月村了衛のレビュー一覧
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腐敗した警察の上層部に戦いを挑む男達の物語。
警視庁の組織対策部の沢渡は、警察官としての誇りもプライドも失われ、惰性に仕事をする毎日。
中国人たちによる大規模な偽ブランド販売組織を壊滅するため、沢渡は捜査に着手するも、命じられたのは「らくがきペンちゃん」という子どものキャラクター商品の偽物さがし。
捜査をしていくと、ペンちゃんの販売に関わる沈という男が浮上し、中国人裏社会の抗争と警察との癒着の黒い影が。
腐れ縁のヤクザの幹部・波多野も巻き込み、事件のカギを握る女をかくまうが。。。
沈と契りを交わし、警察の異分子となった沢渡が、組織の腐敗に立ち向かう。
前半の説明が間延 -
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文庫表紙のイラストが良く、思わずジャケ買いした。「機龍警察」シリーズ以外の月村作品ははじめて。
元公安のシングルマザーと元バンドマンの女体育教師が、群馬のど田舎で韓国の特殊部隊と戦う話(あらためて書くと、すごい設定だ……)。主婦と女教師によるバディ物は、斬新。ストーリーは金大中事件が下敷きでハードボイルド感が強いが、女教師のパートになるとコメディ色や馬鹿アクション感が強くなって、いい感じの緩急になっている。体育教師の武器が金属バットってのが、いいよね! 最終決戦となる舞台立ても、新鮮だった。
難を言えば、体育教師の元バンドマンという設定があまり活かされてなく、そこ周りの描写も弱いところかな -
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機龍警察第4弾 警視庁特捜部の主要メンバーすべてが主人公となる。
第一作機龍警察登場、第二作ラードナー警部、第三作オズノフ警部と順を追ってきて、遂に第四作目では姿警部の過去が明かされると思いきや....
特捜部捜査班、理事官、そして与党の副幹事長、おなじみの公安外事警察まで総動員して対決する敵は、チェチェンのテロリスト集団「黒い未亡人」。
ソチ・オリンピック開催の際に、世界中に名を馳せた黒い未亡人が、日本に潜入した。
自らが死ぬことをまったく厭わず、極めて冷静に自爆攻撃を繰り返すテロリストは、国内のソフトターゲットに大規模な攻撃を仕掛ける。
機甲兵装をもって自爆攻撃を仕掛ける相手に対峙する -
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シリーズ第3弾です!
本シリーズは、
現在までに、長編4編、短編集1編が、
刊行されておりますが…、
このうち、第1~3作は、
「龍機兵」の3人のパイロットについて、
それぞれ一人ずつ、物語の主軸に据えて、
それぞれの過去と現在を交錯させながら、
警視庁特捜部(架空)での任務が、
リアルテイストで描かれています。
第3作となる本作品は、
「龍機兵」のロシア人パイロットの、
ユーリ・オズノフの物語となります。
ユーリの設定は…、元ロシア警察の警察官で、
ロシア警察の腐敗の中で、嵌められて逃亡し、
警視庁特捜部に入隊した、といぅ設定ですが、
警察組織の腐敗に抗ぅ一匹狼的な刑事の設定は、
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内容(「BOOK」データベースより)
警視庁組織犯罪対策部の沢渡と滝本組幹部の波多野は、組織に追われる中国人女性を見殺しにしたトラウマを抱えていた。そんな二人のもとに中国黒社会の新興勢力「義水盟」の沈が現れる。黒社会の大組織・天老会に追われているカンボジア人女性サリカを匿ってほしいと沈から頼まれる二人。サリカは天老会の最高機密を握っているらしい。義侠心に富む波多野はサリカを隠れ家に匿うことになるが…。トラウマをもつ無気力警官、武闘派ヤクザ幹部、そして若き黒社会の首領が交錯するとき、漆黒の闇に潜む巨悪が顔を覗かせる―『機龍警察』の著者による書き下ろし長篇警察小説。 -
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シリーズ3作目。
新型機甲兵装が売買されるブラックマーケットの探索を行う特捜部。その一画を担うロシアン・マフィアは、龍機兵搭乗員ユーリと因縁のある男だった…
今回はユーリの物語である。元ロシア警官である彼がなぜ警察をやめ、日本で龍機兵搭乗員になったかという経緯が語られる。今までも彼が警察に抱く複雑な思いは折に触れて描かれていたが、その半生は前作のライザと同じく壮絶なものだった。事件を通してユーリは過去の真実と、今は武器密売商人となった幼なじみとの因縁に向き合うことになる。
ラストはそれぞれ見せ場のアクションもあるが、腐敗しきった警察組織の中で真の警官であろうとする男たちの苦渋と失意、そして希望