月村了衛のレビュー一覧
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ロッキード、東芝ココム不正、ゴルバチョフのペレストロイカ、そしてオウム真理教に神戸の大震災、北朝鮮。最初の二つはリアルではあまり覚えていないのだけれど、やはり昭和の大事件だから、記憶にはあるし、他の事件は本当にリアルで覚えてる。
日本という国は、そして平成と令和という時代は、それほどまでに、嘘と欺瞞に満ち満ちた時代であり、国なのだろうか。
一介の市井の民として生きる自分には、その時々の自分の思い出は、この本の主人公が辿った想いとはまたかなり似ても似つかないものだけど、その場面場面で、自分がその立場に置かれていたら、やっぱり、この主人公のように、立ち振る舞い、悩み、そして受け入れて、いたのだろうか。
一つ一つの事件の読後感はすっきりしないのだけど、最後はなぜか、妙に、ああ自分もこういう境地に達したいなと思える話だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読書備忘録622号。
★★★★。
201X年代後半から作者は特定の社会的テーマで事実に近い小説を世に出し始めましたが、この作品はSNSと学校がテーマ。実際にあったことをモチーフにしていない分、フィクション色が強い感じでした。
舞台はとある中学校。読書感想文に力を入れており、全日本少年少女読書感想文コンクールに応募することを目的にカリキュラムに組み込んでいる。
そこで起きた盗作疑惑。SNSで瞬く間に保護者も含めて拡散された。
感想文は、既に学校の代表となり更に市の代表選考も突破していた。書いたのは市の教育長の娘、薮内三枝子。指導したのは学校の文芸部顧問で国語教師、汐野悠紀夫。
盗作疑惑は学校への持ち込みが禁止されている生徒のスマホからLINEで発信されていた。持ち主は発信された時間サッカーグラウンドにいて、スマホは持っていなかった。悪意をもったイタズラなのか・・・?
盗作疑惑は単なるイタズラとして火消しに奔走する汐野。汐野は県会議員の娘と交際しており、この県会議員と教育長は繋がっており、汐野は教師から市の教育委員会に抜擢され、そのあと政治家への道が約束されており、ここでケチが付くわけにはいかなかった・・・。自分の政界進出を絶対に成し遂げるために。
しかし、SNSを使った盗作疑惑情報の発信はエスカレートしていく。
そして疑惑は、学校統廃合の賛成派反対派の陰謀という構図、教育長と県議の癒着など地方政治腐敗の暴露に発展していく・・・。
しかしそもそも、盗作疑惑を投げかけたのは誰なのか?真相は思わぬ方向に一気に舵を切りクライマックスへ!
めっちゃ怖いですね。正に暗鬼です。笑
この作品には、一度発信されたら拡散を止めようがないSNSの恐ろしさと、セキュリティや個人情報に無頓着にスマホを使う中学生の危うさ、加えて、実際に新聞を賑わせている教育現場における過重労働、お約束の地方政治の腐敗と利権問題を絡めに絡めてエンターテイメント小説に仕上げています。
誰でもわかりますが、作品名は志賀直哉の暗夜行路をもじっていますが、主人公が暗夜を彷徨い何かを見つけていくという物語ではなく、暗夜に暗鬼が彷徨う疑心暗鬼の世界が人間の社会であるこということを言いたいのだと思います。
嗚呼、面白かったぁ。笑 -
Posted by ブクログ
ロシア人の元刑事ユーリを中心にストーリーが進み、隠された過去も明らかになる、
マフィアへのスリリングな潜入捜査、警察内部闘争、友人・元恋人・同僚たちとの悲しみに溢れた愛憎劇、そして、主人公兵器パワードスーツ”機龍”の出番は少なめながら、ラストまであっという間に読めてしまうSFサスペンスシリーズ。
本作主人公ユーリに感情移入でき、失神するような火傷と打撲を味わう疑似体験できてしまった。
どうやら、次回作の文庫化するまで待てず、ハードカバー価格で買ってしまうぐらい世界観に、はまってしまったようだ。
この作品、アニメ・ハリウッド映画でではなく、海外で発表されないかなぁ、日本発SF文学作品としてウケると思うのだが。