月村了衛のレビュー一覧
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月村了衛『白日』角川文庫。
月村了衛としては、かなり異色の企業エンタメ小説。半沢直樹のような爽快感は無いが、心の中に優しい風が吹くようなリアリティ溢れる小説だった。
派閥争い、噂、隠蔽と日本企業では大小少なからず様々なことが起きる。そんな欺瞞に満ちた日本企業の中で正義、正論を貫こうとする難しさ。きっと正義、正論を貫くことを止めて、様々な欺瞞に折り合いを付けられる人間が出世するのだろう。
大手老舗出版社の千日出版で教育事業推進部の課長を務める秋吉孝輔は引きこもりや不登校対策を標榜する新時代の通信制高校を開校するプロジェクトを進めていた。大手学習塾と手を組み、IT企業と提携したこのプロジェ -
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ネタバレ班長……!!
これに尽きます。面白かった。
面白いばかり言ってられない、〈敵〉の政治圧力も怖くなります。警察組織だけでなく外務省にもとなると、沖津部長大変だ。。
ユーリが生き延びて良かったです。本当は守られていたのか……警官の先輩たちにも、ゾロトフにも。「おれが守ってやる」のクリスじゃないか…容赦ないギリギリのラインだけれど。
クワンさん何者なんだ、チャイニーズマフィアのビジネスマンにしてはスマートに協力してくる。シビアなビジネスマンなのかも?
それにしても班長……刑事でした。ユーリに刑事を辞めさせたことずっと後悔してたのかなぁ、懺悔みたいにロシアから助けに来たと思うと。。でも、ユーリの危 -
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詐欺商法で一世を風靡した横田商事の残党 隠岐隆が因幡充と原野商法で暴利をむさぼる前編では、詐欺の手口の解説のような部分が多く、楽しめた.難しい問題の処理に暴力団が絡んできて、隠岐の本領が発揮されるが、仕事以外に家族間の問題も発生し、隠岐が苦労する.ダミー会社を次々と作って金をうまく隠す手法には感心するが、最期は人との関係を如何にコントロールするかが、ビジネスの肝だと感じた.政治家の力を借りたり、広域暴力団を手玉に取ったり、隠岐の活躍が面白かった.リベリアまで手を伸ばす才覚は侮れないものだと感じた.
騙される人がいることは認識していたが、騙す側も苦労している実態が見えて楽しめた. -
Posted by ブクログ
再読
1作目が姿の過去、今回はライザの過去が物語の横糸となる。
IRFの国内テロ画策とそれを阻むために孤軍奮闘する特捜部の闘いを描くメインプロットは文句なく面白い。
政府内、警視庁内・県警派閥の思惑が入り乱れ、外務省や公安、さらには黒社会まで絡んでくるのは今日のアジアの複雑な状況を見事に表している。
しかし、それだけにライザの物語が長すぎる。生い立ちから現在に至るまでが延々と続く。いっそのこと本編ではもっと省略して、スピンオフで出版すればよかったのでは?ワールドワイドなテロや局地戦を詳細に描きこめばいいのだし。
いずれにしろラストの壮烈な戦いまで一気に読める。
これ以外の落としどころは無い