月村了衛のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
護り、生き、活かす
誠義を貫くというのは由起谷警部補が今回見せてくれた姿勢を言うのだろう。自己犠牲とは程遠い、そして遥かに難しいことをやってのけた由起谷警視に心から敬意を表したい。何れにしても・・前作から5年、待ちくたびれました 笑。
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過去の無実の罪で法曹界を追われた元検事が主人公。法の知識を武器に裏社会で非弁護人として活動している。ふと知り合ったパキスタン人の子供とヤクザからの依頼で、元ヤクザや在日外国人などの社会的弱者のマイノリティたちを食い物ににし最後は殺していたある人物を見つける。主人公は元同僚の弁護士やヤクザと組み、その人物を適正な法の裁きを受けさせるべく戦っていくが。。
相当面白かった。色々な事件が起きるが、テンポよく進み、飽きせせない。全てが1つの人間に集約されていく展開も見事。読後感も良かったが、同時に裏社会の闇にもっと触れられていたら、更に良かったと思う。別作品に期待したい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かったです。
翔太の話が特に良かった。
逆に海斗については生きる世界が違い過ぎて興味深かったです。
海斗に似た人として特定の方を思い浮かべる人も多いんじゃないかなと思います。
私は翔太のような人よりも海斗のような人の方が思い浮べやすいので、その事実に少し悲しいなと思いました。
そして海斗は恵まれた環境で育ってきたのに…という書かれ方ではありましたが、海斗にとって本当に恵まれた環境だったのか?というところは疑問に思います。
海斗が突き進んだのはお手本となる人達、そしてそれを助長する人達がいるからでもあると思います。
もちろん海斗が選択してきた結果ではありますが、海斗もある意味被害者なのではないのかなと思っちゃいました。
海斗の幼少期なども気になります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本作は単なる半グレを題材にした犯罪小説ではなく、「本当の悪とは何か」を読者に突きつける重厚な社会派エンターテインメントだった。暴力や搾取だけでなく、その背後にある社会の歪みまで描き切る筆致には圧倒される。
物語は終始重苦しい空気に包まれている。それでもページをめくる手は止まらず、一気読みせずにはいられなかった。息苦しい展開の連続なのに、不思議と目を離せない吸引力がある。
特に印象的だったのは、翔太と海斗という対照的な二人の存在だ。同じ世界に身を置きながら、異なる価値観と選択によって歩む道が大きく分かれていく様子は見応えがあり、人は何によって形作られるのかを考えさせられた。
また、作中で描かれる半グレや権力構造、人間の欲望はフィクションとは思えないほど生々しく、現実の社会問題を連想させるリアリティに満ちている。ただスリルを味わうだけでは終わらず、読後もしばらく「本当の悪」とは何なのかを考え続けてしまう一冊だった。重厚で読み応えのある社会派小説を求める人には、ぜひおすすめしたい。 -
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ネタバレとうとう既刊に追いついてしまいました。
シリーズ6作目も面白かった…地獄………因果と怨念の第6弾。本当にそう。
いつも飄々としていると思っていた姿警部がこんなに焦り追い詰められるとは思いませんでした。
突入班の新メンバー、元モサドのシェラー警部が姿警部にとって代われるとは思いませんが。ここは引きずるかも…姿警部が握られている秘密って何なのでしょう。沖津さんしか知らないのかな。
そして「未亡旅団」からずっと追い詰められてきた城木理事官はご親戚の城州グループの件に巻き込まれ、やつれ具合がもうかなり心配です。
〈敵〉の一端がとうとう姿を現しましたが、そんな……さすがに好意を気付かないのは城木さんが鈍感すぎるけど。新キャラなのに矢印向いてる描写ありましたよ。
警察組織内で由起谷さんと人気を二分してるみたいな特捜部メンバーの城木評ありましたが、城木さん本人は全然気付いてないんだろうなぁ。
しかし毬絵さんは手強そうです、なんたって京都人。洛中の人ですから。
ミャンマー出張組もハラハラし通しでした。
素人の大使館職員と引き渡されたリーマン・君島を、丸腰で入国するしかなかった突入班と「貴様たちだけでなく俺たちも攻撃してくるのか!?国軍が!!」とどんどん絶望していくミャンマー警察部隊のソージンテット大尉とその部下たちという少数で守り切れるのか。
日本政府とミャンマー政府のエグい真相によって何重にも張り巡らされている罠。
突入班だけでなくミャンマー警察部隊のスキルも高いので、姿警部とソージンテットの戦略で何とか乗り切れていても次々にピンチが訪れます。
ミャンマーの奥地に突如登場するフォン・コーポレーションのクヮンは、姿とソージンテットによると伝説の機甲兵装乗り。
姿警部が畏怖する程の腕前で…ここが本格的に敵に回ったら機龍兵もかなり苦戦しそうです。こういう乗り手があと11人いるの…
序盤から見え隠れていた、沖津さんから後方支援として雇われていたシェラーの人脈で、
今作では機甲兵装バトルがありました。機龍兵は日本でお留守番だけれど、第二世代だから迫力ある機甲兵装戦でした。
地の利を十分に活かした相手の戦法と、それに負けない突入班のキモノ捌き。入庁前は普通のキモノだったのだろうのでお手のものでしょう。
驚きはやはりソージンテット。国に騙された部下が浮かばれないと、鬼神のような動きで敵を殲滅していってて、姿警部からも(やるじゃないか)と密かに褒められていました。
ロヒンギャ虐殺を当たり前のことと行ってきたのは許されないけれど、それを行わせてきた国家への怒りと、亡くした部下への哀しみと復讐心とで修羅に堕ちていました。最期も壮絶でした。
物語が連載されていた最中にミャンマーでクーデターが起こり、作中に反映されたとのことでした。
解体寸前だった警視庁特捜部が…首の皮1枚のような気もするけれど存続できたのは世界情勢のおかげでした。
本丸には攻め込むことはできなかったけれど、
・公安は〈敵〉ではない
・城邑毬絵は〈敵〉
というのがわかったのは良かったかもしれません。
地道に、足で稼ぐ。
仁礼捜査官が続投でうれしい。国税局の魚住さんもチラッと登場。
清水公安部長の「好きにおやんなさい」は厳しいけど、でも言外に特捜部のこと(いけいけどんどん!)と思ってるのが滲み出てるといいな…どうかな……
小野寺さん全然掴めん
蟻の穴からガラガラと崩れていくように、特捜部をあの手この手で穴をあけて壊滅させ、
自分たちの良いように組織を作りたい〈敵〉とのバトルはつづく?
