【感想・ネタバレ】機龍警察 未亡旅団のレビュー

あらすじ

女性だけの自爆テロ集団がチェチェンから日本に潜入した。特捜部による捜査の一方で、城木理事官は政治家の兄にある疑念を抱く。

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機龍警察シリーズ、4作目。
前作『暗黒市場』は、父と子。今作は、母と子がテーマ。

由起谷(ゆきたに主任、漢字変換が面倒い!)、城木の特捜部2大イケメン(ユーリも入れると特捜3大イケメン)が対になって物語りが進行。
そこへ、少女カティマが母というテーマを背にして絡んでくる。

由起谷主任の取調べは見もの(読みもの⁈)です。
落とすというより、相手を信じたい、昔の自分を重ね合わせる相手に対して、自分と同じように、怒りをコントロールして正しい(正しいって難しいが)道を歩めるはずだと信じたい。気持ち、祈るような思いを感じた。

作中登場する2つの手紙も対照的。
ラストに登場する手紙、泣くー。

城木理事官の今後、でもってお兄さん実際どうだったの?ってとこが気になるけど…今後明かされるのだろうか?

えー、次は『火宅』を読みます…読み始めました!
でも、1作目からもう一度読み直して伏線や登場人物の関係を整理したい気もするなぁ…皆んな魅力的だけど、なんせ人数が多い!肩書きがむずい!
だからこそ面白いんだけど!!
これが、「沼る」というヤツか。

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2025年04月28日

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ネタバレ

ナレーターがシンジくんの声に変わり、キャラクターの把握に手間取ったが、女性の登場が多いこの作品ではかえって良かったかもしれないと思った。

ウクライナ戦争前からロシアにはどことなく薄気味悪い印象があったが、このシリーズを追うごとにその理由が明確になる。私はあまりにも知らな過ぎた。登場人物は存在しないが、この惨劇は存在している。

崇高な理想、大義の為に戦っていたはずのシーラが私怨に堕ちてゆく様、それを見抜き自己の罪に気づくカティアの描き方が見事だった。集団の目的はいつも巧妙に変容する。踏み越えてはならない一線は細すぎて見えにくい。気づいたときにはすでに止まれないほど加速している。

憎しみは人、つまり憎むことを止められない自分の存続をゆるし、愛は人、愛してしまった自分を殺す。愛が憎しみを消すのならば、憎むことでかろうじて生きながらえる自分は?愛しているなら殺さねばならない。憎む自分を。シーラはひなこからの手紙を読んだ時、そう思ったのではないだろうか。

「母」とは人間に強烈に備わっている概念だと思う。それは必ずしも産み落とした女性と一致しない。守り育む存在を「母」と呼び、思慕する心はこの世から消えるまでなくならない。
子を喰らう悪鬼は前作でも登場した。喰うということは、すなわち自分の為に利用すること。子供を利用する大人。それは今も溢れかえっている。利用する側には死んでもいきたくない。

カティアは生きられるだろうか。
この後も登場してくれるだろうか。
シロキは闇落ちするのか。
スガタのメンタルはもつのか。
次へ

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2024年04月10日

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シリーズ4作目。
今作はチェチェンで家や家族を奪われた女性たちが自爆という手段を用いて日本でテロを行うテロリストとなり、世界に訴えかけると言う物語だった。
このテロを防ぐために特捜部は捜査を開始する。この捜査を続けていくとチェチェンの悲惨な状況などを目の当たりにして心揺さぶられる特捜部の面々がそれでも彼女たちを制圧しなくてはいけない場面はとても重く哀しい場面だった。
チェチェンに限らず、世界中で子供や女性がこのような被害を受けていると考えるといたたまれない気持ちになった。
ただ、この作品は最高だった。

