくてクライマックスにおけるユーリの戦い、そして敵味方が反転するミステリ的結実と、政治的駆け引きと、混然一体となって雪崩れ込んでいくのだが途中で止めることなどできない、ただただ読むしかない面白さなのだ。

いまだシリーズとしての終末は見えてこない、次作「未亡旅団」も刊行された。いったいどうなるんだ?このシリーズ。しかしもう疑いの余地などなく絶対的エンタメの傑作であることをファンは知っていることだろう。


月村氏は刑事ドラマ見てたんだろうな~ユーリのロシア民警時代って「太陽にほえろ」とか「特捜最前線」とか、刑事のキャラ立ちとか、そのままでこれだけで別の物語できそうだし。「痩せ犬の7か条」には痺れた。

0
購入済み

ユーリの生い立ちが明らかに!

2013年10月05日

今作はロシア人の元警官であるユーリに焦点があてられています。いつも損な役回りのユーリですが、本作でもいつにも増して虐められています。メインキャストなのに。
ライザがメインだった前作ほどの華(というには暗いが)はないけど、ストーリーの面白さは増していますね。このシリーズ、作を追うごとにパワーアップし...続きを読むていているで楽しみです。
そういう点では、3作で3人の主人公を描き切ってしまったのに話は終わりそうもない、という今の状況、どう展開するんだろう?

0

Posted by ブクログ 2023年06月06日

機竜警察はいつもおもしろい。メカニック、ロシア、警察などのは内紛、戦いなど、ハラハラドキドキの連続。読み続けます。

0

Posted by ブクログ 2022年03月15日

オズノフ警部の物語。
武器密売をめぐり、ロシア、中国、警視庁、外務省が複雑に絡み、敵味方が入り乱れる。
最後までドキドキの連続。

0

Posted by ブクログ 2022年01月06日

今回はユーリの過去を絡めて事件が進んで行きます。誰がどう裏切っているのか、過去も現在もわからず、でもどんどん追い込まれていく面白さ!飛ばして読むとついていけなくなるので、ゆっくり読み進めた。そろそろ姿の過去編になるのかなぁ。
もしこの本がマンガでキャラクターランキングなんかがあった、關と姿が上位に来...続きを読むそう。沖津さんもかな?そもそも主人公があやふやな流れなのだよね。

0

Posted by ブクログ 2021年10月03日

面白かった。
後半の特捜部、外務省、宮城県警間の駆け引きの描写とかたまらない。読む手が止まらなかった。

0

Posted by ブクログ 2021年07月28日

姿、ライザに続きユーリの過去に焦点を当てた一冊。3人の中で一番打たれ弱いユーリかわいいね……と思ってたら過去も現在もめちゃめちゃ壮絶で可哀想になってしまった。テンポが良くて全編一気に読み通したんですが、特捜部がこれからも戦い続ける相手が途方もなく巨大で……。ユーリとゾロトフとの関係がかなり良いのと、...続きを読む「痩せ犬の7ヶ条」の演出にやられました。

0

Posted by ブクログ 2019年07月17日

シリーズ第3弾。主人公は、ロシアの元刑事ユーリ・オズノフ警部。シリーズ2弾もすごかったが、今回も凄い。ひたすら最後まで凄い。近未来エンターテインメントだ。
しかし、話の中でロシアの現状(警察の現状)が、語られているが、これが本当なら、そして、日本の警察の現状のそうなら、非常に怖い話だ。近未来ではなく...続きを読む、現実の世界なのかもしれない。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年05月03日

龍機兵バーゲスト搭乗員であるユーリ・オズノフ警部が警視庁との契約を解除されるという驚愕のスタート。旧知のロシアン・マフィアであるゾロトフとの関わりとユーリの転落を描く「最も痩せた犬たち」のエピソードは暗く悲痛で読み進めるのが苦痛なほど。しかし最後にすべての伏線が明らかになるカタルシスのあるラストが待...続きを読むっていた。DRAG-ON、アグリメント・モードでのユーリ=バーゲストの死闘に涙せずにいられない。

