月村了衛のレビュー一覧

  • 機龍警察 狼眼殺手

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    一冊でも分厚いのを五冊も読むと結構頭も身体も疲れる。しかも〈敵〉がいて暗殺者がいて詐欺師と裏切者まで出てくるねんから、そりゃ疲れるわ。奮闘する特捜部メンバーが打ち上げで一杯やってる場面はいつか読めるのだろうか。

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    2024年12月03日
  • 半暮刻

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    自分には自分の社会経験しかないからなのか、物語を書きたすぎて登場人物の内面や言動が追いついておらず、出来事とその対応が乖離している部分がいくつか(翔太と由紀の会話部分に多く)感じた。数ヶ所、呼び方や語調に違和感を抱いたが、描きたいものに向かって突き進んだことと、その飛躍度合いやスケールの大きな作品だった。

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    2024年11月26日
  • 対決

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    裏口入学のスキャンダルに揺れる私立医大で、
    以前から女性受験者の得点を一律下げて合否を
    判定していたという証言を得た女性新聞記者の
    檜葉。
    裏取りを進める彼女が数ある取材対象者の中から
    絞り込んだのは、同大学の女性理事である神林。
    檜葉は神林から証言を得ようと接触をするが…。

    男性優位の社会で、別々の場所で苦労を重ねた
    二人が目指すものは同じなれど、立場の違い
    から攻守入れ替わりつつ重ねる舌戦が見所
    でした。

    ハラスメント防止が認知されて久しいですが、
    未だに旧態依然で組織に蔓延っている実態を
    思い知らされると共に、「ならばどうするか」を
    考えさせられます。

    また、登場人物達も俯瞰してみ

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    2024年11月23日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    ネタバレ

    シリーズ続巻を読むのが久々でも世界にスッと引き込まれる機龍警察。4作目も面白かったです。
    チェチェンから女性だけのテロリスト集団が国内へ侵入し、各地で自爆テロを起こしていく…それは警察組織と政界を巻き込んだ大事件に。
    機龍兵搭乗者3人が描かれてきたあとで、今作の中心は由起谷主任と城木理事官でした。2人とももの凄かった…特に、温厚だと言われてた由起谷さんの〈白鬼〉、凄絶でした。
    でもそれがテロリストのカティアと呼応して。。ラストのお手紙、わたしも涙腺が…

    いつも事態から距離を置いて眺められてる気がしていた姿警部が、過去の戦闘を思い出して動揺していたのが印象的でした。
    見せないだけで、心の傷が消

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    2024年11月20日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    これまでのシリーズの中で最も人間性が苦しいほど感じられる作品だと思う。チェチェンだけでなく、ウイグルやアフリカ諸国でも我々が知らない悲惨な出来事が起こっているということを想像させる哀しくて、そして心に残る作品でした。

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    2024年11月12日
  • 機龍警察 白骨街道

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    日本とミャンマーを舞台に進行するシリーズ最新刊。結末にはモヤモヤが残るが凄い小説。
    新キャラの登場もあり次作が待たれる。

    好き嫌いはあるだろうが、もっともっと読まれて欲しいシリーズ。

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    2024年11月09日
  • 対決

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    ちょっとというかかなり衝撃を受けた。
    不正入試問題を題材にしているけどそれにも増して差別(特に女性差別)に対する内容が凄かったし、これでもかと描写していて興味深かった。
    中盤くらいまで読み終えて、これいつの時代の話なのって思ってしまうほどの女性差別。
    個人的には組織に属した仕事をしているわけではないので普段そういったことを感じることが少ないのはある意味恵まれていると考えて良いのか、それとも無知として恥じるべきなのか。
    SDGsやコンプライアンスなどを声高に叫んでいる大企業なんかの方がむしろ蔓延っているのではと邪推してしまうところもあったりして結構考えさせられた。

    檜葉と神林のやり取りはまさに

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    2024年10月25日
  • 対決

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    ネタバレ

    医大の裏口入学を追っていた新聞記者の檜葉菊乃は女性への差別不正入試というネタを拾う。しかし、証拠は何もない。誰か証言してもらえる人は?菊乃は異色の理事、神林晴海に目をつける。同じ女性差別という社会の闇と戦い続けてきた2人の女性の対決を描く。菊乃は医大を目指す娘のために何としても、この不正を暴きたいと願う。
    医大と新聞社、どちらも男社会。その中でのしあがるのは並大抵ではない。お互いの戦いに思いを馳せる2人の独白は、今もガラスの天井に苦しむ女性たちの胸につきささる。どうしてその場で嫌だと言えなかったんだろう、どうして迎合したり忖度したりしてしまったんだろう。何度も登場する言葉は多分、働く人には誰に

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    2024年10月19日
  • 半暮刻

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    初めての作家さん。
    「読書メーター1位」の帯に釣られて読み始めると、連続ドラマを観てるみたいに続きが気になってあっという間の一気読みでした



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    2024年10月17日
  • 半暮刻

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    海斗の言うことも少しわかる気がすると思ったとたんに恐ろしくなった。
    色々と示唆の多い考えさせられる内容だった

