月村了衛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
月村了衛『ビタートラップ』実業之日本社文庫。
ライト・スパイ恋愛小説といった所だろうか。1時間程度で読み終えてしまう程、非常に軽く、甘い雰囲気の中に少しだけスパイスの効いた感じのストーリーであった。味で言えば、スイートチリソースのような感じかな。
結末は想定の範囲内で良くも悪くも、美味からず不味からずといった作品であった。月村了衛の一連の作品の中では駄作の部類に入ると思う。
農林水産省で働くノンキャリア公務員でバツイチ33歳の並木承平は、中華料理店でバイトする24歳の黄慧琳と知り合い、男女の関係になるが、ある日、並木は慧琳に自分が中国のハニートラップであることを告げられる。
慧琳に本 -
Posted by ブクログ
小説家になるという夢に破れ 中学の国語教師となった汐野悠紀夫。小規模校の野駒中学校は読者感想文に力をいれ、汐野がその指導にあたっていた。
汐野はその年の読書感想文コンクールに、顧問を受け持つ文芸部の部員 藪内三枝子の作品を出品。作品は市の代表に選ばれる。しかし三枝子の作品は 過去の受賞作の盗作だというメッセージが 生徒間のLINEに回ってくる。
学校側はLINEをデマで片付けようとするも、その内容は保護者間のLINEであっという間に広がる。三枝子が教育委員会会長の娘であったことから、問題は野駒中を廃校にして小中一貫校にする賛成派と反対派の保護者対立にまで発展。
その様子が何者かのリークに -
Posted by ブクログ
※
フリースクールを更に進化させた
理想の学校作りに心血を注ぐ出版社社員が、
社会抗争に巻き込まれる中で自分自身の偏見と
本懐に向き合う物語。
いじめにあった子どもたちが、安心して過ごす
居場所となる学校という名の場所作り。
一人ひとりの尊厳を守り、自主性を育てる
希望に満ちた学園。
期待に溢れる構想に大人も子どもも心を
掴まれるが、そこに会社の利益や体裁が影を
落として足枷を作る。
綺麗事だけでは叶えることのできない
社会の現実に打ちのめされながらも、
子どものため、己の信念のため必死で抗う主人公。
立場を危ぶみ恐る姿、心の芯が揺れる様は
人間そのもので、それでも弱さは受け入れて
乗り -
Posted by ブクログ
月村さんの社会派小説に関心があって本作を手に取りました。私も会社員という立場ではありますが、中間管理職の苦悩や派閥争いとは縁遠い人であるので、なかなか感情移入しづらかったかなぁと。ただ、エンタメとしては面白いし、今まで自分が読んできた本とは毛色が違うので少し新鮮味もありました。
物語の主人公は出版社の教育部門で働く課長の秋吉。その出版社では、不登校やいじめの被害児童がノビノビ過ごせるオンライン学校の設立プロジェクトを推進しており、秋吉はその一端を担っていた。そんな時、局長の息子が転落死したという知らせを受け、プロジェクトの中心人物であった局長が休暇すると同時に、プロジェクトの一時休止が決まる