0

Posted by ブクログ 2018年02月03日

今回の主役はユーリでした。
相変わらず重厚で、痛くて苦しくて、でも少し救われた。いろんなことに気づいた今、ユーリはどう生きていくんだろう?
〈敵〉も見えたと思えば姿を消すのでハラハラする。沖津の過去も気になるが、今後どこかで掘り下げられるのかな。

0

Posted by ブクログ 2017年08月28日

「機龍警察」シリーズ3作目。今作は元刑事のユーリが主役なので警察小説の色合いが濃くハードボイルドな仕上がりに。
いきなり冒頭からユーリが契約解除で特捜部を離れ武器の密売に手を染めるという驚きの展開。そして明らかになる過去。
数奇な因縁を持つことになるゾロトフとの出会い。「最も痩せた犬達」の一員として...続きを読む邁進したモスクワ民警時代。裏切りにより警察を追われ闇社会に堕ちていく過程。
そこからユーリの持つ繊細さや捨て去ることのできない警官としての矜持の理由が見えてくる。
プロフェッショナルの姿・超人のライザと比べてやられ役気味だったユーリをきっちりカッコ良く描いてくれたことが何ともうれしい。
シャープな印象が強い前作とは対照的にいい意味で男臭い人間味のある内容。

0

Posted by ブクログ 2016年12月15日

2014/7/26
話は目新しいものではない。よくあるパターン。しかし、緊張感のある文体や巧みな言葉選びにより、心躍らせられることしばしば。このシリーズは文句なく面白い。ファンになった。続編では、まだまだ語られていない人物の過去や「敵」との攻防が繰り広げられるのだろう。楽しみだ。

0

Posted by ブクログ 2015年03月21日

おもしろい。読ませる。いろんなギミックがちゃんと違和感なく配置されていて、単なるSFではなくきちんとした「物語」になっている。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年04月05日

再読
1作目は機龍警察の紹介、2作目はライザの過去とIRFのテロ阻止、今作はユーリの過去とロシアの武器密売グループの因縁がメイン。
機龍警察(特捜部)のメンバーの過去と現在進行する事件がシンクロして描かれる構図は過去作と同じ構図。

しかし今回は、武器密売市場時代の恐ろしさとその壊滅をメインプロット...続きを読むとしながら、三つ巴四つ巴の闘いが繰り広げられ、とにかくプロットの巧さに引き込まれる。
ロシアマフィア、チャイニーズマフィア、外事、”敵”、中国、ロシア警察、様々な思惑が絡む。
本当の敵は?そして敵の敵は?

これほど多くの伏線やエピソードをばらまきながら上手く回収する作者の手腕は半端ではないし、濃厚な文章には圧倒される。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年02月14日

「イワンの誇り高き痩せ犬」
ユーリ・オズノフをフィーチャーして描いた第三部。

簡潔にまとめると、ロシアと日本を股にかけた「西部警察」及び「太陽にほえろ」である。
まぁ、無愛想気味なキャラ中心のエピソードとしては随分とコテコテである。しかもノリノリでコテコテである。
またそれが読んでて楽しい。

...続きを読むのロシア・東北と寒いシーンが続くので、是非冬にどうぞ。
BGMは「太陽にほえろ」のテーマで。

0

Posted by ブクログ 2014年01月07日

シリーズ物ということだが、前作を読んでいないが十分に面白かった。警察に代表される権力はどこの国でも腐っているが、その汚辱の中にくっきりと立つ者がいることも信じさせてくれる様な展開。ユーリへの屈折したゾロトフの想いが哀しかった。そして、龍機兵というのは挿絵が欲しいところだ。

0

Posted by ブクログ 2020年02月25日

主要登場人物の過去をえぐり出し、シリーズの展開も見せて行く。
相変わらずの面白さだが、やっぱり、その過去のエピソードが長すぎる気がする。ちょっとダレる。いや、そこもハラハラなんだけど。