    ふと、遠野遥さんの「教育」の主人公と海斗が似ているなぁと思った。
    そういう世の中になっているのだと感じて、さらに恐ろしくなった。

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    2024年10月17日
  • 機龍警察 暗黒市場

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    ロシアの底深い欲望の闇と社会主義が崩壊した後にも残る深い傷を感じる作品。ユーリの苦衷が警察官の誇りで昇華出来るように。こんな近未来が来ないことを祈る。

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    2024年10月10日
  • 半暮刻

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    辛い家庭環境で施設で育った少年と、お金持ちの家に生まれて、何一つ不自由なく育った少年。
    翔太の罪は実体があったが、海斗のばつは実体なき罰。
    果たして海斗は罰を受けたのか?
    損か得かで言うと、翔太は損をして海斗は得をしている。でも得をして生きていくことは幸せなのか?
    オリンピックでの電通と政治家などの不正疑惑と重なるところが多々あった。

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    2024年10月07日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    日本に潜入した海外のテロ組織との戦い、
    壮絶な自爆テロ
    テロリストのリーダーと日本に繋がりが!
    テキの存在の一端が!
    ほんとに面白い。
    新宿鮫が好きな人は、ハマると思う。

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    2024年10月04日
  • 半暮刻

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    翔太と海斗。二人は同じ罪を犯した。なのにその後の人生は大きく違っていく。逮捕され出所後も職探しに苦労する翔太。一方万事うまく切り抜けエリートコースの海斗。そんな違いもあるが何よりも「罪の意識」「人間としての心根」の部分が違い過ぎて絶句。ここまで海斗が酷い人間とは。そして汚職・利権・反社・隠蔽と闇すぎる内容ながらも、実際の世相を振り返ると思い当たることが多く失望に打ちのめされる。後半の怒涛の展開に比べて、前半のホストの罪の描写にノワール感が薄かったのが気になったが総じてリーダビリティは高く一気読み。

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    2024年09月22日
  • 欺す衆生(新潮文庫)

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    豊田商事をモチーフにした事件から始まり、その残党による壮大な詐欺物語が展開されてゆく。
    主人公が詐欺師だけにやってることは全て悪なんだけど、当時の反省からお年寄りの虎の子の財産を騙し取ることだけはせず、手を変え品を変え欲に目が眩んだ金持ちや企業をターゲットにしているところが唯一の救いかな。
    幾ら最初は慎重でも事が上手くいく度にどんどん感覚が麻痺してさいごは自滅するという教訓で救われるものの、どうせなら最も気味悪い聡美の始末を最後まで描いてくれても良かったのに。

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    2024年09月15日
  • 東京輪舞

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    とても面白く 心打たれる小説 、主人公が特別 優れてる人間でないのも一つの魅力であり 出会う相手がまたそれぞれに個性のある人ばかり 特に ロシアの女スパイ とのやり取りはとても楽しく 、主人公の誠実さにほっこりさせられる、最後の出会いは思わず息を飲む

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    2024年09月10日
  • 半暮刻

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    難しい事は分かりませんが、あらゆる社会問題を凝縮したような話でした。対照的な2人の話からなるので、飽きずに一気に読めました。
    リアル社会でもあり得そうでした。
    2人の今後も気になります。

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    2024年08月24日
  • 対決

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    社会問題になった事件、考えさせられることが多く、唸りながら読ませてもらった。
    今の時代制限が多く生きづらくなった・・・、
    と、嘆く一方で、
    差別や蔑視などの旧態依然の体質にも呆れてしまう。
    今作は、ドラマ化しそうな予感あり。

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    2024年08月24日
  • 対決

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    差別と区別はたいてい明確で、今作では実際あった社会問題を双方の視点からほこたての要領で攻防させ、人物像含めとても読み応えのある作品として受け取った。しかしながらグラデーション的にいくつも議題が提供されており、線引きは難しいが結局は当人同士の関係性でしかない上にコミュニケーション不足に起因することが主じゃないかと。個々人の関係を他人が論じるのは是非もなし。ただ現代人がどんどん声が大きくなるの、ちょっとしんどいとは思ってます。

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    2024年08月22日
  • 半暮刻

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    児童養護施設で育った元不良の翔太は先輩の誘いで「カタラ」という会員制バーの従業員になる。
    ここは言葉巧みに女性を騙し惚れさせ、金を使わせて借金まみれにしたのち、風俗に落とすことが目的の半グレが経営する店だった。
    〈マニュアル〉に沿って女たちを騙していく翔太に有名私大に通いながら〈学び〉のためにカタラで働く海斗が声をかける。
    「俺たち一緒にやらないか……」。二人の若者を通した日本社会の歪み、そして「本当の悪とは」を描く社会派小説。




    初読みの作家さんの作品!
    なかなか面白かった
    終始、腹立たしさでいっぱいな気持ちで読んでいました
    この本の中に出てくる広告代理店最大手『アドルーラー』って ま

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    2024年08月21日