月村了衛のレビュー一覧
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裏口入学のスキャンダルに揺れる私立医大で、
以前から女性受験者の得点を一律下げて合否を
判定していたという証言を得た女性新聞記者の
檜葉。
裏取りを進める彼女が数ある取材対象者の中から
絞り込んだのは、同大学の女性理事である神林。
檜葉は神林から証言を得ようと接触をするが…。
男性優位の社会で、別々の場所で苦労を重ねた
二人が目指すものは同じなれど、立場の違い
から攻守入れ替わりつつ重ねる舌戦が見所
でした。
ハラスメント防止が認知されて久しいですが、
未だに旧態依然で組織に蔓延っている実態を
思い知らされると共に、「ならばどうするか」を
考えさせられます。
また、登場人物達も俯瞰してみ -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ続巻を読むのが久々でも世界にスッと引き込まれる機龍警察。4作目も面白かったです。
チェチェンから女性だけのテロリスト集団が国内へ侵入し、各地で自爆テロを起こしていく…それは警察組織と政界を巻き込んだ大事件に。
機龍兵搭乗者3人が描かれてきたあとで、今作の中心は由起谷主任と城木理事官でした。2人とももの凄かった…特に、温厚だと言われてた由起谷さんの〈白鬼〉、凄絶でした。
でもそれがテロリストのカティアと呼応して。。ラストのお手紙、わたしも涙腺が…
いつも事態から距離を置いて眺められてる気がしていた姿警部が、過去の戦闘を思い出して動揺していたのが印象的でした。
見せないだけで、心の傷が消 -
Posted by ブクログ
ちょっとというかかなり衝撃を受けた。
不正入試問題を題材にしているけどそれにも増して差別(特に女性差別)に対する内容が凄かったし、これでもかと描写していて興味深かった。
中盤くらいまで読み終えて、これいつの時代の話なのって思ってしまうほどの女性差別。
個人的には組織に属した仕事をしているわけではないので普段そういったことを感じることが少ないのはある意味恵まれていると考えて良いのか、それとも無知として恥じるべきなのか。
SDGsやコンプライアンスなどを声高に叫んでいる大企業なんかの方がむしろ蔓延っているのではと邪推してしまうところもあったりして結構考えさせられた。
檜葉と神林のやり取りはまさに -
Posted by ブクログ
ネタバレ医大の裏口入学を追っていた新聞記者の檜葉菊乃は女性への差別不正入試というネタを拾う。しかし、証拠は何もない。誰か証言してもらえる人は?菊乃は異色の理事、神林晴海に目をつける。同じ女性差別という社会の闇と戦い続けてきた2人の女性の対決を描く。菊乃は医大を目指す娘のために何としても、この不正を暴きたいと願う。
医大と新聞社、どちらも男社会。その中でのしあがるのは並大抵ではない。お互いの戦いに思いを馳せる2人の独白は、今もガラスの天井に苦しむ女性たちの胸につきささる。どうしてその場で嫌だと言えなかったんだろう、どうして迎合したり忖度したりしてしまったんだろう。何度も登場する言葉は多分、働く人には誰に -
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児童養護施設で育った元不良の翔太は先輩の誘いで「カタラ」という会員制バーの従業員になる。
ここは言葉巧みに女性を騙し惚れさせ、金を使わせて借金まみれにしたのち、風俗に落とすことが目的の半グレが経営する店だった。
〈マニュアル〉に沿って女たちを騙していく翔太に有名私大に通いながら〈学び〉のためにカタラで働く海斗が声をかける。
「俺たち一緒にやらないか……」。二人の若者を通した日本社会の歪み、そして「本当の悪とは」を描く社会派小説。
初読みの作家さんの作品!
なかなか面白かった
終始、腹立たしさでいっぱいな気持ちで読んでいました
この本の中に出てくる広告代理店最大手『アドルーラー』って ま