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2023年09月23日

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チェチェン紛争で家族を失った女性だけのテロ組織『黒い未亡人』が日本に潜入した。公安部と合同で捜査に当たる特捜部は、未成年による自爆テロをも辞さぬこの敵の戦法に翻弄される。一方、城木理事官は実の兄・宗方亮太郎議員にある疑念を抱くが、それは政界と警察組織全体を揺るがす悪夢につながっていた――現代の悲劇と不条理を容赦なく描き尽くす、至高の大河警察小説シリーズ、憎悪と慈愛の第4弾。

文庫化されたので、9年ぶりに再読。主役だけでなく、ほんのわずかな登場の脇役にいたるまで、印象に残る。

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2023年07月11日

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質量にちょっとビビッてしまい、読み始めるのに多少の気合が要る本シリーズ(あくまで自分にとっては)。でもいざ物語に触れるや、そんなイメージが実にバカバカしく思えるくらい、圧巻の展開に毎回唸らされる。機龍兵搭乗員の3人とその上司に限らず、それ以外の警察官、更には敵役までも、実に魅力的に描かれるのが素晴らしい。あとがきにもあるように、最初の3作で、件の3人の紹介がある程度なされ、本作からは、いよいよ”敵”にまつわる大きなテーマも動き出した印象。今後、ますます目が離せないな。

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2023年07月04日

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ネタバレ

チェチェン人テロ組織「黒の未亡人」との壮烈な戦いを描く。
過去3作で、メインプロットに絡めて、3人のドラグーン搭乗者の過去を描いてきたが、今作は特捜メンバー、そして女性テロリストにスポットがあてられる。

チェチェン紛争など報道でしか見てないが、その悲惨さ、特に女子供が巻き込まれる紛争は痛ましすぎて、いくら世界の現実とは言え、読んでて辛かった。

今回はこの組織との戦いが前面に押し出され、その事案を巡っての”敵”との水面下の確執はあるもののストーリーはいたってシンプル。それだけに、これは映像化したらテンポがあって見ごたえのある作品になりそう。
過去(作品)との絡みも見事で、相変わらず一級の作品に仕上がっている。

個人的には、彼女は搭乗要員になる、と思っているのだが。今後はあるかな?

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2023年06月10日

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いつもながら敵テロリストの命名が絶妙。モビルスーツ同士の戦いも映像が見えてくるような文章でさすが。
ただ、身内の敵なるものが、どうもしっくりこない。シリーズ続けてずっとこのモヤモヤが続くと思うと、せっかくの良い作品なのだが、食欲がなくなる可能性も・・

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2025年09月20日

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ネタバレ

チェチェンの事はどこまで本当なのかはわからないですが、チェチェンに限らず独裁的な脳筋どもが支配しているところでの女性や身体の弱い人間に対する扱いは常軌を逸しているのだろうと推測する。

テロリスト達の最終目的が全然わからず、ページを捲る毎に疾走感が増すような感じでどんどん読んでしまった。エンタメ小説としてとても面白かった。

ただ、日菜子さんウザい。
大事なものを不用意な一言によってズタズタにされた相手に向かって、やった本人でも無い第三者が「許してほしい」て、何様だ。 謝る事で気持ちよくなりたいだけの偽善者か。 

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2025年04月07日

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ネタバレ

シリーズ続巻を読むのが久々でも世界にスッと引き込まれる機龍警察。4作目も面白かったです。
チェチェンから女性だけのテロリスト集団が国内へ侵入し、各地で自爆テロを起こしていく…それは警察組織と政界を巻き込んだ大事件に。
機龍兵搭乗者3人が描かれてきたあとで、今作の中心は由起谷主任と城木理事官でした。2人とももの凄かった…特に、温厚だと言われてた由起谷さんの〈白鬼〉、凄絶でした。
でもそれがテロリストのカティアと呼応して。。ラストのお手紙、わたしも涙腺が…

いつも事態から距離を置いて眺められてる気がしていた姿警部が、過去の戦闘を思い出して動揺していたのが印象的でした。
見せないだけで、心の傷が消えることはないのだろうな。キモノに搭乗してた敵だったとはいえ、子どもを殺した傷だし……