読み続けるのが楽しみなシリーズ。

0

Posted by ブクログ 2019年11月13日

11月-6。3.5点。
機龍警察シリーズ。今回はユーリに焦点。
警察から契約解除されたユーリ。ロシア時代の知り合い、闇の武器売買組織に手を貸す。

面白い。スピード感あり。龍機兵操縦者達のエピソードが揃った。次作も期待。

0

Posted by ブクログ 2019年01月22日

月村了衛のクセなのかもしれないが、いかにもお決まりといった設定ばかりなので説明的なナレーションとストーリー展開を待たずとも結果がわかってしまい読んでいて刺激がない。刺激がないから悪いというわけではないが、個人的には小説は展開をあれこれ思い巡らせながらときに期待を裏切られつつわくわく読みたいもの。

0

Posted by ブクログ 2016年04月04日

機龍警察シリーズ第三弾は、元ロシア警察のユーリ・オズノフにフォーカスされる。
彼がロシア警察から追われるきっかけとなった事件、そして、その後日本警察と契約するまでに辿った日々。

本作でも、機龍は重要な登場人物ではあるが、主役にはならない。
主役は、あくまでもユーリ・オズノフ警部と警視庁特捜部。
...続きを読む作も、スピーディーな展開を持ちつつ、じっくり読ませてくれる。
そして伏線と伏線が絡み合って、時間を超えて見事に解決されていく。
実に面白いこと請け合い。

0

Posted by ブクログ 2015年01月21日

シリーズ第3弾です!

本シリーズは、
現在までに、長編4編、短編集1編が、
刊行されておりますが…、

このうち、第1~3作は、
「龍機兵」の3人のパイロットについて、
それぞれ一人ずつ、物語の主軸に据えて、
それぞれの過去と現在を交錯させながら、
警視庁特捜部(架空)での任務が、
リアルテイスト...続きを読むで描かれています。

第3作となる本作品は、
「龍機兵」のロシア人パイロットの、
ユーリ・オズノフの物語となります。

ユーリの設定は…、元ロシア警察の警察官で、
ロシア警察の腐敗の中で、嵌められて逃亡し、
警視庁特捜部に入隊した、といぅ設定ですが、

警察組織の腐敗に抗ぅ一匹狼的な刑事の設定は、
キャラの立ち位置としては、アクセント的にも、
プロフェッショナル・チームの不安要素ですが、
少しばかり、ウダウダ感がまとわりつく感じ…。

本作品のお話も、それほど意外性はなかった…。

各ミステリー誌の年間ランキングでは、
シリーズの中で、最高の評価ですが…、
正直、ボクの中では、評価は逆かな~。

0

Posted by ブクログ 2014年10月13日

シリーズ3作目。
新型機甲兵装が売買されるブラックマーケットの探索を行う特捜部。その一画を担うロシアン・マフィアは、龍機兵搭乗員ユーリと因縁のある男だった…
今回はユーリの物語である。元ロシア警官である彼がなぜ警察をやめ、日本で龍機兵搭乗員になったかという経緯が語られる。今までも彼が警察に抱く複雑な...続きを読む思いは折に触れて描かれていたが、その半生は前作のライザと同じく壮絶なものだった。事件を通してユーリは過去の真実と、今は武器密売商人となった幼なじみとの因縁に向き合うことになる。
ラストはそれぞれ見せ場のアクションもあるが、腐敗しきった警察組織の中で真の警官であろうとする男たちの苦渋と失意、そして希望が痛いほど伝わってくる警察小説である。
面白いからほとんど一気読みだったが、中盤のユーリの回想部分が辛かった…

0

Posted by ブクログ 2014年09月29日

内容(「BOOK」データベースより)
警視庁との契約を解除されたユーリ・オズノフ元警部は、旧知のロシアン・マフィアと組んで武器密売に手を染めた。一方、市場に流出した新型機甲兵装が“龍機兵(ドラグーン)”の同型機ではないかとの疑念を抱く沖津特捜部長は、ブラックマーケット壊滅作戦に着手した―日本とロシア...続きを読む、二つの国をつなぐ警察官の秘められた絆。リアルにしてスペクタクルな“至近未来”警察小説、世界水準を宣言する白熱と興奮の第3弾。

0

「小説」ランキング