月村了衛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小説家になるという夢に破れ 中学の国語教師となった汐野悠紀夫。小規模校の野駒中学校は読者感想文に力をいれ、汐野がその指導にあたっていた。
汐野はその年の読書感想文コンクールに、顧問を受け持つ文芸部の部員 藪内三枝子の作品を出品。作品は市の代表に選ばれる。しかし三枝子の作品は 過去の受賞作の盗作だというメッセージが 生徒間のLINEに回ってくる。
学校側はLINEをデマで片付けようとするも、その内容は保護者間のLINEであっという間に広がる。三枝子が教育委員会会長の娘であったことから、問題は野駒中を廃校にして小中一貫校にする賛成派と反対派の保護者対立にまで発展。
その様子が何者かのリークにより ネットニュースに取り上げられ やがては教育委員会、政治家まで巻き込む事態に…。
【嘘つきは 、生徒か。教師か。】
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人の心はパンドラの箱、ですねぇ。
汐野が意図せず開けてしまったその箱は、
責任逃れ、保身の為の隠蔽、嫉妬、裏切り…。
人の心の闇の部分を見せつけられて、汐野はやがて 自分のあさましさにも目を背けてはいられなくなります。
三枝子の作品は本当に盗作だったのか、誰が告発したのか。
疑心暗鬼と教師というブラック業務で精神をすり減らす汐野に 追い討ちをかけるように語られる最悪の真実。
自尊心と小さなプライドを守るために、他人を蔑み 蹴落とそうとした人たちの末路、かな。
『人間界という闇の中には、暗鬼しか潜んでいない。
そうだ、全員が暗鬼だったのだ』
汐野も自業自得なところがあるとはいえ、あんだけズタボロにされたら それはこうなる。病む。
_| ̄|○ il||li
人の暗い部分が解放(?笑)される後半部分はゾワゾワでゾクゾクでした笑
初 月村了衛さん
警察小説が有名なのかな?
最近は先生たちの働き方も見直されてるみたいだけど、本当に大変そう。先生方 お疲れ様です。SNSも怖い。北海道の中学校で生徒の個人情報がネットに流れたニュースもあったけど、(あんな評価をする教師も最低だけど)どんなに注意をしてもネットに流す人がいることも怖いし悲しい。その先に 深い傷を負う子どもたちがいることが想像出来ないのかねっ ( '-' ꐦ)
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Posted by ブクログ
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フリースクールを更に進化させた
理想の学校作りに心血を注ぐ出版社社員が、
社会抗争に巻き込まれる中で自分自身の偏見と
本懐に向き合う物語。
いじめにあった子どもたちが、安心して過ごす
居場所となる学校という名の場所作り。
一人ひとりの尊厳を守り、自主性を育てる
希望に満ちた学園。
期待に溢れる構想に大人も子どもも心を
掴まれるが、そこに会社の利益や体裁が影を
落として足枷を作る。
綺麗事だけでは叶えることのできない
社会の現実に打ちのめされながらも、
子どものため、己の信念のため必死で抗う主人公。
立場を危ぶみ恐る姿、心の芯が揺れる様は
人間そのもので、それでも弱さは受け入れて
乗り越える強さがリアルでした。 -
Posted by ブクログ
月村さんの社会派小説に関心があって本作を手に取りました。私も会社員という立場ではありますが、中間管理職の苦悩や派閥争いとは縁遠い人であるので、なかなか感情移入しづらかったかなぁと。ただ、エンタメとしては面白いし、今まで自分が読んできた本とは毛色が違うので少し新鮮味もありました。
物語の主人公は出版社の教育部門で働く課長の秋吉。その出版社では、不登校やいじめの被害児童がノビノビ過ごせるオンライン学校の設立プロジェクトを推進しており、秋吉はその一端を担っていた。そんな時、局長の息子が転落死したという知らせを受け、プロジェクトの中心人物であった局長が休暇すると同時に、プロジェクトの一時休止が決まる。そして、それを不審に思った秋吉は死因や背景を探り始めるという内容。
読んだ感想としては、ミステリーベースなので、比較的読みやすかったように感じました。特に、テッパンの展開ではあると思うのですが、派閥争いが激化する中での内通者の存在は、物語にミステリーのエッセンスを加えているように感じました。個人的には、物語の結末がとても現実味があって、ここは社会派っぽいなぁと思いました。