分厚さに怯むけど、読み始めたらグイグイ読めてあっという間でした。

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2024年11月20日

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日本に潜入した海外のテロ組織との戦い、
壮絶な自爆テロ
テロリストのリーダーと日本に繋がりが!
テキの存在の一端が!
ほんとに面白い。
新宿鮫が好きな人は、ハマると思う。

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2024年10月04日

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ネタバレ

冒頭はいつもの「機龍警察」シリーズらしく、派手派手しい戦闘シーンで幕を開けます。戦闘の主役は、紛争地帯チェチェンから日本に極秘入国した女だけのテロ集団「黒い未亡人」。未成年の少女も含め自爆テロを容赦なく実行する「黒い未亡人」は、敵方ロシア寄りの日本政府に鉄槌を下すためテロを実行すると考えられていたが、その裏にはもう一つの情念に満ちた復讐劇があった。特捜部の城木は、政治家である兄の不審な動きに気づき、その動きを追うが・・・。

本を閉じたとき、鴨が強烈に感じたのは、「純粋な善意の”暴力性”」です。
多くの人を不幸にする悪であるテロリズムを容認する気持ちはさらさらありませんが、でも、テロリストにはテロリストなりの理屈や決意があります。自国を守るため、人々を守るため・・・その行動自体は悪であり暴力そのものであっても、彼らの”悪”には、理由なり理屈なりがあります。
でも、善意には、理由も理屈もありません。ただ、純粋に無私の心から発するものです。だからこそ、悪い方に転がると手に負えない結果が待っています。そんな残酷な事実を、端的に表現した作品だと感じました。

ストーリー中に実際はほとんど登場しないにもかかわらず、強烈な存在感を放つ城木の義姉・日菜子。彼女が”純粋な善意”からシーラに送った手紙が、この「未亡旅団」で展開される一連の悲劇のきっかけになった、と鴨は思います。
「戦地チェチェンで貴女のコミュニティが全滅するきっかけを作り、貴女を捨てて逃げた男と、私は結婚します。こちらにも事情があるので、悪く思わないでください。貴女もいろいろ大変だと思いますが、どうぞお幸せにね」とメッセージを送られて、激怒しない女はいないと思うんですけどね・・・。この無邪気とすら言える日菜子の”純粋な善意”が、シーラを少年兵をも巻き込んだ大規模なテロ行動に突き進ませたのでしょう。そして、城木の兄であり日菜子の夫であった宗方亮太郎も、そのことは重々理解していたのだろうと思います。彼が新潟に向かったのは、シーラを止めようとしたのか、それとも別の意図があったのか・・・。いつもの機龍警察とは異なり、途中からいきなりラブロマンス要素が入ってきて「おいおい何だこれ」と思いつつ読み進めて、このモヤモヤした結末。色々と後味の悪い幕切れでした。

・・・が、最後の最後、逃げ切った幼い元テロリスト・カティアが、来日中に彼女を救ってくれた特捜部の由起谷に宛てて辿々しい日本語の手紙をよこし、それを読んだ由起谷が愛憎入り混じった泣き笑いをする、このラストシーンには一抹の希望を感じます。いつかカティアが機龍警察の突撃班のメンバーにならないかな・・・なんて思ってしまう(そうならないことが彼女の幸せだと思いますが)、この先に繋がる光を感じました。

機龍警察シリーズの中では異色の作品だと思いますが、一流のエンターテインメント作品であることに変わりはなく、読んで損はありません!

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2024年02月18日

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すごい。いろいろな難題が絡みあって物語が進み、一つ一つがほぐれていく。だから、機龍警察はやめられない。

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2023年10月03日

Posted by ブクログ

歴史上実在したテロ組織チェチェンの「黒の未亡人」を題材に機龍警察の世界に合わせて事件を創造している。しかし、チェチェンの女性達が「黒の未亡人」を組織した経緯や組織の中にいる個人個人の葛藤は、いかにも描かれる通りだったのだろうと思わされる。

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2023年06月25日

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