城木さんのご心労は如何ほどかと心配しつつ、
姿さんも鬱屈かなり溜めそうで心配…と思いつつ続きも楽しみです。
ライザが「警察官だから」という理由で選択するようになってよかった。姿は索敵してて、ユーリは捜査してるんだなと見方も変わっていていい。
衆生が輪廻転生する六道。
その中の「畜生道・餓鬼道・修羅道・地獄道」は四悪趣とする説もあります。
天道、人間道、修羅道で三善趣だそう。3:3で分けると修羅はこっちなんだ…
各章のタイトルにも救いはありませんでした。 -
Posted by ブクログ
物語は、1976年のロッキード事件の衝撃から幕を開ける。主人公の砂田修作は、警視庁の公安部で「裏の歴史」と対峙し続ける孤独な警察官。昭和の激動期、砂田は、日本の政財界を裏から操ろうとする旧ソ連や北朝鮮の工作員たちの存在に気づき、その暗躍を追い始める。ロッキード事件の喧騒の影で、日本の主権を脅かすスパイたちは着々と根を張り、昭和から平成へと移り変わる時代の中で、数々の国家的不祥事や凶悪事件を操っていく。砂田は、組織の論理と、一人の人間としての正義との間で揺れ動きながら、国を揺るがす巨大な陰謀の深淵へと足を踏み入れていく。。。特徴は、 ロッキード事件を起点に、地下鉄サリン事件等戦後日本を揺るがした実在の重大事件を、「工作員の暗躍」というレンズを通して、筆者独自の視点で事件を再構築した点。スパイ小説という緊迫感に、人間ドラマを織り込み、人の息吹と影を感じる秀逸な作品ですよ~。
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Posted by ブクログ
辛いとか悲しいとか、そんなレベルを通り越した慟哭。もう、何だか上手く言葉に出来ない。これは、一人の人間として正面から向き合って読むべき本。
私は日本人。幼少期には「チョン」「チョーセン」といった言葉を深い意味も知らず、相手を侮辱する言葉として使っていた。歴史を知り、生まれたところや皮膚や目の色が違うだけで何が違うんだと考えるようになった。ブルーハーツの『青空』の歌詞が私に与えた影響は本当に大きい。
私は職業柄、様々な国や国籍の人たちと接する機会が多い。それでも「この人はどこの国の人なんだろう?」という先入観を完全には捨てきれない。偏見を持たないよう心掛けていても、その難しさを感じる。
この本を読み終えて改めて思ったのは、「どちらが悪い」「誰が悪い」と過去の責任だけを問い続けても、この問題は簡単には解決しないということ。差別や理不尽な扱いを受けた人たちの苦しみは、謝罪だけで終わる話ではない。そして、時は戻せない。
「楽園」を信じ、人生が変わると希望を抱いて飛び込んだ先が地獄だった。そして、その先にある耐え難いほどの慟哭。日本人である私も「ざまあみろ」などとは決して思えない。
だからこそ、一人の人間として自身のアイデンティティを持ち、相手と対話する力を失いたくない。そして、平和的な解決を心から望んでいる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「現代社会は恐ろしい速度で変容している。その変容の先に、どういう未来が待ち受けているのか、もはや想像すら追いつかない。それでも我々は、少しでもその世界がよいものとなるよう、今、そう今この瞬間にだ、全力を尽くさねばならないと思っている」……沖津部長!!!
シリーズ5巻もとても面白くてゾッとする展開でした。
ずっといがみ合っていた捜査一課・捜査二課と警視庁特捜部が合同捜査するのか!や、財務捜査官や国税庁まで共闘してるところに高まったものの。仁礼さんと魚住さんも面白すぎです。
捜査している連続殺人が法王カードを送り付けてくる予告殺人かもしれない上に、シリアルキラー“狼眼殺手”がライザと同じ組織にいた人だなんて…もりもり。
短編集「火宅」の「化生」に繋がる、機龍兵の技術が解明されてスタンダードとなるかもしれない世界。量子情報通信ネットワーク、あとは「人権無視して脊椎と繋げている」がばれたら。。。
警視庁特捜部にも、ドラグーンの搭乗者3人のこの真実がようやく伝えられました。そうだったのか…で、皆さんショック受けられていた。
宮近さんと城木さんの両理事官、特に城木理事官どうなってしまうのか。
由起谷さんも生き延びられるのか…
捜一の牧野さんの弱音に、沖津部長が「おかしいのは世界のすべてです」と答えたシーンも目の前が暗くなってよかった。
みどライザ